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第二章~悪魔のことが好きなあたし~
俺のだから
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「……え?」
再び朱莉から送りてきたLINEに思わず声が漏れる。
〝友達が御曹司をお持ち帰りしちゃったー。くそー〟
なんて文と悔しがるスタンプが送られてきたのだ。
「その女、トイレにいるってこと?」
音哉が苦笑い。
「……そういうことだね」
お持ち帰りだなんて。
でも、悪魔がじゃなくて女の子のほうがお持ち帰りって表現がさすがはモテモテなだけある。
「出てきたぞ」
音哉の言葉にひょいっと少し顔を出して見ると、トイレから出てきた綺麗めなお姉さんにニッコリと笑ってる悪魔。
「……っ」
そんな風にほかの人に笑いかけてなんて欲しくない。
「このまま俺らもおりよう。アイツらエレベーターだから」
「……うん」
音哉の言葉に頷いて、階段を降りていく。
ふたりはこのままどこに消えていくつもりなのだろうか。
もしかしたらあたしが知らないだけで、いつもこうしてだれかといるのかもしれない。
「酔っぱらっちゃったなー」
階段を降り切ると、あからさまに悪魔の腕に絡みつくさっきの女性の姿。
「ははっ。大丈夫ですか?はい」
なんて、あたしには言ったことのないようの紳士っぽい猫かぶりで彼女にてを差し伸べる。
「……っ」
当然ながら、悪魔の手を取る女性。
なによ、スマートにエスコートなんかしちゃって。
あたしといる時より、彼氏っぽい悪魔にモヤモヤが溜まっていく。
「ねぇ、どこいく?」
「んー?どこ行きたいっすか?飲み直します?」
「えー、あたしは2人きりになれるところがいいな」
語尾にハートでもつきそうな甘い声で、悪魔にくっついてる。
「2人きりかぁ……じゃあタクシーでも乗りましょうか」
店の前に停まってるタクシーの窓をコンコンと叩く。
「ふふ。嬉しいなぁー」
未だ甘い声の彼女が先にタクシーに乗り込む。
「楽しみですね」
ニッコリと優しく笑って、悪魔も彼女に続いて乗り込む。
「音哉……帰ろう」
「あ、あぁ……」
気まずそうな顔になる。
「音哉は悪くないから、気にしないでよ」
「や、でも……連れてきたのは俺だからさ」
ボリボリと頭を搔く。
「ついてきたのはあたしだから、ね?」
「ん。ごめんな、ほんと」
あたしの言葉を認めながらも謝ってる音哉にクスッと笑いがこみ上げる。
「なんで笑ってんだよ」
「だって、謝るから」
「いや、だって……こんなんシャレにならんだろー」
悪いのは音哉じゃないのに。
あたしを自分のものと言いながら、ほかの人を選ぶ悪魔が。
そして、そばにいれなくなるのが怖くてなにも言えないあたしも。
どっちも悪いんだと思う。
「どうする?うちくるか?どうせ御曹司いないんだし」
「……ううん。まつよ」
本当なら、ひとりでなんかいたくない。
でも、逃げてちゃダメだから。
いつまでも逃げてるわけにはいかない。
「お前、辛くないの?」
家の前まで送ってくれた音哉が別れ際にそう口を開く。
「……え?」
「だって、あんなん見てよ……」
見上げれば、なぜか音哉がとても苦しそうな顔をしてた。
「……音哉?」
「俺なら……」
「え?」
あたしを見下ろす音哉の目があまりに真剣で、逸らせなくなる。
「絶対にもっと……「なにしてんの?」
足音と共に聞こえて来た声に音哉の言葉は止まる。
「早いですね……」
嫌味たらしくなってしまうこの口。
もっとかわいくなりたいのに。
「は?そんな早くかえってきたつもりはないけど?」
たしかに今はそれなりに遅い時間だ。
でも、さっきあの女の子と一緒に帰ったのだからもっと帰りは遅いと思ってた。
「送り狼にはならないでね?俺のだから」
音哉とあたしの間に入ってにっこりと笑う。
「……なら、もう少し大事にしてやってくださいよ」
「別に俺らがどんな風に付き合おうが君には関係ないよ。ほら、行くよ」
あたしの腕を引っ張って歩き出す。
再び朱莉から送りてきたLINEに思わず声が漏れる。
〝友達が御曹司をお持ち帰りしちゃったー。くそー〟
なんて文と悔しがるスタンプが送られてきたのだ。
「その女、トイレにいるってこと?」
音哉が苦笑い。
「……そういうことだね」
お持ち帰りだなんて。
でも、悪魔がじゃなくて女の子のほうがお持ち帰りって表現がさすがはモテモテなだけある。
「出てきたぞ」
音哉の言葉にひょいっと少し顔を出して見ると、トイレから出てきた綺麗めなお姉さんにニッコリと笑ってる悪魔。
「……っ」
そんな風にほかの人に笑いかけてなんて欲しくない。
「このまま俺らもおりよう。アイツらエレベーターだから」
「……うん」
音哉の言葉に頷いて、階段を降りていく。
ふたりはこのままどこに消えていくつもりなのだろうか。
もしかしたらあたしが知らないだけで、いつもこうしてだれかといるのかもしれない。
「酔っぱらっちゃったなー」
階段を降り切ると、あからさまに悪魔の腕に絡みつくさっきの女性の姿。
「ははっ。大丈夫ですか?はい」
なんて、あたしには言ったことのないようの紳士っぽい猫かぶりで彼女にてを差し伸べる。
「……っ」
当然ながら、悪魔の手を取る女性。
なによ、スマートにエスコートなんかしちゃって。
あたしといる時より、彼氏っぽい悪魔にモヤモヤが溜まっていく。
「ねぇ、どこいく?」
「んー?どこ行きたいっすか?飲み直します?」
「えー、あたしは2人きりになれるところがいいな」
語尾にハートでもつきそうな甘い声で、悪魔にくっついてる。
「2人きりかぁ……じゃあタクシーでも乗りましょうか」
店の前に停まってるタクシーの窓をコンコンと叩く。
「ふふ。嬉しいなぁー」
未だ甘い声の彼女が先にタクシーに乗り込む。
「楽しみですね」
ニッコリと優しく笑って、悪魔も彼女に続いて乗り込む。
「音哉……帰ろう」
「あ、あぁ……」
気まずそうな顔になる。
「音哉は悪くないから、気にしないでよ」
「や、でも……連れてきたのは俺だからさ」
ボリボリと頭を搔く。
「ついてきたのはあたしだから、ね?」
「ん。ごめんな、ほんと」
あたしの言葉を認めながらも謝ってる音哉にクスッと笑いがこみ上げる。
「なんで笑ってんだよ」
「だって、謝るから」
「いや、だって……こんなんシャレにならんだろー」
悪いのは音哉じゃないのに。
あたしを自分のものと言いながら、ほかの人を選ぶ悪魔が。
そして、そばにいれなくなるのが怖くてなにも言えないあたしも。
どっちも悪いんだと思う。
「どうする?うちくるか?どうせ御曹司いないんだし」
「……ううん。まつよ」
本当なら、ひとりでなんかいたくない。
でも、逃げてちゃダメだから。
いつまでも逃げてるわけにはいかない。
「お前、辛くないの?」
家の前まで送ってくれた音哉が別れ際にそう口を開く。
「……え?」
「だって、あんなん見てよ……」
見上げれば、なぜか音哉がとても苦しそうな顔をしてた。
「……音哉?」
「俺なら……」
「え?」
あたしを見下ろす音哉の目があまりに真剣で、逸らせなくなる。
「絶対にもっと……「なにしてんの?」
足音と共に聞こえて来た声に音哉の言葉は止まる。
「早いですね……」
嫌味たらしくなってしまうこの口。
もっとかわいくなりたいのに。
「は?そんな早くかえってきたつもりはないけど?」
たしかに今はそれなりに遅い時間だ。
でも、さっきあの女の子と一緒に帰ったのだからもっと帰りは遅いと思ってた。
「送り狼にはならないでね?俺のだから」
音哉とあたしの間に入ってにっこりと笑う。
「……なら、もう少し大事にしてやってくださいよ」
「別に俺らがどんな風に付き合おうが君には関係ないよ。ほら、行くよ」
あたしの腕を引っ張って歩き出す。
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