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結婚式の二次会は、こちらも樹貴さんの会社の方が企画をしてくれて、幹事まで引き受けてくれた。
仕事の都合で二次会からしか参加出来なかった人たちと雑談をして、私も樹貴さんも、いつも誰かしらと話をし続けて、正直そろそろ空腹で倒れそうだ。
樹貴さんの友人だというドラァグクイーンの方が、お店のスタッフを連れて来てくださって、豪華なショーを披露してくれると、二次会の会場は一気に盛り上がりを見せる。
その瞬間だけは人の波がおさまると、樹貴さんと目配せして狂ったように食事を貪り、ドリンクで流し込んでなんとかお腹を満たす。
そして友人と同僚、親族が集まった二次会は、豪華賞品が出揃ったビンゴ大会や、クイズの早押し選手権が白熱して、会場は大いに盛り上がった。
新郎新婦の参加は無しで三次会も模様されるらしく、そちらへの参加を募る幹事さんたちに心付けをお渡しすると、私たちは新婚旅行のために手配したハイヤーに乗り込む。
行き先は、夏のバカンスにぴったりのフランスのニースだ。
「ふう。お疲れ様」
「お疲れ様でした」
ハイヤーの後部座席で安堵の溜め息を吐くと、樹貴さんと二人で今日の結婚式を振り返って、楽しい話題に花が咲く。
そして結婚式といえば、自分たちのことで詳しく聞いている暇がなかったことを思い出して、樹貴さんの顔を覗き込む。
「それにしても、菜穂ちゃんの結婚式なのに、どうしてあの時会場に居たんですか」
「俺がヘアメイクを担当したからだね」
「そうだったんですね」
「そう。友梨に頼まれて、すごく安く請け負った」
樹貴さんはイタズラっぽく笑って、これは内緒だったと白い歯を覗かせる。
「だけど、本当に私があの時の子だって、気付いてたんですか」
「どうかな。最初は似てるって感じで自信はなかったけど、友梨が家に連れて来て確信したかな」
「それなら教えてくれても良かったのに」
「だってなんか気持ち悪くない? あの時のこと覚えてるかって聞くのも恥ずかしいし」
「気持ち悪くはないですけど、今日、あのタイミングで打ち明けてくれたのはベストだったかも知れません」
「そっか。なら良かった」
樹貴さんは微笑むと、私の頬を撫でてそのままキスをする。
「それにしても、新婚旅行楽しみですね」
「俺たちは英語もままならないのに、全く理解できないフランス語圏に行くんだからドキドキするよね」
「あはは。本当にそうですよね。おのぼりさんです」
深夜便で乗り継ぎが一回、定刻通りなら目的地のニースには、現地時間で昼ごろ到着予定だ。
二週間もの長い時間を割いてくれたので、向こうではバタバタせずに、観光とバカンスを楽しめるだろう。
「長いお休みだから、帰った時のことは考えたくないですね」
「溜まった書類とか見たくないよね」
「それは帰ってから考えますか」
「そうだね。そんなことより香澄ちゃんの水着のこと考えるよ」
「また、そういうことを」
またいつもの冗談が始まったと思って、樹貴さんの肩を叩くと、思いの外熱っぽい視線に捕まってギュッと抱き締められる。
「本当に長かったよ。この一年」
「そうですか?」
「やっと家族になれた」
「はい。こらからずっと一緒です」
至近距離で見つめ合って、愛してると囁くと、どちらからともなく唇を重ねて深くて甘いキスをする。
そしてじゃれ合ううちにハイヤーが空港に到着した。
「さあ、お手をどうぞ、俺のプリンセス」
「はい。素敵な魔法使いさん」
これから先、二人で乗り越えなきゃいけない問題は起こるかも知れない。だけど樹貴さんと二人なら、きっと上手く切り抜けられるって信じてる。
だって、この手を掴んでいる限り、私は世界一の花嫁なんだから。
【完】
仕事の都合で二次会からしか参加出来なかった人たちと雑談をして、私も樹貴さんも、いつも誰かしらと話をし続けて、正直そろそろ空腹で倒れそうだ。
樹貴さんの友人だというドラァグクイーンの方が、お店のスタッフを連れて来てくださって、豪華なショーを披露してくれると、二次会の会場は一気に盛り上がりを見せる。
その瞬間だけは人の波がおさまると、樹貴さんと目配せして狂ったように食事を貪り、ドリンクで流し込んでなんとかお腹を満たす。
そして友人と同僚、親族が集まった二次会は、豪華賞品が出揃ったビンゴ大会や、クイズの早押し選手権が白熱して、会場は大いに盛り上がった。
新郎新婦の参加は無しで三次会も模様されるらしく、そちらへの参加を募る幹事さんたちに心付けをお渡しすると、私たちは新婚旅行のために手配したハイヤーに乗り込む。
行き先は、夏のバカンスにぴったりのフランスのニースだ。
「ふう。お疲れ様」
「お疲れ様でした」
ハイヤーの後部座席で安堵の溜め息を吐くと、樹貴さんと二人で今日の結婚式を振り返って、楽しい話題に花が咲く。
そして結婚式といえば、自分たちのことで詳しく聞いている暇がなかったことを思い出して、樹貴さんの顔を覗き込む。
「それにしても、菜穂ちゃんの結婚式なのに、どうしてあの時会場に居たんですか」
「俺がヘアメイクを担当したからだね」
「そうだったんですね」
「そう。友梨に頼まれて、すごく安く請け負った」
樹貴さんはイタズラっぽく笑って、これは内緒だったと白い歯を覗かせる。
「だけど、本当に私があの時の子だって、気付いてたんですか」
「どうかな。最初は似てるって感じで自信はなかったけど、友梨が家に連れて来て確信したかな」
「それなら教えてくれても良かったのに」
「だってなんか気持ち悪くない? あの時のこと覚えてるかって聞くのも恥ずかしいし」
「気持ち悪くはないですけど、今日、あのタイミングで打ち明けてくれたのはベストだったかも知れません」
「そっか。なら良かった」
樹貴さんは微笑むと、私の頬を撫でてそのままキスをする。
「それにしても、新婚旅行楽しみですね」
「俺たちは英語もままならないのに、全く理解できないフランス語圏に行くんだからドキドキするよね」
「あはは。本当にそうですよね。おのぼりさんです」
深夜便で乗り継ぎが一回、定刻通りなら目的地のニースには、現地時間で昼ごろ到着予定だ。
二週間もの長い時間を割いてくれたので、向こうではバタバタせずに、観光とバカンスを楽しめるだろう。
「長いお休みだから、帰った時のことは考えたくないですね」
「溜まった書類とか見たくないよね」
「それは帰ってから考えますか」
「そうだね。そんなことより香澄ちゃんの水着のこと考えるよ」
「また、そういうことを」
またいつもの冗談が始まったと思って、樹貴さんの肩を叩くと、思いの外熱っぽい視線に捕まってギュッと抱き締められる。
「本当に長かったよ。この一年」
「そうですか?」
「やっと家族になれた」
「はい。こらからずっと一緒です」
至近距離で見つめ合って、愛してると囁くと、どちらからともなく唇を重ねて深くて甘いキスをする。
そしてじゃれ合ううちにハイヤーが空港に到着した。
「さあ、お手をどうぞ、俺のプリンセス」
「はい。素敵な魔法使いさん」
これから先、二人で乗り越えなきゃいけない問題は起こるかも知れない。だけど樹貴さんと二人なら、きっと上手く切り抜けられるって信じてる。
だって、この手を掴んでいる限り、私は世界一の花嫁なんだから。
【完】
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また苦手?な現代モノにも拘らず読んでくださって、あたたかい感想をお寄せくださってありがとうございます。
少しでも楽しい時間のお手伝いが出来たのなら本当に嬉しいです。
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その機会がありましたら、また読んでいただけたら嬉しいです^_^
本当にありがとうございました!!