学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林

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西条 誠

第八話

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入学式から二日が経過した今日は火曜日で初授業のある日だった

「いってきまーす!」
「いってらっしゃーい。気をつけるのよ」
「気をつけるんだぞ!虐められたしたらパパに言うんだぞ?」

相変わらず過保護な父さんをスルーして僕は杉本さんが待っているガーデン前の門まで走った

「若様、そんなに急がなくても十分間に合いますよ」
「だってワクワクするでしょ!今日から高校の授業が始まるんだよ!」
「ふふっ、余程楽しみなんですね。忘れ物なとはございませんか?」
「うん!昨日何回も確認したから大丈夫だよ!」
「何かあればご連絡下さい。ではそろそろ参りましょうか」
「うん!」

杉本さんは僕の返事を聞いて車を運転し始めた
 
「西条様などとは仲良くなれそうですか?」
「誠は凄くいい人だよ!しかもあんな大企業の三男なんだって、凄いよね」
「嫡男ではないにしろあれ程の名家に生まれれば期待というものも凄いでしょうからね。西条様も努力されたのでしょうな」
「僕も負けないように頑張らないと!」
「ふふっ、そうですな。しっかりと精進して下さいませ。」

そんなたわいもない話をしているとあっという間に高校に着いた

「ではいってらっしゃいませ」
「うん、いってきます!」

僕は杉本さんに手を振って学院に入った
周回バスに乗って一年生の教室がある校舎の前で降りた

「おはよう」
「えっ?あっ、おはよう!」

なんだ、誠かぁ
後ろから声かけられてびっくりしちゃった

「驚いたか?」
「もう!後ろからいきなり声かけられたらそりゃあびっくりするよ!」
「ふふっ、そうかそうか」

楽しそうに笑ってるけどなんかこっちはバカにされた気分なんですけど!

「誠なんて知らない!ふんっだ!」
「そう拗ねるなって」
「へへっ、冗談だよ。あっ、そういえば城賀本くん体調大丈夫かな?」
「城賀本?あぁ、城賀本いつきの事か?」
「うん、そうだよ」
「なんであいつの体調が心配なんだ?」
「昨日ウチの病院に来てたんだよ。微熱があったらしいんだけどね」
「ふーん」

「ふーん」ってなんか興味なさそうだな!
まぁ、クラスメイトとはいえまだ喋ったこともないだろうし、仕方ないか

「俺、アイツとあんまり仲良くないんだよな」
「えっ?まだこの高校に入学して三日だよ?早速何か揉めたの?」
「俺はトラブルメーカーじゃないぞ。入学して三日で問題なんか起こさない」
「そりゃそうか。じゃあ、なんで仲悪いの?」
「恭介はあんまり社交パーティーに出ないから知らないんじゃないか?結構有名だぞ?」

む!またここでも出て来たよ『社交パーティー』!
僕この単語キライ!

「なにが有名なの?」
「城賀本銀行の跡継ぎと西条自動車の三男坊は険悪の仲だってな」 
「へぇー、そんなに仲悪いんだ?」
「最初はそこまでだったんだがな……」

なんか喋りにくそうにしてるしあんまり聞かない方が良かったかな? 
おっ、ナイスタイミングで真反対あっちの方から月城先生が来てる!

「月城先生、おはようございます!」
「西蓮寺、朝から元気だなぁ。俺は眠くて眠くて……」

生徒が挨拶してるんだから欠伸しないで下さいよ

「おはようございます」
「おはよう。西条の声は落ち着いてて朝に聞くにはいい声だな」
「えっ、それってどういう意味ですか!?」

『西条の声は』ってどういう事だ!って!

「あははっ、よしお前らさっさと教室が入れよー。ホームルーム始めっぞー」
 
むきー!はぐらかされたぁ!


恭介と誠は廊下のロッカーを開けて上履きに履き替えて教室に入って自分の席に着いた

「さ、ホームルーム始めっぞ。遅刻の生徒はいるか?」

相馬は教室で空いている席を確認する

「その席は…城賀本か。城賀本は欠席っと」

城賀本くんやっぱり欠席したんだ。あの後ちゃんと病院行ったのかな?

「よし!他は揃ってるな?じゃグラウンドに移動するぞ」

えっ?グラウンド?
どーして?

「あれ?入学式の日に言わなかったか?上級生と交流を持つための歓迎会があるって」
「い、言われてません」

一人の生徒がそう言った

「あれ?言い忘れたっけか?あぁ、すまねぇ」

月城先生、ちょっといい加減過ぎやしませんかね?

「ま、一年生のお前らはなにも準備とかいらねぇから関係ねぇだろ?と、言う事でお前ら革靴に履き替えてグラウンドに向かうぞ!」

この先生、本当に大丈夫なのかな?
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