幼なじみとルームシェアする事になりました。

メロン箱

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真夜のヒーロー

影のヒーロー

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真夜が迎えに来て欲しいなんて、何かが無い限り言ってこないと思う。
心配させないように隠しているんだと思うんだけど、余計に心配になるんだよな……

真夜を迎えに行くと、いつも近くの道端に立ってる男がいた。
花梨から聞いた赤ワインの風貌に似ている。
きっと、こいつが真夜を不安にさせている元凶なんだと思うとムカついてきた。

その日、俺はバイトで遅くなるからと言い、真夜には裏口から走って帰るように伝えた。
まぁ、嘘なんだけど。


いつも通り、男は真夜の姿を確認しようと道端からお店を眺めている。

そして俺はその男に話しかけた。
「すみません。真夜の事をつけ回すのは止めてもらって良いですか?」
「え?、なんのことかな?」
「分かってて言ってるんです。口に出して言った方がいいですか?」
「つけ回してる訳じゃないですよ。心配だから僕が守ってるんだよ!」
「それって、典型的なストーカーでしょ!」
「守ってるのにストーカーな訳ないじゃないか!だいいち君はなんなんだよ?君も真夜ちゃんを守ってるならストーカーなのか?」
「あんたとは違うから。守ってるっていうなら、写真家の名刺見せてみろよ。あんたの会社に守る為に付け回してくれてるって報告してやるよ!」
「君に見せる義理はないから」
「いや、見せられないんだろ?写真家ってのも嘘か?スタジオに問い合わせたら、アマチュアの人の情報は教えられないだってさ!」
「ふ…副業だよ!これから写真家になるんだし関係ないじゃないか!」
「あんたが付け回してる事が問題なんだよ。写真家になってもないのに。」
「写真家に成るから良いんだ!そうゆう、君は真夜ちゃんの何なんだよ!」


「あ?旦那だよ」


「学生が旦那なんて、ありえないだろ」
「あんたが、写真家って言うなら俺と真夜は産まれた時から嫁と旦那になるって決まってんだよ!真夜が産まれた瞬間から俺は隣にいて、死ぬまで真夜と一緒にいるんだよ!何か文句あるか!これ以上、付きまとうようなら、警察にも行くし、それ以外の方法もやるぞ?真夜の為なら、あんたを再起不能にくらい出来るんだぞ?」
拳を握りしめて睨みつけた。

「わ…わかったよ。もう近付かないよ…」
「もし!今だけの嘘なら、どうなるかわかるよな?俺はずっと真夜の隣にいて見てるからな!」


それ以来、その男が真夜の周りをうろつく事がなくなった。
あの時、なぜ旦那と答えたかは、わからない。
でも、自然と出た言葉。

ケンカなんてする勇気はないけど、その時は自然と何も怖くなかった。

何日か経ったある日、花梨にストーカーについて聞かれた。

「裕翔なにかやったの?赤ワイン来なくなったんだよね!真夜もビクビクしなくなってきたし!」
「あぁ、ちょっと話しただけだ。もう大丈夫だと思うぞ?」
「まぁ、裕翔は背が高いから相手もビビっちゃうよね…」
「そんな事はしないけど、真夜に近付くなって言っただけだよ。真夜には秘密な!」
「うん、わかってるって!!でも、さすが真夜の事を支えてるだけあって、裕翔は真夜の影のヒーローだね」

その日、家に帰ると真夜は舌を出してる。
感謝の時にする舌タッチ…
きっと、花梨から真夜に伝わったんだな…
内容は言わなくて正解だった。



1年半後……

俺たちは20歳になり成人した。
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