天の求婚

紅林

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本編

過去3

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「なぁ、中宮はどう思う?」
「え?」

 ここは江流波帝国大学南城キャンパスの中規模教室。
 日常生活の哲学という小難しい授業を終えた蒼士は同級生の京夫谷きょうふだに元親もとちかと最近知り合った新田大貴という青年と共に弁当を広げ、昼食を取っていた。蒼士は窓の外に見える江流波市のシンボル的存在の超高層ビルを眺めており、元親の言葉を聴き逃してしまったようだ

「だからぁ、世界大戦のことだよ」
「世界大戦?」
「あれ?知らねぇの?最近テレビもSNSもそれで持ち切りじゃん。ワールドトレンドだぜ」
「そうなんだ。知らなかった……」

 蒼士は元親の問いに曖昧に笑った

「最初はモーデルタニアとヘイデンシュタインの戦争だったんだけど、領土が近いマーシャル・エルモニカがモーデルタニアとの同盟を理由に参戦したらしい」
「へぇー、詳しいね元親」

 元親の説明に一つ前の席に座っている大貴は焼きそばパンをモグモグと頬張りながら興味無さそうに反応した

「お前もか大貴!?なんで二人共興味ないんだ!?」
「一応知ってるけどね。中宮くんもそんな感じじゃんね?」
「んー、俺も一応知ってるけど遠くの国の話って認識かなぁ」

 そう言って蒼士はコンビニで購入したたまごサンドを口に入れる

「おいおいガチかよ。それでも帝国大学の学生かよ」
「えぇー、そう言う元親は何か思うところでもある訳?」
「いや、考えがある訳じゃないけど政治に興味を持つのは良いことだろ。それに遠い国とはいえ戦争だぞ。第三次世界大戦でどれだけ人が死んだのか知ってるだろ」

 元親は少し声のトーンを落として真剣な表情を浮かべた

「俺のじいちゃん片腕がないんだよ。第三次世界大戦の時の雉ノ宮大空襲のせいで」
「「……」」
「もちろん今でも色んなところで内戦とか紛争があるのは知ってるけど、世界大戦だけはガチでやばいと思ってる。遠い国の話じゃない」

 元親はまるで自分の事のように拳を強く握り締めた。真剣な表情で見つめる先にはモーデルタニア共和国とヘイデンシュタイン侯国についてのニュース記事が表示されたスマートフォンがあった。

「でも流石に大丈夫じゃない?ヘイデンシュタインもモーデルタニアも裕福な国だけど確か小さいよね?人口も二千万人くらいの……」
「新田くん、多分京夫谷はマーシャル・エルモニカのことを心配してるんじゃないかな」
「確かにね。あの国は帝国にも劣らない大国だし」
「油断ならないのは事実だろうね。マーシャル・エルモニカは強力な軍隊を保有してる。多分西ユアロプ諸国で単体で勝てる国はひとつも無い。それこそ合衆国が本腰を入れて参戦すれば話は変わってくるかもだけど」
「でもそれって……」

 マーシャル・エルモニカ連邦とフィラデルフィア合衆国、両国が争う。そうなれば大きな戦争が起こる可能性が高い。

「それじゃあまた世界大戦の始まりじゃねぇかよ」

 元親は忌々しそうにニュースアプリケーションを閉じた。その言葉と態度から怒気を感じ取った大貴はほんの少しだけ座る位置を遠ざけた

「で、でもさでもさ、今の帝国の軍事力なら本土攻撃なんて出来っこないよ。最新鋭の原子力潜水艦を建造中ってニュースでやってたよ。もし戦争が怒っても東ユアロプにおける制海権は帝国のものだ」
「俺は誰も死んで欲しくないんだよ。大貴の言いたいことも分かるけどなんか違うって感じがしてなんとも……」

 元親は頭をクシャクシャと掻きむしる

「京夫谷は勝つ勝たないじゃなくて、戦争そのものを辞めて欲しいってことを言いたいんだろ?」
「そう!それだ中宮!」
「まぁ朝廷の動き次第だねぇ。そりゃあ朝廷が積極的に仲介するならヘイデンシュタインもモーデルタニアも一旦落ち着くだろうさ。ただ戦争ってどうして起こるかって言われたらそれで儲ける人がいるからだよ?もちろんそれはモーデルタニアやヘイデンシュタインの政府高官や金持ち連中だけじゃない。帝国の三大財閥は軍需産業も営んでいるし、華都も軍需産業は盛んだ。世界中の色んな奴らが儲かるから戦争は起きる。まぁ、その儲かる連中は自分自身はなんのリスクもなくて、逆に危険がある人々はほとんど儲けなんてないのが戦争だけどね」

 いつも犠牲になるのは末端の兵士や貧しい労働者階級の人間だ。現在はこれほどまでに豊かな帝国も戦時中は多くの国を滅ぼし、現地の住民に対する強制労働を実施していた。終戦後に即位した現天帝は朝廷が行ってきた負の政策を取りやめ、植民地に住まう人々や帝国に強制併合された亡国の国民に対する補償を行ってきた。しかし、終戦から70年が経過した現在でもその影は残っている

「京夫谷がそこまで考えてるなんて思いもしなかったよ。色々考えてるんだね。ちょっと見直したよ」
「おいおい中宮、俺をなんだと思ってたんだよー」
「不真面目なチャラ男に決まってんじゃん。ね、中宮くん?」

 前の席に座っていた大貴がスマートフォンを操作しながらクスクスと笑いながら言った

「あ、これみて。ついさっきのお昼の国防大臣の会見動画だ」

 大貴が差し出したスマートフォンにはニュースサイトの記事が表示されており、そこには国防省ホームページへとアクセスできるURLが表示されていた。その動画の内容は今回の件に関して第一天子に一任されていることと、両国にある帝国の大使館防衛の為に帝国軍の出撃準備を整えているという内容だった。

「出撃準備だって。本格的になってきたね」
「はぁー、やっぱ世界平和って叶わない夢なんだな」
「……早く終わるといいけど」

 微妙な雰囲気のままその日の昼食はお開きとなったのだった


 ◆◇◆


 二人と別れたあと、蒼士は江流波の中心地にある居酒屋に来ていた。今日は以前から予定していた夏休み前最後のゼミの集まりがあったからだ。

「じゃ次は先生の奢りで二次会なんで、皆さん移動しましょうかー!」
「違うよー!千葉くん何言ってるのー?おかしいよねぇ」

 少し酒が回ったのかテンションの高い男子生徒は大きな声でそう言った

「はいはい、千葉くんは出来上がりつつあるからそろそろ帰りなさい。私はここで帰るけど五千ルダだけ置いていくから二次会の足しにしてー」
「まじ!先生太っ腹じゃん!」
「程々にしてよ。ゼミの飲み会で問題起こされたらたまったもんじゃないんだから。あ!それに二次会は強制じゃないからね。各々帰りたい人は早めに帰ること!無理する必要ないからね」

 女性教師はゼミ生にそう言った

「それと夏季休暇中も学生諸君の本分は勉学にあることを忘れずに!法学部の学生としてルールを遵守し、常日頃から学びを意識するようにしてください。まぁでも来年からは国試対策講座も始まるわけだし、今年は全力で遊ぶことも忘れずに!ではこれにて解散です!」

 女性教師の解散の号令でゼミ生がそれぞれ動き出す。帰り支度をしている者もいれば二次会に行くために仲間内で話している者もいるようだ。蒼士は二次会に行く気分でもないため、帰り支度をして何人かに別れの挨拶をしてから店を出た。

 帝都の繁華街というだけあってとても賑わっているこの辺りは人混みが酷く、中々前に進めない。翌日が休日ということもあり、道端で泥酔している者も多い。

「ねぇねぇお兄さん、今暇?」

 人混みの中を掻き分けるように進んでいると突如肩をトントンとつつかれた。

「……」

 若い男の声からして飲み屋のキャッチかナンパだろうと判断した蒼士は無視を決めこんだ

「ねぇ無視しないでよ。キャッチじゃないよ」
「……」
「ねぇ聞いてる?大通りの方に向かってるってことは帰るんでしょ?暇でしょ?タクシー代あげるから付き合ってよ」
「……」

 意外にもしぶといので蒼士は思わず振り返ってしまった

「げっ!な、中宮くんじゃん……」
「……」

 後ろからしつこく追いかけて来た男はなんと元親を通して最近知り合った大貴だった。

「そんな目で見ないで!気づいてなかったから無実だよ!」
「……新田くんはこんなところで何してるの?」
「ねぇ!そんなヤバい奴を見る目でみないで!ごめんなさい!ナンパしようとしたけどホントに中宮くんって知らなかったの!」
「あぁ、ナンパね」
「ごめんなさい!一杯おごるから許して!ね?お願いだから元親には内緒にしてー!」

 本当に焦っているのだろう。大貴は顔を真っ青にして蒼士の腕を掴んで縋るように頭を下げた。同級生の男を繁華街でナンパしたなどと噂が広まれば彼のキャンパスライフは悲惨なものになるだろう

「はぁ、分かったよ。美味しいところに連れて行ってね」
「まっじでありがとう!任せて!」
「今日混んでるっぽいけどそのお店大丈夫?満員じゃない?」
「会員制だから多分大丈夫だと思う。すぐそこのビルの最上階にあるんだ!」

 大貴が指し示したビルは人混みを抜けて大通りを渡ったところにある比較的新しそうな建物だった。会員証のようなカードをかざして中に入り、エレベーターで37階にあるバーに入店した。

「何飲む?」

 江流波の夜景が眼下に広がる窓際のカウンター席に腰掛けた大貴はメニュー表を横に座っている蒼士に手渡した

「んー、ブランデーがいいかなぁ。オススメはある?」
「ブランデーかぁ。僕はいつもこれ飲むけど、ここ種類多いから聞いた方がいいかも」

 そう言って大貴は係の者を呼びつけ、いくつかオススメを聞いた

「じゃあ最初にオススメしてくれたコレにします」
「僕はキティで。あと、生ハムとチーズ盛り合わせ下さい」

 手馴れた様子の大貴はメニュー表を見ながら口を開いた

「そういえばどうして一人であんな所にいたの?」
「ゼミの打上げの帰り。二次会には参加しなかったから」
「中宮くんって二次会参加しないタイプ?」
「基本しないかなぁ。人が多いとこって苦手」
「なるほどね。僕とは逆のタイプだ」

 大貴はそう言ってスマートフォンの写真フォルダーを蒼士に見せた

「ほら、アルバムも友達との写真ばっかりでしょ?」
「ホントすごいね。人と写ってる写真ばっかり」
「大学生になってから家に帰る頻度も減ったし」
「遊び過ぎて?」
「まぁそれもあるんだけど、あんまり家に帰りたくないんだよね。だから女の子の家行ったり朝まで飲み歩いたりしてる」
「……家族とその、あんまり仲が良くない…とか?」
「仲はむしろ良い方だと思う。昔はね。ただ今はギクシャクしてるかな。」
「そっか。それで家にいるのが気まづい感じか」

 その気持ちは蒼士も少し共感するところだ。今現在、継承者争いが勃発寸前の宮殿内はあまり落ち着ける空間とは言えないからだ

「父がずっと僕たちを信頼してくれていた親族を裏切ったんだ。それで周りからは冷たい目で見られてるし、同年代の親戚の集まりにも呼んで貰えなくなってさ」
「……」
「詳しくは言えないけど僕の家って親戚付き合いで成り立ってるみたいなとこあるから。それのせいで両親も常に喧嘩してるし、母方の親族も頻繁に口出してくるから家にいても全然心が休まらないんだよね」
 (自営業か何かだろうか……?)

 彼の話を聞いて蒼士心の中でそう思った

「そっか。新田くんも色々と大変なんだね」
「あ、でも別に病んでる訳じゃないよ。ただ家に帰りたくないってだけで」
「それ十分病んでない?」
「んー、元々遊び歩くの好きだしそんなに気にしてないって感じかな」

 そう言ってケラケラと笑う大貴の横顔を見た蒼士は、なんとも言えない寂しい気持ちになった。なんとなく自分のことと重なるからだろうか。少し無言の時間が続いていると給仕係によって注文していた品がカウンターテーブルに運ばれてきた。

「こんなとこで話す内容でもないかもだけど、中宮くんはどう思う?元親が言ってたこと」

 少し無言が続き、気まづくなったのか酒を一口飲んだあとに大貴が呟いた

「モーデルタニアとヘイデンシュタインの話?」
「そう。元親は本気で戦争を停めたがってる。笑っちゃうでしょ?SNSでもずっと戦争回避を呼び掛けてるらしいよ」
「……」
「ただの学生に何ができるんだよって思うじゃん?でも、アイツは本気だよ。お祖父さんのこともあるだろうけど、元親は大学に許可を貰ってまでポスターを貼ったりNPO法人の行進デモ活動に参加してた」
「学校でも熱心に話してたもんね」
「そう。元親はすごいやつだよ。僕なんかと違って」

 そう言ってから大貴は何を思ったのか酒を一気に飲み干した

「もっと落ち着いて飲みなよ。後で後悔するよ」
「酒を飲んで後悔なんてたまにしかしない」
「たまにするならやめといた方が……」
「まぁまぁ、せっかく中宮くんと飲めるチャンスだし?親睦を深める意味でもいいじゃん?」

 蒼士が止めるのも聞かずに酒を次々に飲み干した大貴は生ハムを手で食べだし、チーズを酒の中に入れてかき混ぜるくらいには判断力が鈍っきてきていた

「中宮くんはぁ、間違ってる!ぼぉくは!華族なんだぞぉ!本当なら可愛い女の子とぉ、男の子にぃ、チヤホヤされてぇ!僕のお誘いを断るなんてぇ!」
「ハイハイその話何回も聞いたよ。早く帰るよ」
 (まさか本当に華族だったとは)

 最初は半信半疑だったが念の為宮内省の華族名鑑で検索してみると確かに新田大貴と言う名前が記されていた。日高侯爵率いる第二天子派の純血一族、新田家の一人息子で社交界ではボンクラとしてその名が知られている男だ

「どいつもこいつもよォ。バカばっかりだ!母上も父上も毎日喧嘩ばっかり、智子様も僕を避けるし……」
 (智子様といえば本家筋に当たるの堀江侯爵のことか)

 新田家の宗家に当たる堀江家は純血一族の中でも五指に入る名門だ

「国民も議会も朝廷も、マーシャル・エルモニカにばっかり気を取られてる。マジ頭わるぅー」
「それどういう意味?」
「えぇ?覚えてないのぉ?元親が言ってたじゃん!世界大戦勃発寸前だって!」
「それは分かるよ。マーシャル・エルモニカに気を取られすぎってどういう意味?」
「えぇ?だってマーシャル・エルモニカは同盟国のモーデルタニアと領土が近いから本土防衛の意味も兼ねて参戦してくるわけでしょ?んで、ヘイデンシュタインの同盟国のフィラデルフィアは海を挟んでいるし、大陸も違うから武器と食料を支援するだけに留めている訳だぁ」

 その通りだと蒼士は頷いた

「だからここで関係の無い国をもう一つ引っ張ってくるんだよ!帝国だけじゃあマーシャル・エルモニカもフィラデルフィアも相手にしない。じゃあもっと仲間を連れてくればいいじゃない!」
「ん?」
「仲介国として帝国だけじゃあ弱い訳でしょー?じゃあ同じくらい国力のある大国をこっちに引き込めばいい。さぁ中宮くんにもんだーい!帝国と並ぶ大国にして今回の戦争で不利益を被る大国はどこでしょーか?」
「……っ!そうか!新田くんはそこに目をつけたのか!」

 これから起こる世界大戦であまり自国に利益がなく、むしろ損益しかないような大国が一つだけ存在する。

「そう!答えはサンクトテール連邦!」

 大国と呼ばれる五つの国のうち今回参戦すると予想されているフィラデルフィア合衆国とマーシャル・エルモニカ連邦を除く三カ国は太平天帝国、華都はなのみやこ共和国、サンクトテール連邦だ。このうち軍需産業が盛んなのは華都共和国と太平天帝国で、共和国はユアロプ大陸横断鉄道で西ユアロプ諸国と結ばれているため武器の輸出を盛んに行うだろう。しかし、太平天帝国に横断鉄道は地理的理由から通っておらず武器や燃料を輸出するには海路で大回りをするか、コストの高い空路で運ぶしかない。そのため帝国中央政府は今回の戦争に難色を示しているのだ。
 そんな帝国と同じような状況に置かれているのが南フィラデルフィア大陸に位置する大国、サンクトテール連邦だ

「サンクトテールは軍需産業を憲法で認めてない。それに加えて戦争に関するあらゆることを法律で厳しく制限してる。武器の生産は政府直営の工場で賄っていて他国には決して技術供与しない。だからあの国には戦争が不利益でしかない」

 大貴は自慢げに掛けてもいないメガネをクイッとあげる仕草をした

「新田くん、本当にありがとう!もちろんサンクトテールのことだけで上手く行く訳じゃないが、凄く良いヒントを貰った!」

 蒼士は夢見心地なのか椅子の上でフラフラと上半身を動かす大貴の手を握ってそういった。

「えへへっ、そーでしょそーでしょ?僕だって何も考えてないわけじゃないのさっ」
「良いヒントも貰った事だし、そろそろ出ようか?」
「っと待った!」

 椅子から立ち上がろうとした蒼士の肩を大貴が押えてもう一度座らせる

「な、なに?」
「僕をここまで酔わせてタダで帰らせるつもり?」
「二軒目行きたいの?」
「違う!目の前に超絶美青年がいるのにホテル行きたいとか思わないわけ?もしかしてどーてー?」
「っ!」

 耳元で囁くように言われた蒼士は思わず身震いして立ち上がった

「えぇその反応ガチのヤツじゃん。いいよ?僕が卒業させてあげる」
「……責任はとるから」

 そうして二人は夜のネオンが光る繁華街へと消えていったのだった。
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