5分前契約した没落令嬢は、辺境伯の花嫁暮らしを楽しむうちに大国の皇帝の妻になる

西野歌夏

文字の大きさ
32 / 68
第一章

毒消し草と甘い夜 ※

しおりを挟む
 私はラファエルの逞しくて大きな胸に飛び込んだ。動揺を悟られたくなかった。けれどもラファエルに抱きしめてもらっていると、胸騒ぎはおさまった。

 ――あのことは話せないわ。でも、一刻も早くここを出た方が良いわ。死神様のところにもしかしたら戻されるような出来事が起きるかもしれない……


 申し合わせたように寝室をノックする音がしてケネス王子とレティシアもやってきた。二人を招き入れると、4人で暖炉の前に座った。

 それは、私たちにとって息をのむような緊張する瞬間だった。今日見つけた第3の輝く宝石を、ラファエルが古びた王冠の3つ目の穴にそっと差し込んだ。ゆっくりと宝石を回そうと動かしてみる。

「出たわ!」

 何かの文字が王冠に浮かび上がった。

「この文字は座標ではなさそうだ」

 私たちは王冠に浮き出た文字をじっと見つめていた。

「古代語で『毒消し草』と読めるわ。これは何を意味するのかしら?」

 レティシアがつぶやいた。それを聞いたケネス王子が地図を真剣に確認し始めた。

「『毒消し草』は、医学にも薬草学にも通じている……おっと!医学と薬草学に関して我が国では一番有名な修道院が確かこの近くにあったはずだ」

 ケネス王子は眉間に皺を寄せて一瞬考えた。そして、ハッとした様子になった。地図をもう一度確認している。そして、他の3人に小さな声でささやいた。

「ほら地図で見ると、ここからだと聖イーゼン女子修道院に非常に近い。この修道院は医学と薬草学で数世紀前から有名だ」

 ヴィッターガッハ伯爵家の葡萄畑は、ケネス王子が指差した場所までは馬で半日ほどだろうか。

「すごいな、ケネス!さすがだ。大陸を横断する僕らの旅に君が合流してくれて、本当によかったよ」

 ラファエルは安堵のため息をついて、ケネス王子の肩をやさしくたたいて礼を言った。

「『毒消し草』に興味があるわ。医学と薬草学で有名なところなら、もっと詳しく教えてもらえるわね、敵は一度毒キノコを使ったわ。もし、そこに生息している植物を採集しておきたいわ」

 私は期待を込めて皆を見回した。

「そうだな。採集しよう。どこかで役に立つかもしれない」

 レティシアは何かをじっと考え込んでいた。

「朝早く出発して、目的地はヴィッターガッハ伯爵家の誰にも当主にも誰にも言わずに行きましょう。侍女にも騎士にも、行き先については内緒にするのよ」

 レティシアは私たちにささやいた。

「わかった」
「そうだな」
「そうしましょう。朝一番にたちましょう」


 これで、4つ目の宝石の場所がわかった。レティシアとケネス王子が私たちの寝室を去ると、私はラファエルに洗濯物の相談をした。ラファエルのものも洗うし、騎士たちも交代で自分たちのものを洗うだろう。その相談をしていると、ベアトリスとジュリアが揃って寝室のドアをノックした。

 私はベアトリスとジュリアと一緒に、1階に用意されていたラファエルの浴室に向かった。余っていた暖かいお湯で洗濯を軽くして、私たちは戻ってきた。私は自分のものとラファエルのものを洗い、ベアトリスとジュリアもそれぞれ自分たちのものを洗った。

 没落令嬢だった私はこういった洗濯は本当に得意だった。今日は暖かい暖炉のある部屋で皆が落ちついて眠れることにとても感謝した。

 暖炉の前に固く絞った洗濯物を広げて、私はラファエルが待つベッドの中にそっと入った。王冠は布で包まれて、私とラファエルの間の枕元に置かれた。王冠を乗り越えて、私たちはキスを交わして眠りに入ろうとした。

 私はゆっくりとラファエルにネグリジェをたくし上げられて脱がされた。ラファエルは待っている間はベッドの中にいたのか、手もなにもかもが温かく、心地よかった。

 あぁっ……んっ

 ラファエルが私の豊満な胸を揉みながら、私の耳を優しく甘噛みした。私はビクッと体を震えさせた。

 ラファエルは私の反応に満足そうな笑みを浮かべて、私の瞳を見つめた。きらきらと輝く碧い瞳が私を見つめている。

 ――あぁ、なんて素敵なのだろう……

 私はぞくぞくするような期待に体が震えた。

 そのまま胸を揉まれながら首筋、鎖骨とラファエルの唇が私にキスをしながら降りてきて、私は胸を舐め上げられて、思わず身をすくめて悶えた。

 あぁっあぁっんっ

「可愛い声を出すね」

 そのままラファエルは胸を舐め続けながら、私のお尻の方に手を回し、腰を両手で抱えて次に私の太ももを撫で、私の体をベッドに横たわらせた。

「足を広げてごらん」

 あんっ……いやぁっ……

 ラファエルの長い指が太ももの間を優しく撫で上げ、私は思わず首を降って甘い声を漏らした。

 長い指の間から、すぐにクチュクチュと音がし始めて、私は恥ずかしさに頬を赤らめた。ラファエルは私の口に舌を入れてきて、私はラファエルの指の愛撫に絶えられずに思わず腰を動かしてしまった。

「気持ちいい?」

 私は真っ赤な顔でうなずき、体がもっと欲しがってくねってしまってよがることを抑えられなかった。

「ほおら、こうしたらもっと気持ちいいよ」

 ラファエルがシャツを脱ぎ捨てて、ズボンも脱ぎ捨てた。逞しい体からそそりたつラファエル自身を目にして、私は思わずたじろいだ。期待に息を呑んでしまう。

 ラファエルはベッドの上に座り込み、足を広げてその間に私を後ろから抱え入れた。後ろから大きく胸を揉みしだかれ、私は甘い息を漏らしてラファエルにしなだれかかった。

 うぁっあっあぁっんっ

 ラファエルの右手が私の中心を愛撫し始め、左手は胸を揉んだり胸の先を刺激されつつ、私はラファエルの日に焼けた逞しい手が私の真っ白い体を愛撫する様を見せつけられた。
 
 いやぁっんっ……んっ

 恥ずかしさと興奮と、快感でどうにかなりそうだった。

 すごい濡れている。音と私の喘ぎ声で寝室の中は秘めやかな営みの真っ最中といった状況になり、私とラファエルは無我夢中で相手の唇を貪った。

 そして、私はラファエルを押し倒して、ラファエルの胸をなめ、ラファエルが悶える声を聞いてますます体がうずくのを抑えられなかった。そのままそっとラファエルのそそり立つものを口の中に入れ、手と口を使ってゆっくりと愛撫を始めた。

 あぁっ……あっ

 切なく悶えるラファエルは、彫刻のような逞しい裸体をこわばらせている。

「だめ。いってしまう」


 ラファエルは短くそうささやくと、私を押し倒して組み敷き、一気に私の中に入ってきた。私は両足を大きく開かされ、ラファエルに突き上げられて胸を揺らして喘いだ。あまりの快感に頭の中が真っ白になりそうだ。

 あぁっんっあぁっ……あぁっあぁっんっんっ!

 そのまま激しさを増したラファエルは、シーツを掴んで喘ぐ私の胸を舐め上げながら、一気に高みに達した。

 うぁっん……

「ごめん、我慢できなかった。あまりに気持ち良すぎてごめん……」

 ラファエルは高みに達すると、一瞬体をこわばらせて、私の中に出して私を抱きしめていた。私も体をびくびくさせて、ラファエルに抱きついた。

 この夜、同時に高みに達して、私たちは抱き合って幸せな眠りについた。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』

鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」 華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。 王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。 そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。 レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。 「お願いだ……戻ってきてくれ……」 王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。 「もう遅いわ」 愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。 裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。 これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

夫が運命の番と出会いました

重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。 だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。 しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

グリモワールの塔の公爵様【18歳Ver】

屋月 トム伽
恋愛
18歳になり、結婚が近いと思われたプリムローズは、久しぶりに王都の邸にいる婚約者に会いに行っていた。 だけど、義姉クレアと婚約者ジャンのベッドインを目撃してしまい、婚約破棄されてしまったプリムローズ。 プレスコット伯爵家から追い出すための名目で、金持ちの子爵様に売られるも同然の後妻に入ることになったプリムローズ。 そんなある日、夜会で出会ったクライド・レイヴンクロフト次期公爵様から結婚をもうしこまれる。 しかし、クライドにはすでに親の決めた婚約者がおり、第2夫人でいいなら……と、言われる。 後妻に入るよりは、第2夫人のほうがマシかもとか思っていると、約束だ、と頬にキスをされた。 「必ず迎え入れる」と約束をしたのだ。 でも、クライドとのデートの日にプリムローズは来なかった。 約束をすっぽかされたと思ったクライドは、その日から一向にプリムローズと会うことはなかった。 時折出す手紙のやり取り。プリムローズがどうしたいのかわからないクライドは困惑していた。 そして、プレスコット家での現状を知り、クライドはプリムローズをプレスコット伯爵邸から連れ出し、グリモワールの塔に連れて行き……。 最初は、形だけの結婚のつもりかと思っていたのに、公爵様はひどく甘く、独占欲の固まりだった。 ※以前投稿してました作品を【18歳Ver】に書き直したものです。

処理中です...