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あの男には気を付けろ
しおりを挟む隼人と星を見に行った日から1週間と少しが経った。
今、時刻は19時頃。
仕事を終えて、職場から駅までの道のりを歩いていた。
「ふぅ……疲れた」
3月の卒園式に向けて、今は準備が忙しくなっている。
出し物の準備と、お別れの色紙。それから、お別れ会で引くピアノの練習もしないとなぁ……。
するとスマホに隼人から連絡が入っていた。
【今日は前も言ってたみたいに夜勤だから、戸締りして温かくして寝てね?】
そういえば、夜勤って前に言ってたな……。
じゃあ今日は一人か。
帰る家が急につまらなくなる。
一人なら、夕食はコンビニで買って適当に済ませよう……。
って、そう考えるから一向に料理が上手くならないんだよね。
たまには作ったりしたいけど、もう体力が限界だ。
また時間がある時に料理は作ろう。
そんなことを考えながら歩いていると、前を歩いている男性がポケットから何か紙のようなものを落とした。
「あっ」
私は慌ててそれを拾うと、声をかけた。
「あ、あの……落としましたよ」
「えっ、ああ……!ありがとうございます!」
その男性に紙を差し出し、顔を見た時。
「えっ!」
その男性は見覚えのある人だった。
「卓也……!」
私が声をあげると、驚いた顔をする彼。
「もしかして、美羽……?」
「そうそう!」
「うわ、久しぶりだなぁ~!」
彼は、大学のサークルが同じだった三島卓也。
ムードメーカー的存在で、友達も多くみんなをまとめるサークルのリーダーだった。
誰にでも気さくで、私もよく遊びに誘ってもらったり、相談を聞いてもらったりして話す機会が多かったけど、大学を卒業したらぱったり連絡をとらなくなってしまった。
でも私のこと、覚えててくれて嬉しいな。
「卒業ぶりだから7年ぶりくらい?」
「そうだね」
「よく気づいたな」
「気づくよ~!だって卓也全然変わってないもん」
「そういう美羽も変わってないけどな」
卓也は話しながら、なぜかキョロキョロと辺りを気にしている。
「仕事終わり?」
「うん」
「卓也も?」
「そう」
「今卓也って何してるの?」
「あー……えっと」
そこまで言って、卓也は気まずそうな顔をする。
「あいついないよな?」
「あいつ?」
「ほら、隼人だよ、遠山隼人。よく一緒にいたろ?」
「隼人ならいないけど……」
なんで急に隼人の話をするんだろう。
私と幼馴染だからセットで思い出したのかな?
私が答えると卓也は安心した表情で歩き出した。
「今は、食品メーカーの営業してるんだ。ちょうどそこの会社と取引してて、今日は直帰」
「そうだったんだ、お疲れ様」
あれ、でも確か卓也って昔、食品メーカーじゃなくて、友達の知り合いの不動産会社に勤めるって言ってなかったっけ?
「不動産は、転職したの?」
私が聞くと、卓也は顔色を変えた。
「あー……覚えてたのか。そうだな。いや、やめたつーか。働かなかったんだ」
「えっ」
「まっ、方向転換したくて卒業と同時に1年くらい就活してたんだよ」
「そうだったんだ……」
そんなこと知らなかった。
てっきりみんな仕事で忙しいんだとばかり……。
みんな色々あるんだなぁ。
「美羽は保育士って聞いたけど、続いてんの?」
「うん、この会社の近くにある保育園で働いてるんだ」
「え、森山保育園?」
「そうそう!よく知ってるね!」
「この近くはもう地図頭に入ってるから。俺もそこの交差点のビルの中で働いてる。つーかそんな近くで働いてたのか、すげぇな」
「全然合わなかったね」
最初こそ緊張気味だった卓也も話すほど、昔の雰囲気に戻って話せるようになった。
「最近大学時代の人と連絡とってる?」
「あー……」
私の質問に卓也はちょっと気まずそうに目を逸らす。
「まぁ、何人かは……」
「そうなんだ」
卓也は他の子と連絡とってるんだ。
じゃあ、連絡つかなくなったのは、私だけなのかぁ。
「でもみんな忙しそうで、そんな頻繁には会えねぇけどな」
「そうだよね……なんか、みんなとはしゃいでた頃から遠い昔のことみたいだなぁ」
「まっ、それが時が経つってことだよな。気軽に遊べてたのが、みんなそれぞれ家庭を持ったり、忙しくなったりさ」
それもそうか。
サークルに集まるメンバーはみんなそれぞれ違う進路に進んでいる。
休みが合うことも少ないだろうし、そもそも卒業してからも遊ぼうってなる方が新鮮なのかも……。
「つーか、美羽。SNSとかやってないわけ?」
「あー……隼人に難しいし、大変だからしない方がいいって言われて。私もそんなに興味なくてずっとやってないんだ」
「まだアイツのそんな話聞いてんのかよ。はじめて見れば、みんなと繋がれんじゃねーの?」
それはそうだけど……けっきょく隼人にやり方教えてもらうことになるだろうし……。
「卓也は?もうお子さんとかいたりして?」
私がそう尋ねると、卓也はさらりと言った。
「出来ねえよ。今の職場、男ばっかだし……仕事忙しくて遊んでる暇もなかったしな」
「そうなんだ」
卓也こそいいパパになりそうなのに。
「そういう美羽は?いい人いるのかよ」
うう“……。
「そ、それは聞かないで」
私がそう伝えると、卓也は声を出して笑った。
「美羽、学生の時と変わんねぇな」
「そうかな」
なんか成長してないって言われてるみたいで複雑な気持ち。
ふたりで歩いていると、もう駅前についてしまった。
「でもまぁ、久しぶりに卓也に会えて、元気そうで安心した!」
「俺も。話せてよかった」
ここで別れようと思っていた時、卓也は再び辺りを見渡すなり言った。
「なぁ」
「ん?」
「本当にあいつはいないんだよな?」
「あいつって隼人?」
「うん」
そんなに隼人に会いたいのかな?
隼人もサークルの人とはほとんど連絡とってないって言ってたし……。
「いないけど……」
「だよな。さすがにそうだよな」
卓也はほっとした表情を見せた後、私を誘った。
「じゃあ飯でも食ってかね?久しぶりにつもる話もあるしさ……」
どうせ家に帰ってからも一人だし……。
「いいね!行こう」
私たちは適当にお店を探して入ることにした。
入ったのは、小綺麗な焼き鳥屋。
店内はにぎわっていて、大人になった卓也と向かい合って食事をするなんてちょっと不思議な気持ちになった。
今では二人とも社会人。
大学生の時なんか週1で飲みに行ってバカなことで笑ってはしゃいでたなぁ。
隼人も飲み会とかあんまり好きじゃないのに、サークルのメンバーとはよく行ったんだよね。
二人でお酒を飲みながら、ひとしきり思い出話に花を咲かせる。
その後、卓也は聞いてきた。
「それで美羽は、今いい感じの相手もいないの?」
「なんかね……なかなか出来なくて」
「そうなのか。お前……なんかあか抜けてさらに可愛くなったのにな」
「本当に!?」
合コンでフラれるたび、私って子どもぽいままなのかな?とかちょっとダサかったりするのかな?とか気にしてた。
でも卓也から見て大学生の時よりも成長してるってことだよね!
「でも安心したよ。普通の生活送ってそうでさ。今でも隼人と付き合いあるのかと思ってたからさ」
今でも付き合い……?
あるけど……。なんなら一緒に暮らしてるし。
「美羽が離れられたんならよかっ……」
「離れられたっていうか、隼人とは今一緒に暮らしてるけど」
「はぁ!?」
私が答えると、卓也はビックリして声をあげた。
まぁ急に一緒に暮らしてるなんて言ったら驚くか。
「違うんだよ!付き合ってるとかじゃ全くなくて、色々ハプニングが積み重なって一人暮らしが出来なくなっちゃったの。それで、隼人が俺の家に来ればって言ってくれて……本当にただそれだけだから」
私の言葉に卓也はさぁっと顔を青くした。
「お前……それヤバいだろ」
「いやいや、本当だって。私が隼人の家に住まわせてもらってるだけだよ」
すると卓也はカバンを持ってすくっと立ち上がった。
「悪い、俺帰るわ」
「えっ、どうして急に……」
「ここ出すから。俺とあったこと絶対に隼人に言うなよ」
「待ってよ、なんで突然?」
「悪いことは言わない。お前……あいつには気を付けろ。早く縁を切った方がいい」
縁を切る?
どうしてそんなこと言うの……?
「隼人と卓也、昔は仲良かったじゃん。何かあったの?」
「俺の口からは言えない。でもお前がずーっと気づいてないで隼人と一緒にいることがヤバいんだって」
「どういうこと……?」
しかしこれ以上卓也は話してくれなかった。
「それから、連絡してこないでくれ。美羽に会えて良かったと思ってる。元気でな」
卓也は私がどんなに止めても、お金を全額置いてこの場から去っていってしまった。
元気でなって……どうして急に帰っちゃうの?
自分が何かしてしまったのか考えてみても思いつかない。
隼人の話ししだしたら急に、卓也帰るっていった。
ふたりの間に何か確執でもあるの?
私はモヤモヤしたまま、頼んだものを一人で食べた。
卓也、かなり多めにお金を置いてってる。
「こんなにもらえないって……」
私はお会計をすると、帰宅した。
帰り道、電車に乗りながら考える。
「はぁ……卓也のあの反応……」
さあっと青ざめていって普通の反応じゃなかったよね。
卓也と隼人は大学時代、仲が良かったはずなのに何があったんだろう。
思い出したくないこととかあるのかな。
翌日。
土曜日の今日。
仕事が休みのため、私は朝のご飯の準備をしていた。
コーヒーにパンを焼いて……。
そんなことをしていると隼人が夜勤を終えて帰宅した。
「おかえり~!」
「ただいま」
私が出迎えると、隼人は少し疲れた表情をしていた。
「お疲れ様。コーヒーでもいれる?……ってもう寝るか」
「うーん、でも目が冴えちゃって少し飲んでスッキリしたいかな」
「じゃあ入れるね」
隼人は着替えとお風呂を済ませると、リビングのイスに座った。
夜勤開けの隼人は家に帰り、お風呂に入ると大抵はコーヒーを飲んで、テレビを見てゆっくりとした時間を過ごす。
こうやってゆっくりした時間を過ごすとようやく体のスイッチが切れて眠くなるらしい。
パイロットってすごい集中力が必要だって聞いたことがあるから、仕事終わった直後も気を張ってしまうんだろうな。
「はい、いつものブラックね」
「ありがとう」
私は自分の分と隼人の分のコーヒーをテーブルに置いた。
「お疲れ様。今日はどこに行ったの?」
「今日はアメリカだね。少し休んだらすぐフライトだから、滞在してる暇はなかったけど」
大変そう……。
隼人は国内も国外も行ったりきたりしている。
前は北海道にいって東京にいって、それから沖縄に行ってまた東京に戻ってと、繰り返して一日が終わったとも言ってたっけ。
本当に体力がないと出来ない仕事だ。
コーヒーブレイクをしている隼人に私は昨日のことを伝えた。
「そういえばね、昨日卓也に会ったよ」
私が卓也の名前を出すと、隼人の動きはピタリと止まった。
「それで?」
いつもより低いトーンで聞いてくる隼人。
もしかして結構疲れてる?
「それで一緒にご飯に行ったんだけど……」
「……ご飯……」
隼人は持っていたマグカップをコトっと音を立てておいた。
鋭い眼差しが私に向けられている。
今まで隼人のこんな表情を見たことが無かったから驚いてしまう。
「やっぱり、何かあったの?」
「何かって?」
「その……卓也が、隼人とは縁を切れって……」
「ふぅん、そんなこと言ってたんだ」
隼人は目の前にあったコーヒーに手を付けて飲む。
表情が分からなくて困ってしまった。
あんまり触れてほしくない話だったかな。
でも、あの時の卓也の表情がどうしても不自然で気になってしまったんだ。
「卓也とケンカでもしたの?」
私が不安気に尋ねると、隼人は窓の外を見ながら答えた。
「卓也とは色々あってね」
「色々って?」
私が尋ねると隼人はゆっくりと話し出した。
「実は……大学卒業間際に卓也たちがサプライズで俺の誕生日を祝ってくれるみたいだったんだけど、俺今の会社の人に突然呼ばれて行けなくなっちゃったんだ。それであとからサプライズのパーティだったって知って、本当に申し訳なくてさ……それからちょっと気まずくなっちゃってね」
「そ、そんなこと?」
私は拍子抜けした。
あんな表情するものだから、てっきりふたりの間に深い確執があるんだとばかり思ってた……。
「そうだよ?だから俺のこと、適当な人間だって思ってるんじゃない?だから離れた方がいいなんて言ったんじゃないかな?俺も、あれっきり卓也と連絡するのを控えちゃったし……」
「なぁ~んだ、ビックリした……。そんなことか!大丈夫だよ、卓也はそんなの気にする人じゃないって!」
「…………」
きっと何か隼人との間ですれ違ってるんじゃないかな。
そんな昔のことを根に持つような話題ではないよね。
「そうかなぁ……だといいんだけど。俺は申し訳なくて、あんまり話せないまま卒業しちゃったんだよ」
「私の職場の近くのビルに取引先があるみたいだったよ~!隼人のこと気にしてるっぽかったし、連絡してみたら?」
「そうだね、たまには連絡してみようかな」
良かった……もっと深刻なものがあるんだと思ってた。
きっとお互いに気まずい関係になっちゃって、変に気にしてたんだろうな。
もし、仲直りするきっかけになったらまたみんなで会える日も来るかもしれない。
「じゃあ私が間を取り持って……」
「でもさ、美羽。あんまり俺がいない時に誰かに会って欲しくないな」
「えっ」
「だって何かあったら心配でしょう?」
「何かって?卓也だよ?何もないに決まってるじゃん!」
「どうして決まってるって言い切れるの?」
隼人は淡々と私に問いかけてくる。
いつもよりも追及してくる隼人。
言い切れるのって……大学の友達との間に何かあるわけないのに。
「もしかして隼人……自分が入れてもらえなかったからってヤキモチ焼いてる?」
「えっ」
「だって、なんか拗ねてる人みたい!」
私がそうからかうと、隼人は固まっていた。
「隼人?」
すると彼は小さく言葉を漏らした。
「そりゃぁ……俺だって美羽と飲みに行きたかったのに」
「そっち?私となんていつでも飲みに行けるじゃん」
「最近行ってないし」
口を尖らせて言う隼人。
ちょっとかわいい。
隼人も照れてるんだな。
「じゃあさ、今度はみんなで一緒に会おうね!」
1回卓也と会えたから、少し連絡も取りやすくなると思うし……。
「そうだね。その今度が来たらの話しだけどね」
ボソっと隼人が何かを言う。
「えっ、なにか言った?」
「ううん、なんでもないよ。今度はみんなで一緒に集まれたらいいね」
「うん!」
そんな会話をすると、隼人は「眠くなっちゃった!」と言って自分の寝室に戻っていった。
心配だったけど、なにも無かったみたいで良かった。
卓也にも連絡してみるって言ってたし……ふたりの確執が取れる日が来るかもしれない。
「隼人、今日こそ私が夜ごはん作るから期待しててね。隼人が起きた頃には美味しいごはん並べてるから」
「うん、楽しみにしてるよ」
隼人はそう言って自分の寝室に戻っていった。
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