学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林

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西条 誠

第二十二話

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恭介は西条邸から帰った次の日、いつも通り学校に登校して教室の自分の席に着いた
しかし、周りを見て誠の席にまだカバンがかかってないことに気づく

あれ、誠って今日は休みなのかな?
でも、昨日は元気そうだったし
家の用事とかかな?

そんなことを考えているとホームルームの始まりのチャイムが鳴り、月城が入ってきた

「ホームルーム始めるぞー、みんな席に着けー。えーと、今日は西条が休みだから十九名だな」

やっぱり、体調不良とかかな?
後で先生に聞いてみよ

「よし、じゃあ今日も真面目に授業受けるんだぞ。よし解散」

月城はそう言って教室を出て行き、生徒たちは一限目の準備を始めた


◆◇◆


学校が終わり、約束していた通り麗花と校門で合流した恭介は白金家の車に乗りとあるカフェに向かっていた

「うふふっ、楽しみです」
「相変わらず甘いものには目がないんだね」
「えぇ!もちろんです!しかも今日行くカフェは少し前にテレビ番組にも取材されていた超人気店なんですよ!特にあのふわふわのパンケーキが人気だとか……!」
「ふふっ、それは楽しみだね」

そんな会話をしているうちに目的のカフェがある場所に車が停車し、二人は降りた

「うわっ、凄い行列だね」
「そうですね。ですが、これも美味しいものを食べるためには必要なのです!」
「ははっ、相変わらずだね」

白金家の権力を使って事前に予約すれば貸切も出来るというのに麗花はそういった事は絶対にしない。それは本人曰くスイーツ好きとしてのプライドが許さないのだそうだ

「さぁ、並びましょうか」
「う、うん、この列の長さだと一時間以上並びそうだなぁ……」
「待った先にあのパンケーキが食べれるのなら短い時間です!」
「ま、とりあえず並ぼうか」
「はい!」

結局、恭介たちは一時間以上並びなんとか店に入り席に着いた

「も、もう足がガクガクだよぉ」
「うふふっ、ずっと立ってましたものね。恭介さんは何になさいますか?」
「んーそうだなぁ」

どうしようかなぁ
チョコレートのパンケーキも美味しそうだけどこっちのいちごも……

「私はこのチョコレートソースのパンケーキとセットでダージリンをストレートで」
「かしこまりました」

えっ、麗花ちゃん決めるの早い!
えと、じゃあ……

「じゃあ僕はアイス三種盛りのパンケーキと、セットでアッサムのストレートを」
「分かりました。十分程お時間を頂いております。少々お待ちください」

店員はお辞儀をして厨房の方に行った

「相変わらずですね」
「え?なんのこと?」
「私はダージリンで、恭介さんはアッサム。これって小学校の時からずっと一緒じゃないですか?」
「言われてみればそうかも。僕ってずっとアッサムティしか飲んでないかもね」
「ふふっ、私もダージリンばかり飲んでます。昔、一度だけ恭介さんと喧嘩したのを覚えてますか?」
「麗花ちゃんと喧嘩?んー、あっ!もしかしてどっちの紅茶が美味しいかで揉めたやつ?」
「えぇ、ダージリンティかアッサムティ、どちらが美味しいか揉めて一時間ほど言い合いをした後にどっちも良さがあることに気づいておさまりましたね」
「そうそう、確かそんな感じだったなぁ。僕って未だにダージリンの苦味が苦手なんだ」
「あら、この苦味がスイーツの味を引き立てるというのに」
「それを言うならアッサムも負けてないよ!」

恭介が少しムキになっていうと麗花は少し笑った

「うふふっ、どっちも良さがあるという事ですね」
「そうだね、でも今思えばどっちも美味しいのになんであんなに喧嘩したんだろ」
「お互いにまだ小さかったてすから意地を張ってしまったのでしょうね」
「ふふっ、そうだね」

その後運ばれてきたパンケーキを食べ、恭介と麗花は帰路に着いた
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