(あやかし御用達)民泊始めます~巫女になれ?!無理です!かわりに一泊いかが?

岬野葉々

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救出へ ~あやかし第四班 

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 山姫らの次に大きな力を感じた集団の居る方角、南へと向かったあやかし第四班は、途中で雑魚ともいえる集団にいくつもすれ違う。

(あれも、ダメ――これも、ダメ)
(なかなかないのう。使い勝手の良い駒は……)
(ん?――――あれは、巫女様と同じお召し物では?!)

 一つ目鬼の指さした方には、五月雨学園の制服を着た女生徒の姿があった。
 ……実は、今まですれ違った者は全て男子生徒だったため、あやかし第四班はただスルーしつつ、先を急ぐのみだったのだ。

(巫女様と一緒――?!やれ、不思議な……)
(何故なのか、問いただしてやろう)

 そうして、運の悪い女生徒二人と男子生徒四人のその集団は、突如現れたあやかし第四班に取り囲まれることとなった。

「ひっ?!あ、あやかしが――!」
「きゃああぁぁぁぁぁ――!こっちへ、こちらへ来ないで――!!」
「うわっ?!あ、慌てるな!皆で陣を作れ――!」
「さっさと、印を結べよ?!」

 恐慌状態に陥りながら、忌避感を全面的に押し出しつつもじりじりと後退しようと、離れようと涙ぐましい努力をする彼らを見て、あやかしどもは非常に気分を害す。

(何って、無礼な……!そちらがずけずけとこちらの領域へと踏み込んでおきながら――)
(やはり、わし、人は好かん)
(わしもじゃ!――――最も巫女様は、別)
(そうじゃ、そうじゃ!……巫女様は、初めから我らに丁寧に話しかけて下さった)
(お礼も述べて下さった……!)
(果ては、我らに付き合い、戯れ遊んで下さった――!)

 随分と都合よく解釈しているあやかしどもであった……。

(ええい、口惜しや!常ならば、ただではおかぬところじゃが……)
(今は我ら、些事に関わること能わず。……ただ、其処の女!)

 迫力ある口調で指さされた女生徒は、ひっと声を上げて腰が抜けたように座り込む。

(お前の着ているモノは、何だ?何故二人とも同じモノを着ているのだ?!)

 ガタガタと震え、問いに答えられない女生徒を見て、代わりに男子生徒が答える。

「こ、これは、五月雨学園の制服だ!学園では、生徒は皆女子、男子とも性別によって着る物、つまり制服が定められているんだ」

 その答えを聞いたあやかしどもは、ふむ?と揃って首を傾げる。

(……と、いうことはじゃ)
(巫女様も、五月雨学園の生徒――――?)

 そこへすーっと白い伝令の鳥が舞い降りてくる。

「皆、無事か?」
「せ、先生?!」「俺達、異界のあやかしに囲まれちゃって……!」
「先生ー!助けてくださーい!!」

 口々に叫ぶ生徒の言葉をじっと聞いていたその鳥は、一つ頷くとすっとあやかし第四班へと向き直る。

「……この異界に住まう方々、お騒がせして申し訳ありません。我々はけっして貴方方の住まいを荒したりはしません。実は、この異界で行方不明となった女生徒を捜索しているだけなのです。どうか、お心を静めてください」
(ふむ、行方不明となった女生徒、とな?……一つ聞きたいが、五月雨学園の生徒は必ず、制服というモノを着ておるのか?)
「勿論です」
(ならば、その行方を捜して居る女生徒も制服を?)
「無論、着ています」
(……制服を着ておる者は、皆其方の生徒であり、其方の庇護下にあると?)
「その通り」

 そこで、あやかし第四班は顔を寄せ合って互いにひそひそと相談する。

(……あの鳥の力は、我らの目指して居った集団のモノじゃ)
(それは、何とも好都合――)

 やがて、リーダー格の一つ目鬼が交渉を始めようと、その鳥へと向き直った。

(我らの巫女様は制服を着ておった――!)
「……それは、良かった。貴方方が保護してくれていたのですね!」
(じゃが、巫女様は、……巫女様は、狭間へと落ちられた!我らは助け手を求めておる。我らと共に、来てはくれまいか?)

 安堵したのも束の間で、思ってもない事態にその鳥――学園の先生は一瞬、言葉に詰まる。
 しかし、すぐに猛然と指示と飛ばし始めた。

「其処の生徒達、あなた方はすぐにこの異界から脱出しなさい!星野美月が狭間にいるのなら、この捜索は全く意味をなさない。狭間は、生徒の手に負えるものではない。出会う生徒全てに退去宣告を告げながら、一刻も早くここから出るのだ!私達教員は、これから狭間へ星野美月を救助しに向かう!」
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