ゆうみお

あまみや。旧

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2章 夏休み。

73.かくしごと

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「それじゃあ、ボクは帰ります。ゆっくりしていってください。」



そう言って李世さんは、先に席を立った。



「僕達もこれ食べたら早く帰ろ、雨もやんだし。」
「そうだな……、って、あれ……郁人だ」



お店の外を、郁人が1人で歩いてた。




「出かけてたのかな」
「そうだろうなー、バイトでもしてんのかな」



それはないだろうな。




「声かけに行く?」
「そうする?………って、……あれ、誰かと話してる」




しばらく見ていると………郁人は自分より少し背の高い、若い眼鏡をかけた男の人と話し始めた。




「誰だろ……」



気になっていると………



 


「あ、行っちゃった……!」
「追ってみよ、気になるし」


  





ーーー





会計を済ませて店を出て、後ろからこっそり郁人を追った。




「一体何してんだろー援交?援交なのかな?」
「しっ、つけてるのバレちゃう………」





電柱に隠れながら追ってるとしばらくして………






(あ……ここ、この前海斗ときた自然公園………)



自然公園についた。







「まさか、野外プレ「優馬、うるさい」」




ベンチに座った2人を木に隠れて見ていると……






「はい、ありがとうございます。前回も結構評判でしたよ」
「それなら良かった………、あの…今回も修正沢山ありそうですか……?」




………なんの、話してるんだろ。



見ると、郁人が男の人に薄くて幅の大きい茶封筒を渡していた。




「何あれワイロ?ワイロかなー」
「何言ってるの……、……あ…もしかして」





なんとなく、分かったかも。








「まあ……まだ新人ですし、修正は沢山あります。けど……桜木さんの、結構面白いって評判なんですよ」





「やっぱり……」








郁人………小説、書いてるんだ。










「そうなんですか……?嬉しいです、まだ初めて5ヶ月しか経ってないのに………」



(5ヶ月……?!)





2年生の頃からやってたんだ…………







「なんだ物書きかーーもっとやばいことかと……」
「じゅうぶんすごい事だよ……………」

 



バレないように小声でひそひそ話していると、






「でも……どうして今日はここで打ち合わせを?いつもは待ち合わせ場所のカフェでしてるのに……」




………!

さっきまで僕達がいたカフェのことかな………





「はい…!だって……………





知り合いが……いたので。」







郁人が低い声でそういった途端、逸らすまもなく目が合ってしまった。






「……………何してるの?」





まずい……




(尾行してるの………バレてた)









大人しく出てくると、




「ご友人ですか……?」
「はい、……ねぇ、澪…優馬。どこから聞いてた?」




これ………正直に言った方いいよね……?
てか、言わないと駄目だよね……………







「さ、最初から……カフェからつけてた」
「お、お前が危ないことしてないか不安でつけてきたんだよ!!お前なんかしょっちゅう襲われてそうな見た目してるし……!!」
「いやそれどんな見た目なの…………まあ、心配してくれるのは嬉しいけど。」




すると、若い男の人が、    



「桜木さんは小説……といえば小説なんですけど、ライトノベルの作家をしているんですよ」



……ライト………ノベル?





「小説と何が違うの?」

「まあ、簡単に言えば小説より内容がちょっと簡単で若者向けに作られてるみたいな………」



なるほど……?




「まあラノベって言ってもBLなんだけど………」
「へー…なんて言うの書いてるの?」
「ひ、秘密……!そんなに面白くないから………」




まあ……ラノベでBLなら、見つけやすそう。






「郁人の文章は癖が強いから見つけやすいよ、あとで探してみよーっと」
「や、やめてよ~……」










ーーー



その夜……


「あ……なんかこれ、それっぽいかも………」

タイトルを見ずにイラストだけ見ながら立ち読みしていたら………なんか、郁人っぽいのがあった。


「……そっか………イラストは別の人が書いてるんだ。なになに……タイトルは………」



 
タイトルを見て、一瞬固まった。








「………………み……見なかったことにしよ…………」









内容は面白いのに…………タイトルセンスがなさすぎる…………











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