学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林

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橋爪 裕翔

第三話

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橋爪はしづめ裕翔ゆうととカフェテリアで別れた後、恭介は六時過ぎにはなんとか西蓮寺邸に帰っていた

「恭介!」

リビングに入った途端、ソファに座っている父である和彦から強い口調で呼ばれ恭介は驚く

「な、なに?父さん」
「もう六時五分だぞ。パパをどれだけ心配させるつもりだ!もう少し遅かったら警察に連絡するところだよ」
「……父さん、六時に帰ってこなかっただけで警察沙汰にはしないでよ」
「何を言ってるんだ。愛する息子が六時に帰ってこなかったのに警察に連絡せず五分も耐えたのを褒めて欲しいくらいだぞ!」

恭介は呆れながら制定鞄をソファの上に置き、ブレザーを脱いでネクタイを外した

「もう、だから言ったでしょ。和彦さんは心配し過ぎなのよ。恭介も高校生なんだから、もっと遅くなることもあるのよ」
「ママ!なんてこと言うんだ!これ以上遅くなるなんて恭介の身に何かあるかもしれないじゃないか!」
「はいはい、分かりましたから。夕食が出来たので座ってください」

彩花はそう言ってダイニングテーブルに夕食を並べ始める
今日はビーフシチューとフランスパン、そしてコンソメを使ったスープだった。西蓮寺家には沢山の使用人がいるが料理は彩花がやっているのだ

「いただきまーす」
「いただきます」
「おかわりもあるからね。恭介は少食なんだから沢山食べなさいよ」

もー、いつも母さんはそればっかりなんだから!
僕そこまで少食じゃないよ!

「恭介、今日の学校はどうだった?」
「んー?今日はね、橋爪くんっていう子と喋ったよ」
「そうかそうか。楽しめてるなら何よりだよ」

和彦は美味しそうにビーフシチューを頬張る息子を見て微笑んだ

「橋爪くんっていうと、橋爪裕翔くんかしら?」
「そうそう、今日話したのはその子だよ」
「あぁ、創命会のご子息ね。何度か挨拶をした事があるわ」
「母さんって本当に色んな人のこと知ってるよね」
「まぁ、同業者だから覚えてるわよ」
「へぇー、僕も家名は覚えてるんだけどなぁ」

恭介はそう言ってパンの最後の一切れを口に放り込む

「ごちそうさま!美味しかったよ」
「食べ終わったなら先にお風呂に入ってしまってちょうだい。今日は私、マッサージ師を呼んでるから最後に入るわ。だから和彦さんも恭介の次に入って」
「じゃ、僕もう入っちゃうね」

恭介はそう言ってお風呂に向かった
脱衣所で服を脱ごうとした時、ズボンのポケットに入っていたスマホに連絡が入った

「こんな時間に誰だろ」

画面を見ると、そこには『西条 誠』と書かれていた。内容は橋爪と喋って何も無かったか心配するものだった

「ふふっ、心配性だなぁ。なんか誠、父さんみたいだ」

恭介は『何も無かったよ』と返信して風呂に入り、その日は眠りについた
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