54 / 220
優子暗殺計画 2
しおりを挟む
優子暗殺計画 2
ー中野優子はEカップのくそったれー
川瀬理恵は昨日出会った女子の事が忘れられない。同性愛の甘い感情などではなく、メラメラと燃える嫉妬の炎が理由。
(日本で一番巨乳な小6はわたし……ずっとそう思っていたのに)
朝からずっと胸中のプライドはガタガタだった。だからなのだろう、今日はDカップの谷間やブラをチラ浮かせたりはしない。いつもなら勝ち誇るように悩め香しくサービスし、周囲から尊敬や焦がれるような目線をもぎ取っていた。理恵の谷間やブラを拝みたいと思う男子はたくさんいて、彼らにしてみれば理恵は女神さまのようなモノだった。
(まさか同じ小6でEカップがいるなんて……)
授業中も表向きはふつうだが、内心は内戦のように乱れまくる。白いノートにシャーペンで何度も同じことを綴った。まるで呪いがけみたいに何度もくり返す。
ー優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべしー
(ダメだ……)
シャーペンの芯を折ってしまうほど心に平穏は訪れない。なんとかならない? と思ったので、暗殺できないかと考えてみたりする。
暗殺。人知れずターゲットを歴史のゴミ箱に葬ること。古来なら毒殺が主流だったという。だが隠し事が不可能な近代において完全犯罪はほぼ不可能。ではどうすればいいのか……どうすれば中野優子を暗殺できるのか……理恵は昼休みの間ずっとスマホで検索した。お手軽にできる暗殺方法! みたいな記事はないのかと探した。そして何も見つけられなかった。
「チッ……どうすれば優子を暗殺できるのかなぁ……」
学校が終わっても暗殺って2文字が頭から離れない。
「マジで暗殺ロボットとか欲しいわ」
しつこいまでに考え続ける。カバンを肩にかけ、Dカップの胸に腕組みをし、よく車にはねられないな……って感じに歩き続けた。
「あん?」
ハッと気がつくと思いもしない場所に来ていた。自分の帰宅コースからは大きく外れている。とあるトンネルが目の前にあって、幽霊とか死者のたましい噂が脳をピリピリさせる。だけどもずーっと向こうにある出口の明るさがちいさく見えるから、勇気をもって進んで行こうとする。
「幽霊が出たら手なづけて優子を襲わせたいわ」
なかなかたくましい事をつぶやきながらトンネル内へ入った。
「ぅ……」
薄暗くて生っぽい風が頬に当たる。それだけでもちょいドキドキするのだが、前方に誰かがいると見えたらヤバいって気もする。
(ま、まぁ……だいじょうぶっしょ)
怪しい人影っていうのは律儀に端によって座っている。何やら前に並べているが、気にせず進んで無視すればいいと理恵が歩き続ける。
(うん?)
歩きながらそれとなく目を向けてギョッとする。ウソか真かぶっそうなモノが並んでいるではないか。たとえば銃器だったり手榴弾だったり、猛毒なんでしょう? とか思えないデザインの瓶だったり、刃物だったりオノだったり日本刀だったり、弓矢だったり生きたサソリだったりなどなど。
「ちょっとそこのお嬢さん、お待ち!」
不意に声をかけられた。
「はひぅ!」
変な声を出しながら青ざめピーンっと背筋を伸ばしてしまう。
「なにか入り用かな?」
怪しいを通り越して、すぐ逮捕しろよ! と言いたくなる感じの男がいた。年寄りっぽいから少しばかり薄められるが、理恵の心臓はドカドカやりまくるバスドラみたいな状態。
「な、なにって……べ、べつにわたしは……」
ドッキン・ドッキンと心臓を鳴らしながらも、暗殺に使えそうって感じの代物には目が行く。
「ふふん、誰かを葬りたいとか思っておるな? そういう心がドロドロの油みたいに吹き出ておるよ」
なんと相手に自分の状態を見透かされてしまった。ジャストヒット! という感じだから、バカ正直にググっと息を飲んでしまう。
「まぁまぁ気にする事はなかろう。今どきは腹の立つことが多い世の中じゃからなぁ」
「あ、あのさぁ……並んでいるモノって……ホンモノ?」
「もちろんすべてホンモノじゃよ。大特価で売ってあげるために並べているんじゃよぉ」
ここでククっと男が笑う。ひんやり悪魔的でチョーおそろしいというのに、話そのものには惹きつけられた。脱日常。問答無用の破壊。それら不謹慎が理恵の好奇心をツンツンするせいだ。
「実はさぁ……暗殺したいって思うやつがいるんだよね」
理恵は手短に要点を抑えながら事情を説明した。
「それなら手榴弾を投げつけるかの?」
「手榴弾……」
男に言われて理恵はちょっと考える。アニメやマンガなどで知っている限りの情報を引っ張り出す。手榴弾はおそらく投げるとキブンがいいだろう。だけども、それなりの距離から投げねばならないし、その姿は暗殺とは言い難いように思える。
「なに? 遠距離攻撃がしたいと?」
「そ、そりゃぁ……距離のある方がいいじゃん。どこから攻撃したかわからなくてさ、それでターゲットが消滅したら最高の仕事ってことじゃない?」
「それもそうじゃぁ、最高の仕事とかいい表現を使うのぉ」
「ま、まぁね、えへへ♪」
「それならこのスーパーバズーカーとかオススメじゃ!」
「スーパーパズカー?」
「そうじゃとも。その飛距離はなんと10km、10kじゃよ? 歩いたら3時間くらいかかるような距離でも威力を保てるのじゃよ? すごいじゃろ! しかも女の子でも担げるくらいに軽いんじゃぞ?」
「10k? ちょ、ちょっと待って、ちょっと待って!」
理恵はまずクッと広げた両手の平を見る。それから指を折りながら想像してみた。10kとはどういう距離なのか? を理解しようと努力を開始する。
10k……意外とわからない。けども怪しげな男は、歩いたら3時間くらいと言った。その事を利用して考えてみると、なんとなく透けて見えてきた。
(わたしの学校と忌々しい優子がいる学校……これって……3k? 4K? だったらバズーカーって楽々届くじゃん! 優子がいる場所に向かってぶっ放せるじゃん!)
カチっとコンロのスイッチ音らしきモノが聞こえた。ボワ! っと悪い火が心の中に立ち上がった。そんなのいけないことだよ! ではなく、すげぇ! やってみてぇ! という感情が炎を支配する。
「どうじゃ? 撃ってみたいと思うじゃろう?」
タイミングよく興味を煽る男の声が耳に入る。
「で、でもさ……めちゃくちゃすごい遠距離なんて、向こうが見えないじゃん」
そこは大事なところと理恵がつぶやく。
「心配は無用じゃ! 装着されているスコープなら、10k先までしっかり見える。しかもロックオン機能までついておる。な? すごいじゃろう? まさにファンタスティックじゃろう?」
男の説明というのは、理恵の心をムンズと掴んでしまった。おそろしい話でありながら、これはもう買うっきゃないっしょ! という流れになってしまう。
「それでその……いくら?」
理恵がよろしくないドキドキで質問をかます。
「ウルトラ大特価! バズーカー本体は1万円! 弾丸は一発5000円! どうじゃ? これはもう買うしかないじゃろう?」
「えっと……合計すると……弾丸ニ発で購入するなら2万円」
理恵の胸にすーっと悩め香しい風が吹く。Dカップのふくらみにグッと腕組みをすると、真剣そのものな表情でひっしに考えた。
買い物に必要なのは2万円。ふつうに考えればひねり出せない金額。しかし! 理恵にはお年玉貯金というのがあって、2万円までなら自由に引き出すことを許されていた。つまりその気になれば買えてしまう。日常破壊の一撃を優子に向かって放つことが可能。
(で、でもなぁ……バズーカー放ったら優子はどうなるんだろう)
ここで一度いい人思考が舞い降りる。このいい人思考っていうのは実に曲者だ。人として正しいって考えは、結局人を成功に導かない。やさしい人間は負け犬が約束されている。臆病な人間は敗残者が確定。まぶしい成功をゲットするためには、いい人思考は役に立たないのだと……理恵の意識が悟りに向かっていく。
「チッチ、やさしい人間なんて損するだけじゃよ」
これまた絶妙なタイミングで男が煽ってきた。
「人生で成功するのはろくでなしと決まっておるんじゃ。よい人でいたいって事は、惨めなおちぶれに甘んじるって事なんじゃ」
男はグイグイと理恵の背中を押す。はっきり言って最低な人間であろうが、商売という観点で言うならすばしい。成功とは非人間的なのだと教えてくれる。
「あ、あのさ……コンビニでお金下ろしてくるから……それまで待ってくれる?」
「午後18時くらいまでは待とう」
「今すぐ下ろしに行ってくる、わたしカード持ってるし2万円までなら抜いても怒られない。だからスーパーバズーカーと弾丸ニ発は誰にも売らないで! 約束だよ? すぐ戻ってくるから」
川瀬理恵が急ぎ足でコンビニへと向かっていく。形容し難い興奮がDカップの胸を揺さぶる。急ぎ足だからユッサユッサではなく、不謹慎な物語へのワクワクで揺れ動く。
(2万円で優子を葬れるなら安いもんだよ)
コンビニ内のATMで金を引き下ろす。1万円札が2枚っていうのは、ほんとうなら使うことに躊躇するような金額。しかしこの場の心はまったく怖気づかない。2万円を笑って捨てられるなんて生まれて初めての経験だった。
「おぉ、えらく早いお帰りじゃな」
男は戻ってきた理恵をホメる。
「2万円あるから、バズーカー本体と弾丸ニ発もらう」
理恵が金の入った封筒を差し出そうとする。だがここで素朴な疑問も付け添えた。どう見てもバズカー本体に弾丸ニ発は持ち歩くのが難儀。仮に持ち歩いたとしても人目を盗むのは不可能。すぐ通報され逮捕されてしまう。それでは引き下ろしたお金が死に金に転落してしまう。
「心配はいらん」
男はそう言うとバズカー本体にあるスイッチを理恵に見せながら押した。するとどうだろう、バズーカーは理恵の手の平に乗るようなサイズにまで小さくなった。
「もう1回押すと元の大きさになる。すごいじゃろう?」
「すご……でも弾丸は?」
「弾丸が入ったこのケースも、このボタンを押すと小さくなって、もう一度押すと元に戻る。しかも小さくしたときは軽くなって全然重たくない。すごいじゃろう? 魔法みたいな話じゃろう」
「なんか都合のいい話が揃いまくりって感じだね」
「固いことは言いっこ無しじゃ! そんなつまらん人間になっては成功できんぞ」
「じゃぁこれ2万円」
「ではバズーカー本体と弾丸の入ったケースじゃ」
こうして両者は悪しき交換を成した。片方は2万円を、片方は物騒なモノを、それぞれに差し出して受け取って売買は無事に終了。
(やった!)
買った品物をカバンの中に入れる理恵がいた。ドックン・ドックンと緊張しながらトンネルの出口へと向かっていくのだが、罪悪感を追い払うため自分に言い聞かせるためつぶやいた。
「ふん、何をやってもバレなきゃ罪にはならないんだからね!」
ー中野優子はEカップのくそったれー
川瀬理恵は昨日出会った女子の事が忘れられない。同性愛の甘い感情などではなく、メラメラと燃える嫉妬の炎が理由。
(日本で一番巨乳な小6はわたし……ずっとそう思っていたのに)
朝からずっと胸中のプライドはガタガタだった。だからなのだろう、今日はDカップの谷間やブラをチラ浮かせたりはしない。いつもなら勝ち誇るように悩め香しくサービスし、周囲から尊敬や焦がれるような目線をもぎ取っていた。理恵の谷間やブラを拝みたいと思う男子はたくさんいて、彼らにしてみれば理恵は女神さまのようなモノだった。
(まさか同じ小6でEカップがいるなんて……)
授業中も表向きはふつうだが、内心は内戦のように乱れまくる。白いノートにシャーペンで何度も同じことを綴った。まるで呪いがけみたいに何度もくり返す。
ー優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべし。優子消えるべしー
(ダメだ……)
シャーペンの芯を折ってしまうほど心に平穏は訪れない。なんとかならない? と思ったので、暗殺できないかと考えてみたりする。
暗殺。人知れずターゲットを歴史のゴミ箱に葬ること。古来なら毒殺が主流だったという。だが隠し事が不可能な近代において完全犯罪はほぼ不可能。ではどうすればいいのか……どうすれば中野優子を暗殺できるのか……理恵は昼休みの間ずっとスマホで検索した。お手軽にできる暗殺方法! みたいな記事はないのかと探した。そして何も見つけられなかった。
「チッ……どうすれば優子を暗殺できるのかなぁ……」
学校が終わっても暗殺って2文字が頭から離れない。
「マジで暗殺ロボットとか欲しいわ」
しつこいまでに考え続ける。カバンを肩にかけ、Dカップの胸に腕組みをし、よく車にはねられないな……って感じに歩き続けた。
「あん?」
ハッと気がつくと思いもしない場所に来ていた。自分の帰宅コースからは大きく外れている。とあるトンネルが目の前にあって、幽霊とか死者のたましい噂が脳をピリピリさせる。だけどもずーっと向こうにある出口の明るさがちいさく見えるから、勇気をもって進んで行こうとする。
「幽霊が出たら手なづけて優子を襲わせたいわ」
なかなかたくましい事をつぶやきながらトンネル内へ入った。
「ぅ……」
薄暗くて生っぽい風が頬に当たる。それだけでもちょいドキドキするのだが、前方に誰かがいると見えたらヤバいって気もする。
(ま、まぁ……だいじょうぶっしょ)
怪しい人影っていうのは律儀に端によって座っている。何やら前に並べているが、気にせず進んで無視すればいいと理恵が歩き続ける。
(うん?)
歩きながらそれとなく目を向けてギョッとする。ウソか真かぶっそうなモノが並んでいるではないか。たとえば銃器だったり手榴弾だったり、猛毒なんでしょう? とか思えないデザインの瓶だったり、刃物だったりオノだったり日本刀だったり、弓矢だったり生きたサソリだったりなどなど。
「ちょっとそこのお嬢さん、お待ち!」
不意に声をかけられた。
「はひぅ!」
変な声を出しながら青ざめピーンっと背筋を伸ばしてしまう。
「なにか入り用かな?」
怪しいを通り越して、すぐ逮捕しろよ! と言いたくなる感じの男がいた。年寄りっぽいから少しばかり薄められるが、理恵の心臓はドカドカやりまくるバスドラみたいな状態。
「な、なにって……べ、べつにわたしは……」
ドッキン・ドッキンと心臓を鳴らしながらも、暗殺に使えそうって感じの代物には目が行く。
「ふふん、誰かを葬りたいとか思っておるな? そういう心がドロドロの油みたいに吹き出ておるよ」
なんと相手に自分の状態を見透かされてしまった。ジャストヒット! という感じだから、バカ正直にググっと息を飲んでしまう。
「まぁまぁ気にする事はなかろう。今どきは腹の立つことが多い世の中じゃからなぁ」
「あ、あのさぁ……並んでいるモノって……ホンモノ?」
「もちろんすべてホンモノじゃよ。大特価で売ってあげるために並べているんじゃよぉ」
ここでククっと男が笑う。ひんやり悪魔的でチョーおそろしいというのに、話そのものには惹きつけられた。脱日常。問答無用の破壊。それら不謹慎が理恵の好奇心をツンツンするせいだ。
「実はさぁ……暗殺したいって思うやつがいるんだよね」
理恵は手短に要点を抑えながら事情を説明した。
「それなら手榴弾を投げつけるかの?」
「手榴弾……」
男に言われて理恵はちょっと考える。アニメやマンガなどで知っている限りの情報を引っ張り出す。手榴弾はおそらく投げるとキブンがいいだろう。だけども、それなりの距離から投げねばならないし、その姿は暗殺とは言い難いように思える。
「なに? 遠距離攻撃がしたいと?」
「そ、そりゃぁ……距離のある方がいいじゃん。どこから攻撃したかわからなくてさ、それでターゲットが消滅したら最高の仕事ってことじゃない?」
「それもそうじゃぁ、最高の仕事とかいい表現を使うのぉ」
「ま、まぁね、えへへ♪」
「それならこのスーパーバズーカーとかオススメじゃ!」
「スーパーパズカー?」
「そうじゃとも。その飛距離はなんと10km、10kじゃよ? 歩いたら3時間くらいかかるような距離でも威力を保てるのじゃよ? すごいじゃろ! しかも女の子でも担げるくらいに軽いんじゃぞ?」
「10k? ちょ、ちょっと待って、ちょっと待って!」
理恵はまずクッと広げた両手の平を見る。それから指を折りながら想像してみた。10kとはどういう距離なのか? を理解しようと努力を開始する。
10k……意外とわからない。けども怪しげな男は、歩いたら3時間くらいと言った。その事を利用して考えてみると、なんとなく透けて見えてきた。
(わたしの学校と忌々しい優子がいる学校……これって……3k? 4K? だったらバズーカーって楽々届くじゃん! 優子がいる場所に向かってぶっ放せるじゃん!)
カチっとコンロのスイッチ音らしきモノが聞こえた。ボワ! っと悪い火が心の中に立ち上がった。そんなのいけないことだよ! ではなく、すげぇ! やってみてぇ! という感情が炎を支配する。
「どうじゃ? 撃ってみたいと思うじゃろう?」
タイミングよく興味を煽る男の声が耳に入る。
「で、でもさ……めちゃくちゃすごい遠距離なんて、向こうが見えないじゃん」
そこは大事なところと理恵がつぶやく。
「心配は無用じゃ! 装着されているスコープなら、10k先までしっかり見える。しかもロックオン機能までついておる。な? すごいじゃろう? まさにファンタスティックじゃろう?」
男の説明というのは、理恵の心をムンズと掴んでしまった。おそろしい話でありながら、これはもう買うっきゃないっしょ! という流れになってしまう。
「それでその……いくら?」
理恵がよろしくないドキドキで質問をかます。
「ウルトラ大特価! バズーカー本体は1万円! 弾丸は一発5000円! どうじゃ? これはもう買うしかないじゃろう?」
「えっと……合計すると……弾丸ニ発で購入するなら2万円」
理恵の胸にすーっと悩め香しい風が吹く。Dカップのふくらみにグッと腕組みをすると、真剣そのものな表情でひっしに考えた。
買い物に必要なのは2万円。ふつうに考えればひねり出せない金額。しかし! 理恵にはお年玉貯金というのがあって、2万円までなら自由に引き出すことを許されていた。つまりその気になれば買えてしまう。日常破壊の一撃を優子に向かって放つことが可能。
(で、でもなぁ……バズーカー放ったら優子はどうなるんだろう)
ここで一度いい人思考が舞い降りる。このいい人思考っていうのは実に曲者だ。人として正しいって考えは、結局人を成功に導かない。やさしい人間は負け犬が約束されている。臆病な人間は敗残者が確定。まぶしい成功をゲットするためには、いい人思考は役に立たないのだと……理恵の意識が悟りに向かっていく。
「チッチ、やさしい人間なんて損するだけじゃよ」
これまた絶妙なタイミングで男が煽ってきた。
「人生で成功するのはろくでなしと決まっておるんじゃ。よい人でいたいって事は、惨めなおちぶれに甘んじるって事なんじゃ」
男はグイグイと理恵の背中を押す。はっきり言って最低な人間であろうが、商売という観点で言うならすばしい。成功とは非人間的なのだと教えてくれる。
「あ、あのさ……コンビニでお金下ろしてくるから……それまで待ってくれる?」
「午後18時くらいまでは待とう」
「今すぐ下ろしに行ってくる、わたしカード持ってるし2万円までなら抜いても怒られない。だからスーパーバズーカーと弾丸ニ発は誰にも売らないで! 約束だよ? すぐ戻ってくるから」
川瀬理恵が急ぎ足でコンビニへと向かっていく。形容し難い興奮がDカップの胸を揺さぶる。急ぎ足だからユッサユッサではなく、不謹慎な物語へのワクワクで揺れ動く。
(2万円で優子を葬れるなら安いもんだよ)
コンビニ内のATMで金を引き下ろす。1万円札が2枚っていうのは、ほんとうなら使うことに躊躇するような金額。しかしこの場の心はまったく怖気づかない。2万円を笑って捨てられるなんて生まれて初めての経験だった。
「おぉ、えらく早いお帰りじゃな」
男は戻ってきた理恵をホメる。
「2万円あるから、バズーカー本体と弾丸ニ発もらう」
理恵が金の入った封筒を差し出そうとする。だがここで素朴な疑問も付け添えた。どう見てもバズカー本体に弾丸ニ発は持ち歩くのが難儀。仮に持ち歩いたとしても人目を盗むのは不可能。すぐ通報され逮捕されてしまう。それでは引き下ろしたお金が死に金に転落してしまう。
「心配はいらん」
男はそう言うとバズカー本体にあるスイッチを理恵に見せながら押した。するとどうだろう、バズーカーは理恵の手の平に乗るようなサイズにまで小さくなった。
「もう1回押すと元の大きさになる。すごいじゃろう?」
「すご……でも弾丸は?」
「弾丸が入ったこのケースも、このボタンを押すと小さくなって、もう一度押すと元に戻る。しかも小さくしたときは軽くなって全然重たくない。すごいじゃろう? 魔法みたいな話じゃろう」
「なんか都合のいい話が揃いまくりって感じだね」
「固いことは言いっこ無しじゃ! そんなつまらん人間になっては成功できんぞ」
「じゃぁこれ2万円」
「ではバズーカー本体と弾丸の入ったケースじゃ」
こうして両者は悪しき交換を成した。片方は2万円を、片方は物騒なモノを、それぞれに差し出して受け取って売買は無事に終了。
(やった!)
買った品物をカバンの中に入れる理恵がいた。ドックン・ドックンと緊張しながらトンネルの出口へと向かっていくのだが、罪悪感を追い払うため自分に言い聞かせるためつぶやいた。
「ふん、何をやってもバレなきゃ罪にはならないんだからね!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる