9 / 52
第2章・君がくれたきっかけと、後悔の意味
第9話
しおりを挟む
ふと、千鳥さんが瞬きをした。
「……あのー……君、いちばん重要なことを言い忘れてる気がするんだけど」
「え」
「大切なのって、喧嘩した理由じゃない?」
「……理由?」
「どうして喧嘩したの?」
訊かれて、考える。
考えながら顔を上げると、千鳥さんの大きな瞳と目が合った。どこか蒼ざめたその瞳は、まるで僕とは違うものを見ているみたいだ。
「……僕が、ある女の子を好きって噂を勝手に流されたんだ。だけどその女の子には彼氏がいて、その彼氏が不良グループみたいなところにいるひとだったから、ちょっと揉めて。それから僕はその彼氏連中から嫌がらせを受けるようになった」
この話は、蝶々さんにしか話したことはなかった。親にすら話せなかった。恥ずかしくて、バカらしくて。
それなのに、なんでだろう。
彼女には、なぜかすらすらと話せてしまう。
千鳥さんはまっすぐ僕を見つめている。
興味本位じゃないと分かる真剣な眼差しに、僕のなかでわずかに残っていた迷いが消える。
「あとから、その噂を流したのが親友だって知った。ショックで問いただしたら逆ギレされて、僕もムカついて……」
だけど、その場所が悪かった。
当時言い争いになったのは理科室。しかも実験中だった。揉み合った衝撃でアルコールランプが床に落ち、火の手が上がった。
「火が燃え広がって……僕は親友の手に、火傷を負わせた」
千鳥さんはしばらく驚愕した様子のまま、僕の手を見ていた。
「それ以来、僕はひとりでいるようになった。ひととかかわるのが怖くなったんだ。……だけど中学のとき、クラスメイトがいじめをしていて、僕はたまたまその場に居合わせて……いじめられっ子を助けようとしたんだ」
いじめられていたのは、かつて怪我させてしまった親友だった。
僕たちはあれ以来話すことはなく、他人になっていた。だから、親友がいじめられているなんて僕はこれっぽっちも知らなかった。
中学で同じクラスになり、その場面に居合わせたときはすごく驚いた。
動揺して、咄嗟に知らないふりをしようかとも思ったけど、できなかった。あのときの罪滅ぼしができるかもしれないと思ったのだ。そんなことをしたって、許されるわけないのに。
「結局、騒ぎを大きくしただけだった。それからはもう、とにかくいろんな噂が広まって、僕と仲良くしようとするひとはいなくなった」
千鳥さんはなにも言わず、静かに僕の話に耳を傾けている。
「……僕は、だれかといるとぜったいにそのひとを傷付けちゃう。だから、ひとりでいるべき人間。……いや、この世に存在しちゃいけない人間なのかもしれない」
何度も死にたいと思った。すべてを投げ出したくなったし、無性になにかに当たりたかった。だけど、そんな勇気はなかった。
僕は拳と奥歯に力を込める。
「……あのさ」
千鳥さんが控えめに口を開く。
「……君は、その友だちを傷つけたことばかりを重要視しているようだけど、違くない?」
「え……」
「汐風くんは、理不尽な目に遭わされたことに対して怒っただけだし、そのあとのことだって、ただいじめられっ子を助けただけだよね? 君、べつになにも悪くなくない?」
その言葉は、まるで真冬の寒空に落ちた太陽の光のように、冷え切っていた僕の心を溶かしていく。
「悪く、ない……?」
「うん。たしかに喧嘩した場所は問題だったし、怪我させちゃったことも反省しなくちゃいけないことかもしれないけど。でも、君は悪くないでしょ?」
まるで風船に穴が空いたように、ぱんぱんにふくらんでいたなにかが萎んでいく。
「そんなことない。僕が悪い」
「いやいや」
息を吐くように言うと、千鳥さんは大袈裟に聞こえるくらいの声で、
「そんなの、君の話をちゃんと聞けば分かることじゃん!」
と言った。そうなのだろうか。
僕は、悪くない?
「僕は……悪くなかったのかな」
言葉を知らない子どものように、たどたどしく呟く。
「うん。悪くない。君は正しい。だから気にする必要なし!」
千鳥さんは大きく頷いて、それからにひっと笑った。
僕は唇を噛み締めて、空をふり仰いだ。見上げた青空は、ゆっくりと滲んでいく。
――君は悪くない。
彼女にそうはっきりと明言されて、感情が込み上げる。
そうなのかな。僕は、悪くなかった?
みんな僕を責めたのに? みんな、僕から離れていったのに?
『悪くない』
僕は、悪くなかった……!
心が悲鳴じみた声を上げた。
「そもそも、どうして汐風くんが悪いことになるのかな……」
千鳥さんは不満そうな口調で言った。
「いつも思うの。週刊誌とかでもさ、女優さんとか俳優さんの人柄が話題になったりするでしょ。この俳優は気さくで親しみやすいだとか、この女優は性格最悪だーとか。みんなそれを当たり前のように信じたりするけど、それって変だよ」
「……どうして?」
「だって、ひととひとって相性でしょ。性格が悪いひとっていう表現は間違ってるよ。だって、そのひとの性格が悪いんじゃなくて、たまたま取材したひととか、そばにいたひとたちと性格が合わなかっただけかもしれないじゃない?」
「合わなかった、だけ……?」
「そうだよ。だから私は、噂よりもじぶんで見たものを信じたい。もし君が学校で悪く言われるなら、私が否定するよ。私が知ってる汐風くんは悪者じゃない。私に猫を触らせてくれた優しいひとだよ、って。だからそんな顔する必要なんて少しもないよ。ね、顔を上げて」
ほろ、となにかが頬に触れた。頬に手を持っていく。見ると、桜の花びらが指にくっついていた。花びらが濡れている。
あぁ、泣いてたんだ、と思った。
堪え切れずあふれ出した涙は、次から次へと頬をすべり落ちていく。けれど、僕の涙を見ても彼女はなにも言わない。ただ、微笑んでいた。
――春はパステル色。
駅の広告かなんかにあったキャッチコピーをふと思い出す。
桜の木を見上げ、隙間から降り注ぐ淡い陽の光に目を細めながら、あれは本当だったんだな、と思う。
春は、明るい。そして、春のなかにいる彼女もまた、眩しかった。
「さて、そろそろ戻らなきゃ」
不意に彼女が言った。そういえば、彼女は入院患者だ。ここにいること自体おかしい子だ。
「じゃあ私、行くね」
千鳥さんは舞台から軽やかに降りると、僕に背中を向けて歩き出す。
「あ……うん。気を付けて」
大人しく彼女の背中を見送っていると、不意に千鳥さんが振り返って僕を見た。
「汐風くん!」
「なに?」
「さっきの過去の話だけど。間違えた行動をしたと思ったなら、謝ればいいんじゃないかな! 汐風くんの悪いところは、勝手に自己完結しちゃうところだと思うよ」
ずばっと言われ、背筋を伸ばす。そんな僕を見て、千鳥さんはころころと笑った。
「未だに悩んで後悔してるなら、謝ったらいいんだよ! 後悔は、生きている証拠。成長できる証拠。もちろん、謝ったからって関係が元通りになるわけじゃないかもしれないけど、少しはすっきりするかもしれないよ」
「……うん」
頷くと、千鳥さんはすっと手を伸ばした。彼女の伸ばした指先は、僕の頭上を指している。
「俯きそうになったら、桜の木を探してみて! 桜の花を見ようとすれば、顔を上げられるから! それじゃあね!」
駆けていく千鳥さんの後ろ姿を見送りながら、ゆっくりと瞬きをする。
視界を彩るのは、彼女の白いワンピースと、舞い散る桜の花びら。足元に視線をやると、視界が薄紅色に染まった。
「……桜だらけだ」
なんだか胸の辺りがむず痒くなってきた。
こんなにも春を感じたのは、初めてのことだった。
「……あのー……君、いちばん重要なことを言い忘れてる気がするんだけど」
「え」
「大切なのって、喧嘩した理由じゃない?」
「……理由?」
「どうして喧嘩したの?」
訊かれて、考える。
考えながら顔を上げると、千鳥さんの大きな瞳と目が合った。どこか蒼ざめたその瞳は、まるで僕とは違うものを見ているみたいだ。
「……僕が、ある女の子を好きって噂を勝手に流されたんだ。だけどその女の子には彼氏がいて、その彼氏が不良グループみたいなところにいるひとだったから、ちょっと揉めて。それから僕はその彼氏連中から嫌がらせを受けるようになった」
この話は、蝶々さんにしか話したことはなかった。親にすら話せなかった。恥ずかしくて、バカらしくて。
それなのに、なんでだろう。
彼女には、なぜかすらすらと話せてしまう。
千鳥さんはまっすぐ僕を見つめている。
興味本位じゃないと分かる真剣な眼差しに、僕のなかでわずかに残っていた迷いが消える。
「あとから、その噂を流したのが親友だって知った。ショックで問いただしたら逆ギレされて、僕もムカついて……」
だけど、その場所が悪かった。
当時言い争いになったのは理科室。しかも実験中だった。揉み合った衝撃でアルコールランプが床に落ち、火の手が上がった。
「火が燃え広がって……僕は親友の手に、火傷を負わせた」
千鳥さんはしばらく驚愕した様子のまま、僕の手を見ていた。
「それ以来、僕はひとりでいるようになった。ひととかかわるのが怖くなったんだ。……だけど中学のとき、クラスメイトがいじめをしていて、僕はたまたまその場に居合わせて……いじめられっ子を助けようとしたんだ」
いじめられていたのは、かつて怪我させてしまった親友だった。
僕たちはあれ以来話すことはなく、他人になっていた。だから、親友がいじめられているなんて僕はこれっぽっちも知らなかった。
中学で同じクラスになり、その場面に居合わせたときはすごく驚いた。
動揺して、咄嗟に知らないふりをしようかとも思ったけど、できなかった。あのときの罪滅ぼしができるかもしれないと思ったのだ。そんなことをしたって、許されるわけないのに。
「結局、騒ぎを大きくしただけだった。それからはもう、とにかくいろんな噂が広まって、僕と仲良くしようとするひとはいなくなった」
千鳥さんはなにも言わず、静かに僕の話に耳を傾けている。
「……僕は、だれかといるとぜったいにそのひとを傷付けちゃう。だから、ひとりでいるべき人間。……いや、この世に存在しちゃいけない人間なのかもしれない」
何度も死にたいと思った。すべてを投げ出したくなったし、無性になにかに当たりたかった。だけど、そんな勇気はなかった。
僕は拳と奥歯に力を込める。
「……あのさ」
千鳥さんが控えめに口を開く。
「……君は、その友だちを傷つけたことばかりを重要視しているようだけど、違くない?」
「え……」
「汐風くんは、理不尽な目に遭わされたことに対して怒っただけだし、そのあとのことだって、ただいじめられっ子を助けただけだよね? 君、べつになにも悪くなくない?」
その言葉は、まるで真冬の寒空に落ちた太陽の光のように、冷え切っていた僕の心を溶かしていく。
「悪く、ない……?」
「うん。たしかに喧嘩した場所は問題だったし、怪我させちゃったことも反省しなくちゃいけないことかもしれないけど。でも、君は悪くないでしょ?」
まるで風船に穴が空いたように、ぱんぱんにふくらんでいたなにかが萎んでいく。
「そんなことない。僕が悪い」
「いやいや」
息を吐くように言うと、千鳥さんは大袈裟に聞こえるくらいの声で、
「そんなの、君の話をちゃんと聞けば分かることじゃん!」
と言った。そうなのだろうか。
僕は、悪くない?
「僕は……悪くなかったのかな」
言葉を知らない子どものように、たどたどしく呟く。
「うん。悪くない。君は正しい。だから気にする必要なし!」
千鳥さんは大きく頷いて、それからにひっと笑った。
僕は唇を噛み締めて、空をふり仰いだ。見上げた青空は、ゆっくりと滲んでいく。
――君は悪くない。
彼女にそうはっきりと明言されて、感情が込み上げる。
そうなのかな。僕は、悪くなかった?
みんな僕を責めたのに? みんな、僕から離れていったのに?
『悪くない』
僕は、悪くなかった……!
心が悲鳴じみた声を上げた。
「そもそも、どうして汐風くんが悪いことになるのかな……」
千鳥さんは不満そうな口調で言った。
「いつも思うの。週刊誌とかでもさ、女優さんとか俳優さんの人柄が話題になったりするでしょ。この俳優は気さくで親しみやすいだとか、この女優は性格最悪だーとか。みんなそれを当たり前のように信じたりするけど、それって変だよ」
「……どうして?」
「だって、ひととひとって相性でしょ。性格が悪いひとっていう表現は間違ってるよ。だって、そのひとの性格が悪いんじゃなくて、たまたま取材したひととか、そばにいたひとたちと性格が合わなかっただけかもしれないじゃない?」
「合わなかった、だけ……?」
「そうだよ。だから私は、噂よりもじぶんで見たものを信じたい。もし君が学校で悪く言われるなら、私が否定するよ。私が知ってる汐風くんは悪者じゃない。私に猫を触らせてくれた優しいひとだよ、って。だからそんな顔する必要なんて少しもないよ。ね、顔を上げて」
ほろ、となにかが頬に触れた。頬に手を持っていく。見ると、桜の花びらが指にくっついていた。花びらが濡れている。
あぁ、泣いてたんだ、と思った。
堪え切れずあふれ出した涙は、次から次へと頬をすべり落ちていく。けれど、僕の涙を見ても彼女はなにも言わない。ただ、微笑んでいた。
――春はパステル色。
駅の広告かなんかにあったキャッチコピーをふと思い出す。
桜の木を見上げ、隙間から降り注ぐ淡い陽の光に目を細めながら、あれは本当だったんだな、と思う。
春は、明るい。そして、春のなかにいる彼女もまた、眩しかった。
「さて、そろそろ戻らなきゃ」
不意に彼女が言った。そういえば、彼女は入院患者だ。ここにいること自体おかしい子だ。
「じゃあ私、行くね」
千鳥さんは舞台から軽やかに降りると、僕に背中を向けて歩き出す。
「あ……うん。気を付けて」
大人しく彼女の背中を見送っていると、不意に千鳥さんが振り返って僕を見た。
「汐風くん!」
「なに?」
「さっきの過去の話だけど。間違えた行動をしたと思ったなら、謝ればいいんじゃないかな! 汐風くんの悪いところは、勝手に自己完結しちゃうところだと思うよ」
ずばっと言われ、背筋を伸ばす。そんな僕を見て、千鳥さんはころころと笑った。
「未だに悩んで後悔してるなら、謝ったらいいんだよ! 後悔は、生きている証拠。成長できる証拠。もちろん、謝ったからって関係が元通りになるわけじゃないかもしれないけど、少しはすっきりするかもしれないよ」
「……うん」
頷くと、千鳥さんはすっと手を伸ばした。彼女の伸ばした指先は、僕の頭上を指している。
「俯きそうになったら、桜の木を探してみて! 桜の花を見ようとすれば、顔を上げられるから! それじゃあね!」
駆けていく千鳥さんの後ろ姿を見送りながら、ゆっくりと瞬きをする。
視界を彩るのは、彼女の白いワンピースと、舞い散る桜の花びら。足元に視線をやると、視界が薄紅色に染まった。
「……桜だらけだ」
なんだか胸の辺りがむず痒くなってきた。
こんなにも春を感じたのは、初めてのことだった。
20
あなたにおすすめの小説
黒に染まった華を摘む
馬場 蓮実
青春
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。
高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。
「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」
そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。
彼女の名は、立石麻美。
昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。
この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。
その日の放課後。
明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。
塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。
そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。
すべてに触れたとき、
明希は何を守り、何を選ぶのか。
光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。
僕《わたし》は誰でしょう
紫音みけ🐾新刊2月中旬発売!
青春
※第7回ライト文芸大賞にて奨励賞を受賞しました。応援してくださった皆様、ありがとうございました。
【あらすじ】
交通事故の後遺症で記憶喪失になってしまった女子高生・比良坂すずは、自分が女であることに違和感を抱く。
「自分はもともと男ではなかったか?」
事故後から男性寄りの思考になり、周囲とのギャップに悩む彼女は、次第に身に覚えのないはずの記憶を思い出し始める。まるで別人のものとしか思えないその記憶は、一体どこから来たのだろうか。
見知らぬ思い出をめぐる青春SF。
※表紙イラスト=ミカスケ様
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
時間を止めて ~忘れられない元カレは完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な人でした 【完結】
remo
恋愛
どんなに好きになっても、彼は絶対に私を愛さない。
佐倉ここ。
玩具メーカーで働く24歳のOL。
鬼上司・高野雅(がく)に叱責されながら仕事に奔走する中、忘れられない元カレ・常盤千晃(ちあき)に再会。
完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な彼には、悲しい秘密があった。
【完結】ありがとうございました‼
橘若頭と怖がり姫
真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。
その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。
高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。
鳥籠の花嫁~夫の留守を待つ私は、愛される日を信じていました
吉乃
恋愛
美しさと華やかさを持ちながらも、「賢くない」と見下されてきたカタリーナ。
格式ある名門貴族の嫡男との結婚は、政略ではないはずだった。
しかし夫はいつも留守、冷たい義家族、心の通わない屋敷。
愛されたいと願うたび、孤独だけが深まっていく。
カタリーナはその寂しさを、二人の幼い息子たちへの愛情で埋めるように生きていた。
それでも、信じていた。
いつか愛される日が来ると──。
ひとりの女性が静かに揺れる心を抱えながら、
家族と愛を見つめ直しながら結婚生活を送る・・・
******
章をまたいで、物語の流れや心情を大切にするために、少し内容が重なる箇所があるかもしれません。
読みにくさを感じられる部分があれば、ごめんなさい。
物語を楽しんでいただけるよう心を込めて描いていますので、最後までお付き合いいただけたら光栄です。
片想い婚〜今日、姉の婚約者と結婚します〜
橘しづき
恋愛
姉には幼い頃から婚約者がいた。両家が決めた相手だった。お互いの家の繁栄のための結婚だという。
私はその彼に、幼い頃からずっと恋心を抱いていた。叶わぬ恋に辟易し、秘めた想いは誰に言わず、二人の結婚式にのぞんだ。
だが当日、姉は結婚式に来なかった。 パニックに陥る両親たち、悲しげな愛しい人。そこで自分の口から声が出た。
「私が……蒼一さんと結婚します」
姉の身代わりに結婚した咲良。好きな人と夫婦になれるも、心も体も通じ合えない片想い。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる