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西条 誠
第二十三話
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恭介は麗花と別れ家に帰り自室に戻ってスマホの画面を開くとメッセージを受診している事に気がついた
それは誠からのメッセージだった。送られてきた内容はこうだった
『親父が仲良くしてもらっている礼にどうしても西蓮寺理事長に一言挨拶をしたいって言ってるんだ。今日当たり、そちらに行くことは出来るか?』
えっ、今日!?
父さんって今日いたよね。多分大丈夫だと思うけど……
恭介は急いで内線電話を使い、サロンにいる和彦に電話をかけ今日誠の父が挨拶に来ることを伝えた。
「という訳なんだけど、今日って父さん忙しい?」
『いや、今日は大丈夫だ。息子がお世話になってるんだ、パパも挨拶しないといけないしな』
「分かった。なら誠にはそう伝えるね」
和彦に家に招く許可を貰った恭介は誠にメッセージを送った
『大丈夫だよ。父さんも挨拶したいってさ』
『分かった。すぐに行く』
そんな感じのメッセージが届いてから一時間後、誠と誠の父、隆弘は西蓮寺邸にやってきた
使用人に案内されてサロンにやってきた二人はソファに座り挨拶をする
「西蓮寺理事長、お久しぶりですな」
「えぇそうですね。西条社長もお元気そうでなりよりです」
そんな社交辞令のような茶番が二人の間で繰り広げられる
うわぁ、これだから社交パーティーには行きたくないんだよね
恭介はそんな会話をする大人たちをみてより一層、社交を嫌いになった
「して、今回伺ったのは息子のこともあるのですが本題は別にありまして」
「ほうほう、それはなんですかな?」
「ご存知かもしれませんが、我が西条家が月城代議士に対する賄賂で土地の優先売却などの法に違反した事を行っていると噂されておりまして、非常に困っているのです」
「もちろん存じております。それがどうかなさいましたか?」
えぇ、優馬先輩の言ってた事って本当だったんだ!
「しかし、それは真っ赤な嘘なのです。この情報は来週の週間文秋という雑誌で掲載される予定の情報なのですがこれは本当に我が西条家が行っている事ではないのです!」
「なるほど、それでもしそれが本当に西条家の仕業ではないとして私になにをして欲しいのですか?」
普段、恭介の前ではみせない西蓮寺家当主としての真面目な表情をしている和彦をみて、恭介は「父さんって優馬先輩の言ってた通り、凄い人なんだぁ」などと感心していた
「実は月城代議士に賄賂を送っているのは我が西条自動車ではなく、安田自動車なのです」
隆弘の口から出た『安田自動車』という単語を聞き、恭介は頭の端っこからその単語の情報を引っ張り出す
安田自動車は日本国内で西条自動車に次ぐシェアを誇る大企業であり、世間的に西条家のライバルとされているのが安田家だ
西条自動車の工場は愛知県後西条市にあるのに対し、安田自動車の工場は茨城県の安田市にあるのだ。微妙に離れた位置に本拠地を置くこの二社は昔から日本国内で車の売上などを争ってきたが、最近は西条自動車が勢いをみせ安田自動車の業績は落ち込んでいたのだ
「安田家は西条家に業績が追い付かないのを妬み、月城代議士に対して高額な賄賂を送りこのような噂を流させたようです。月城代議士は議員をもう少しで引退する事を考えているようで、恐らくそれでこの話に乗ったのではないかと思うのです。」
「ふむ、そこまでは理解できました。それで、西条社長は私になにを望んでいるのですか?」
「月城代議士を説得して欲しいのです」
和彦はしばらく無言で腕を組んで考えた後、こう言った
「もしや、私に今現在西蓮寺会の本院に入院している月城代議士を脅して自白をとれと?」
そう、現在月城代議士は西蓮寺会の本院に入院している。持病が最近悪化し入院しているのだ
「……そうです」
「ふむ、ではそれをして私にどのような利益が?」
「確か、西蓮寺理事長はマレーシアでの病院建設をしようとしていらっしゃいますね。ですがそれが上手くいっていないはずです」
「どこからその情報が漏れているのか非常に気になりますがその通りです」
「我が西条家はマレーシア大統領と親交があります。私から口添えをしましょう」
「っ……!分かりました。月城代議士は私が説得いたします」
西蓮寺家当主と西条家当主は固い握手をして笑みを浮かべた
それを見ていた誠は居心地が悪かった
(俺は親父の事なにも知らなかった。本当に親父が無実だなんて。それに、西蓮寺理事長もあの様子じゃ安田家の仕業だって知ってたんだろうな……)
誠は自分の情けなさが嫌になった
確かに言葉が少ない父だったがよく考えてみれば暴言などは言われたことも無いし、不器用ながらにもこれまで言われた言葉は息子である誠を心配するような言葉ばかりだ
(もっと俺が親父とコミュニケーションをとっていればここまで拗れなかったんだろうか)
先日、恭介が西条家の別館に招待した日、誠は父に呼ばれて隆弘の執務室で真犯人は安田家の人間だった事を知らされたのだ。誠はてっきり父がやった事だと思っていたためそれを聞いた時驚きしばらく身動きが取れなかった
それ故に恭介の元に戻れなかったのだ
(まさかこんなことになるなんな)
「誠、ちょっと僕の部屋に行かない?」
その時だった落ち込み、下を向いて座っていた誠に恭介が声をかけた
「行こうよ?」
「あ、あぁ……」
誠は恭介について行きサロンをでた
──────────
※後西条市、安田市は実在しません
※愛媛県の西条市と作中に登場する後西条市は名前が一緒となってしまう為、『後』と着けさせて頂いてます。少し不自然な名前になってしまいましたがご了承ください
それは誠からのメッセージだった。送られてきた内容はこうだった
『親父が仲良くしてもらっている礼にどうしても西蓮寺理事長に一言挨拶をしたいって言ってるんだ。今日当たり、そちらに行くことは出来るか?』
えっ、今日!?
父さんって今日いたよね。多分大丈夫だと思うけど……
恭介は急いで内線電話を使い、サロンにいる和彦に電話をかけ今日誠の父が挨拶に来ることを伝えた。
「という訳なんだけど、今日って父さん忙しい?」
『いや、今日は大丈夫だ。息子がお世話になってるんだ、パパも挨拶しないといけないしな』
「分かった。なら誠にはそう伝えるね」
和彦に家に招く許可を貰った恭介は誠にメッセージを送った
『大丈夫だよ。父さんも挨拶したいってさ』
『分かった。すぐに行く』
そんな感じのメッセージが届いてから一時間後、誠と誠の父、隆弘は西蓮寺邸にやってきた
使用人に案内されてサロンにやってきた二人はソファに座り挨拶をする
「西蓮寺理事長、お久しぶりですな」
「えぇそうですね。西条社長もお元気そうでなりよりです」
そんな社交辞令のような茶番が二人の間で繰り広げられる
うわぁ、これだから社交パーティーには行きたくないんだよね
恭介はそんな会話をする大人たちをみてより一層、社交を嫌いになった
「して、今回伺ったのは息子のこともあるのですが本題は別にありまして」
「ほうほう、それはなんですかな?」
「ご存知かもしれませんが、我が西条家が月城代議士に対する賄賂で土地の優先売却などの法に違反した事を行っていると噂されておりまして、非常に困っているのです」
「もちろん存じております。それがどうかなさいましたか?」
えぇ、優馬先輩の言ってた事って本当だったんだ!
「しかし、それは真っ赤な嘘なのです。この情報は来週の週間文秋という雑誌で掲載される予定の情報なのですがこれは本当に我が西条家が行っている事ではないのです!」
「なるほど、それでもしそれが本当に西条家の仕業ではないとして私になにをして欲しいのですか?」
普段、恭介の前ではみせない西蓮寺家当主としての真面目な表情をしている和彦をみて、恭介は「父さんって優馬先輩の言ってた通り、凄い人なんだぁ」などと感心していた
「実は月城代議士に賄賂を送っているのは我が西条自動車ではなく、安田自動車なのです」
隆弘の口から出た『安田自動車』という単語を聞き、恭介は頭の端っこからその単語の情報を引っ張り出す
安田自動車は日本国内で西条自動車に次ぐシェアを誇る大企業であり、世間的に西条家のライバルとされているのが安田家だ
西条自動車の工場は愛知県後西条市にあるのに対し、安田自動車の工場は茨城県の安田市にあるのだ。微妙に離れた位置に本拠地を置くこの二社は昔から日本国内で車の売上などを争ってきたが、最近は西条自動車が勢いをみせ安田自動車の業績は落ち込んでいたのだ
「安田家は西条家に業績が追い付かないのを妬み、月城代議士に対して高額な賄賂を送りこのような噂を流させたようです。月城代議士は議員をもう少しで引退する事を考えているようで、恐らくそれでこの話に乗ったのではないかと思うのです。」
「ふむ、そこまでは理解できました。それで、西条社長は私になにを望んでいるのですか?」
「月城代議士を説得して欲しいのです」
和彦はしばらく無言で腕を組んで考えた後、こう言った
「もしや、私に今現在西蓮寺会の本院に入院している月城代議士を脅して自白をとれと?」
そう、現在月城代議士は西蓮寺会の本院に入院している。持病が最近悪化し入院しているのだ
「……そうです」
「ふむ、ではそれをして私にどのような利益が?」
「確か、西蓮寺理事長はマレーシアでの病院建設をしようとしていらっしゃいますね。ですがそれが上手くいっていないはずです」
「どこからその情報が漏れているのか非常に気になりますがその通りです」
「我が西条家はマレーシア大統領と親交があります。私から口添えをしましょう」
「っ……!分かりました。月城代議士は私が説得いたします」
西蓮寺家当主と西条家当主は固い握手をして笑みを浮かべた
それを見ていた誠は居心地が悪かった
(俺は親父の事なにも知らなかった。本当に親父が無実だなんて。それに、西蓮寺理事長もあの様子じゃ安田家の仕業だって知ってたんだろうな……)
誠は自分の情けなさが嫌になった
確かに言葉が少ない父だったがよく考えてみれば暴言などは言われたことも無いし、不器用ながらにもこれまで言われた言葉は息子である誠を心配するような言葉ばかりだ
(もっと俺が親父とコミュニケーションをとっていればここまで拗れなかったんだろうか)
先日、恭介が西条家の別館に招待した日、誠は父に呼ばれて隆弘の執務室で真犯人は安田家の人間だった事を知らされたのだ。誠はてっきり父がやった事だと思っていたためそれを聞いた時驚きしばらく身動きが取れなかった
それ故に恭介の元に戻れなかったのだ
(まさかこんなことになるなんな)
「誠、ちょっと僕の部屋に行かない?」
その時だった落ち込み、下を向いて座っていた誠に恭介が声をかけた
「行こうよ?」
「あ、あぁ……」
誠は恭介について行きサロンをでた
──────────
※後西条市、安田市は実在しません
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