俺様御曹司に飼われました

馬村 はくあ

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最終章~あたしの大事な人~

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「お母さんたち出かけてるのか」



社長が出資してる大学の卒業式かあるってだけで、なんと連休になるうちの会社。
3連休になったので、実家の厚岸に久しぶりに帰ってきた。



「部屋で休んでようっと」



ドアを開けて、久しぶりに入る自分の部屋。



「やっぱり、このくらいの広さがちょうどいい」



悪魔が旅立ってから四ヶ月。
ひとりで住むには広すぎるあの部屋に寂しくなって、実家にかえってきた。



「最近帰ってなかったもんなー」



懐かしくなって、ずっと使っていた机の椅子に腰をかける。



「……あ」



いちばん下の引き出しを開けて、見えてきた金色の箱。

あたしはこの箱をパンドラの箱だとおもってる。


──絶対に開けちゃダメ。

昔から言われていた言葉。
いつからこの箱があったのかは正直覚えていない。

あたしにはなぜだかわからないけど、高校二年までの記憶が曖昧にしかないのだ。
それ以降はハッキリと思い出せるのに。



「鍵はどこにあるんだろう……」



いままで、鍵なんて探したことがなかった。
でも、なんとなくだけど今日は探さなきゃいけない気がした。



「お母さんが大事なものをしまってるところかなぁ……?」



お父さんとお母さんの寝室のドアをあける。

いままで、2人のいいつけをまもって開けれないできた。
でも、そんなに開けちゃダメだというならあたしの部屋に置くべきではないと思う。
子供なんて、好奇心から開けたくなってしまうんだから。



「あっ!」



お母さんのドレッサーのいちばん下の引き出し。
いつもここに大事なものを閉まってるから。
だからここかもしれないと、引き出しを開けた。



「やっぱり……!」



ひとつの茶色い封筒に入った鍵。
たぶん、これだと直感的にわかった。



「よーし!開けよう!」



ふたりの寝室から出て、隣の部屋へと足早に入る。

早く開けたくて、仕方なかった。
なぜだかわからないけど、開けないといけない。
そんな気がした。



──カチャリ



鍵をさすと、音がして開いたんだと分かった。



「なんかドキドキする」



いままで、なぜか開けちゃいけないと言われていた箱。
このパンドラの箱の中身を見れる日なんてこないと思ってた。



『これは絶対に開けちゃダメだからね』



高2のときにそうお母さんに言われたことを覚えてる。

だから、絶対に開けちゃダメなんだと思ってた。
でも、大人になった今。
なんでも自分で解決できるようになった。

だから、今なら見てもいい気がした。



「……っ」



箱の中に入っている1枚の写真。
裏返ってたその写真をひっくり返したとき、見えてきた映像に心臓がバグバクなって止まらなかった。



「な、なん……っ」



うまくなんて喋れない。

どうしたらいいかわかなくて、視界に入らないようにその写真を裏返した。



「……なんで」



そんなことを呟いてみても、誰の返答もあるわけはない。
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