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3. 入学
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学園の入学式当日になりました。
「ルシア!ジーナ!」
「エリー!」
馬車を降りて入学者の受付に向かう途中で、二人を見つけて淑女らしくない大きな声を出してしまい、すぐに周りを見たけれど私みたいにはしゃいでる人が多くて少しほっと胸をなでおろしました。
皆様は私のことをエリーと呼びます。そして家族はリズと。エリザベスって少し長いでしょう?だから愛称なのです。
そう言えば、ルカ様も私のことをリズとお呼びになられてたわね。最後に呼ばれたのはいつの事でしょうか。ルカ様のお声…もう遠い記憶に埋もれてしまいそうですわ。
ローズマリーはまだ来ていないけれど、受付が終わった人から順に講堂へ行くようにと先生方に追いやられたので、私たちはその場を移動して講堂へ向かいました。
入学式は新入生代表と在校生代表の挨拶があり、学園長や先生方の紹介もサクサクと進みあっという間に解散。それぞれのクラスへと移動です。
レイフォール学園のクラスは成績順で、特Aクラスの次がB、C、D、Eとなっていて、特Aクラスは16名。Bクラスは30名、C~Eはそれぞれ40名になっているのです。そして私達はみんな特Aクラス。入学前に頑張った甲斐があるというものです。
それからクラス内で自己紹介をしてからその日は解散。そして翌日から授業が始まります。
◇
「ねえ、お昼は食堂で食べる?それともランチボックス?外にも食べる場所が多いから、天気の良い日は外で食べると気持良さそうね」
「食堂って全校生徒が利用するんでしょう?上級生と一緒だと気後れしちゃうし、それがいいかも」
それを聞いて、ルカ様はお昼に時間は取れないって、無理って言ってたけどそれって変よね?
だって毎回って言っている訳ではないのに、どうして無理って言ったのかしら。もしかしてリリアンナ様と一緒だから?
「エリー?眉間にしわ寄せちゃって、どうしたの?」
「えっ…あ、ちょっとね」
せっかく友達と話している楽しい時間なのに、私ったら何を考えているのかしら。ルカ様の事はこれからの事だし今は考えるのをやめておかなきゃ。
「ねえエリー。その長い前髪、切っちゃわない?目が見えると、もっと可愛くなるわよ。それにもう少しお化粧もしてみたらどうかしら?」
「私の瞳はお兄様たちみたいに澄んでないから、あんまり出したくないのよ。それに学生なんだし、お化粧もこれでいいと思うのだけど」
私は白粉を薄くつけるくらいで、ほとんど素顔に近いのだけれど……ダメかしらね。でも、素顔の方が楽だし、まだ学生のうちはかまわないわよね。
「エリーの瞳は深みがあるって言うのよ」
「そうよ。髪もいい具合にカールしてるから、それを利用してアレンジしたらもっと可愛くなるわ。舞踏会にはお化粧もきちんとしてきたら、誰かわからないくらい変わりそうで今から楽しみなんだけど」
みんなにそんなことを言われて、ちょっと、ちょっとだけど前髪を切ろうかなって。それにお化粧も、機会があれば挑戦しようかしら。
こだわり過ぎなのかもしれないし。今度、考えてみましょう。
「君たち、友達なの?」
前の席に座っている男の方が振り向いて私たちに声をかけてきたんだけど、この人、可愛らしい顔してるわ。なんだか同級生っていうより弟って雰囲気ね。
「僕はヒース・オルダーウッド。よろしく」
オルダーウッド伯爵家のヒース様。
子犬のような柔らかそうな髪を指で弄っている姿が、見ていてもホントに可愛らしいわ。
ジーナなんて可愛いもの好きだから、絶対に目がハートになってるわよ。
ほら、やっぱりハートになってる。でも、後々聞くと異性としてのハートではなく、可愛いものとしてのハートらしいわ。でも、その気持ちはよくわかるわ。ヒース様の笑った顔、本当に子犬みたいに可愛いのだもの。
「良かったら、僕もお昼、仲間に入れてくれない?僕、知り合いもいないんだ」
何でもヒース様は幼少の頃からご病気で、昨年にそのご病気の治療法が見つかりようやく健康になられたのだとか。でも家族が心配して、学園に入学する直前まで家から出られなかったらしいの。
それはそれで大変だわ。私も病気になった時も、治ってからしばらくの間心配されてたものね。
「いいですわよ。人数は多いほうが楽しいですものね」
そして私たち五人組は、この日から一緒に行動することが多くなったのです。
もちろん、お昼も一緒ですわ。
「ルシア!ジーナ!」
「エリー!」
馬車を降りて入学者の受付に向かう途中で、二人を見つけて淑女らしくない大きな声を出してしまい、すぐに周りを見たけれど私みたいにはしゃいでる人が多くて少しほっと胸をなでおろしました。
皆様は私のことをエリーと呼びます。そして家族はリズと。エリザベスって少し長いでしょう?だから愛称なのです。
そう言えば、ルカ様も私のことをリズとお呼びになられてたわね。最後に呼ばれたのはいつの事でしょうか。ルカ様のお声…もう遠い記憶に埋もれてしまいそうですわ。
ローズマリーはまだ来ていないけれど、受付が終わった人から順に講堂へ行くようにと先生方に追いやられたので、私たちはその場を移動して講堂へ向かいました。
入学式は新入生代表と在校生代表の挨拶があり、学園長や先生方の紹介もサクサクと進みあっという間に解散。それぞれのクラスへと移動です。
レイフォール学園のクラスは成績順で、特Aクラスの次がB、C、D、Eとなっていて、特Aクラスは16名。Bクラスは30名、C~Eはそれぞれ40名になっているのです。そして私達はみんな特Aクラス。入学前に頑張った甲斐があるというものです。
それからクラス内で自己紹介をしてからその日は解散。そして翌日から授業が始まります。
◇
「ねえ、お昼は食堂で食べる?それともランチボックス?外にも食べる場所が多いから、天気の良い日は外で食べると気持良さそうね」
「食堂って全校生徒が利用するんでしょう?上級生と一緒だと気後れしちゃうし、それがいいかも」
それを聞いて、ルカ様はお昼に時間は取れないって、無理って言ってたけどそれって変よね?
だって毎回って言っている訳ではないのに、どうして無理って言ったのかしら。もしかしてリリアンナ様と一緒だから?
「エリー?眉間にしわ寄せちゃって、どうしたの?」
「えっ…あ、ちょっとね」
せっかく友達と話している楽しい時間なのに、私ったら何を考えているのかしら。ルカ様の事はこれからの事だし今は考えるのをやめておかなきゃ。
「ねえエリー。その長い前髪、切っちゃわない?目が見えると、もっと可愛くなるわよ。それにもう少しお化粧もしてみたらどうかしら?」
「私の瞳はお兄様たちみたいに澄んでないから、あんまり出したくないのよ。それに学生なんだし、お化粧もこれでいいと思うのだけど」
私は白粉を薄くつけるくらいで、ほとんど素顔に近いのだけれど……ダメかしらね。でも、素顔の方が楽だし、まだ学生のうちはかまわないわよね。
「エリーの瞳は深みがあるって言うのよ」
「そうよ。髪もいい具合にカールしてるから、それを利用してアレンジしたらもっと可愛くなるわ。舞踏会にはお化粧もきちんとしてきたら、誰かわからないくらい変わりそうで今から楽しみなんだけど」
みんなにそんなことを言われて、ちょっと、ちょっとだけど前髪を切ろうかなって。それにお化粧も、機会があれば挑戦しようかしら。
こだわり過ぎなのかもしれないし。今度、考えてみましょう。
「君たち、友達なの?」
前の席に座っている男の方が振り向いて私たちに声をかけてきたんだけど、この人、可愛らしい顔してるわ。なんだか同級生っていうより弟って雰囲気ね。
「僕はヒース・オルダーウッド。よろしく」
オルダーウッド伯爵家のヒース様。
子犬のような柔らかそうな髪を指で弄っている姿が、見ていてもホントに可愛らしいわ。
ジーナなんて可愛いもの好きだから、絶対に目がハートになってるわよ。
ほら、やっぱりハートになってる。でも、後々聞くと異性としてのハートではなく、可愛いものとしてのハートらしいわ。でも、その気持ちはよくわかるわ。ヒース様の笑った顔、本当に子犬みたいに可愛いのだもの。
「良かったら、僕もお昼、仲間に入れてくれない?僕、知り合いもいないんだ」
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それはそれで大変だわ。私も病気になった時も、治ってからしばらくの間心配されてたものね。
「いいですわよ。人数は多いほうが楽しいですものね」
そして私たち五人組は、この日から一緒に行動することが多くなったのです。
もちろん、お昼も一緒ですわ。
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