26 / 31
第26話 生死を賭けた懸垂
しおりを挟む
「ふふ、どう? アレクシス。気合が入ったでしょ?」
レオナの軽やかで楽しげな声が、澄み渡る空へと響いた。
「し、死ぬ! 落ちたら死ぬぅ!」
悲鳴混じりの叫びが、それに続く。
高台から突き出した細い棒。そこに必死でしがみついているのは、王太子アレクシスだった。指が棒を握る力は限界に近い。汗がじっとりと手のひらを濡らし、いつ滑り落ちてもおかしくない。
下を見れば、視界いっぱいに広がる遥かな地面。その高さは尋常ではなかった。
この手を離せば――即、死。
「お前、俺が王太子と知っての狼藉か!?」
アレクシスは必死の形相で叫んだ。
「もちろん知っているに決まっているじゃない」
レオナは涼しい顔で答える。
アレクシスの額には汗が滲んでいた。心臓の鼓動が、さっきからうるさいほど耳に響いている。
「というか、その口調は何だ! いくら婚約者だからといって、王太子にタメ口など……!!」
「今さら?」
レオナがくすっと笑う。
「アレクシスなんかに敬語を使いたくないの。まあでも……ふふっ」
小さく笑う彼女の声が、風に乗って涼しげに響いた。絶体絶命の状況にいるアレクシスの悲鳴を、心から楽しんでいるかのような声音だった。
「何がおかしい!?」
「未だに婚約者と思っているのね」
レオナが、少し小首をかしげながら言う。
その仕草が、妙に自然で――そして、意地悪なほど無邪気だった。
「ちょっと気持ち悪いけど……可愛くもあるわね」
「なっ!?」
アレクシスの顔が、一瞬にして真っ赤になる。
怒りによるものか、それとも別の感情によるものか。
彼自身にも、それは分からなかった。
「さあ、動きなさい。懸垂100回まで、あと50回だったかしら? できたらそこから助けてあげる」
「そんな無茶な! 俺は王太子だぞ! 戦士ではないのだ!」
「王太子ならそれくらいできなくてどうするの? 国を背負う者が、自分の体もまともに支えられないようじゃ話にならないわ」
「くっ……!」
アレクシスは歯を食いしばる。腕はすでに悲鳴を上げているが、ここで止まれば命がない。選択肢はただ一つ――やるしかない。
「あと50回だな……絶対にやってやる……!」
アレクシスは歯を食いしばり、腕を引いた。上腕が悲鳴を上げ、汗が手のひらを湿らせる。風が吹き抜け、彼の体を冷やすどころか、むしろ寒気を煽るかのようだった。
だが、やるしかない。落ちれば死ぬ。それに、彼女の前で情けない姿は見せたくなかった。
「51……52……っ!」
生死の危機があるからか、普段以上に力が出る。信じがたいことに、彼は99回にまで到達してみせた。
「あと一回……!」
呼吸は荒れ、視界が霞む。腕の感覚はほとんどなくなり、まるで己の体ではないかのようだ。それでも――
「意外にやるじゃない。見くびっていたわ」
彼女が悠然と声をかける。アレクシスはまともに返事をする余裕もなかった。
「……っ、ぜぇ……ぜぇ……」
肺が焼けるように痛む。肩も肘も爆発しそうだ。
「最後の仕上げよ! 負荷を追加してあげる!!」
「はぁ……? な、何を――」
懸垂の鍛錬において、負荷の追加。それはすなわち、重りを増やすということ。
しかし、ここは塔の頂上。まともな重りなどあるはずもない。
ならば、どうするか――
「えいっ!」
その瞬間、彼の背中に何かが飛び乗った。
「!?!?!?!?」
アレクシスの目が白黒する。
それも当然だ。懸垂で腕が限界を迎えようとしているまさにその瞬間、レオナが塔の頂上から跳躍し、アレクシスに飛びついてきたのだから。
「さあ、最後の追い込みよ! 私の体重も追加!! ラスト一回!!」
「ちょっ……!? おまっ……!!?」
アレクシスが声にならない悲鳴を上げる。
自分の体重だけでも苦しいというのに、さらにレオナの体重が加わったことで、腕が悲鳴を通り越して絶叫していた。
「お、おい!! 本気で言ってるのか!? 俺はもう――!!」
「ほら、王太子殿下なんだから、こんなことで音を上げないでちょうだい?」
「くぅぅぅぅぅ!!」
気力だけで耐えようとするアレクシス。しかし、もはや指の感覚すらなくなっていた。
そして――
「――っ!!!」
次の瞬間、アレクシスは顔を真っ赤に染めたまま、ついに手を離してしまった。
「わっ!?」
二人の身体が、一瞬の浮遊感の後――
「うわあああああ!!!」
叫びとともに、塔の頂上から真っ逆さまに落下していく。
眼下には硬い地面。避ける暇などない。
そして――
ドゴオオン!!
派手な音を立てて、アレクシスとレオナは地面に激突した。
土煙が舞い上がる。衝撃があまりにも大きく、辺りの小鳥が一斉に飛び立ったほどだ。
しばらくの沈黙が流れ――
「……あちゃぁ……ちょっと無理があったかしら?」
レオナが煙の中から顔を出した。
その傍らには、ぴくりとも動かないアレクシスがいた。
目は虚ろ、口は半開き。魂が抜けたような顔をしている。
「…………」
土煙がゆっくりと晴れていく。
仰向けに倒れたまま、アレクシスは虚ろな目で空を見上げていた。身体のあちこちが痛み、まるで全身が岩になったかのように動かない。
「アレクシス、生きてる?」
レオナが覗き込んでくる。その顔はどこまでも無邪気で、罪悪感の欠片も感じられない。
「なんとか……な……」
かすれた声でようやく返事をする。
あの高さからの落下。常識的に考えれば即死してもおかしくないが、奇跡的に命は助かっていた。もっとも、奇跡の理由は間違いなく――
「まあ当然よね。私が鍛えてるんだもの。自然落下ぐらいで死ぬはずがないわね」
「…………」
その一言に、アレクシスは思わず遠い目をした。
いや、どう考えても普通なら死んでいるはずだ。というか、そもそもこんな鍛え方があるか!?
レオナが無傷なのはいつものことだ。訓練と称して彼女に振り回される日々。理不尽すぎる負荷。
そして、結果として生き残った自分は――
「……いや、俺もおかしくなってきたのか……?」
思考がまとまらないまま、アレクシスは深くため息をついた。
そんな彼の様子を見て、レオナはにっこりと笑う。
「仕方ないわね! こうなったら今日は切り上げてあげる。でも……」
レオナの声音が、ほんのわずかに楽しげなものへと変わる。
次の瞬間――
彼女の瞳が、鋭く光った。
そのわずかな変化を見逃さなかったアレクシスの背筋に、凍りつくような悪寒が走る。
これは……危険だ。長年の経験から、彼は悟った。レオナがこういう表情を浮かべたとき、それはすなわち――さらなる地獄の幕開けを意味している。
「明日から、もっと厳しいメニューでガンガン鍛えるから! そのつもりでね!」
「なっ!?」
アレクシスは思わず身を起こし、声を裏返らせた。
――もっと厳しい? これ以上の訓練が、まだあるというのか?
信じたくなかった。いや、信じたくなかったというより、理解が追いつかなかった。
今日の訓練だって、尋常ではなかったはずだ。高台から突き出た棒にぶら下がらされ、命がけの懸垂を強いられ――挙句の果てにはレオナが飛び乗ってきて、そのまま地面に叩きつけられる始末。
常識的に考えれば、これだけでも十分すぎるほど狂気じみた特訓だった。
それなのに――
「甘えは許さないわ!」
レオナの声が、まるで雷鳴のように響く。
「死にたくなければ、死ぬ気でついてきなさい!」
それはまるで、軍隊の号令のようだった。
「ぎっ……ぎゃああああああ!!!」
アレクシスの絶叫が、澄み渡る空へと吸い込まれていく。彼の悲鳴をかき消すように、涼やかな風が吹き抜けた。
闇の極大魔法の完成まで、あと五か月と三週間。その日を迎えるまで、彼の肉体と精神が無事である保証は、どこにもなかった。
レオナの軽やかで楽しげな声が、澄み渡る空へと響いた。
「し、死ぬ! 落ちたら死ぬぅ!」
悲鳴混じりの叫びが、それに続く。
高台から突き出した細い棒。そこに必死でしがみついているのは、王太子アレクシスだった。指が棒を握る力は限界に近い。汗がじっとりと手のひらを濡らし、いつ滑り落ちてもおかしくない。
下を見れば、視界いっぱいに広がる遥かな地面。その高さは尋常ではなかった。
この手を離せば――即、死。
「お前、俺が王太子と知っての狼藉か!?」
アレクシスは必死の形相で叫んだ。
「もちろん知っているに決まっているじゃない」
レオナは涼しい顔で答える。
アレクシスの額には汗が滲んでいた。心臓の鼓動が、さっきからうるさいほど耳に響いている。
「というか、その口調は何だ! いくら婚約者だからといって、王太子にタメ口など……!!」
「今さら?」
レオナがくすっと笑う。
「アレクシスなんかに敬語を使いたくないの。まあでも……ふふっ」
小さく笑う彼女の声が、風に乗って涼しげに響いた。絶体絶命の状況にいるアレクシスの悲鳴を、心から楽しんでいるかのような声音だった。
「何がおかしい!?」
「未だに婚約者と思っているのね」
レオナが、少し小首をかしげながら言う。
その仕草が、妙に自然で――そして、意地悪なほど無邪気だった。
「ちょっと気持ち悪いけど……可愛くもあるわね」
「なっ!?」
アレクシスの顔が、一瞬にして真っ赤になる。
怒りによるものか、それとも別の感情によるものか。
彼自身にも、それは分からなかった。
「さあ、動きなさい。懸垂100回まで、あと50回だったかしら? できたらそこから助けてあげる」
「そんな無茶な! 俺は王太子だぞ! 戦士ではないのだ!」
「王太子ならそれくらいできなくてどうするの? 国を背負う者が、自分の体もまともに支えられないようじゃ話にならないわ」
「くっ……!」
アレクシスは歯を食いしばる。腕はすでに悲鳴を上げているが、ここで止まれば命がない。選択肢はただ一つ――やるしかない。
「あと50回だな……絶対にやってやる……!」
アレクシスは歯を食いしばり、腕を引いた。上腕が悲鳴を上げ、汗が手のひらを湿らせる。風が吹き抜け、彼の体を冷やすどころか、むしろ寒気を煽るかのようだった。
だが、やるしかない。落ちれば死ぬ。それに、彼女の前で情けない姿は見せたくなかった。
「51……52……っ!」
生死の危機があるからか、普段以上に力が出る。信じがたいことに、彼は99回にまで到達してみせた。
「あと一回……!」
呼吸は荒れ、視界が霞む。腕の感覚はほとんどなくなり、まるで己の体ではないかのようだ。それでも――
「意外にやるじゃない。見くびっていたわ」
彼女が悠然と声をかける。アレクシスはまともに返事をする余裕もなかった。
「……っ、ぜぇ……ぜぇ……」
肺が焼けるように痛む。肩も肘も爆発しそうだ。
「最後の仕上げよ! 負荷を追加してあげる!!」
「はぁ……? な、何を――」
懸垂の鍛錬において、負荷の追加。それはすなわち、重りを増やすということ。
しかし、ここは塔の頂上。まともな重りなどあるはずもない。
ならば、どうするか――
「えいっ!」
その瞬間、彼の背中に何かが飛び乗った。
「!?!?!?!?」
アレクシスの目が白黒する。
それも当然だ。懸垂で腕が限界を迎えようとしているまさにその瞬間、レオナが塔の頂上から跳躍し、アレクシスに飛びついてきたのだから。
「さあ、最後の追い込みよ! 私の体重も追加!! ラスト一回!!」
「ちょっ……!? おまっ……!!?」
アレクシスが声にならない悲鳴を上げる。
自分の体重だけでも苦しいというのに、さらにレオナの体重が加わったことで、腕が悲鳴を通り越して絶叫していた。
「お、おい!! 本気で言ってるのか!? 俺はもう――!!」
「ほら、王太子殿下なんだから、こんなことで音を上げないでちょうだい?」
「くぅぅぅぅぅ!!」
気力だけで耐えようとするアレクシス。しかし、もはや指の感覚すらなくなっていた。
そして――
「――っ!!!」
次の瞬間、アレクシスは顔を真っ赤に染めたまま、ついに手を離してしまった。
「わっ!?」
二人の身体が、一瞬の浮遊感の後――
「うわあああああ!!!」
叫びとともに、塔の頂上から真っ逆さまに落下していく。
眼下には硬い地面。避ける暇などない。
そして――
ドゴオオン!!
派手な音を立てて、アレクシスとレオナは地面に激突した。
土煙が舞い上がる。衝撃があまりにも大きく、辺りの小鳥が一斉に飛び立ったほどだ。
しばらくの沈黙が流れ――
「……あちゃぁ……ちょっと無理があったかしら?」
レオナが煙の中から顔を出した。
その傍らには、ぴくりとも動かないアレクシスがいた。
目は虚ろ、口は半開き。魂が抜けたような顔をしている。
「…………」
土煙がゆっくりと晴れていく。
仰向けに倒れたまま、アレクシスは虚ろな目で空を見上げていた。身体のあちこちが痛み、まるで全身が岩になったかのように動かない。
「アレクシス、生きてる?」
レオナが覗き込んでくる。その顔はどこまでも無邪気で、罪悪感の欠片も感じられない。
「なんとか……な……」
かすれた声でようやく返事をする。
あの高さからの落下。常識的に考えれば即死してもおかしくないが、奇跡的に命は助かっていた。もっとも、奇跡の理由は間違いなく――
「まあ当然よね。私が鍛えてるんだもの。自然落下ぐらいで死ぬはずがないわね」
「…………」
その一言に、アレクシスは思わず遠い目をした。
いや、どう考えても普通なら死んでいるはずだ。というか、そもそもこんな鍛え方があるか!?
レオナが無傷なのはいつものことだ。訓練と称して彼女に振り回される日々。理不尽すぎる負荷。
そして、結果として生き残った自分は――
「……いや、俺もおかしくなってきたのか……?」
思考がまとまらないまま、アレクシスは深くため息をついた。
そんな彼の様子を見て、レオナはにっこりと笑う。
「仕方ないわね! こうなったら今日は切り上げてあげる。でも……」
レオナの声音が、ほんのわずかに楽しげなものへと変わる。
次の瞬間――
彼女の瞳が、鋭く光った。
そのわずかな変化を見逃さなかったアレクシスの背筋に、凍りつくような悪寒が走る。
これは……危険だ。長年の経験から、彼は悟った。レオナがこういう表情を浮かべたとき、それはすなわち――さらなる地獄の幕開けを意味している。
「明日から、もっと厳しいメニューでガンガン鍛えるから! そのつもりでね!」
「なっ!?」
アレクシスは思わず身を起こし、声を裏返らせた。
――もっと厳しい? これ以上の訓練が、まだあるというのか?
信じたくなかった。いや、信じたくなかったというより、理解が追いつかなかった。
今日の訓練だって、尋常ではなかったはずだ。高台から突き出た棒にぶら下がらされ、命がけの懸垂を強いられ――挙句の果てにはレオナが飛び乗ってきて、そのまま地面に叩きつけられる始末。
常識的に考えれば、これだけでも十分すぎるほど狂気じみた特訓だった。
それなのに――
「甘えは許さないわ!」
レオナの声が、まるで雷鳴のように響く。
「死にたくなければ、死ぬ気でついてきなさい!」
それはまるで、軍隊の号令のようだった。
「ぎっ……ぎゃああああああ!!!」
アレクシスの絶叫が、澄み渡る空へと吸い込まれていく。彼の悲鳴をかき消すように、涼やかな風が吹き抜けた。
闇の極大魔法の完成まで、あと五か月と三週間。その日を迎えるまで、彼の肉体と精神が無事である保証は、どこにもなかった。
21
あなたにおすすめの小説
キズモノ令嬢絶賛発情中♡~乙女ゲームのモブ、ヒロイン・悪役令嬢を押しのけ主役になりあがる
青の雀
恋愛
侯爵令嬢ミッシェル・アインシュタインには、れっきとした婚約者がいるにもかかわらず、ある日、突然、婚約破棄されてしまう
そのショックで、発熱の上、寝込んでしまったのだが、その間に夢の中でこの世界は前世遊んでいた乙女ゲームの世界だときづいてしまう
ただ、残念ながら、乙女ゲームのヒロインでもなく、悪役令嬢でもないセリフもなければ、端役でもない記憶の片隅にもとどめ置かれない完全なるモブとして転生したことに気づいてしまう
婚約者だった相手は、ヒロインに恋をし、それも攻略対象者でもないのに、勝手にヒロインに恋をして、そのためにミッシェルが邪魔になり、捨てたのだ
悲しみのあまり、ミッシェルは神に祈る「どうか、神様、モブでも女の幸せを下さい」
ミッシェルのカラダが一瞬、光に包まれ、以来、いつでもどこでも発情しっぱなしになり攻略対象者はミッシェルのフェロモンにイチコロになるという話になる予定
番外編は、前世記憶持ちの悪役令嬢とコラボしました
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
英雄魔術師様とのシークレットベビーが天才で隠し通すのが大変です
氷雨そら
恋愛
――この魔石の意味がわからないほど子どもじゃない。
英雄魔術師カナンが遠征する直前、フィアーナと交わした一夜で授かった愛娘シェリア。フィアーナは、シェリアがカナンの娘であることを隠し、守るために王都を離れ遠い北の地で魔石を鑑定しながら暮らしていた。けれど、シェリアが三歳を迎えた日、彼女を取り囲む全ての属性の魔石が光る。彼女は父と同じ、全属性の魔力持ちだったのだ。これは、シークレットベビーを育てながら、健気に逞しく生きてきたヒロインが、天才魔術師様と天才愛娘に翻弄されながらも溺愛される幸せいっぱいハートフルストーリー。小説家になろうにも投稿しています。
【完結】年下幼馴染くんを上司撃退の盾にしたら、偽装婚約の罠にハマりました
廻り
恋愛
幼い頃に誘拐されたトラウマがあるリリアナ。
王宮事務官として就職するが、犯人に似ている上司に一目惚れされ、威圧的に独占されてしまう。
恐怖から逃れたいリリアナは、幼馴染を盾にし「恋人がいる」と上司の誘いを断る。
「リリちゃん。俺たち、いつから付き合っていたのかな?」
幼馴染を怒らせてしまったが、上司撃退は成功。
ほっとしたのも束の間、上司から二人の関係を問い詰められた挙句、求婚されてしまう。
幼馴染に相談したところ、彼と偽装婚約することになるが――
5分前契約した没落令嬢は、辺境伯の花嫁暮らしを楽しむうちに大国の皇帝の妻になる
西野歌夏
恋愛
ロザーラ・アリーシャ・エヴルーは、美しい顔と妖艶な体を誇る没落令嬢であった。お家の窮状は深刻だ。そこに半年前に陛下から連絡があってー
私の本当の人生は大陸を横断して、辺境の伯爵家に嫁ぐところから始まる。ただ、その前に最初の契約について語らなければならない。没落令嬢のロザーラには、秘密があった。陛下との契約の背景には、秘密の契約が存在した。やがて、ロザーラは花嫁となりながらも、大国ジークベインリードハルトの皇帝選抜に巻き込まれ、陰謀と暗号にまみれた旅路を駆け抜けることになる。
枯れ専令嬢、喜び勇んで老紳士に後妻として嫁いだら、待っていたのは二十歳の青年でした。なんでだ~⁉
狭山ひびき
恋愛
ある日、イアナ・アントネッラは父親に言われた。
「来月、フェルナンド・ステファーニ公爵に嫁いでもらう」と。
フェルナンド・ステファーニ公爵は御年六十二歳。息子が一人いるが三十年ほど前に妻を亡くしてからは独り身だ。
対してイアナは二十歳。さすがに年齢が離れすぎているが、父はもっともらしい顔で続けた。
「ジョルジアナが慰謝料を請求された。ステファーニ公爵に嫁げば支度金としてまとまった金が入る。これは当主である私の決定だ」
聞けば、妹のジョルジアナは既婚者と不倫して相手の妻から巨額の慰謝料を請求されたらしい。
「お前のような年頃の娘らしくない人間にはちょうどいい縁談だろう。向こうはどうやらステファーニ公爵の介護要員が欲しいようだからな。お前にはぴったりだ」
そう言って父はステファーニ公爵の肖像画を差し出した。この縁談は公爵自身ではなく息子が持ちかけてきたものらしい。
イオナはその肖像画を見た瞬間、ぴしゃーんと雷に打たれたような衝撃を受けた。
ロマンスグレーの老紳士。なんて素敵なのかしら‼
そう、前世で六十歳まで生きたイオナにとって、若い男は眼中にない。イオナは枯れ専なのだ!
イオナは傷つくと思っていた両親たちの思惑とは裏腹に、喜び勇んでステファーニ公爵家に向かった。
しかし……。
「え? ロマンスグレーの紳士はどこ⁉」
そこでイオナを待ち受けていたのは、どこからどう見ても二十歳くらいにしか見えない年若い紳士だったのだ。
断罪フラグをへし折った悪役令嬢は、なぜか冷徹公爵様に溺愛されています ~スローライフはどこへいった?~
放浪人
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢イザベラに転生した私。
来るべき断罪イベントを回避し、辺境の領地で悠々自適なスローライフを送る……はずだった!
卒業パーティーの舞台で、王太子から突きつけられた数々の罪状。
ヒロインを虐げた? 国を傾けようとした?
――全部、覚えがありませんけど?
前世の知識と周到な準備で断罪フラグを木っ端微塵にへし折り、婚約破棄を叩きつけてやったわ!
「さようなら、殿下。どうぞヒロインとお幸せに!」
ああ、これでやっと静かな生活が手に入る!
そう思っていたのに……。
「実に興味深い。――イザベラ、お前は俺が貰い受ける」
なぜか、ゲームではヒロインの攻略対象だったはずの『氷の公爵』アレクシス様が、私に執着し始めたんですけど!?
追いかけてこないでください! 私のスローライフが遠のいていく……!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる