【完結】それ以上近づかないでください。

ぽぽ

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それから、宗介の凪に対する態度は目に見えて変わっていった。
以前から少し過保護なところはあったが、それがさらに露骨になったというか、甘さが増したというか、とにかく、宗介は凪に対して、遠慮のないスキンシップや言動を当たり前のようにするようになった。

ある日の昼休み。学食で凪と宗介と伊藤の3人は並んで昼食をとっていた。


「凪、それうまそう。」


ふと、伊藤が凪のプレートに乗っていたシューマイを指差した。

「これ、食べてみる?結構美味しいよ?」

「はい、じゃああーん」


伊藤が大きく口を開けたため、凪がシューマイを端で掴んで伊藤の口の中に運ぼうとした時。

突然横から肩をぐっと掴まれた凪は、思わず体を強張らせた。


「凪、こっち。口になんかついてる」


隣に座っていた宗介はこれでもかと凪に顔を近づけた。鼻先が触れそうなほど距離だ。


「そ、宗介、近いっ!」

「待て、動くな。ちょっと、よく見せろ」


宗介は片手で凪の顎をそっと持ち上げながら、じっと顔を見つめてきた。視線が熱っぽくて、鼓動が急に早くなる。凪は目を泳がせるが、逃げ場はなかった。宗介の顔が、さらに横に傾きながら近づいてくる。


「おいおい、どこまで顔近づける気だ……」


目の前でそのやり取りを見ていた伊藤が、持っていた箸をぽろりと落としかけた。


「……あ、ごめん。何もついてなかった」


宗介はまるで悪びれる様子もなくそう言うと、ふっと笑って自分の席へ戻り、何事もなかったかのようにご飯を口に運び始めた。


「からかってるの……?」


そう呟きながら、凪は宗介の肩を軽くペシンと叩いた。だが宗介はまるで気にせず、食事に集中し続ける。凪がもう一度叩こうと手を伸ばすと、今度はその手首をすっと捕まれた。

「凪?どうした?あとでちゃんと構ってやるから、今は大人しく食べな?」


宗介はそのまま手を離さず、軽く指先で凪の手のひらをなぞるようにしてくすぐる。


「……べ、別に構ってほしいとかじゃなくて、宗介が……!」

「ん? 俺が何か?」


無駄にいい笑顔を浮かべながら、宗介はまた顔を近づけてくる。そのときの目元の笑みが、妙に優しくて、凪はますます言葉を詰まらせてしまった。


「こうして見てると、ほんっと可愛い顔してるよな、凪って。まあ、昔の顔も俺はめちゃくちゃ好きだけど。」


昔とは凪が太っていた時のことを言っていることはすぐにわかり、凪の頬が熱くなる。

宗介は今度は指先で凪の頬を優しく撫でながら、まるで恋人に触れるような仕草をした。


「お前ら、なんかあったの??」


しばらく唖然と眺めていた伊藤が、ついに口を開いた。怪訝というよりも、呆れと戸惑いが混じった表情だった。


「俺がこの前、凪にこく」

「宗介!!」


宗介が何を言おうとしたのかすぐに理解して、凪は咄嗟に手のひらで彼の口を塞いだ。恥ずかしさと焦りで顔が熱くなる。


「……ああ、そう。凪のためにも深くは聞かねえよ」


伊藤は肩をすくめたが、目は笑っていた。


「僕のためにって何?別に変な事してないよ…?」

「そうだよなあ。凪は何も知らないピュアピュアキュートボーイでいてくれよ。」


伊藤がからかうように言ったため、凪は少し頬を膨らました。
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