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しおりを挟む「あ、慶也君戻ってきたよ」
女友達がそういうため、琥珀は机からパッと顔を上げる。
「慶也~~!!」
琥珀は席から勢いよく立ち上がり、人目も憚らず慶也に正面から抱きつく。
「告白ちゃんと断った?」
琥珀が抱きつきながら慶也を見上げ首を傾げると、慶也は琥珀の頰を親指の甲で撫でた後、琥珀の耳元に唇を近づけて囁く。
「琥珀、断る断らない以前にそもそも俺には"可愛い彼女"がいるから」
慶也には同じ学年に美沙という彼女がいる。
美沙は学年でトップレベルの美少女だ。
芸能界にいてもおかしくないほどの美貌だということで、男子から日々憧れの視線を抱かれている。
半年ほど前、美沙から慶也に告白をして2人は晴れて付き合うことになった。
慶也は琥珀を除いて、告白を断らないが、長くは続かない。
いつもどおり数ヶ月で別れると思っていた琥珀の思惑とは裏腹に2人は半年以上付き合い続けている学校内でも有名カップルだ。
琥珀のように彼女がいてもほんのわずかな可能性を信じて、あるいは玉砕覚悟で慶也に告白する女は後を経たない。
「…っんなのわかってるよ!」
「琥珀、ひとつ言っておくけど女の子に向かってブスはないだろ。あとで謝ってこい」
「……嫌だ
誰があんなブスに謝るか」
琥珀はショックで瞳を涙で潤ませながら自分の席に今にも倒れそうになりながら戻っていく。
「あーあ、こはちゃん
"また"振られちゃったね」
女子たちが再び机に項垂れる琥珀の頭をポンポンと撫でる。
美沙と付き合う前も琥珀が何度も告白しているが振られるのも数えきれないほどだ。
「ちょっと琥珀と話していい??」
慶也が話しかけると、女子たちはサッと道を開けて場所を差し出す。
慶也は琥珀の前の椅子の背もたれの方に足を開いて座る。
「琥珀、もしかして泣いてんの??」
「泣いてねえよ、バーカ」
「そう?なら良かった
今日から俺、美沙と帰るから琥珀は1人で帰れるな?」
先ほどまで女子たちが撫でていた頭を慶也が上書きするように撫でる。
「子供扱いすんな、馬鹿…
大体、あんな女選ぶとか趣味悪っ!!あいつ性格悪いからなっ!俺に対してはひどい扱いしてくるんだ…!猫被りやがって」
慶也が頭を撫でる手を琥珀は跳ね除ける。
「俺は可愛いと思うけど」
「可愛ければ性格はどうだっていいのかよ…」
「どうだって良くないよ
性格の相性も大事」
「だったら俺ともっ……!!」
琥珀は続きを言いかけて止めた。
どうせ無駄なことだと最近は分かりかけている。
だからといって諦めたくないという気持ちが日々揺れ動いているのだ。
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