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第三章~悪魔の気持ち~
はやく会いてぇ
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『あいつ、思い出したんだ』
「……え?」
『お前とのこと全部』
「……っ」
先輩はさっき、俺と話したくないと言っていると言った。
それは、俺への拒絶を意味する。
『昨日、実家帰っていままで開けたことのない箱あけちゃったみたいでさ』
「……箱?」
『そう、箱。そこにお前と撮った写真とお前が最後にあげたネックレスが入ってたんだ』
「……っ」
先輩の言葉に俺は何も言えなかった。
たしかに、心海を抱いたとき俺はネックレスを心海の首元につけていた。
もう離れなきゃならないのに、俺のものだと言いたくて。
なにか、形で表したくて。
俺のことを思い出してほしくて。
ずっと脳裏に入れておいてほしくて。
俺はもう一緒にいられないくせに、心海を俺との思い出で縛りたかったんだ。
『ずっとあいつの親が鍵をかけて開けれないようにしてたんだけど、たまたま親がいないときにあいつ鍵を探してさ』
「……探したのか」
心海のなかに、なにか思いがあったのだろうか。
そこに俺との思い出があるって、潜在意識の中にあったのだろうか。
『あいつ、ずっとその箱をあけたがってたんだって』
「そうなんですか……」
『なんかあったんだろうかね。あいつの中で……。で、俺に電話してきた』
「……先輩に」
俺との写真を見てどう思ったんだろうか。
連絡取れない状況だったから仕方ないけど、本当なら俺をたよってほしかった。
『俺も帰省してたから、あいつの家に呼ばれたんだ』
「……はい」
心海の実家にふたりきり。
その状況に嫉妬なんかしている場合じゃないのにそんな気持ちが出てきてしまう。
『そこで、どういうことかわからないと言いながらまた過呼吸起こしたんだよ』
「また……」
傷ついて、傷つきまくった心海が唯一自分を守れた方法。
それが記憶を失うことだったと今ならわかる。
『意識が戻って初めて言った言葉は〝付き合ってたこと忘れててごめん〟だった』
「……そっか」
初めてでてきた言葉は俺のことじゃなかった。
そりゃ、目の前にいるのが恩田先輩だし仕方ないことだけど。
『いまの心海の中には、あの時に傷ついた気持ちといまお前のことが好きな気持ちとでぐちゃぐちゃになってる』
「……はい」
『なんで、傷つけたのにまた現れたんだよ』
先輩のすごく苦しそうな声。
心海のことを本当に思ってるからそんな声になるんだと思う。
でも、俺だって……。
「先輩にはわからないと思います」
俺だって、できることならあの頃から傷つけたくなんてなかった。
でも、あの時はあぁでもしないと心海から離れることなんて多分無理だった。
傷つけた俺には、心海といる資格はないと。
そう自分にいい聞かせて、東京に帰ったんだから。
『まぁ、俺は御曹司でもなんでもないから難しいことはわからない』
「……なんかすみません」
あぁは言ったけど、でもそんなこと言うつもりもなくて。
でも、どうしても心海のことになると……。
『いや。ただ、心海がどんなにお前を拒絶しよとお前はくるべきだと思う。あ、でも明日卒業式か』
「いや、いいんです。俺こっちの試験クリアしたんで今日帰ります。そのまま北海道行きますね」
『わかった。心海のこと救ってやってくれ』
「……はい」
心海を救えるのは俺であってほしい。
俺が心海を救いたい。
「はやく会いてぇ」
心海に。
会いたくて、会いたくて仕方がなかった。
「……え?」
『お前とのこと全部』
「……っ」
先輩はさっき、俺と話したくないと言っていると言った。
それは、俺への拒絶を意味する。
『昨日、実家帰っていままで開けたことのない箱あけちゃったみたいでさ』
「……箱?」
『そう、箱。そこにお前と撮った写真とお前が最後にあげたネックレスが入ってたんだ』
「……っ」
先輩の言葉に俺は何も言えなかった。
たしかに、心海を抱いたとき俺はネックレスを心海の首元につけていた。
もう離れなきゃならないのに、俺のものだと言いたくて。
なにか、形で表したくて。
俺のことを思い出してほしくて。
ずっと脳裏に入れておいてほしくて。
俺はもう一緒にいられないくせに、心海を俺との思い出で縛りたかったんだ。
『ずっとあいつの親が鍵をかけて開けれないようにしてたんだけど、たまたま親がいないときにあいつ鍵を探してさ』
「……探したのか」
心海のなかに、なにか思いがあったのだろうか。
そこに俺との思い出があるって、潜在意識の中にあったのだろうか。
『あいつ、ずっとその箱をあけたがってたんだって』
「そうなんですか……」
『なんかあったんだろうかね。あいつの中で……。で、俺に電話してきた』
「……先輩に」
俺との写真を見てどう思ったんだろうか。
連絡取れない状況だったから仕方ないけど、本当なら俺をたよってほしかった。
『俺も帰省してたから、あいつの家に呼ばれたんだ』
「……はい」
心海の実家にふたりきり。
その状況に嫉妬なんかしている場合じゃないのにそんな気持ちが出てきてしまう。
『そこで、どういうことかわからないと言いながらまた過呼吸起こしたんだよ』
「また……」
傷ついて、傷つきまくった心海が唯一自分を守れた方法。
それが記憶を失うことだったと今ならわかる。
『意識が戻って初めて言った言葉は〝付き合ってたこと忘れててごめん〟だった』
「……そっか」
初めてでてきた言葉は俺のことじゃなかった。
そりゃ、目の前にいるのが恩田先輩だし仕方ないことだけど。
『いまの心海の中には、あの時に傷ついた気持ちといまお前のことが好きな気持ちとでぐちゃぐちゃになってる』
「……はい」
『なんで、傷つけたのにまた現れたんだよ』
先輩のすごく苦しそうな声。
心海のことを本当に思ってるからそんな声になるんだと思う。
でも、俺だって……。
「先輩にはわからないと思います」
俺だって、できることならあの頃から傷つけたくなんてなかった。
でも、あの時はあぁでもしないと心海から離れることなんて多分無理だった。
傷つけた俺には、心海といる資格はないと。
そう自分にいい聞かせて、東京に帰ったんだから。
『まぁ、俺は御曹司でもなんでもないから難しいことはわからない』
「……なんかすみません」
あぁは言ったけど、でもそんなこと言うつもりもなくて。
でも、どうしても心海のことになると……。
『いや。ただ、心海がどんなにお前を拒絶しよとお前はくるべきだと思う。あ、でも明日卒業式か』
「いや、いいんです。俺こっちの試験クリアしたんで今日帰ります。そのまま北海道行きますね」
『わかった。心海のこと救ってやってくれ』
「……はい」
心海を救えるのは俺であってほしい。
俺が心海を救いたい。
「はやく会いてぇ」
心海に。
会いたくて、会いたくて仕方がなかった。
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