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32話
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「アクセサリー店舗以外にもどこ行きたいところはあるのかな?」
靴買いたいけど、言ってみてもいいかな。
ギルバートが何か他に欲しいものがあるか聞いてきたのなら、言ってもいいよね。
「あの、新しい靴が欲しいです。」
靴屋に寄ってもいいかな?
「お兄様が迷惑でしたら大丈夫なのですが、」
私はギルバートの気分を害さないように後付けした。
「いや、迷惑じゃないよ言ってくれて嬉しいな。」
ギルバートが快く承諾してくれた。
何を考えているか全く分からないけど、基本的には優しい?人物なのかな。我田引水な人物だけど、実際はどうなのかな。何となくミステリアスな雰囲気を醸し出している感じ。でも、敵にしたら1番怖いタイプだ。
「もう、着いたね。」
ふと、窓の外を見たら人で賑わっていた。
久しぶりに沢山の人を見たな。
馬車が止められるような広いスペースへ止め、馬車から降りた。
もちろん、行き同様にギルバートが手を差し伸べてくれた。
貴族の方も訪れる街だからだろうか、建物は豪華で綺麗な建物が多く造設されている。街には貴族までともいかないような、裕福な家系であろう人々が楽しそうに街中を歩いていた。皆の表情は、楽しそうで笑顔が溢れていた。リオス帝国が平和なのが感じられる。
「じゃあ行こうか。」
「はい。」
アクセサリー店に向かう途中、ギルバートがこの機会に街を色々と案内してくれるそうだ。
何かあった時に、道は覚えていた方がいいものね。この機会にしっかりと覚えておこう。
「スタスタスタ」
「タッタッタッタッ」
ギルバートってやっぱり足が長いから歩くの速い。少し小走りしないとついていけない。サイズの合ってない靴だから、余計に靴擦れを起こして足が痛いな。
『コツっ』
「わっ!」
その途端、ティアナが小石に躓き、転びそうになった。
あやばい、転ぶ。
ティアナは転ぶと思いぎゅっと目を瞑った。
『ふわっ』
「おっと、お嬢様大丈夫ですか。」
ルクシオンが抱えてくれた。
「ギルバート様、ティアナお嬢様はまだ幼いですし足腰がまだ弱いので歩調を合わせてください。ギルバート様は歩くのが速すぎます。」
ルクシオンがギルバートに配慮するように窘めた。
足腰が弱いって産まれたての赤ちゃんみたいなこと言うじゃん。ルクシオンには私がどんな風に見えているのか。
「ごめんティアナ全く配慮足りていなかったよね。」
ギルバートが私に向かって反省の意を表した。連れてきてくれたギルバートに私が合わせるのが普通だと思う。
「いえ。このままでも全然大丈夫です。」
やっぱり、ギルバートとルクシオンは本音を言い合える仲なんだろうな。
「靴屋の方が近くにあるから先に靴を買いに行こう。」
私としても、そちらの方がありがたい。
街を歩くとなると、公爵邸にいた時よりも歩く距離が長く、地面と硬いから靴擦れして足が痛い。
「私も、先に靴を見に行きたいです。」
ギルバートが両手を差し出してきた。
え?何どういうこと?
すると、私を抱きかかえていたルクシオンが私を渡し、歩き出したのだ。
「え、え。自分で歩けますので、下ろしてください。」
私は慌てて主張した。
「危ないから、このままでいいよ。」
ギルバートは自分の意思を譲らなかった。
ギルバートが、ルクシオンと目を合わせ頷いた。
何か合図でもしたのかな。目配せしているように見えたけど。
「お嬢様、この辺りに用事を思い出したので少し外しますね。」
そう言うと、ルクシオンは走ってどこかに行ってしまった。
でも、このまま移動してくれるのありがたいな。どうして抱きかかえてくれるのか、少し前だったら絶対にこんなことしなかったよね。
でも、ギルバートに抱っこされるくらいならルクシオンがいいよ。運ばれてる身だからとやかく言えないけど、あんまり話したことがなかったから凄く気まずいし。息がつまる。
ルクシオン早く帰ってくるといいな。
しばらく移動していると、目的地の靴屋に到着した。
「ティアナ着いたよ。」
「わぁ、ここが靴屋さんですか!キラキラしていてとっても綺麗です!」
宣伝目的のために置いてあるだろう、外から見えるようになっている、ガラス張りのショーウィンドウの中には、品の数々が並べられており様々な色や形の靴があってとても豪華だ。
お店に入ろうとした時、ルクシオンが帰ってきた。
「ただいま戻りました。」
「おかえり。ルクシオン、用事済ませてきたの?」
「はい。お嬢様が、待っていて下さったので無事に取りに行くことが出来ました。」
私、別に待ってなかったけどね。ギルバートが運んでくれたし。
「いらっしゃいませ。まぁ!ギルバート卿。本日はどのような靴をご所望ですか。」
オーナーらしき人が出迎えてくれた。
ギルバートはよくここにくるのだろうか。
「僕の妹、ティアナの靴を買いに来た。何かおすすめの物はあるかな。」
「はい、かしこまりました。初めまして、私はここのオーナーをやっております。」
「よろしく。」とティアナも簡潔に挨拶した。
「最近、入荷したピンクの可愛らしい靴がございますよ。ただいまお持ちいたしますね。」
「ああ。それと、この子に合うような靴を何種類か持ってきてくれ。」
「かしこまりました。」
すると周りの従業員らしき人達がなにやら、ザワザワし始めた。
『ティアナって公爵家の出来損ないでみんなから除け者にされてる事って聞いたんだけど。』
『私もそれ思った。ひとつ上のエリー様に暴力も振るったこともあるんですってね。なんでここにいるんだか。』
こちらにまで、聞こえている声だ。
「さぁ!皆、お客様よ仕事に戻ってちょうだい。」
手をパンッと叩き、切り替えるように促した。そして、オーナーは従業員達に睨みをきかせた。
従業員もハッとしたように急いで仕事に戻って行った。
「申し訳ございません。後で言って聞かせますので。」
「そうだね。従業員の指導はちゃんとした方がいい。次から、このようなことがないように頼むよ。」
「ティアナ、大丈夫?」
「はい。気にしてませんので。」
このようなことを、聞くことは最近はあまり無くなったが、前の使用人達がひそひそといつも私に聞こえるように言ってたから、大抵の事はもう慣れた。
「そっか…。」
ギルバートは何やら悲しい顔をし、抱き抱えている手が少し強くなった気がした。
「用意してまいりますので、こちらの部屋にご移動お願い致します。」
靴買いたいけど、言ってみてもいいかな。
ギルバートが何か他に欲しいものがあるか聞いてきたのなら、言ってもいいよね。
「あの、新しい靴が欲しいです。」
靴屋に寄ってもいいかな?
「お兄様が迷惑でしたら大丈夫なのですが、」
私はギルバートの気分を害さないように後付けした。
「いや、迷惑じゃないよ言ってくれて嬉しいな。」
ギルバートが快く承諾してくれた。
何を考えているか全く分からないけど、基本的には優しい?人物なのかな。我田引水な人物だけど、実際はどうなのかな。何となくミステリアスな雰囲気を醸し出している感じ。でも、敵にしたら1番怖いタイプだ。
「もう、着いたね。」
ふと、窓の外を見たら人で賑わっていた。
久しぶりに沢山の人を見たな。
馬車が止められるような広いスペースへ止め、馬車から降りた。
もちろん、行き同様にギルバートが手を差し伸べてくれた。
貴族の方も訪れる街だからだろうか、建物は豪華で綺麗な建物が多く造設されている。街には貴族までともいかないような、裕福な家系であろう人々が楽しそうに街中を歩いていた。皆の表情は、楽しそうで笑顔が溢れていた。リオス帝国が平和なのが感じられる。
「じゃあ行こうか。」
「はい。」
アクセサリー店に向かう途中、ギルバートがこの機会に街を色々と案内してくれるそうだ。
何かあった時に、道は覚えていた方がいいものね。この機会にしっかりと覚えておこう。
「スタスタスタ」
「タッタッタッタッ」
ギルバートってやっぱり足が長いから歩くの速い。少し小走りしないとついていけない。サイズの合ってない靴だから、余計に靴擦れを起こして足が痛いな。
『コツっ』
「わっ!」
その途端、ティアナが小石に躓き、転びそうになった。
あやばい、転ぶ。
ティアナは転ぶと思いぎゅっと目を瞑った。
『ふわっ』
「おっと、お嬢様大丈夫ですか。」
ルクシオンが抱えてくれた。
「ギルバート様、ティアナお嬢様はまだ幼いですし足腰がまだ弱いので歩調を合わせてください。ギルバート様は歩くのが速すぎます。」
ルクシオンがギルバートに配慮するように窘めた。
足腰が弱いって産まれたての赤ちゃんみたいなこと言うじゃん。ルクシオンには私がどんな風に見えているのか。
「ごめんティアナ全く配慮足りていなかったよね。」
ギルバートが私に向かって反省の意を表した。連れてきてくれたギルバートに私が合わせるのが普通だと思う。
「いえ。このままでも全然大丈夫です。」
やっぱり、ギルバートとルクシオンは本音を言い合える仲なんだろうな。
「靴屋の方が近くにあるから先に靴を買いに行こう。」
私としても、そちらの方がありがたい。
街を歩くとなると、公爵邸にいた時よりも歩く距離が長く、地面と硬いから靴擦れして足が痛い。
「私も、先に靴を見に行きたいです。」
ギルバートが両手を差し出してきた。
え?何どういうこと?
すると、私を抱きかかえていたルクシオンが私を渡し、歩き出したのだ。
「え、え。自分で歩けますので、下ろしてください。」
私は慌てて主張した。
「危ないから、このままでいいよ。」
ギルバートは自分の意思を譲らなかった。
ギルバートが、ルクシオンと目を合わせ頷いた。
何か合図でもしたのかな。目配せしているように見えたけど。
「お嬢様、この辺りに用事を思い出したので少し外しますね。」
そう言うと、ルクシオンは走ってどこかに行ってしまった。
でも、このまま移動してくれるのありがたいな。どうして抱きかかえてくれるのか、少し前だったら絶対にこんなことしなかったよね。
でも、ギルバートに抱っこされるくらいならルクシオンがいいよ。運ばれてる身だからとやかく言えないけど、あんまり話したことがなかったから凄く気まずいし。息がつまる。
ルクシオン早く帰ってくるといいな。
しばらく移動していると、目的地の靴屋に到着した。
「ティアナ着いたよ。」
「わぁ、ここが靴屋さんですか!キラキラしていてとっても綺麗です!」
宣伝目的のために置いてあるだろう、外から見えるようになっている、ガラス張りのショーウィンドウの中には、品の数々が並べられており様々な色や形の靴があってとても豪華だ。
お店に入ろうとした時、ルクシオンが帰ってきた。
「ただいま戻りました。」
「おかえり。ルクシオン、用事済ませてきたの?」
「はい。お嬢様が、待っていて下さったので無事に取りに行くことが出来ました。」
私、別に待ってなかったけどね。ギルバートが運んでくれたし。
「いらっしゃいませ。まぁ!ギルバート卿。本日はどのような靴をご所望ですか。」
オーナーらしき人が出迎えてくれた。
ギルバートはよくここにくるのだろうか。
「僕の妹、ティアナの靴を買いに来た。何かおすすめの物はあるかな。」
「はい、かしこまりました。初めまして、私はここのオーナーをやっております。」
「よろしく。」とティアナも簡潔に挨拶した。
「最近、入荷したピンクの可愛らしい靴がございますよ。ただいまお持ちいたしますね。」
「ああ。それと、この子に合うような靴を何種類か持ってきてくれ。」
「かしこまりました。」
すると周りの従業員らしき人達がなにやら、ザワザワし始めた。
『ティアナって公爵家の出来損ないでみんなから除け者にされてる事って聞いたんだけど。』
『私もそれ思った。ひとつ上のエリー様に暴力も振るったこともあるんですってね。なんでここにいるんだか。』
こちらにまで、聞こえている声だ。
「さぁ!皆、お客様よ仕事に戻ってちょうだい。」
手をパンッと叩き、切り替えるように促した。そして、オーナーは従業員達に睨みをきかせた。
従業員もハッとしたように急いで仕事に戻って行った。
「申し訳ございません。後で言って聞かせますので。」
「そうだね。従業員の指導はちゃんとした方がいい。次から、このようなことがないように頼むよ。」
「ティアナ、大丈夫?」
「はい。気にしてませんので。」
このようなことを、聞くことは最近はあまり無くなったが、前の使用人達がひそひそといつも私に聞こえるように言ってたから、大抵の事はもう慣れた。
「そっか…。」
ギルバートは何やら悲しい顔をし、抱き抱えている手が少し強くなった気がした。
「用意してまいりますので、こちらの部屋にご移動お願い致します。」
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