そんなに嫌いなら、私は消えることを選びます。

「お前はいつものろまで、クズで、私の引き立て役なのよ、お姉様」

 私を蔑む視線を向けて、双子の妹がそう言った。

「本当、お前と違ってジュリーは賢くて、裁縫も刺繍も天才的だよ」

 愛しそうな表情を浮かべて、妹を抱きしめるお父様。

「――あなたは、この家に要らないのよ」

 扇子で私の頬を叩くお母様。

 ……そんなに私のことが嫌いなら、消えることを選びます。
 
 消えた先で、私は『愛』を知ることが出来た。
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