ゆうみお

あまみや。旧

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番外編詰め

みおまふ。おまけ

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とある日の休日。




「はーい」



呼び鈴が鳴って、美優がドアを開けた…………





「…………」



「……!」
(この子、確か…………)




ドアを開けた先にいたのは、




「美優、誰だ………………って、
 

真冬……さん?」









そう言えばいつかの休日に、真冬さんを家にいれてあげた時があった。



美優は先に台所に戻った。



「こんにちは、どうしたの?」
「……」




いつも通り真冬さんは紙にサラサラと文字を書き始めて、




『聞きたいことがあって来た』



「聞きたいこと…………?」




ーーー




「今日は未来斗と海斗もいるから、ちょっと騒がしいけど………ごめんね」
「……」フルフル




『急に来てごめんなさい』




…………!




「あ、謝らないで!!?いつでも来ていいから!なんなら夜中にでも!!!」




後輩に謝られる罪悪感尋常じゃない……!






リビングに戻ると………未来斗が真冬さんに気付いてぱぁ、と明るくなった。




「真冬単体だー!!」





そんなに珍しいんだ……………




「…!珍しい」
「澪と真冬って仲良かったんだな!そういえば似てるタイプだったな!」



それは知らなかった。





……それにしても、ここに優馬がいなくてよかった……………



優馬と郁人は用事があってこれなかったけど、優馬は真冬さんのこと泣かせたいって、この前言ってたから………………





『……なあ、澪』
『うん?』
『俺…………小さい寡黙な男の子を泣かせるの、趣味なんだ』ドヤ
『………』ゾッ






「……それで、聞きたいことって…何?」



すぐに返事が返ってきた。






『お菓子、作りたい』








お菓子......








真冬さんが言う(書く)には、





真冬さんの友人の李世さんが、学校にお菓子を作って持ってきたらしい。



「見て見てー!お菓子作った!」
「………」ぐぅぅ




それがすごくクオリティの高いお菓子で、




「え、真冬も作れるかって?んー、…無理じゃないかな!」ニコッ
「………ッ」




自分の作れるかと聞いたら、ほぼ即答で作れないと言われたらしい。




それが悔しくて………その時、以前お菓子を作っていた美優の事を思い出したらしい。




(あの人なら…………作り方を、教えてくれる)






そういうわけで、来た。





『李世を見返せるようなのが作りたい』

「えっと…………私の実力だと、少し難しい…ですかね…………」



真冬さんにお菓子の画像を見せてもらったけど、かなり高クオリティだった。




「……」しゅん





その時、





「あ………俺、作れるかも」






声を上げたのは………………海斗だった。





「……!」
「それ、アイシングクッキーでしょ?それならよく兄さんと作るよ」




アイシングクッキー…………?






『おしえてください』

「うん、いいですよ!」





海斗は、真冬さん単体ならあんまり怖くないのか………自慢げに微笑んだ。





「そういえばこの前作ったアイシングクッキーの材料がまだ家に残ってるかもしれないです、良ければ俺の家に来ますか?」


「…………」コクンッ








そういうわけで、






ーーー





「私までお邪魔して良かったんですかね…………」
「海斗の家ーー!」




僕達もお邪魔させてもらった。




美優は家に入った途端、





「…………う"ッ」
「これはこれは可愛らしいお嬢様が来ましたね……!お菓子作りでお召し物が汚れてはいけません、良ければ私達が用意した服に…………」





メイドの人達に拉致られた。






ーーー 
 


「それじゃあまずはクッキーを作ります!まずバターに砂糖を入れて混ぜてください」



僕と未来斗は台所の椅子に座って、紅茶を飲みながら海斗と真冬さんのお菓子作りを見ていた。





「………、…」




ヘラで一生懸命バターを溶かす真冬さん。



「いい感じになったら卵をいれます。俺が混ぜるから、卵お願いできますか?」
「……」コクン




カショッ





「…………あ」




からがはいった。




「……、……、」アワアワ


「大丈夫です!菜箸で取れば…………」






ほんとに大丈夫かな…………






「そして薄力粉をいれます!ここからはちょっと大変になるけど…………」




力を込めてクッキーの生地になるように混ぜて、何分かしていい感じになってきた。




「そこまできたら少し練って、ひとまとめにしてください」




生地がまとまって、とりあえずひと段落ついた。




そしてラップをして1時間ほど冷蔵庫に。






その間にアイシングを作り始めた。





(なんか……)



「ねえ、未来斗」
「ん?」






「真冬さんも、人間らしいとこ…………あるんだね」

「それだと真冬が人間じゃないように聞こえるんだけど……」






ーーー




アイシングが出来て………1時間経った。




「よし……それじゃあ次は型を取ります!いろんな形が出来るから……はい、好きなの選んでください」



かごからいろんな型が出てきた。




「………」

 


真冬さんは、猫を選んだ。




「猫、可愛いですよねー!」
「………」コクン








「……………………李世が、猫…好きだから。」









ーーー






いろんな形のクッキーが出来た。




「これをオーブンで15分………よし、少し待ちましょう!」
「……」コクコク






ーーー



『お手洗い借ります』 


真冬さんが席を外して、海斗が、






「……ていうか澪、真冬さんと仲良かったっけ」
「んー………お菓子あげたら、少し懐いてくれた」




つまり、お菓子さえあげれば割と懐いてくれる。




「あー……俺、正直李世さんと真冬さん、少し怖かったんだよ」



まあ、何となくわかってた。



李世さん真冬さんは未来斗に懐いてるし、海斗の事は徹底的にいじめてたから。




「………けど、真冬さんって意外と可愛くて健気だし、李世さんとも…仲良くなれるかな」




可愛くて健気……………




お菓子作りで上手く出来る度にすごく嬉しそうな顔をしていたところを見ると、健気で……幼さすら感じられた。




「やっぱ、まだまだ子供だよねっ」
「澪には言われたくないんじゃない?」





ーーー




紅茶を飲んで、お茶菓子を食べていると………ふらふらと、女の子が台所に入ってきた。




「……み、美優………?!」





ドレスを着て、髪の毛もいじられて、




死にそうな顔で………






「ど、どうしたの……?いろいろと、」
「逃げてきました………」





どうやら、無理矢理着せ替え人形にされていたらしい。





髪はほどいて、ドレスは邪魔な飾りをとって、席に座った。




「はぁ………」

「お疲れ様……………」







ーーー



真冬さんが帰ってきて、クッキーも焼けた。






「アイシングする前に味見してみるか………はい、真冬さん!」
「……」もぐ





いい感じ。






「それなら良かった…!じゃあ、アイシングしましょうっ!」




海斗………なんだかすごく楽しそう。


お菓子作り、本当に好きなんだなぁ……………






いろいろな色のアイシングを、クッキーの上に書いていく。





「………あ……」
「だ、大丈夫ですか?」




真冬さんがアイシングが上手く出来なくて、かなり苦戦していた。

そしてその隣でテキパキと仕上げていく海斗。





「楽しみだな!あいしん……ぐっきー」
「アイシングクッキーね」




お腹……すいてきた。







「真冬さん……黄色、好きですね」

「……え………?」




真冬さんの作ったアイシングクッキーは、明るい黄色が沢山使われてた。





「………あっ、もしかして、李世さんのイメージカラーとか?…なんて、ぅぐ」



海斗がにやにやしてからかうと、腹をぺちんと殴られた。





「………っ」ぱくぱく




「な、なんで食べるんですか……!!せっかく出来てたのに………」




そして今まで出来た黄色のアイシングクッキーを全部食べて、それから作るアイシングクッキーに黄色はなくなった。






「どうせ証拠隠滅に食べるなら俺にくれてもいーのに………」
「未来斗……」




ーーー





夕方になった。





「………、……………、」



(真冬さん………頑張るなぁ……………)




海斗も疲れたからって休憩しているのに、真冬さんは、ずっとアイシングを頑張っていた。

未来斗も眠ってるし、美優も……さっき逃げる時暴れまくったのか、珍しく寝ている。




「……なんで、そんなに頑張るの?」



椅子から立って、真冬さんの隣に行った。






「……………」じ……





すると、何故かすごく見られた。






「……………、………見返したいから」







見返すって、李世さんを………だよね?






意外と、負けず嫌いな子なんだな……………







「……………と」





……………?





「………協力…してくれて、ありがと。





澪先輩。」











澪先輩。






みお……せんぱい。







せんぱい……………









「ぱ……………パードゥン?」
「澪先輩…?」






......








「後輩尊い……………」





後輩中毒になりそうです。






ーーー




「で、出来たー!」



海斗のその声で、未来斗と美優が目を覚ました。





「ふぅ………終わったぁ………」
「結構作ったんですね………これ、100個こえてません?」




流石にそんなに作ってないですよ、と言ったあと海斗がすぐに倒れた。




「かいとぉぉぉ!!!!!」
「骨は……拾って………」





疲労と集中力から一気に開放されたことによる安心感、らしい。 






「……………」
「真冬さん、出来て良かったね」
「……」コクン






ーーー

(李世side)


次の日。




「え、作ったの?真冬が?」 



お昼休み、美術準備室で2人でご飯を食べていたら、真冬がクッキーをくれた。




「わあ、しかもアイシングされてる………本当に1人で作ったの……?」
「あ………えっと…………海斗先輩……と。」




……………!





「か、海斗先輩と?!どういう経緯で!!?」
「………」




それがすごい気になるんだけど………



(ボクのいないところで、何してるの………)







「くれるの?」
「……」コク





遠慮なくその場で食べた。






「……………!普通に美味しい………」
「………」


 あ、少し口角緩んだ。






「すごく美味しいよ、また作ってね」

「………まあ、気が向いたら」


   



真冬って、何したいのか全然わかんないし……見てて不安になることばっかするし、正直気が抜けないけど、






「………」ふにゃ
 







本人は嬉しそうにしてるから………まぁ、いっか。









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