ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります

はぶさん

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第百十一話:王都の噂と、路地裏に眠る黒い企み

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1.美食家の贈り物

グレアム伯爵との「お茶会」という名の決闘から一夜明けた、辺境伯別邸の朝。
窓から差し込む朝日は爽やかだったが、食堂に足を踏み入れた俺は、思わず入り口で立ち尽くしてしまった。

「……なんだ、これは」

普段は整然としている食堂の長テーブルが、山のような木箱やバスケット、そして色とりどりの包み紙で埋め尽くされていたのだ。
まるで、市場の一角がそのまま引っ越してきたかのような物量である。

「おはよう、ルークス。……いやはや、お前の『戦果』だよ」

奥の席で、レオナルド様が新聞を片手に、苦笑いしながらコーヒーを飲んでいた。そのテーブルの端にも、封の開けられた高級そうなワインボトルが置かれている。

「今朝早く、グレアム伯爵家から使いが来てな。『昨日の礼と、友人としての挨拶だ』と言って、これらを置いていったのだ。……中には、市場には絶対に出回らないような希少な食材も混じっているぞ」

「友人としての挨拶、ですか……。随分と派手ですね」

俺はおそるおそる木箱の一つを覗き込んだ。
そこには、赤ちゃんの頭ほどもある巨大な桃や、一粒一粒が宝石のように輝くマスカット、さらには氷漬けにされた新鮮な海の魚までが鎮座している。どれも、「鑑定」スキルを通さずとも一級品だと分かるオーラを放っていた。

『主(あるじ)よ! 主よ! これは美味いものの匂いだ! 昨日のあの陰気な男、意外と良い奴ではないか!』

俺の足元で、フェンが尻尾をプロペラのように回転させながら、興奮した様子で鼻を鳴らしている。

「現金なやつだな……。昨日は『食えない男だ』って唸ってたくせに」

俺は苦笑しながら、バスケットの中にあった「最高級ハム」を取り出し、薄くスライスしてフェンにやった。
フェンはそれを瞬く間に平らげ、『うむ、合格だ』と満足げに髭を舐める。

だが、グレアム伯爵の効果は、食材だけではなかった。
レオナルド様が、テーブルの一角に置かれた羊皮紙の束を指差す。

「それだけではないぞ。一番の収穫はこれだ。……ここ数日、理由をつけて滞っていた商業ギルドへの『ひまわり油』の専売申請が、今朝一番で認可された」

「えっ、もうですか?」

「ああ。グレアム伯爵の口添えがあったらしい。『あの農民の作るものは本物だ。邪魔をする者は、王都の食文化を停滞させる害悪として私が許さん』と、ギルドの理事たちに直接圧力をかけたそうだ。……毒を食らわば皿まで、とは言うが、彼は一度認めた相手には徹底して甘いようだな」

俺は安堵の息を吐いた。
これで、リーフ村の皆が一生懸命育て、絞ったひまわり油が、適正な価格で王都に流通する。村の冬支度も、来年の農業投資も安泰だ。
俺の作ったプリンが、村の経済を救ったと言っても過言ではないだろう。

「……ですが、レオナルド様。喜んでばかりもいられませんね」

俺が言うと、レオナルド様も表情を引き締め、深く頷いた。

「うむ。光が強ければ、影も濃くなる。……グレアムが動いたことで、お前の存在は王都の『裏側』にも知れ渡った。特に、私を快く思わない連中は、お前を私の『弱点』あるいは『切り札』として狙ってくるだろう」

「……宰相、オルコ・フォン・エグゼリオですね」

「そうだ。……奴は、まだ表立っては動いていない。だが、その静けさが逆に不気味だ。嵐の前の静けさというやつだな」

俺の背筋に、冷たいものが走った。
華やかな王都の光の下には、底知れぬ闇が広がっている。俺たちは今、その薄氷の上に立っているのだ。

2.ギデオンの提案

朝食後、俺はギデオンさんに呼び出された。
彼は屋敷の裏口で、周囲を警戒しながら低い声で言った。

「ルークス殿。……昨夜から、屋敷の周りをうろつくネズミが増えました」

「ネズミ……監視役ですか?」

「ええ。グレアムの手の者ではありません。もっと粘着質で、訓練された気配……おそらく、宰相直轄の諜報部隊『黒鴉(くろからす)』でしょう」

ギデオンさんのいつもは穏やかな瞳が、今は鋭い剣呑な光を帯びている。

「彼らは情報を集めるだけではありません。必要とあらば、偽の証拠を捏造し、無実の罪を着せることも平気でやる連中です。……相手が動くのを待っていては、手遅れになります。こちらから先手を打つ必要があります」

「先手……?」

「私の古い知人に、裏社会の情報屋がいます。彼なら、宰相が何を企んでいるのか、その尻尾を掴んでいるかもしれない。……会いに行きませんか? 少し、汚い場所ですが」

情報屋。
ファンタジー小説ではお馴染みの存在だが、現実に関わるとなると緊張する。
だが、座して死を待つわけにはいかない。

「行きます。……フェン、頼めるか?」

『うむ。怪しい気配があれば、俺様がすぐに教えてやる。……報酬は、さっきのハムをもう一枚だ』

「分かったよ。帰ってきたら、山ほど食わせてやる」

俺たちは平民のような目立たない服に着替え、フードを目深に被ると、裏口からそっと街へと滑り出した。

3.下町の喧騒と腐臭

王都は、明確に区画が分かれている。
王城に近い白亜の貴族街、裕福な商人が住む活気ある商業区、そして……労働者や貧民が暮らす下町(スラム)。

ギデオンさんの案内で足を踏み入れた下町は、今朝見た市場の活気とは全く違う、重く淀んだ空気に満ちていた。
石畳は途切れ、踏み固められた土の道には汚水が流れ、ぬかるみを作っている。
建ち並ぶ家々は木造のボロ屋ばかりで、隙間風を防ぐために古布が詰め込まれている。

「……おい、見ろよ。上等な靴を履いたガキだ」
「カモがネギ背負ってきやがったぜ」

路地裏の影から、刺すような視線と言葉が飛んでくる。
飢えた野犬のような目つきの男たちが、俺たちを値踏みしている。
だが、ギデオンさんがフードの下から鋭い眼光を一瞥させ、腰の剣に手をかけた瞬間、それらの気配は蜘蛛の子を散らすように消え失せた。
言葉を発することなく殺気だけで相手を制する。さすがは歴戦の騎士だ。

(……これも、王都の現実か)

俺は胸が痛んだ。
リーフ村は貧しかったが、そこには助け合いと、大地への感謝があった。誰もが空腹だったが、心までは飢えていなかった。
ここは違う。人が多すぎるがゆえの孤独と、持たざる者の絶望が吹き溜まっている。
もし、俺が「ポイント」というチートを持っていなかったら、俺もあの中にいたのかもしれない。前世のブラック企業時代、心が死んでいた時のように。

「着きました。ここです」

ギデオンさんが足を止めたのは、看板すら出ていない、今にも崩れそうな地下酒場の前だった。
重い木の扉を開けると、紫煙と安酒のツンとする匂い、そして饐(す)えた体臭が鼻をついた。

4.情報屋ロイドと琥珀の切り札

店内は昼間だというのに薄暗く、数人の客が無言で杯を傾けていた。彼らは俺たちが入ってきても、視線すら向けない。ここでは「他人に干渉しない」ことが唯一のルールなのだろう。
ギデオンさんは迷わずカウンターの端へ向かい、そこに座っていた男の隣に立った。

男は、灰色のフードを目深に被り、ちびちびと水のような薄い酒を飲んでいた。
年齢不詳。特徴がないのが特徴、といった風貌の男だ。

「……久しぶりだな、ロイド」

ギデオンさんが声をかけると、男――ロイドは、顔も上げずに答えた。声は枯れており、まるで擦り切れた布のようだ。

「よせやい、『鉄壁』のギデオン。……あんたがここに来るってことは、ろくな事じゃねえ。平和な昼酒が台無しだ」

「仕事だ。……金は払う」

「ふん。……で、そこの坊ちゃんが、噂の『農民』か?」

ロイドが、フードの下からギラリと光る目を俺に向けた。
俺は一瞬怯(ひル)んだが、ここでナメられてはいけないと、努めて冷静に振る舞った。

「初めまして。ルークスです」

「……へえ。グレアムの旦那をスイーツで手玉に取ったって聞いてたから、どんな古狸かと思えば……本当にただのガキじゃねえか」

彼は面白そうに鼻を鳴らした。
情報が早い。昨日の今日で、もうそこまで知られているのか。この男の情報網は、貴族のサロンから下町のドブ板まで張り巡らされているらしい。

「それで? 何が知りたい? 宰相の愛人の数か? それとも隠し資産の隠し場所か?」

「オルコ宰相の狙いだ。……奴は、辺境伯領に対して、近々何を仕掛けようとしている?」

ギデオンさんが単刀直入に切り込む。
ロイドは空になったグラスを揺らし、氷がカランと音を立てるのを聞きながら、無言で親指と人差指を擦り合わせた。
情報の対価を要求しているのだ。それも、かなりの額を。

俺は、懐から金貨を取り出そうとしたが、ふと思いついて手を止めた。
この男に必要なのは、金よりも「驚き」かもしれない。
ありふれた金貨では、ありふれた情報しか引き出せない。

俺はウィンドウを展開した。

【アイテム交換】
【スコッチウイスキー(12年モノ)】
【消費ポイント:2,000pt】
【特徴:琥珀色の液体。スモーキーな香りと深いコクは、酒好きを唸らせる至高の一品。】

(……これならどうだ。異世界の安酒しか知らない舌に、現代の熟成酒をぶつけたら)

俺は「収納魔法」から、重厚なガラス瓶を取り出し、カウンターにドンと置いた。
照明を受けて、琥珀色の液体が妖しく輝く。

「……金貨の代わりです。足りなければ追加します」

ロイドの目が、瓶に釘付けになった。
見たこともない洗練されたラベル。透き通るような琥珀色。
そして、俺がコルクをポンと開けた瞬間。
狭い店内に、泥炭(ピート)のスモーキーな香りと、樽の芳醇な香りが爆発的に広がった。

「……おいおい、マジかよ。これはドワーフの秘蔵酒か? いや、それより遥かに上等な匂いがするぞ」

彼は震える手で瓶を掴み、そのままラッパ飲みした。

「――ッ!! くぅぅぅ……!」

彼は喉を鳴らして飲み込むと、至福の表情で天を仰いだ。

「喉が焼けるようだ! だが、なんて香りだ……! 口の中に森と土の香りが広がりやがる……!」

彼はニヤリと笑い、瓶を愛おしそうに抱きかかえた。

「気に入った。合格だ、坊主。……とっておきのネタを教えてやる」

彼は声を潜め、俺たちに顔を近づけた。その目は、先程までの酔っぱらいのものではなく、鋭い情報屋のものになっていた。

「宰相は、辺境伯領の『武器』に目を付けている」

「武器……?」

「ああ。近日中に、騎士団による『辺境伯領・献上武具の品質検査』が行われる。……辺境伯領の鍛冶屋が作った剣や槍が、定期的に王都の騎士団に納品される手筈になってるだろう?」

「……はい、ゴードンの作った武具ですね」

ゴードンは、リーフ村近くの街ランドールに住む腕利きの鍛冶屋だ。無口で不器用だが、彼が打つ剣は業物として知られ、辺境伯領の重要な財源であり、誇りでもある。
彼が炉の前で、汗だくになりながら鉄を打つ姿を思い出す。彼は、「俺の剣が、誰かの命を守るなら本望だ」と語っていた。

「その納品された武具の中に、『粗悪品』が大量に混入している……という告発状が、明後日、宰相の元に届く予定だ」

「なっ……!?」

ギデオンさんが色めき立ち、カウンターを叩いた。

「馬鹿な! ゴードンの仕事に手抜きなどありえん! 彼は魂を削って鉄を打つ男だ! 一本たりとも、駄作を世に出すような男ではない!」

「ああ、俺もそう思うぜ。『鉄のゴードン』の噂はここでも聞いてる。だがな……『証拠』は既に用意されているらしい」

ロイドは声をさらに低くした。

「王都の南にある、軍の第三倉庫。……そこに納品前の武具が一時保管されているんだが、昨夜、宰相の手の者がそこに『何か』を持ち込んだのを見た奴がいる。……おそらく、錆びた剣や、鋳造ミスの槍だろうな」

「……つまり、偽物を混ぜて、それを検査で『発見』させるつもりか」

俺の中で、静かな怒りが沸騰した。
武具の品質偽装。
もしそれが事実とされれば、辺境伯家は「国軍の戦力を削ぐ反逆行為」として弾劾される。
レオナルド様は責任を問われ、最悪の場合、領地没収。
そして何より、ゴードンの職人としての誇りは地に堕ちる。
あの真面目な男が、涙を流して悔しがる姿など、絶対に見たくない。

「検査はいつだ?」

「明後日の正午だ」

明後日。時間がない。
一度検査が始まってしまえば、オルコの息のかかった検査官が、用意されたシナリオ通りに「偽物」を見つけ出し、その場で罪を確定してしまうだろう。

「……分かった。ありがとう、ロイド」

「礼には及ばねえよ。この酒の分は働いたつもりだ。……ただ、気をつけな。第三倉庫の警備は厳重だぞ。侵入が見つかれば、それこそ即座に処刑だ」

5.作戦会議と月下の潜入

店を出た俺たちは、人気のない路地裏で作戦会議を開いた。

「ルークス殿。……夜を待って、私が倉庫に忍び込みます。偽の武具を回収し、証拠を隠滅します」

ギデオンさんが、悲壮な覚悟を決めた顔で言う。

「いえ、それは危険です。もし見つかれば、それこそ『証拠隠滅を図った』として言い逃れができなくなります。それに、偽物を持ち出したとしても、『数が足りない』と言いがかりをつけられる可能性があります」

「しかし、このままでは……!」

「……俺に、考えがあります」

俺は、自身のスキルウィンドウを思い浮かべた。
今の俺には、まだ使っていないポイントがある。そして、この状況を逆手に取るためのアイテムもある。

「俺が、行きます。……俺には『鑑定』がありますから、どれが偽物か一瞬で分かります」

「ですが、偽物を見つけてどうするのです? 持ち出すのが危険なのは同じでしょう」

俺はニヤリと笑った。

「持ち出しませんよ。……偽物を、その場で『本物』に変えてしまうんです」

「……は?」

ギデオンさんがポカンと口を開ける。

「ゴードンさんの名誉を汚そうとしたことを、後悔させてやります。……偽物を全て、『国宝級』の輝きに変えてやれば、検査官は腰を抜かすでしょう」

俺の計画はこうだ。
ポイント交換システムにある、ある特殊なアイテムを使う。

【アイテム交換】
【万能研磨剤(業務用)】
【消費ポイント:500pt】
【特徴:どんな錆や汚れも一瞬で落とし、新品同様の輝きを取り戻す魔法の研磨剤。】

【アイテム交換】
【発光塗料(聖属性演出用)】
【消費ポイント:500pt】
【特徴:塗布すると、微かに青白く発光する塗料。聖剣のような雰囲気を演出できる。実用性は皆無だが、見た目のインパクトは絶大。】

さらに、俺たちの姿を隠すためのアイテム。

【アイテム交換】
【迷彩ポンチョ(夜間用)×2】
【消費ポイント:1,000pt】
【特徴:周囲の色と同化し、視認性を著しく下げるポンチョ。夜闇の中ではほぼ透明に近い効果を発揮する。】

計2,000pt。
スコッチと合わせれば4,000ptの出費だが、ゴードンの名誉とレオナルド様の地位を守るためなら安いものだ。

「……なるほど。見た目だけを最高級品に見せる、と」

「ええ。所詮、オルコの手下が用意した偽物です。中身はボロボロでも、検査官が『見た目』に圧倒されれば、その場で『合格』と言わざるを得ない。……それに、発光塗料を使えば、『これは伝説のミスリルか!?』と勘違いさせられますよ」

ギデオンさんは呆れたように、しかし頼もしげに笑った。

「……規格外ですね。あなたは本当に」

「農民ですから。……害虫駆除と、泥汚れを落とすのは得意なんです」

***

そして、深夜。
月明かりすらない暗闇の中、俺たちは王都の南にある倉庫街へと忍び込んだ。
フェンは子犬サイズで俺の肩に乗り、俺とギデオンさんは迷彩ポンチョを被り、闇に溶け込んで進む。

第三倉庫は、高い塀に囲まれ、屈強な兵士たちが見張っていた。
だが、フェンの鼻と耳が、彼らの配置を正確に捉える。

『主よ、右の角に二人。屋根の上に一人だ。……屋根の奴は、今あくびをしたぞ』

「了解。……ギデオンさん、あそこから」

俺たちは見張りの死角を突き、音もなく塀を乗り越えた。
倉庫の扉は頑丈な鍵がかかっていたが、通気口の格子が少し緩んでいるのをフェンが見つけた。
俺は小柄な体を活かして滑り込み、中から鍵を開けてギデオンさんを招き入れた。

倉庫の中は、冷たい鉄の匂いが充満していた。
木箱に詰められた無数の武具。
俺は「鑑定」を発動し、片っ端からスキャンしていく。

【鉄の剣(ゴードン作):品質B】
【鉄の槍(ゴードン作):品質B+】
……
【錆びた長剣:品質E(廃棄品)】
【刃こぼれした槍:品質E(粗悪)】

「……あった」

倉庫の奥、目立たない場所に積まれた木箱の中に、明らかに質の違うボロボロの武具が大量に紛れ込んでいた。
これが、オルコが用意した「証拠」だ。

「許せねえ……」

俺は怒りを噛み殺し、アイテムを取り出した。
「万能研磨剤」を染み込ませた布で、錆びた剣を拭く。

シュッ。

一拭きするだけで、赤錆が嘘のように消え、鏡のような輝きが現れた。
さらに、「発光塗料」を薄く塗る。
闇の中で、剣身が淡く、神秘的な青い光を帯び始めた。

「……これは」

ギデオンさんが息を呑む。

「まるで、神話に出てくる聖剣のようだ……」

「中身はただの錆びた鉄くずですけどね。……でも、検査官の目は誤魔化せます」

俺たちは手分けして、数十本あった偽物を全てピカピカに磨き上げ、発光させた。
薄暗い倉庫の中で、それらの武具だけが異様な存在感を放っている。
これを見た検査官がどんな顔をするか、今から楽しみだ。

「よし、撤収しましょう」

全ての工作を終え、俺たちは来たときと同じように静かに倉庫を後にした。
東の空が、わずかに白み始めていた。

明日、正午。
オルコ宰相の描いたシナリオは、眩い光の中で崩れ去ることになる。

【現在の所持ポイント:6,189pt】
(開始時10,189pt - スコッチ2,000pt - ポンチョ1,000pt - 研磨剤・塗料1,000pt)



**【読者へのメッセージ】**
第111話完全版、お読みいただきありがとうございました!
王都の光と影、そしてルークスの「イタズラ心」全開の反撃準備。
本来ならシリアスな場面ですが、「偽物を逆に凄そうに見せる」という解決策はいかがでしたでしょうか?
スコッチに感動する情報屋ロイドも、いい味を出してくれました。
次回、いよいよ運命の品質検査!
ピカピカに光る「偽聖剣」を見た検査官と宰相の反応は!?
スカッとする展開をお約束します!
評価・感想・ブクマ、ぜひよろしくお願いします!
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