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2. レエリナサウラと秘密結社 →数億年前地球 中世ヨーロッパ

第49話 帝と沙織は接吻まで行ってしまったのかしら?(まさみ)

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「ね、牡丹ぼたんはどっちだと思う?」
「さあ?私はゆるす方にかけるわ。」
「え?そっち?」

琴乃ことのさんはどう?」
「私も帝は沙織をおゆるしなさると思うわ。」

「やっぱり?」

 私はまさみ。帝と沙織が城内じょうないに消えてからしばらく時間がたった。

 私と牡丹と琴乃さんは、城門を入って通された室内で待たせてもらっていた。
 素敵な応接室おうせつしつで、かぐしい香りのお茶を用意されており、三人でくつろぎながらお茶と羊羹ようかんをいただいていた。

 貴和豪牡丹きわごうぼたんの名前の威力と、帝のお妃候補の姉の琴乃ことのと一緒であれば、城でも手厚くもてなされた。美女二人に囲まれてしまい、私もなんだかふわふわした気持ちになる。振袖姿ふりそですがた牡丹ぼたん袴姿はかますがた琴乃ことのも、世の男性が放っておけないレベルの美しさ。ただ、気の強さも二人は桁外けたはずれだったけれども。

かべに耳あり、障子しょうじに目あり。」

 城内では迂闊うかつな発言は厳禁げんきんだ。

「ねえ?私たち、はらうちをさらすべきじゃない?」
 
「そうねえ。」
「琴乃さん、腹心ふくしんの友になりましょう。」

 牡丹ぼたんは、さらりと落ちてきた後毛おくりげをさり気なくかき上げながらそう言った。

 敵がこれを聞いたら、琴乃は赤の秘密結社ひみつけっしゃ側に入ったと思うであろう。
 味方が聞いたら、琴乃は帝の味方だ。

 どちらがきいていようとかまわない。

 それより私が今気になるのは、帝と沙織は接吻きすまで行ってしまったのかしら?
ということだ。

 はしたなくも、気になって気になって仕方がない。
 これを沙織の姉の琴乃の前では口に出せない。

 私の旦那様だんなさまはどうなってしまうのかしら?
 帝は沙織に恋をしているように見えた。沙織も同じく。

 二人の恋が始まってしまったのならば、私は全力で応援をする。

 仕方あるまい。私は二重スパイ。
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