66 / 107
2. レエリナサウラと秘密結社 →数億年前地球 中世ヨーロッパ
第50話 思わずドギマギ(帝)
しおりを挟む
十三世紀ミャンマーのバガンとポッパ山から時空を超えて戻ったあと、私は沙織と一緒に自室にいた。私は沙織を抱き寄せていた。
沙織の袂からのぞいた白い肌に思わずドギマギしてしまい、私はためらった。なりきる術を使って空を飛んだので、少し袂が乱れてしまっていたようだ。
沙織の口びるに思わず視線が吸い込まれそうになり、私は慌てて目をそらした。今日の私はどうかしている。一気に色々なことが起こりすぎたからだろうか。
沙織に潤んだ瞳で見つめられるとどうにかしてしまいたくなり、慌てて体を離した。
「琴乃さんや、牡丹やまさみが待っていると思う。皆に会いに行こうか。」
「はい。」
沙織は顔を赤めたまま、そううなずいた。
どうも調子が狂う。何か急に沙織がとてつもなく愛しい存在に感じてしまい、自分の気持ちを制御できないように思う。
いや、私は既に沙織と結婚しようと決めていたはずだ。二回目のデートで決意したはずだ。けれどもこれほど強い衝動を感じてしまっては、目的を達せない。
沙織の髪から微かに汗の香りがし、それが微かに私の鼻をくすぐり、そのまま抱きしめたままではいられなくなりそうな衝動を感じる。
まずい。
私はまず、敵を欺いて沙織と自分を守らないとならない。
「沙織。手を出して。」
「なんでしょう。」
「ポッパ山に咲いていた花だ。」
私は山に咲いていた赤い花をつみ取って密かに持ち帰っていた。可憐な姿が、なぜか沙織によく似ているように思えたのだ。赤い花を持つ沙織はこの上なく可愛らしく見えた。最初、初めて沙織を見た時は感じなかった感情に溢れてしまう。
「ありがとございます。大切にします。」
「今の地球では見かけない花だ。まずかったかな。」
「そうですね。でもとても嬉しいです。枯れたら押し花にしておきます。」
沙織は、そっと袂から出したハンカチーフの中に赤い花を包んで、また袂にしまった。その時、自分の袂が乱れて肌が見えてしまっていたことに気づいた。
「あ!大変申し訳ございません。」
沙織は慌てて、かなり焦った様子で袂を整えた。
私は、その様子もまたとても可愛らしいなと思ってしまった。
だめだ。敵の思うつぼとナディアにも指摘されたではないか。
しっかりせねば。沙織の命も懸かっている。
私はまず、自分のお妃候補と自分の命を守らねればならない。
私が彼女をお妃候補にしたのだ。私は帝だ。帝国の命運は私の手にかかっている。
沙織の袂からのぞいた白い肌に思わずドギマギしてしまい、私はためらった。なりきる術を使って空を飛んだので、少し袂が乱れてしまっていたようだ。
沙織の口びるに思わず視線が吸い込まれそうになり、私は慌てて目をそらした。今日の私はどうかしている。一気に色々なことが起こりすぎたからだろうか。
沙織に潤んだ瞳で見つめられるとどうにかしてしまいたくなり、慌てて体を離した。
「琴乃さんや、牡丹やまさみが待っていると思う。皆に会いに行こうか。」
「はい。」
沙織は顔を赤めたまま、そううなずいた。
どうも調子が狂う。何か急に沙織がとてつもなく愛しい存在に感じてしまい、自分の気持ちを制御できないように思う。
いや、私は既に沙織と結婚しようと決めていたはずだ。二回目のデートで決意したはずだ。けれどもこれほど強い衝動を感じてしまっては、目的を達せない。
沙織の髪から微かに汗の香りがし、それが微かに私の鼻をくすぐり、そのまま抱きしめたままではいられなくなりそうな衝動を感じる。
まずい。
私はまず、敵を欺いて沙織と自分を守らないとならない。
「沙織。手を出して。」
「なんでしょう。」
「ポッパ山に咲いていた花だ。」
私は山に咲いていた赤い花をつみ取って密かに持ち帰っていた。可憐な姿が、なぜか沙織によく似ているように思えたのだ。赤い花を持つ沙織はこの上なく可愛らしく見えた。最初、初めて沙織を見た時は感じなかった感情に溢れてしまう。
「ありがとございます。大切にします。」
「今の地球では見かけない花だ。まずかったかな。」
「そうですね。でもとても嬉しいです。枯れたら押し花にしておきます。」
沙織は、そっと袂から出したハンカチーフの中に赤い花を包んで、また袂にしまった。その時、自分の袂が乱れて肌が見えてしまっていたことに気づいた。
「あ!大変申し訳ございません。」
沙織は慌てて、かなり焦った様子で袂を整えた。
私は、その様子もまたとても可愛らしいなと思ってしまった。
だめだ。敵の思うつぼとナディアにも指摘されたではないか。
しっかりせねば。沙織の命も懸かっている。
私はまず、自分のお妃候補と自分の命を守らねればならない。
私が彼女をお妃候補にしたのだ。私は帝だ。帝国の命運は私の手にかかっている。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝🌹グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
そう名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
✴️設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
✴️稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる