幼なじみとルームシェアする事になりました。

メロン箱

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山奥の温泉

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「おはよ」

 朝起きると、真夜は既に着替えていた。
白い膝丈スカートのワンピースに水色のシャツを重ねて着ている。

「おはよ。てか、気が早くね?まだ9時だぞ?」
「なんか、6時くらいに目が覚めちゃったの」
「ほんと、子供みたいだな。」

 準備をして、お昼前には家を出る事にした。
真夜のボストンバッグは俺が持つ事にしたのだが…
ピンクって…

 選んだ温泉は山にあって、電車とバスを乗り継いで、更にタクシーで向かわなければならない所だった。

なぜ?

激安だったからだ。

うちの財務大臣も務める真夜大臣の言葉で決まったのだから、文句は言われないと思う。

 結構な時間を掛けて着いた場所は…
思ったよりも綺麗な二階建ての旅館!ってところだった。
瓦屋根に木造建てで古風な雰囲気。
周りは、山、山、山…

とりあえず、中に入ることに。

「こんにちわ~、予約してた澤口です。」
「あら~、いらっしゃい。こんな山奥までご苦労さんですね」

迎えてくれたのは70歳くらいの女性だった。

「今日はよろしくお願いします!」
「あら、可愛い彼女さんだね」
「ありがとうございます!」

真夜はちょっと顔を赤くしてお礼を言ってるから、幼なじみって否定する必要もないかな。

「お部屋は2階なので、ご案内しますね。」

見た目よりも、身動きの軽い女性です。
ロビーを抜けて、階段を登って1番奥の部屋に案内された。

 他の客はファミリーの3人だけだそうだ。
安くても、来るのに大変ならそうそうは客は来ないのだろう。
どうやって経営してるのか、聞けないけど、ちょっとだけ気になった。

 部屋に入ると、畳の匂いのする部屋で静かな雰囲気だった。
窓辺には、椅子とテーブルがあって。緑豊かな山が見える。

「裕翔!あそこに小さい川がながれてるよっ!」
「おっ、ほんとだ!」

「魚とかザリガニがいるんですよ。皆さんに人気の場所です」
「じゃあ!後で行ってみよ!」
「うん!いこいこ~」
「あれ?これってお風呂?」

 椅子の後ろにガラス扉が2枚あって、奥の扉を抜けると、格子状の板が貼られていて露天風呂になっている。

「今日はお客さんも2組だから、部屋風呂の着いたお部屋にしましたからね。」

 気の利いたサービスに、お礼を伝えた。
「すごい!ありがとうございます!」
「山しか見えないけど、外からは見えないから楽しんでくださいね。お夕飯は6時にお部屋にお持ちします。」

とても親切な女将さんでした。


「散歩いこうよ!川も行きたいし!」

 旅館の裏手は庭になっていて、川までの道も出来ていた。
2メートルくらいの川幅で膝くらいの深さだ。
真夜は靴を脱いで、川に足を入れていた。

「ヌルヌルする~」
「苔だろ?山だからじゃないか?てか、転ぶなよ?」
「うん!平気だよ。子供じゃないんだし!裕翔も入りなよ~」

言われるがまま、俺も川に入るとホントにヌルヌルしてる…
「あっ、魚いるよ!」
「そんなはしゃいでいると危ないぞ!」
「へーきへーき!」

 転ぶフラグ立ってないか?
危ないから手を繋ごうとしたけど、魚を追うのに夢中。
これは、確定フラグだな。
転ばない事を祈るだけだ。
 転びそうになっても上手くてをついて回避していた。
俺も魚やザリガニを追うのを楽しみながら、石を集めて防波堤のような物を作って魚がを捕獲出来るようにしてみた。

「わっ!すごい!!なにこれ??」
「上手く誘い込めたら、近くで魚を見れるだろ?」

 エサになりそうな虫を中に入れて、真夜と散歩していた。
暫くして防波堤に行ってみると…

嬉しそうに真夜ははしゃいで防波堤を覗き込んでいる。
「裕翔~入ってるよ!」

 中にはメダカのような小さい魚が数匹泳いでいた。
エサはそのままで関係なかったらしい…

「可愛い!」
ちょうどいい岩があったから、そこに座ると防波堤を挟むように真夜もしゃがんだ。

「きゃっ!」

「真夜…そんな所でしゃがんだら、ケツ濡れるの解るだろ……」
「むぅ~」

 転ばなかったものの、お尻が濡れちゃったので、防波堤を壊して部屋に戻る事にした。
フレアのスカートだから、透けることは無かった…

真夜は浴衣に着替える為に、脱衣場へ行った。
俺は畳の部屋で着替えた。
ふと、窓の外を見ようとすると、お風呂とは反対側の椅子の後ろに鏡があった。
 そこには後ろ姿で着替えている真夜が写っていた。
ガラス扉だから、見えるのを忘れていた。
濡れたショーツを降ろし丸みのあるお尻を披露した所で、俺は目を反らせた。
 一緒に住んでいても、普段は見ない真夜の姿。
 ごめん真夜…1人で罪悪感を覚えていた。

 少し時間は早いが、浴場の温泉に入る事にした。
浴場の中はお世辞にも綺麗とは言えなかった。
清掃はしているけど、鏡は割れていたり、お湯の出ない蛇口があったり。
 でも、扉を開けて露天風呂に行くと岩で囲まれたお風呂があって、綺麗にされていた。
露天風呂には、20代後半と思われる男性がいた。

「こんにちは。のどかでいい所ですね」

 露天風呂に入ると、男性は話しかけてきた。
「こんにちは。そうですね。安いのに良い所だと思います」
「僕もね、昔に来たことがあって、妻と息子を連れてきたくて、やっと来れたんだよ」
「そうゆうの良いですね。俺も将来大切な人を連れてきたいって思いますよ」
「あれ?もう1組の客は若いカップルって聞いてたけど、大切な人じゃないのかな?」
「大切な人ですよ。でも、幼なじみなんですよ」
「そうなんだね。僕も妻も幼なじみなんだよ。幼なじみから恋に発展する事もあるからね」
「恋とかそうゆう風には見えないんです」
「うんうん。わかるなぁ。僕達もずっと一緒にいたから、恋してたって気が付かなかったもんだよ」
「そうゆう事もあるんですね。」
「2人で旅行に来てるんだから、そうゆう感じになっているのかも知れないよ?」
「実は親に決められてルームシェアしてるんで、旅行も日常の延長線上なんです。」
「うんうん。それなら、いつの日か気がつくことがあるかもしれないね。」
「今はそんな風に思えませんね」
「近すぎて、遠回りになるかもしれないね」

なんだか親近感のある男性でしばらく雑談をしていた。
男性とお風呂から出ると、真夜はベンチに座って子度を抱いていた。
寝ている1歳くらいの男の子を抱っこしている。
将来こうゆう事があるのかな?

「あなた、ゆっくり出来た?」
「うん、待たせちゃったかな?」
「この子、真夜ちゃんっていうんだけどね。タケルと遊んでくれて、私もゆっくり出来たよ」
「僕も裕翔くんと色々話が出来て楽しかったよ」

 俺も真夜の隣に座って、タケルくんの頭を撫でた。

「まぁ、若い夫婦みたいね」
「僕たちのようになりそうだね」

その言葉にどのように反応したら良いのか分からず、タケルくんのほっぺをツンとつついた。
「タケルったら、私と間違えてるのか?真夜ちゃんのおっぱい吸って寝ちゃったのよ。良いママになれそうね」
顔を赤くして照れる真夜
「2人の幸せそうな顔も見れて、いい旅行になりそうだね」
「私たちの昔を見てるみたいね」

真夜は寝ているタケル君を奥さんにそっと、渡してそれぞれの部屋に戻って行った。

部屋に戻ると、座ったまま笑顔でボーッとする真夜

「どうした?」
「ううん!なんでもなーい」

そう言って俺に寄り添ってきた。

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