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第二章 埋め火
産声
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サナは、その報を夜半、褥の中で聞いた。
マヒロの体重と体温を感じ、やがてその喜悦が空中に溶けるのを見計らったかのように、
「ヒメミコ」
と室外からおごそかな呼び掛けがあった。タクである。
「なんじゃ」
サナは室外に向け、問いかけた。
「急報です。遥か西のクナが、この度軍を発し、我らがヤマトの地より目と鼻の先、オオシマに攻め込んだとのこと」
サナは、ああ、そうか、と物憂げに答えた。
「明日、山を越え、海の方に見に参りましょう」
マヒロが室外に控えるタクに己の存在を知られるのを憚って、ひそひそと耳打ちをした。
「明日、海の方まで見にゆく」
「では、私もお供を」
という言葉と共に、するするという足音が遠ざかった。
「クナが、攻めてきた――?」
「おそらく、我らがオオトを滅ぼしたことを受け、海の道を抑えにかかったのでしょう。あそこを獲られては、思うままに船を出すことはできません」
「そうじゃな」
と、サナはまだその脳髄が快さに支配されているようであったが、マヒロはすぐに現世に立ち戻った様子で、
「早速、支度を」
と言い、自室へ戻った。
それから数時間後、夜の黒が群青になりつつある頃、既に彼らは列を組んでいた。
サナの輿を中央に、ユウリの率いる隊を先頭にして、山への道にさしかかってゆく。サナの輿の後ろには、妹であり、今は一躍大国となったヤマトの外交を一手に担うタクの妻でもあるマオカの輿が続き、サナの輿の脇にはマヒロが、マオカの輿の脇にはタクがそれぞれ付き従っていた。べつにすぐに戦をしに行くわけではないので、総勢で百人ほどの小さな行列である。
山を越える峠の最も高い位置に差し掛かる頃には、既に夜は明けていた。辺りが仄明るくなって色彩を取り戻してきたことで、一行は夜明けを知った。
その場所は少し開けた空間になっており、かつてオオトの地であった広大な平野が一望できた。更に遠くには、オオシマ。最前列をゆくユウリが足を止めたため、隊列は停止した。そこで、夜が明けた。陽差しは無い。
ユウリが、夜明けのために足を止めたのではないことが、サナには分かった。
「――オオシマが」
脇で、マヒロが呟くのが聴こえた。
遥か水平線に浮かぶ、広大なオオシマのあちこちから、煙が上がっている。陽差しが無いのはそれが天を多い尽くさんとばかりに太陽を遮っていたからであった。オオシマの南にゆくにつれ、煙は細くなっている。タクが、長大な身体を更に伸ばしながらその様を観察して、
「クナは、南より上陸し、烈火のごとき勢いをもって一気に北に攻め上ったようですね」
と目を細めながら言った。
「このままでは、オオシマが」
マヒロがサナを見上げる。
「いや、もう遅い」
サナの脳に、ある風景が浮かんでいた。
幾度かこの物語でも触れてきたが、サナは生まれつき、人ならざる者の声を聞くことがある。しかしながら「声を聞く」というのは便宜上そのようにして表現しているだけで、それは映像として視界に映るようでもあるし、頭に確信めいた何かが閃くようでもあるし、耳で音を聞くようでもあった。
要するに、「感じる」というのが最も適切――どうもこの便利な語がしっくりこず、筆者はサナのこれらの体験についてできるだけその表現を差し控えてきた――であるが、どのように感じるのか、我々にはそれを表す言葉と概念がない。サナ自身も、己の身に起きている現象を表す感覚を持たぬため、「聞こえる」と最も手近な言葉を、雑に詰め込まれた引き出しの一番上の物を掴み出すようにして用いることが多い。
いつもサナは、そのようなとき、眉間のあたりが熱いような、こそばゆいような感じに襲われ、それがこの不思議な体験の前兆であった。いま、サナはオオシマの景色の中に燃え盛る炎、飛び散る血しぶきを見ており、それは海が全て炭のような色になっているようにも思えた。
「聞こえた。もう既に、あの島にあったクニも、民の暮らしも、無くなっている」
定まっているのかいないのか、よく分からない視線の先をタクとマヒロは追った。しかしその先には、やはり広大な平野といくつかのムラ、青灰色の海と煙に霞むオオシマがあるだけだった。
「ともかく、降りましょう」
下山の道中、サナは一度も口を開くことなく、ひたすら何かを聞いているようで、時々首を左右に振ったり、かしげたりしていた。
まず、一行はオオトの都邑であったムラに落ち着いた。
オオトという中原に威を唱えたクニはもう無く、その名は、今は、ヤマトの中のある箇所のことを指す、部分的な名詞となっていた。そのオオトの王の館があった敷地に巨大な楼閣を建造する計画で、この地方の赤い土を捏ね、焼いて作る煉瓦が星の数ほど積み上げられており、無数の奴婢がそれを運んでいるところであった。
祭祀を行うための祭殿は既に出来上がっており、その広大な板敷きの床に、一行のうちの主だった者が円く座った。
顔ぶれは、サナ、マオカ、ユウリ、マヒロ、タクのほか、軍師リュウキ。ヤマトの国家中枢がそのままここにあるような形だった。
最初に口を開いたのは、タクだった。
「オオシマは最早、クナの手に落ちたと考えてよい。その目的は、その威をもって海の道を我が物にすること。そしてゆくゆくは、このヤマトの地への侵攻のためであると思われる」
「クナが、これほどまでに早く」
先の戦で、完璧としか言い様のない読みを見せたリュウキが呟いた。
「クナのヒコミコには、火の神が宿ると言う。この様を見ていると、それも頷かざるを得まい」
最年長のユウリが、皺を一層深くして言う。このところ白髪がかなり多くなり、うつむいていると、殆ど老人のようであった。
「戦など、せぬ方が良いに決まっているのに」
マヒロも呟いた。彼の眼には、あの日、オオトのヒメミコと、その側近のオウラが映っているのかもしれず、あるいは、まだ彼が長じる前、ハラとの戦で始めての殺人を行い、かつその父シンを失った日のことが映っているのか、あるいはその両方であるかもしれない。
「クナがここまで積極的に手を伸ばしてくるのは、もう少し先と思っておりました。クナは船に恵まれたクニであるとは言え、財力、兵力、兵站、あらゆる要素を足し引きしても、明らかに無理なのです」
「その無理を押しても、手に入れたかったのだろう」
皆が余りのことに、どうする、の議論を忘れてしまって詠嘆するような口調でぽつぽつと話している。
こほん。
と煙っぽい空気を嫌ってか、無口なマオカが一つ咳をした。その咳に皆の視線が集まったのに気付いて、恥ずかしそうに眼を伏せた。
「このオオトを、オオシマへの抑えとする」
サナが、分かりきったことを言った。そうでもしないと、この場が進まぬと思った。
「マヒロ、タク、リュウキ。差配せよ」
陽が傾きだす頃まで、リュウキは広げた麻布の上に石やら木の棒などを置いて、どこに建物を作り、万一、クナの船団がオオシマを発した際にはここを防衛線とし、そのために幾らの兵力が必要で、などと必死にマヒロらと談義を重ねた。
サナは、任せる。といって席を立ち、祭殿の周りで、マオカと二人、はじめて見るオオトの地を眺めた。
「あの山の向こうが、ヤマトなのですね」
マオカが、細い声で言う。姉妹二人で話すことなど、いつぶりであろうか。
「ここも、今やヤマトじゃ」
「そうでした。つい先日までタク様もオオトに対する貢ぎ物の手配に心を砕いていたのに、そのオオトも無いなんて」
サナは、この同い年の妹がどうにも好きになれない。
何か大きな闇を背負っているように思えてならず、マヒロなどは、口には出さぬが、タクと結託しサナの王権を簒奪するかもしれぬと思っているようであった。
だがしかし、だからといって遠ざける理由などどこにもなく、他の妹は他国に嫁いだり、病死したりしているから、最初十人いたヤマトの「ヒメミコ」はサナとマオカの他にもう一人、先王が死ぬときにまだ歳が若すぎたため未だ嫁いでおらず館で特に何をするわけでもなく過ごしている末の妹しかいない。
何か特別な役目を負うことはなくても、やはり王と同じ血をもつ姉妹というのは重要で、とくにマオカなどは容貌も良く、滅多に口を開かぬため、タクが他国の重要な使者の引見をしたりする際は、重々しい「飾り」となり、ヤマトの威を無言で表してくれるため、サナは、役には立つ。と割り切っているようだった。
また、万一、マヒロが恐れているような事態が発生したとしても、マヒロが何とかするであろう、と思っており、そういう意味ではやや危機意識が薄いのかもしれず、あるいはこの時代の貴人の常であったのかもしれないが、とにかく、サナは、
「わたしが滅んでも、それはヤマトの滅びではない。マオカやタクがヤマトを継ぎ、彼らの思う正しきヤマトを作るなら、それも大いなる流れのうちの一つではないか」
と達観しているようだ。そう言い切ってしまえば少し違うようにも思うが、王になったその日見た風景から、思考を日ごとに発展させているのは確からしい。だから、わたしを滅ぼすなら滅ぼせ、滅ぼした後、そなたらがヤマトをあるべき道に導けるか、見極めてやるわ。と思い、むしろ積極的にタクをクニの柱にし、マオカを「化け物だ」と思いながら、遠ざけずにいた。
その化け物に、サナは新たな役目を与えた。
「マオカよ、この地に留まれ」
姉が、自分をどのように見ているか知っているつもりであったマオカは驚き、
「よろしいのですか」
と思わず聞いた。
「この地に留まり、クナや他のクニに対し、ヤマトの王妹はここにある、いつでもそなたらを見ているぞと睨みをきかせてやれ」
マオカは、自分の心中を、この姉は全て見透かしている。と以前から確信していた。見透かした上で、あえて、と思うと、この姉が恐ろしくなってきた。また、わたしはいつでもそなたを見ているぞというようにも取れるような言い回しに、戦慄した。
「それに」
サナは重ねて言う。
「そなた、腹に子がおるだろう」
マオカ自身も、もしかして、と思う程度の段階であったから、これには心底驚いた。
「わたしに何かあったら、そなたか末の妹、あるいは我らのうちの誰かの子が、王になるのだ。そうなることもあるかもしれぬと思い、この地で子を生み、育てよ」
サナには、マヒロと関係を重ねているが、それはいっときの喜悦と、天も地も溶けて混じるような緩やかさと鋭さを併せ持つ、他に代え難い快感をもたらすのみで、いっこうに子が出来る気配がない。出来ぬなら出来ぬで、別に要らぬ。とも思っていた。
今挙げた誰かがヤマトを継ぐなら、べつにそれは必ずしも自分の子でなくてもよいではないか。
概ね、クナに対する前線基地としてのオオトの地の仕置きが決まった頃、サナ達は、祭殿に上がった。そこで、ひとしきりの説明を聞いた。
まず造船の強化。次に軍事拠点となる港の開設。更に兵力を分散させることのないよう、他のクニから一年おきに一定数の兵を集め、駐屯させる。クニの規模に応じてどれほどの兵を出させるかという算段は必要であるが、それを監督するヤマトの直轄軍の編成をマヒロとタクが行うことで、問題なく進みそうな見通しが立った。
リュウキは仮想敵の筆頭となったクナについて、徹底的に分析を進めてゆくらしい。
つまり、今、この海向こうに陣取った敵に対してどうする、という話ではなく、長期的な戦術が必要になるということである。
ユウリはこれらの事業の全てにおいての総監督、あるいは相談役のような役割を担う。老体に鞭うって働く姿はマヒロやタクにとって支えになるが、同時に痛々しくもあったので、できるだけ負担のないように、との配慮であった。
その全てに、サナは納得した。そののち、
「わたしからも、決め事を申し渡す」
と一同を見渡し、言った。祭殿の高い天井が不自然なほどの残響を生み、皆いっせいにサナに注目した。
「タク」
名を呼ばれることを予想していなかったタクは、弾かれたように起立した。
「そなたは、わが妹と共にこの地に詰め、クナを睨んでおれ」
「はっ?」
「外交役として培ったものを、発揮するがよい」
タクは一重の切れ長の美しい眼をぱちぱちとさせた。マオカの方を見たが、目を伏せたままである。
「もし、クナがその武をこのヤマトに向け尖らせてくるようなことがあれば」
タクは額から汗が流れるのを感じた。それを拭わず、
「あれば?」
「いち早く山向こうの我々に報せよ。そして、大がかりな船の群ごと、飲み込んでしまえ――」
いたずらっぽく笑って、
「――我が蛇よ」
と言うその顔が、生唾を飲み込みたくなるほど無邪気で可愛く、蠱惑的でさえあった。
そういえば、サナはいつの頃からか、歳を取らなくなった。
取らなくなった、と言えば多いに語弊があるが、傍目から見て、ある一点で成長が止まってしまったかのようであった。
今は、オオトとの大戦より年をまたぎ、サナが十九歳になる年の、ちょうどマヒロがその弓に使っている槐の木に白く可愛らしい花がつく暑い季節であるが、男性に比べ肉体の完成の早い女性でありながら、まだ童女のようにも見えた。人々は、
「ヒメミコは数多の精霊をその身に宿していなさるから、そのご加護により歳を取らぬのだ」
と噂したが、他だ単に背が低く、眼がぱちくりと団栗か胡桃のように丸く、髪は黒く艶やかで、仕草が汚れない童女の頃のままであるせいであろう。
ヒトの人格の完成は、人との間で求められる「自分」を目指し帰結してゆく。その点サナは早くからヒメミコとして重んじられ、己の是とするところが周囲の是となるという特異な環境で育ったせいかもしれなかった。
早い話が、人の目を気にしない性格だったから、年相応の振る舞いや王にふさわしい物腰などを身に付ける必要を感じず、本人が、そんなものはマオカにでもやらせておけばよい。と思っていたのが、一番の理由であろう。
その無邪気な王は、更に驚くべきことをつけ加えた。
「我が妹は、この地で、タクの子を産むのだ。いずれその子もヤマトを導く柱になるだろう」
一同は、絶句した。
歴史的な観点から見れば、ある者に領土を与え、その土地に住まわせ、統治させるという封建制、あるいは中央政府の任じた者が中央政府の意向を受けその地を治める郡県制の国家の産声がここに上がったことになる。むろんタクが統治するオオトの地もヤマトの法を用い、タクの上にはサナの意向が絶対のものとして君臨しているが。
ヤマトが封建制、郡県制のどちらの方法を取り国家を旋回させてゆく――すなわちタクが王や候になるのか、吏になるのか――のか、今の段階では彼らにも分からないし、どのような可能性をも秘めていた。
ゆえに、これより、筆者がヤマトについて述べるときは、「クニ」ではなく、「国」という字をあてて語ってゆく。
タクは、よくオオトの地と民を治め、その三重の楼閣から堅牢な軍事拠点を背景に諸国をよく従えた。
そして年が明け、春の足音が聞こえてくる頃、オオトの地にもう一つの産声が上がった。
タクとマオカの子の誕生である。
その女子は、「イヨ」と名付けられた。
マヒロの体重と体温を感じ、やがてその喜悦が空中に溶けるのを見計らったかのように、
「ヒメミコ」
と室外からおごそかな呼び掛けがあった。タクである。
「なんじゃ」
サナは室外に向け、問いかけた。
「急報です。遥か西のクナが、この度軍を発し、我らがヤマトの地より目と鼻の先、オオシマに攻め込んだとのこと」
サナは、ああ、そうか、と物憂げに答えた。
「明日、山を越え、海の方に見に参りましょう」
マヒロが室外に控えるタクに己の存在を知られるのを憚って、ひそひそと耳打ちをした。
「明日、海の方まで見にゆく」
「では、私もお供を」
という言葉と共に、するするという足音が遠ざかった。
「クナが、攻めてきた――?」
「おそらく、我らがオオトを滅ぼしたことを受け、海の道を抑えにかかったのでしょう。あそこを獲られては、思うままに船を出すことはできません」
「そうじゃな」
と、サナはまだその脳髄が快さに支配されているようであったが、マヒロはすぐに現世に立ち戻った様子で、
「早速、支度を」
と言い、自室へ戻った。
それから数時間後、夜の黒が群青になりつつある頃、既に彼らは列を組んでいた。
サナの輿を中央に、ユウリの率いる隊を先頭にして、山への道にさしかかってゆく。サナの輿の後ろには、妹であり、今は一躍大国となったヤマトの外交を一手に担うタクの妻でもあるマオカの輿が続き、サナの輿の脇にはマヒロが、マオカの輿の脇にはタクがそれぞれ付き従っていた。べつにすぐに戦をしに行くわけではないので、総勢で百人ほどの小さな行列である。
山を越える峠の最も高い位置に差し掛かる頃には、既に夜は明けていた。辺りが仄明るくなって色彩を取り戻してきたことで、一行は夜明けを知った。
その場所は少し開けた空間になっており、かつてオオトの地であった広大な平野が一望できた。更に遠くには、オオシマ。最前列をゆくユウリが足を止めたため、隊列は停止した。そこで、夜が明けた。陽差しは無い。
ユウリが、夜明けのために足を止めたのではないことが、サナには分かった。
「――オオシマが」
脇で、マヒロが呟くのが聴こえた。
遥か水平線に浮かぶ、広大なオオシマのあちこちから、煙が上がっている。陽差しが無いのはそれが天を多い尽くさんとばかりに太陽を遮っていたからであった。オオシマの南にゆくにつれ、煙は細くなっている。タクが、長大な身体を更に伸ばしながらその様を観察して、
「クナは、南より上陸し、烈火のごとき勢いをもって一気に北に攻め上ったようですね」
と目を細めながら言った。
「このままでは、オオシマが」
マヒロがサナを見上げる。
「いや、もう遅い」
サナの脳に、ある風景が浮かんでいた。
幾度かこの物語でも触れてきたが、サナは生まれつき、人ならざる者の声を聞くことがある。しかしながら「声を聞く」というのは便宜上そのようにして表現しているだけで、それは映像として視界に映るようでもあるし、頭に確信めいた何かが閃くようでもあるし、耳で音を聞くようでもあった。
要するに、「感じる」というのが最も適切――どうもこの便利な語がしっくりこず、筆者はサナのこれらの体験についてできるだけその表現を差し控えてきた――であるが、どのように感じるのか、我々にはそれを表す言葉と概念がない。サナ自身も、己の身に起きている現象を表す感覚を持たぬため、「聞こえる」と最も手近な言葉を、雑に詰め込まれた引き出しの一番上の物を掴み出すようにして用いることが多い。
いつもサナは、そのようなとき、眉間のあたりが熱いような、こそばゆいような感じに襲われ、それがこの不思議な体験の前兆であった。いま、サナはオオシマの景色の中に燃え盛る炎、飛び散る血しぶきを見ており、それは海が全て炭のような色になっているようにも思えた。
「聞こえた。もう既に、あの島にあったクニも、民の暮らしも、無くなっている」
定まっているのかいないのか、よく分からない視線の先をタクとマヒロは追った。しかしその先には、やはり広大な平野といくつかのムラ、青灰色の海と煙に霞むオオシマがあるだけだった。
「ともかく、降りましょう」
下山の道中、サナは一度も口を開くことなく、ひたすら何かを聞いているようで、時々首を左右に振ったり、かしげたりしていた。
まず、一行はオオトの都邑であったムラに落ち着いた。
オオトという中原に威を唱えたクニはもう無く、その名は、今は、ヤマトの中のある箇所のことを指す、部分的な名詞となっていた。そのオオトの王の館があった敷地に巨大な楼閣を建造する計画で、この地方の赤い土を捏ね、焼いて作る煉瓦が星の数ほど積み上げられており、無数の奴婢がそれを運んでいるところであった。
祭祀を行うための祭殿は既に出来上がっており、その広大な板敷きの床に、一行のうちの主だった者が円く座った。
顔ぶれは、サナ、マオカ、ユウリ、マヒロ、タクのほか、軍師リュウキ。ヤマトの国家中枢がそのままここにあるような形だった。
最初に口を開いたのは、タクだった。
「オオシマは最早、クナの手に落ちたと考えてよい。その目的は、その威をもって海の道を我が物にすること。そしてゆくゆくは、このヤマトの地への侵攻のためであると思われる」
「クナが、これほどまでに早く」
先の戦で、完璧としか言い様のない読みを見せたリュウキが呟いた。
「クナのヒコミコには、火の神が宿ると言う。この様を見ていると、それも頷かざるを得まい」
最年長のユウリが、皺を一層深くして言う。このところ白髪がかなり多くなり、うつむいていると、殆ど老人のようであった。
「戦など、せぬ方が良いに決まっているのに」
マヒロも呟いた。彼の眼には、あの日、オオトのヒメミコと、その側近のオウラが映っているのかもしれず、あるいは、まだ彼が長じる前、ハラとの戦で始めての殺人を行い、かつその父シンを失った日のことが映っているのか、あるいはその両方であるかもしれない。
「クナがここまで積極的に手を伸ばしてくるのは、もう少し先と思っておりました。クナは船に恵まれたクニであるとは言え、財力、兵力、兵站、あらゆる要素を足し引きしても、明らかに無理なのです」
「その無理を押しても、手に入れたかったのだろう」
皆が余りのことに、どうする、の議論を忘れてしまって詠嘆するような口調でぽつぽつと話している。
こほん。
と煙っぽい空気を嫌ってか、無口なマオカが一つ咳をした。その咳に皆の視線が集まったのに気付いて、恥ずかしそうに眼を伏せた。
「このオオトを、オオシマへの抑えとする」
サナが、分かりきったことを言った。そうでもしないと、この場が進まぬと思った。
「マヒロ、タク、リュウキ。差配せよ」
陽が傾きだす頃まで、リュウキは広げた麻布の上に石やら木の棒などを置いて、どこに建物を作り、万一、クナの船団がオオシマを発した際にはここを防衛線とし、そのために幾らの兵力が必要で、などと必死にマヒロらと談義を重ねた。
サナは、任せる。といって席を立ち、祭殿の周りで、マオカと二人、はじめて見るオオトの地を眺めた。
「あの山の向こうが、ヤマトなのですね」
マオカが、細い声で言う。姉妹二人で話すことなど、いつぶりであろうか。
「ここも、今やヤマトじゃ」
「そうでした。つい先日までタク様もオオトに対する貢ぎ物の手配に心を砕いていたのに、そのオオトも無いなんて」
サナは、この同い年の妹がどうにも好きになれない。
何か大きな闇を背負っているように思えてならず、マヒロなどは、口には出さぬが、タクと結託しサナの王権を簒奪するかもしれぬと思っているようであった。
だがしかし、だからといって遠ざける理由などどこにもなく、他の妹は他国に嫁いだり、病死したりしているから、最初十人いたヤマトの「ヒメミコ」はサナとマオカの他にもう一人、先王が死ぬときにまだ歳が若すぎたため未だ嫁いでおらず館で特に何をするわけでもなく過ごしている末の妹しかいない。
何か特別な役目を負うことはなくても、やはり王と同じ血をもつ姉妹というのは重要で、とくにマオカなどは容貌も良く、滅多に口を開かぬため、タクが他国の重要な使者の引見をしたりする際は、重々しい「飾り」となり、ヤマトの威を無言で表してくれるため、サナは、役には立つ。と割り切っているようだった。
また、万一、マヒロが恐れているような事態が発生したとしても、マヒロが何とかするであろう、と思っており、そういう意味ではやや危機意識が薄いのかもしれず、あるいはこの時代の貴人の常であったのかもしれないが、とにかく、サナは、
「わたしが滅んでも、それはヤマトの滅びではない。マオカやタクがヤマトを継ぎ、彼らの思う正しきヤマトを作るなら、それも大いなる流れのうちの一つではないか」
と達観しているようだ。そう言い切ってしまえば少し違うようにも思うが、王になったその日見た風景から、思考を日ごとに発展させているのは確からしい。だから、わたしを滅ぼすなら滅ぼせ、滅ぼした後、そなたらがヤマトをあるべき道に導けるか、見極めてやるわ。と思い、むしろ積極的にタクをクニの柱にし、マオカを「化け物だ」と思いながら、遠ざけずにいた。
その化け物に、サナは新たな役目を与えた。
「マオカよ、この地に留まれ」
姉が、自分をどのように見ているか知っているつもりであったマオカは驚き、
「よろしいのですか」
と思わず聞いた。
「この地に留まり、クナや他のクニに対し、ヤマトの王妹はここにある、いつでもそなたらを見ているぞと睨みをきかせてやれ」
マオカは、自分の心中を、この姉は全て見透かしている。と以前から確信していた。見透かした上で、あえて、と思うと、この姉が恐ろしくなってきた。また、わたしはいつでもそなたを見ているぞというようにも取れるような言い回しに、戦慄した。
「それに」
サナは重ねて言う。
「そなた、腹に子がおるだろう」
マオカ自身も、もしかして、と思う程度の段階であったから、これには心底驚いた。
「わたしに何かあったら、そなたか末の妹、あるいは我らのうちの誰かの子が、王になるのだ。そうなることもあるかもしれぬと思い、この地で子を生み、育てよ」
サナには、マヒロと関係を重ねているが、それはいっときの喜悦と、天も地も溶けて混じるような緩やかさと鋭さを併せ持つ、他に代え難い快感をもたらすのみで、いっこうに子が出来る気配がない。出来ぬなら出来ぬで、別に要らぬ。とも思っていた。
今挙げた誰かがヤマトを継ぐなら、べつにそれは必ずしも自分の子でなくてもよいではないか。
概ね、クナに対する前線基地としてのオオトの地の仕置きが決まった頃、サナ達は、祭殿に上がった。そこで、ひとしきりの説明を聞いた。
まず造船の強化。次に軍事拠点となる港の開設。更に兵力を分散させることのないよう、他のクニから一年おきに一定数の兵を集め、駐屯させる。クニの規模に応じてどれほどの兵を出させるかという算段は必要であるが、それを監督するヤマトの直轄軍の編成をマヒロとタクが行うことで、問題なく進みそうな見通しが立った。
リュウキは仮想敵の筆頭となったクナについて、徹底的に分析を進めてゆくらしい。
つまり、今、この海向こうに陣取った敵に対してどうする、という話ではなく、長期的な戦術が必要になるということである。
ユウリはこれらの事業の全てにおいての総監督、あるいは相談役のような役割を担う。老体に鞭うって働く姿はマヒロやタクにとって支えになるが、同時に痛々しくもあったので、できるだけ負担のないように、との配慮であった。
その全てに、サナは納得した。そののち、
「わたしからも、決め事を申し渡す」
と一同を見渡し、言った。祭殿の高い天井が不自然なほどの残響を生み、皆いっせいにサナに注目した。
「タク」
名を呼ばれることを予想していなかったタクは、弾かれたように起立した。
「そなたは、わが妹と共にこの地に詰め、クナを睨んでおれ」
「はっ?」
「外交役として培ったものを、発揮するがよい」
タクは一重の切れ長の美しい眼をぱちぱちとさせた。マオカの方を見たが、目を伏せたままである。
「もし、クナがその武をこのヤマトに向け尖らせてくるようなことがあれば」
タクは額から汗が流れるのを感じた。それを拭わず、
「あれば?」
「いち早く山向こうの我々に報せよ。そして、大がかりな船の群ごと、飲み込んでしまえ――」
いたずらっぽく笑って、
「――我が蛇よ」
と言うその顔が、生唾を飲み込みたくなるほど無邪気で可愛く、蠱惑的でさえあった。
そういえば、サナはいつの頃からか、歳を取らなくなった。
取らなくなった、と言えば多いに語弊があるが、傍目から見て、ある一点で成長が止まってしまったかのようであった。
今は、オオトとの大戦より年をまたぎ、サナが十九歳になる年の、ちょうどマヒロがその弓に使っている槐の木に白く可愛らしい花がつく暑い季節であるが、男性に比べ肉体の完成の早い女性でありながら、まだ童女のようにも見えた。人々は、
「ヒメミコは数多の精霊をその身に宿していなさるから、そのご加護により歳を取らぬのだ」
と噂したが、他だ単に背が低く、眼がぱちくりと団栗か胡桃のように丸く、髪は黒く艶やかで、仕草が汚れない童女の頃のままであるせいであろう。
ヒトの人格の完成は、人との間で求められる「自分」を目指し帰結してゆく。その点サナは早くからヒメミコとして重んじられ、己の是とするところが周囲の是となるという特異な環境で育ったせいかもしれなかった。
早い話が、人の目を気にしない性格だったから、年相応の振る舞いや王にふさわしい物腰などを身に付ける必要を感じず、本人が、そんなものはマオカにでもやらせておけばよい。と思っていたのが、一番の理由であろう。
その無邪気な王は、更に驚くべきことをつけ加えた。
「我が妹は、この地で、タクの子を産むのだ。いずれその子もヤマトを導く柱になるだろう」
一同は、絶句した。
歴史的な観点から見れば、ある者に領土を与え、その土地に住まわせ、統治させるという封建制、あるいは中央政府の任じた者が中央政府の意向を受けその地を治める郡県制の国家の産声がここに上がったことになる。むろんタクが統治するオオトの地もヤマトの法を用い、タクの上にはサナの意向が絶対のものとして君臨しているが。
ヤマトが封建制、郡県制のどちらの方法を取り国家を旋回させてゆく――すなわちタクが王や候になるのか、吏になるのか――のか、今の段階では彼らにも分からないし、どのような可能性をも秘めていた。
ゆえに、これより、筆者がヤマトについて述べるときは、「クニ」ではなく、「国」という字をあてて語ってゆく。
タクは、よくオオトの地と民を治め、その三重の楼閣から堅牢な軍事拠点を背景に諸国をよく従えた。
そして年が明け、春の足音が聞こえてくる頃、オオトの地にもう一つの産声が上がった。
タクとマオカの子の誕生である。
その女子は、「イヨ」と名付けられた。
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ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。
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さて|黄昏《たそがれ》は、一日のうち日没直後、雲のない西の空に夕焼けの名残りの「赤さ」が残る時間帯のことを言う。「|黄昏時《たそがれどき)」。 「黄昏れる《たそがれる》」という動詞形もある。
「たそがれ」は、江戸時代になるまでは「たそかれ」といい、「たそかれどき」の略でよく知られていた。夕暮れの人の顔の識別がつかない暗さになると誰かれとなく、「そこにいるのは誰ですか」「誰そ彼(誰ですかあなたは)」とたずねる頃合いという意味で日常会話でよく使われた。
今回の私の小説のテーマはこの黄昏である。
この風習は広く日本で行われている。
「おはようさんです」「これからですか」「お晩でございます。いまお帰りですか」と尋ねられれば相手も答えざるを得ず、互いに誰であるかチェックすることでヨソ者を排除する意図があったとされている。
「たそかれ」という言葉は『万葉集』に
誰そ彼と われをな問ひそ 九月の 露に濡れつつ 君待つわれそ」
— 『万葉集』第10巻2240番
と登場するが、これは文字通り「誰ですかあなたは」という意味である。
「平安時代には『うつほ物語』に「たそかれどき」の用例が現れ、さらに『源氏物語』に
「寄りてこそ それかとも見め たそかれに ほのぼの見つる 夕顔の花」
— 『源氏物語』「夕顔」光源氏
と、現在のように「たそかれ」で時間帯を表す用例が現れる。
なおこの歌は、帖と登場人物の名「夕顔」の由来になった夕顔の歌への返歌である。
またこの言葉の比喩として、「最盛期は過ぎたが、多少は余力があり、滅亡するにはまだ早い状態」をという語句の用い方をする。
漢語「|黄昏《コウコン》」は日没後のまだ完全に暗くなっていない時刻を指す。「初昏」とも呼んでいた。十二時辰では「戌時」(午後7時から9時)に相当する。
「たそがれ」の動詞化の用法。日暮れの薄暗くなり始めるころを指して「空が黄昏れる」や、人生の盛りを過ぎ衰えるさまを表現して「黄昏た人」などのように使用されることがある。
この物語はフィクションです。登場人物、団体等実際に同じであっても一切関係ありません。
それでは、小説「黄昏夫婦」をお楽しみ下さい。
読者の皆様の何かにお役に立てれば幸いです。
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