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「お待たせしました。リサ・ファローです」
急いで支度を整え、ジークフリート・イグニス・エクスデイル王太子殿下の待つ応接室へと急いで向かった。
目上の人物を待たせることは礼儀に反するだろうが先ぶれもなく突然の訪問となれば許してもらいたい。それくらいにもういっぱいいっぱいだった。
そんな風に思って入室したリサへの彼の第一声はこれだった。
「お前が、叔父上が連れてきた女か?」
「……」
なんて礼儀のなっていない王太子だと心の中で思いながら、その通りなのでどう言おうか悩んで王太子の顔をぶしつけに見ていると呆れた表情を浮かべながらもリサをにらみつける。
「単刀直入に言おう。ここから、出て行ってくれ」
「ここから…ですか?」
「そうだ。叔父上は国に必要な人なのだ。お前のようなどこの馬の骨かもわからない女など、叔父上に相応しくない。そんなことは俺が言わなくとも、お前自身わかっているだろう」
「それは……わかっております」
「わかっているなら、早々に出ていく事だ。叔父上は今日も戻りは遅いだろう。戻る前に出ていけ。わかったな」
そう言って立ち上がり、人の言葉は聞くこともせずにさっさと部屋を出ていく王太子は扉の前で振り返り、「言っておくが、お前に選択肢はない」と侮蔑の表情を浮かべて吐き捨てるようにリサに告げた。
去っていく後ろ姿を見て、「この人が将来の国王陛下……」そう思うことしかできなかった。
リサは現アンドーレ国王には何度か顔を合わせてはいるが、国王陛下は人の話をよく聞いて判断をしてくれる賢王と名高い。その息子でもある王太子に会ったのはこれが初めてだが、どうやら国王よりも王妃の性格を受け継いだのだろうか。あの、人の話を聞かない自己中なところは国王陛下には見られない。
もちろんローレンスにもそういうところはない。
だが、王太子自ら屋敷に乗り込んできてはっきりと出ていくように告げたとなれば、ローレンスが昨日から王宮に出向いている理由も説明がつきそうだ。
決断をしなければならないとリサは思っていた。
部屋に戻り一人にしてほしいと侍女に告げてじっくりと考えた。王太子の言うこともよくわかるからこそ、これからのことを考えなければならない。
だが、ローレンスはリサを手放すような判断はしないだろう。彼なら冒険者としても生きていけると理解しているからこそ、ここで下手な判断はできないと考えた。しかし、決断しなければならない。窓の側に立ち、青い空に浮かぶ雲をそのまま暫く眺めていた。
「ラリー…私、あなたを愛しているわ。どうしてかな…まだ会ってからそんなに経ってないのにね」
リサはローレンス宛ての手紙をしたため、テーブルの上に置いて、瞳を閉じて転移魔法を発動した。
「さようなら……あなたと出会えてよかった」
リサを中心に金に煌めく魔術陣が浮かび上がり、光ると同時に彼女の姿は消えていた。最初からそこには誰もいなかったかのように、ただ静かな空間が広がっているだけだった。
その日から、リサの姿もエリザベスの姿も目撃されることはなかった。
急いで支度を整え、ジークフリート・イグニス・エクスデイル王太子殿下の待つ応接室へと急いで向かった。
目上の人物を待たせることは礼儀に反するだろうが先ぶれもなく突然の訪問となれば許してもらいたい。それくらいにもういっぱいいっぱいだった。
そんな風に思って入室したリサへの彼の第一声はこれだった。
「お前が、叔父上が連れてきた女か?」
「……」
なんて礼儀のなっていない王太子だと心の中で思いながら、その通りなのでどう言おうか悩んで王太子の顔をぶしつけに見ていると呆れた表情を浮かべながらもリサをにらみつける。
「単刀直入に言おう。ここから、出て行ってくれ」
「ここから…ですか?」
「そうだ。叔父上は国に必要な人なのだ。お前のようなどこの馬の骨かもわからない女など、叔父上に相応しくない。そんなことは俺が言わなくとも、お前自身わかっているだろう」
「それは……わかっております」
「わかっているなら、早々に出ていく事だ。叔父上は今日も戻りは遅いだろう。戻る前に出ていけ。わかったな」
そう言って立ち上がり、人の言葉は聞くこともせずにさっさと部屋を出ていく王太子は扉の前で振り返り、「言っておくが、お前に選択肢はない」と侮蔑の表情を浮かべて吐き捨てるようにリサに告げた。
去っていく後ろ姿を見て、「この人が将来の国王陛下……」そう思うことしかできなかった。
リサは現アンドーレ国王には何度か顔を合わせてはいるが、国王陛下は人の話をよく聞いて判断をしてくれる賢王と名高い。その息子でもある王太子に会ったのはこれが初めてだが、どうやら国王よりも王妃の性格を受け継いだのだろうか。あの、人の話を聞かない自己中なところは国王陛下には見られない。
もちろんローレンスにもそういうところはない。
だが、王太子自ら屋敷に乗り込んできてはっきりと出ていくように告げたとなれば、ローレンスが昨日から王宮に出向いている理由も説明がつきそうだ。
決断をしなければならないとリサは思っていた。
部屋に戻り一人にしてほしいと侍女に告げてじっくりと考えた。王太子の言うこともよくわかるからこそ、これからのことを考えなければならない。
だが、ローレンスはリサを手放すような判断はしないだろう。彼なら冒険者としても生きていけると理解しているからこそ、ここで下手な判断はできないと考えた。しかし、決断しなければならない。窓の側に立ち、青い空に浮かぶ雲をそのまま暫く眺めていた。
「ラリー…私、あなたを愛しているわ。どうしてかな…まだ会ってからそんなに経ってないのにね」
リサはローレンス宛ての手紙をしたため、テーブルの上に置いて、瞳を閉じて転移魔法を発動した。
「さようなら……あなたと出会えてよかった」
リサを中心に金に煌めく魔術陣が浮かび上がり、光ると同時に彼女の姿は消えていた。最初からそこには誰もいなかったかのように、ただ静かな空間が広がっているだけだった。
その日から、リサの姿もエリザベスの姿も目撃されることはなかった。
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