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第4章 国主編
第137話 内通者 ~エリーザベトの苦悩~
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ここはある都市の郊外の建物の地下室の中である。
暗がりの中で男が密談口調でしゃべっているが人影は1人しか見えない。
人相の悪い悪人面をした中年男で、真っ黒なローブを着ている。
男は水晶玉のようなものを覗いている。遠隔地と通信するアーティファクトのようだ。
「ヴェルンハルト。例の計画の進捗状況はどうだ?」
「既に扇動者を複数名チューリヒに潜入させました。今は拠点づくりをしているところです」
「では、そのまま進めてくれ。で、今度こそロートリンゲン公対策は大丈夫なのだろうな?」
「思い切って暗殺者を放ってはいかがと考えております」
「なるほど。しかし、なぜいつもロートリンゲン公に情報が洩れるのだ。内通者がいるのではないか?」
「我らに限って、そのようなことはないかと…」
「そこはきちんと裏を取っておけ。では、成果を期待しておるぞ。十字団万歳」
「十字団万歳」
ヴェルンハルトが通信を終わり、部屋を出ようとしたところ、カーテンの裏側から微かに気配がする。
──これは…内通者か?
ヴェルンハルトは剣に手をかけた。
その瞬間、カーテンを突き破って剣が突き出された。
ヴェルンハルトは咄嗟に避ける。
ヴェルンハルトの胸に剣が刺さったが、かろうじて心臓は外れた。それにカーテン越しの分だけ傷も浅い。
この細身の剣はレイピアだ。
このアジトでレイピア使いは一人しかいない。
「エリーザベトか? おまえ…」
エリーザベトは聞く耳を持たず、地下室の扉へと一目散に向かい、外に脱出した。
傷つきながらもヴェルンハルトがそれを追う。
地下室を出たところでヴェルンハルトは警笛を吹いた。
大声で助けを呼ぶ。
「内通者だ。警備兵!」
それを聞いてかけつけた警備兵たちとエリーザベトがかち合った。
エリーザベトはレイピアを抜き放っており、先端には血が付いている。
警備兵たちは呆気にとられた。
「隊長? まさか…」
そこにヴェルンハルトが追い付き、大声で言った。
「エリーザベトが内通者だったのだ。やってしまえ!」
警備兵たちは気を取り直し、抜刀すると、エリーザベトに切りかかってきた。
集まった警備兵は5人。いずれもエリーザベトが鍛えた手練れの者だった。
「ちっ。ドジったか…」エリーザベトは呟いた。
相手が手練れの者5人ではいくらエリーザベトでも分が悪い。
次第に追い詰められていく。
◆
タンバヤ商会情報部のアリーセは、薔薇十字団のアジトを突きとめ、潜入を図っていた。
暗がりの中で様子を探っていると、突然警笛が鳴った。
──ちっ。見つかったか?
しかし、警備の者はやってこない。
すると遠くで戦闘をしている音が聞こえた。
これを物陰から除くアリーセ。
次の瞬間、アリーセは目を見張った。
あのにっくきエリーザベトが5人の男を相手に苦戦しているではないか。
──あのバカ。何をやっている…
アリーセは迷った。
あいつはフリードリヒ様の命を狙った奴だ。このまま放置しても…
だが、体が勝手に動いた。
エリーザベトの目の前に煙幕玉を投げつけるとモウモウと煙が立ち込め、敵は怯んだ。
その隙にアリーセはエリーザベトの手を引っ張って素早く逃走する。
──ああ。私のバカ! お人好し!
走りながらエリーザベトは言った。
「おまえは…なぜ私を助ける?」
「さあな…体が勝手に動いた」
「なんだ…それ?」
2人は何とか逃げおおせ、ナンツィヒの城へと帰還した。
◆
フリードリヒは2人を前にして言った。
「珍しい組み合わせだな。アリーセはエリーザベトを嫌っているようだったが…」
「今でも変わっていません」
エリーザベトが問う。
「ならば、なぜ助けた?」
「体が勝手に動いた。私は人道的な人間なのだ。誰であれ、目の前で人が殺されようとしているのを見逃せるものか」
2人は睨みあっている。
もともと仲が良いとは言えない2人だ。これはどうしようもない。
フリードリヒは話題を転じた。
「ところで薔薇十字団は、今度は何を狙っている?」
「今度の狙いはチューリヒだ」
「チューリヒで何をする?」
「さあ…ただ扇動者を送り込んだと言っていた」
「扇動者…?」
民衆に反乱でも起こさせるつもりか?
確かにあそこは自治意識の強い土地ではあるが…
「アリーセ。引き続き薔薇十字団を探ってくれ」
「御意」
そう言うとアリーセは素早く姿を消した。
フリードリヒはエリーザベトに問う。
「さて、おまえはどうする?」
「今までいろいろな意味でダーリンのために体を張ってきたんだ。今更見捨てるとかないわよね」
「それも一理あるか…」
「なら、この城で匿ってちょうだい」
「わかった。だが、当分の間、見張りは付けさせてもらう。万が一、二重スパイということもあり得ないではないからな」
「いったいどこまで用心深いのよ」
「薔薇十字団は、それだけ油断ならない奴らだということだ」
「それは否定できないけれど…」
◆
アリーセはいちおう先日の薔薇十字団のアジトの様子を見に行った。
予想どおり、アジトは火を放たれ、完全に燃え尽きていた。手掛かりとなりそうなものは何も見つからなかった。
「まったくもう。あいつのせいで苦労して見つけたアジトがこれだ…」とアリーセは一人で愚痴った
仕方なく、アリーセはチューリヒに向かう。
チューリヒは、地理的にはシュヴァーベン大公国の南西端にある。
チューリヒの地は、カール大帝の孫で東フランク王であるルートヴィヒⅡ世が娘のヒルデガルトのために設立した女子修道院が、その後に市場開設、通行税徴収、貨幣鋳造などの権利を得て、実質的に支配していた。
シュヴァーベン系ツェーリンゲン家が代々教会守護職を務めていたが、十数年前に同家の消滅とともにチューリッヒは「帝国都市」となった。
帝国都市の法的地位は皇帝に対し臣従するとともに軍役や税を負担するが、他方では自ら兵力を擁し、同盟締結権その他の特権を有する。
そういう意味では、チューリヒは都市としての自治の歴史は比較的短い。
薔薇十字団は、そこにつけ込んで都市を牛耳ろうということなのだろうか?
アリーセは、まずは配下の者とともに市中の聞き込みを行い、都市の情勢を探ることにした。
◆
一方、城に匿われたエリーザベトは居心地が悪く。針の筵状態だった。
見張りに行動を逐一チェックされることはもちろん、フリードリヒの妻・愛妾たちは冷たく当たった。
元薔薇十字団でフリードリヒの命を狙った前科のある女など許せなかったのだ。
妻・愛妾たちの態度がそうであれば、当然にその下の侍女やメイドも同じような態度を取らざるを得なかった。
かといって、この城を出ていって、どうやって生計を立てる?
また、傭兵家業でもやるか…
いずれにしても、ほとぼりが冷めるまではこの城で匿ってもらう以外に方法がない。
それまでに身の振り方を考える時間は十分にある。
エリーザベトは、今ではフリードリヒを愛していることを完全に自覚していた。ただ、今までは敵対する陣営同士だったから愛の形が歪になってしまっていただけだ。
ただ、それはそれで刺激があってなかなかに面白い関係ではあったが…
当のフリードリヒはどう考えているのだろうか?
エリーザベトはこの先フリードリヒが自分をどのように扱うのかについて思いをはせた。
暗がりの中で男が密談口調でしゃべっているが人影は1人しか見えない。
人相の悪い悪人面をした中年男で、真っ黒なローブを着ている。
男は水晶玉のようなものを覗いている。遠隔地と通信するアーティファクトのようだ。
「ヴェルンハルト。例の計画の進捗状況はどうだ?」
「既に扇動者を複数名チューリヒに潜入させました。今は拠点づくりをしているところです」
「では、そのまま進めてくれ。で、今度こそロートリンゲン公対策は大丈夫なのだろうな?」
「思い切って暗殺者を放ってはいかがと考えております」
「なるほど。しかし、なぜいつもロートリンゲン公に情報が洩れるのだ。内通者がいるのではないか?」
「我らに限って、そのようなことはないかと…」
「そこはきちんと裏を取っておけ。では、成果を期待しておるぞ。十字団万歳」
「十字団万歳」
ヴェルンハルトが通信を終わり、部屋を出ようとしたところ、カーテンの裏側から微かに気配がする。
──これは…内通者か?
ヴェルンハルトは剣に手をかけた。
その瞬間、カーテンを突き破って剣が突き出された。
ヴェルンハルトは咄嗟に避ける。
ヴェルンハルトの胸に剣が刺さったが、かろうじて心臓は外れた。それにカーテン越しの分だけ傷も浅い。
この細身の剣はレイピアだ。
このアジトでレイピア使いは一人しかいない。
「エリーザベトか? おまえ…」
エリーザベトは聞く耳を持たず、地下室の扉へと一目散に向かい、外に脱出した。
傷つきながらもヴェルンハルトがそれを追う。
地下室を出たところでヴェルンハルトは警笛を吹いた。
大声で助けを呼ぶ。
「内通者だ。警備兵!」
それを聞いてかけつけた警備兵たちとエリーザベトがかち合った。
エリーザベトはレイピアを抜き放っており、先端には血が付いている。
警備兵たちは呆気にとられた。
「隊長? まさか…」
そこにヴェルンハルトが追い付き、大声で言った。
「エリーザベトが内通者だったのだ。やってしまえ!」
警備兵たちは気を取り直し、抜刀すると、エリーザベトに切りかかってきた。
集まった警備兵は5人。いずれもエリーザベトが鍛えた手練れの者だった。
「ちっ。ドジったか…」エリーザベトは呟いた。
相手が手練れの者5人ではいくらエリーザベトでも分が悪い。
次第に追い詰められていく。
◆
タンバヤ商会情報部のアリーセは、薔薇十字団のアジトを突きとめ、潜入を図っていた。
暗がりの中で様子を探っていると、突然警笛が鳴った。
──ちっ。見つかったか?
しかし、警備の者はやってこない。
すると遠くで戦闘をしている音が聞こえた。
これを物陰から除くアリーセ。
次の瞬間、アリーセは目を見張った。
あのにっくきエリーザベトが5人の男を相手に苦戦しているではないか。
──あのバカ。何をやっている…
アリーセは迷った。
あいつはフリードリヒ様の命を狙った奴だ。このまま放置しても…
だが、体が勝手に動いた。
エリーザベトの目の前に煙幕玉を投げつけるとモウモウと煙が立ち込め、敵は怯んだ。
その隙にアリーセはエリーザベトの手を引っ張って素早く逃走する。
──ああ。私のバカ! お人好し!
走りながらエリーザベトは言った。
「おまえは…なぜ私を助ける?」
「さあな…体が勝手に動いた」
「なんだ…それ?」
2人は何とか逃げおおせ、ナンツィヒの城へと帰還した。
◆
フリードリヒは2人を前にして言った。
「珍しい組み合わせだな。アリーセはエリーザベトを嫌っているようだったが…」
「今でも変わっていません」
エリーザベトが問う。
「ならば、なぜ助けた?」
「体が勝手に動いた。私は人道的な人間なのだ。誰であれ、目の前で人が殺されようとしているのを見逃せるものか」
2人は睨みあっている。
もともと仲が良いとは言えない2人だ。これはどうしようもない。
フリードリヒは話題を転じた。
「ところで薔薇十字団は、今度は何を狙っている?」
「今度の狙いはチューリヒだ」
「チューリヒで何をする?」
「さあ…ただ扇動者を送り込んだと言っていた」
「扇動者…?」
民衆に反乱でも起こさせるつもりか?
確かにあそこは自治意識の強い土地ではあるが…
「アリーセ。引き続き薔薇十字団を探ってくれ」
「御意」
そう言うとアリーセは素早く姿を消した。
フリードリヒはエリーザベトに問う。
「さて、おまえはどうする?」
「今までいろいろな意味でダーリンのために体を張ってきたんだ。今更見捨てるとかないわよね」
「それも一理あるか…」
「なら、この城で匿ってちょうだい」
「わかった。だが、当分の間、見張りは付けさせてもらう。万が一、二重スパイということもあり得ないではないからな」
「いったいどこまで用心深いのよ」
「薔薇十字団は、それだけ油断ならない奴らだということだ」
「それは否定できないけれど…」
◆
アリーセはいちおう先日の薔薇十字団のアジトの様子を見に行った。
予想どおり、アジトは火を放たれ、完全に燃え尽きていた。手掛かりとなりそうなものは何も見つからなかった。
「まったくもう。あいつのせいで苦労して見つけたアジトがこれだ…」とアリーセは一人で愚痴った
仕方なく、アリーセはチューリヒに向かう。
チューリヒは、地理的にはシュヴァーベン大公国の南西端にある。
チューリヒの地は、カール大帝の孫で東フランク王であるルートヴィヒⅡ世が娘のヒルデガルトのために設立した女子修道院が、その後に市場開設、通行税徴収、貨幣鋳造などの権利を得て、実質的に支配していた。
シュヴァーベン系ツェーリンゲン家が代々教会守護職を務めていたが、十数年前に同家の消滅とともにチューリッヒは「帝国都市」となった。
帝国都市の法的地位は皇帝に対し臣従するとともに軍役や税を負担するが、他方では自ら兵力を擁し、同盟締結権その他の特権を有する。
そういう意味では、チューリヒは都市としての自治の歴史は比較的短い。
薔薇十字団は、そこにつけ込んで都市を牛耳ろうということなのだろうか?
アリーセは、まずは配下の者とともに市中の聞き込みを行い、都市の情勢を探ることにした。
◆
一方、城に匿われたエリーザベトは居心地が悪く。針の筵状態だった。
見張りに行動を逐一チェックされることはもちろん、フリードリヒの妻・愛妾たちは冷たく当たった。
元薔薇十字団でフリードリヒの命を狙った前科のある女など許せなかったのだ。
妻・愛妾たちの態度がそうであれば、当然にその下の侍女やメイドも同じような態度を取らざるを得なかった。
かといって、この城を出ていって、どうやって生計を立てる?
また、傭兵家業でもやるか…
いずれにしても、ほとぼりが冷めるまではこの城で匿ってもらう以外に方法がない。
それまでに身の振り方を考える時間は十分にある。
エリーザベトは、今ではフリードリヒを愛していることを完全に自覚していた。ただ、今までは敵対する陣営同士だったから愛の形が歪になってしまっていただけだ。
ただ、それはそれで刺激があってなかなかに面白い関係ではあったが…
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