公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

谷 優

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53話

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    ティアナと三人は隣の部屋に移った。

   「うわっ。この量凄っ。」

たくさんの贈り物が山のように積み重なっていた。

   「御説明させていただきます。先ず、こちらのスペースが、ギルバート様そして、こちらがリアム様からの物でございます。」

こんなに、2人からの贈り物があるの?
さすがに、量が凄すぎる。

ティアナは目の前の積み重なっている物に圧倒した。

   「そして、こちらは本日出席される方々から贈られてきたものでございます。」

このプレゼントを見ると、やはり一人一つ贈ったという事をかんがえると、出席される人は相当多いはずだ。

   「ヴァイスを呼んできて。」

   『かしこまりました。』
 
   「ヴァイスに今日の顔つきの出席名簿、人柄が分かるものを持ってくるように伝えて。」

   「はい。直ちに連れてまいります。」

プレゼントと顔を一致させたい。
それと、危険人物の把握もしたい。


少し経ったあと、分厚いファイルを持ったヴァイスが現れた。

   「こちらが、主席名簿と人柄をリストアップしたものでございます。」

    「ありがとう。先に聞いておきたいのだけど、気をつけておいた方がいい貴族とかはいる?」

ヴァイスは少し悩んだ後人払いを行い、ティアナとヴァイスの二人だけの空間になった後に聞かせてくれた。

    「これは、私の一人言だと思って聞いてください。」

   「分かったわ。」

すると、ヴァイスは真剣な面持ちで話し始めた。

   「まず、本日は皇族の方々もいらっしゃいます。」

   「え、皇族!?」

もしかしたら、原作よりも早くお姉様とフェリド殿下が会う可能性がある。

二人の出会いを見られるのは、嬉しいがもし、万が一にでも今後のストーリーに支障がきたすのであれば二人を合わせない方がいいが、それは無理なのだろう。

   「皇族がなぜ、私の記念パーティに来るの?」

   「お嬢様もご存知の通り、アステール家は貴族派、皇族派にも属さず中立な立場であるのです。ですが、最近では貴族派の動きが怪しく、勢力が増している様なのです。」

この国は、以前まで戦争が続いていた。
その戦争に駆り出されたのは武力のある貴族がほとんどだ。

下々からは、陛下が何もしていないこのように捉えられたのだろう。

だが、実際には違う。
陛下自ら、戦地に向かわずとも各国に赴き同盟を結び情報戦を行っていたのだ。

武力を持たずとも、知力で補っていた。
だが、戦地に向かった貴族派の考えは違うのだろう。

言わば、【   知力   VS   武力   】なのだ。

国に多大なる貢献をした貴族派を無下にすることは出来ず、11年前には貴族派である帝国屈指の魔法を誇るクラリス公爵家から皇妃が選ばれた。

クラリス公爵家からはフレア・クラリスが皇妃に選ばれたのであった。
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