ネトウヨのお姫様

花咲蝶ちょ

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13.祈り姫(エンド)

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「私は法子内親王殿下をとても愛しくお慕いしております!」

 李流はたった一度という約束の記者会見場で、少し照れたような、にこやかな表情で全国のテレビの前で宣言した。

 カシャカシャ、パシャパシャとカメラのシャッターがうるさく光鳴り響く。

 あまりにもマスゴミがうるさいので、宮内庁も困ったようで、晴房は李流の一年間謹慎処分ついでに、宣言してこいという、命令で、本当は無視して噂が去るのを待つはずだった李流は、カメラの前に立たされている。

「李流さんは、ニダ国の王国の末裔とは本当ですか!?」
「ニダ王国の復活の足がかりなのですか!?」
「それはニダ国が日和帝国時代の植民地の再来ではないですか!?」
「ニダ国と日和国の友好のために婚約なさるのですか?時代錯誤でしょう?」

 日和国が変態だと流布するマイキチ新聞や捏造歴史を書き上げるオトトイ新聞が熱心にマイクを向け質問する。

 李流は、そっと胸に手を当てて

「どこから、ニダ国の王族の話が出てきたかわからないのですが……」

 と前置きをする。
 陛下と一族しかしらない、共通の秘密を否定すればそれまでのこと。
 確証は見つからないのだから。
 記者たちは不服そうな、面白くない顔をするのがわかった。

「もし、ニダの血をひいていたとしても、この国に生まれ育ち、祝皇陛下を敬愛し忠誠し、国民性も素晴らしい、日和国民であろうと日々心がけております」

 日和国を愛せない、ニダヒワ人に皮肉を混ぜて、心からの言霊を李流は発する。

「そして、個人的には」

 李流は、笑顔は崩さす、瞳で人を殺せそうな表情をし、

「我が日和国をぐろうする愚かなニダ国とは」

 声も、心なしか、低く怒りがにじみでている。

「断交するしかないとおもっているので、日和国民の皆さん安心してください……」

 記者たちは李流の有無を言わせないオーラと報道で言われたくない事をはっきり言われて黙る。

「以上です、質問ありますか?」

その言葉の裏には

 受けて立ちますよ……。

 という、自信があった。
 法子と一年も会えない謹慎処分ゆえの苛立ちと、せっかくの全国放送なので暴露してやろうと思っていた。

 しかし、記者からは質問もなしに終了となった。

 つい最近ニダの大統領が陛下を侮辱したばかりで日和国民の怒りも収まっていない。
 その状況に、李流の発言でツーチャンネルはお祭り騒ぎになり、左よりなマスゴミは
『報道しない自由』により、深く追求する報道はこの一度だけしか報道しなかった。

 そしてその放送は、ネットで拡散されて話題になった。

 その後、マスゴミは李流に近づかなくなり、代わりに、陛下侮辱発言以降一気に増えた、ネトウヨ(ネット保守愛国者)から支持を受け、ネット動画の保守派の有名人になった。

 スマホの中に映る李流は生き生きとして、言いたいことをネット上で発信して人気を集めている。

「ニダ国とシナ国とは歴史的政治的にも合わない!日和国が不幸になるだけ損なので深く付き合ってはいけないのです!」

 法子はスマホの中の李流を見て複雑に思う。
 実際に会えない、寂しさ、悲しさ、があるけれど、毎日どこでも李流を見つめることができる。

「大好きなスマホの中でしか会えなくなるなんて複雑だわ…」

「ホントだったらスマホを取り上げてもよいのですよ?法子殿下?」

 晴房はドヤ顔してそう告げる。
 これは晴房専用のスマホだ。


「ほんとに一年だけの謹慎処分でしょうね?」

「そうさな、宮中の掟は厳しくしておるからな、ホントは辞表もののところを、一年にしてやったのだ。ありがたく思ってほしいの」

 晴房は、恐れ多くも、法子の頭をなでる。

「逢えない日々は愛しさを増すものぞ、祈り姫として、愛しき者を思い務めを果たす事が李流のため世のためぞ。」

「わかってるわよ、十年よりマシよ!李流の為にも頑張るんだから!」



 法子はスマホを置いて、今日も日和国、世界のために祈りを捧げるのだった。


★☆

 一年後、再び宮中に出仕した李流は法子のキスで迎え入れられる。

「……んっ!……はぁっ…ん…」
 
 あまりにも触れ合えない一年は長すぎて、李流は己の矜持を忘れそうなほど抱きしめ、何度もキスを繰り返す。

 気絶なんかしてられないほどの愛しさを法子に伝える。

 周りが幸せになるほどの幸御霊が広がるのを側近たちは久々に感じる。

「おかえりなさい!」

「ただいまです!」



祈り姫は今日も、愛しい者への思いを全開に世界の幸せを祈るのでした。
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