31 / 32
第4章 それぞれの思い
31 ゾーンモンスター
しおりを挟む
「そ、その、ち、違います……! 違うんです……! いえ、まったくぜんぜん違いませんけど……! その通りなんですけど……! ……あ、あの、気持ちの整理がついていないので、もうちょっと後でといいますか、リアはゆっくりお互いのことを知っていけたらなと思っていて……! その、どうでしょうか……!?」
「……? ああ、俺もそれがいいと思う。人間関係って急いで築くものじゃないもんな」
ツヴァイが自分はリアのことを強く思っているという発言をした直後に、何故か慌てた様子でリアが言ってきた、ゆっくり時間を掛けてわかり合いたいという言葉にツヴァイは頷きながら、リアが今まで自分にしてくれたことを思い出していた。
「……」
モンスター疑惑で連行される際に、リアはアストライアを信じていただろうに、それでも何度も何度も怪我をさせないようにとアストライアにお願いしてくれたこと。
そして、1秒でも早く解放するために、安全とは言い切れなくなっていたカイカの森を1人で先行して駆け抜け、モンスター専門家のソラさんを連れてきてくれたこと。
それに決闘を中止して欲しいと頼むために夜遅くに悪役令嬢に会いに行き、朝早くから安否を心配して社に来てくれたこと。
リアはまだ出会って1日のツヴァイのためにあまりにも多くのことをしてくれたのだ。
「……」
……そうだ。リアは俺のことを思って本気で行動してくれた。いつも助けようとしてくれた。だから、俺も少なくともそれと同じぐらいはリアを思って行動する。義務とか礼儀じゃなく、俺がそうしたいと思っているんだ。
と、ツヴァイがリアに対しての自分の思いを再確認していると、その間にツヴァイの発言を聞いて何故か興奮していたリアも落ち着き。
「……」
そんなリアの落ち着くまでの様子を少し嬉しそうに眺めていたアストライアがツヴァイに視線を向け、静かに頷いた。
「……わかった。そういうことなら、これ以上、フレグランスの家に勤めることは無理に勧めないし、決闘についても後でまた考えてみる。……けど、そうなるとツヴァイが街の住人になるために協力してくれそうな職場はモンスター研究所ぐらいしかないかも。……それか、わたしの家の養子になる?」
「……本当にどうしようもなくなったらモンスター研究所、ソラさんを頼ることもあるかもしれないけど迷惑になるだろうし、今はまだ選択肢にいれたくないな。後、養子だってそんな簡単になれるものじゃないって、ヒュッゲさんが……」
……あれ?
そして、アストライアと始めた会話の流れがあまりにも自然で最初は気付かなかったが、朝から色々と話はしたものの、自分が街の住人になるための条件をクリアしようとしていることを2人に話していなかったことを思い出したツヴァイは、アストライアがその話を知っていることを不思議に思い。
「もしかして、ヒュッゲさん……学園の事務の人に俺の状況を聞いたりしたのか?」
とアストライアとリアに尋ねると2人はすぐに頷き、ツヴァイは少し驚いたが、この世界での個人情報の取り扱いはかなり軽い感じなのかな? と考えツヴァイはあまり気にせず会話を続けた。
「そうだったのか。けど、それなら丁度良かった。ちょっとそのことで2人にもアドバイスを貰いたいと思ってたんだ。俺はこの世界での身元が無いから学園の生徒になることで街の住人として登録して貰おうって考えているんだけど……」
そして、昨日のシロキツネ様との雑談でこの世界に日本の料理が多数存在することを知り、最初に考えていたプランで学園の生徒になることは難しいと判断したツヴァイは別の条件をクリアし、学園に入学しようとしていた。
その条件というのが。
「世界指定の超上級モンスターを倒すって、どのくらいの難易度かわかるか?」
学園への入学が許可される特殊条件のうちの1つ、『世界指定の超上級モンスター、もしくはゾーンモンスターの討伐実績』である。
この世界に来たばかりのツヴァイはまだ自らの利益のためにモンスターを倒すことに抵抗を感じていたが、世界指定の超上級モンスターは人や社会に多大な損害を与えているモンスターしかいないと事務員のヒュッゲから聞いていたので、自分のその行動が人のためにもなるのなら。と、ツヴァイはある程度、自分の気持ちの整理をつけていた。
ただそれ以前に、その世界指定の超上級モンスターという凄まじい肩書きのモンスターを自分が物理で殴るだけで倒せるのだろうか? という単純な疑問が残っていたため、自分にそのモンスターを倒せる可能性があるのかをツヴァイは知りたかった。
そして、ツヴァイから世界指定の超上級モンスターを倒す難易度の質問を受け、この手の話に強そうなアストライアがあごに手を当てながらゆっくりと口を開いた。
「……世界指定の超上級モンスターといってもその中で強さの上下があるけど、条件をクリアするのが目的ならその中の一番下のモンスターで考えていい? 前に戦ったことがあるからイメージしやすい」
「ああ、それで頼む」
「それなら世界指定の超上級モンスターの討伐は────理不尽ではないけれど、超高難度って感じ。わたしだとちょっと苦戦するけど1人で普通に勝てる。というか勝てた。有名ギルドに所属するようなプロ達なら綿密に計画を練れば、被害は出るだろうけど30人もいれば倒せると思う。普通の学生だったら何十人、何百人で挑んでも勝てない。死にに行くだけ。後、フレグランスに決闘で勝つよりも10倍は難しい」
「……」
そのぐらいの難易度。とアストライアが世界指定の超上級モンスターを倒すことの難易度をわかりやすく説明してくれたので、ツヴァイはすぐに。
……うん! 無理っぽいなこれ……!
現在の自分の実力では世界指定の超上級モンスターを倒すことはどう考えても不可能だと判断した。
「……ちなみに昨日戦ったゴブリンって何級のモンスターなんだ?」
「単体なら下級の中間層以下。昨日の数なら下級の上位と考えて良いかも」
「……なるほど」
下級のゴブリン相手でも死を覚悟したのに、中級、上級を飛び越えて超上級を倒すのは流石に無理があるな。と、ツヴァイはこの条件をクリアしての入学を選択肢から外そうと思ったが……。
……ん? いや、待てよ……。
ツヴァイはその条件でまだ聞いていないことがあることを思い出し。
「そういえば、ゾーンモンスターってどういうモンスターなんだ?」
その言葉を口にした。
「……? ああ、俺もそれがいいと思う。人間関係って急いで築くものじゃないもんな」
ツヴァイが自分はリアのことを強く思っているという発言をした直後に、何故か慌てた様子でリアが言ってきた、ゆっくり時間を掛けてわかり合いたいという言葉にツヴァイは頷きながら、リアが今まで自分にしてくれたことを思い出していた。
「……」
モンスター疑惑で連行される際に、リアはアストライアを信じていただろうに、それでも何度も何度も怪我をさせないようにとアストライアにお願いしてくれたこと。
そして、1秒でも早く解放するために、安全とは言い切れなくなっていたカイカの森を1人で先行して駆け抜け、モンスター専門家のソラさんを連れてきてくれたこと。
それに決闘を中止して欲しいと頼むために夜遅くに悪役令嬢に会いに行き、朝早くから安否を心配して社に来てくれたこと。
リアはまだ出会って1日のツヴァイのためにあまりにも多くのことをしてくれたのだ。
「……」
……そうだ。リアは俺のことを思って本気で行動してくれた。いつも助けようとしてくれた。だから、俺も少なくともそれと同じぐらいはリアを思って行動する。義務とか礼儀じゃなく、俺がそうしたいと思っているんだ。
と、ツヴァイがリアに対しての自分の思いを再確認していると、その間にツヴァイの発言を聞いて何故か興奮していたリアも落ち着き。
「……」
そんなリアの落ち着くまでの様子を少し嬉しそうに眺めていたアストライアがツヴァイに視線を向け、静かに頷いた。
「……わかった。そういうことなら、これ以上、フレグランスの家に勤めることは無理に勧めないし、決闘についても後でまた考えてみる。……けど、そうなるとツヴァイが街の住人になるために協力してくれそうな職場はモンスター研究所ぐらいしかないかも。……それか、わたしの家の養子になる?」
「……本当にどうしようもなくなったらモンスター研究所、ソラさんを頼ることもあるかもしれないけど迷惑になるだろうし、今はまだ選択肢にいれたくないな。後、養子だってそんな簡単になれるものじゃないって、ヒュッゲさんが……」
……あれ?
そして、アストライアと始めた会話の流れがあまりにも自然で最初は気付かなかったが、朝から色々と話はしたものの、自分が街の住人になるための条件をクリアしようとしていることを2人に話していなかったことを思い出したツヴァイは、アストライアがその話を知っていることを不思議に思い。
「もしかして、ヒュッゲさん……学園の事務の人に俺の状況を聞いたりしたのか?」
とアストライアとリアに尋ねると2人はすぐに頷き、ツヴァイは少し驚いたが、この世界での個人情報の取り扱いはかなり軽い感じなのかな? と考えツヴァイはあまり気にせず会話を続けた。
「そうだったのか。けど、それなら丁度良かった。ちょっとそのことで2人にもアドバイスを貰いたいと思ってたんだ。俺はこの世界での身元が無いから学園の生徒になることで街の住人として登録して貰おうって考えているんだけど……」
そして、昨日のシロキツネ様との雑談でこの世界に日本の料理が多数存在することを知り、最初に考えていたプランで学園の生徒になることは難しいと判断したツヴァイは別の条件をクリアし、学園に入学しようとしていた。
その条件というのが。
「世界指定の超上級モンスターを倒すって、どのくらいの難易度かわかるか?」
学園への入学が許可される特殊条件のうちの1つ、『世界指定の超上級モンスター、もしくはゾーンモンスターの討伐実績』である。
この世界に来たばかりのツヴァイはまだ自らの利益のためにモンスターを倒すことに抵抗を感じていたが、世界指定の超上級モンスターは人や社会に多大な損害を与えているモンスターしかいないと事務員のヒュッゲから聞いていたので、自分のその行動が人のためにもなるのなら。と、ツヴァイはある程度、自分の気持ちの整理をつけていた。
ただそれ以前に、その世界指定の超上級モンスターという凄まじい肩書きのモンスターを自分が物理で殴るだけで倒せるのだろうか? という単純な疑問が残っていたため、自分にそのモンスターを倒せる可能性があるのかをツヴァイは知りたかった。
そして、ツヴァイから世界指定の超上級モンスターを倒す難易度の質問を受け、この手の話に強そうなアストライアがあごに手を当てながらゆっくりと口を開いた。
「……世界指定の超上級モンスターといってもその中で強さの上下があるけど、条件をクリアするのが目的ならその中の一番下のモンスターで考えていい? 前に戦ったことがあるからイメージしやすい」
「ああ、それで頼む」
「それなら世界指定の超上級モンスターの討伐は────理不尽ではないけれど、超高難度って感じ。わたしだとちょっと苦戦するけど1人で普通に勝てる。というか勝てた。有名ギルドに所属するようなプロ達なら綿密に計画を練れば、被害は出るだろうけど30人もいれば倒せると思う。普通の学生だったら何十人、何百人で挑んでも勝てない。死にに行くだけ。後、フレグランスに決闘で勝つよりも10倍は難しい」
「……」
そのぐらいの難易度。とアストライアが世界指定の超上級モンスターを倒すことの難易度をわかりやすく説明してくれたので、ツヴァイはすぐに。
……うん! 無理っぽいなこれ……!
現在の自分の実力では世界指定の超上級モンスターを倒すことはどう考えても不可能だと判断した。
「……ちなみに昨日戦ったゴブリンって何級のモンスターなんだ?」
「単体なら下級の中間層以下。昨日の数なら下級の上位と考えて良いかも」
「……なるほど」
下級のゴブリン相手でも死を覚悟したのに、中級、上級を飛び越えて超上級を倒すのは流石に無理があるな。と、ツヴァイはこの条件をクリアしての入学を選択肢から外そうと思ったが……。
……ん? いや、待てよ……。
ツヴァイはその条件でまだ聞いていないことがあることを思い出し。
「そういえば、ゾーンモンスターってどういうモンスターなんだ?」
その言葉を口にした。
13
あなたにおすすめの小説
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚
熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。
しかし職業は最強!?
自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!?
ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界から元の世界に派遣された僕は他の勇者たちとは別にのんびり暮らします【DNAの改修者ー外伝】
kujibiki
ファンタジー
異世界で第二の人生の大往生を迎えた僕は再びあの場所へ飛ばされていた。
※これは『DNAの改修者』のアフターストーリーとなります。
『DNAの改修者』を読まなくても大丈夫だとは思いますが、気になる方はご覧ください。
※表紙は生成AIで作ってみたイメージです。(シャルルが難しい…)
やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる
暁刀魚
ファンタジー
社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。
なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。
食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。
そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」
コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。
かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。
もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。
なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。
カクヨム様にも投稿しています。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる