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第22話 アデル嬢とのデート終了後
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何とか門限にも間に合って、寮の階段を上がることができて、私はホッとした。
あとは熱いお風呂にでも入って、ゆっくり夕食を取ろうっと。
ポーションが無事に届いているといいな。
と思って、ドアを開けたら、なにか不吉な空気が部屋には漂っていた。
おかしい。
ビクッと思わず足を止めて目を凝らすと、なにか黒っぽいモノが、暗い部屋の中で陰気臭く座っていた。
冷え切ったネガティブな空気が漂っている。ような気がする。
殿下だった。
「ぎゃーーーー」
と叫び出したら、殿下がサッと立ち上がって、口を塞がれた。
「やかましいッ! 黙れ!」
そのままズルズルと部屋の中に引きずり込まれ、殿下が防音魔法をサッと放って、やっと離してもらえた。
「殿下、私のポーションは?」
開口一番、私は聞いた。
殿下はムッとした顔をした。
「口を開いたと思ったら、そっちの心配か。俺のことは心配じゃなかったのか?」
そういや、今日は殿下のデートの日だった。ポーションのことがあって、忘れていた。
「もちろん、心配です。殿下、今日はうまくいかなかったんですか? 嫌われちゃったんですか? 別の女性を手配しましょうか?」
殿下は深い深いため息をついた。
「ポーシャ、お前は誤解している」
ポーシャ呼ばわりはとにかく、お前呼ばわりは嫌だな。
「何をでしょうか?」
「俺は女性と付き合いたいわけではない」
「え?」
流れるように、セス様の映像が頭に浮かんだ。いや、まさか?
「今、何か変な想像をしたろ。俺にはわかる」
私は全力で否定した。
「いえ、何も。でも、何がまずかったのですか? デートコースはバッチリだっておっしゃっていたではありませんか」
「相手の名前を先に言え」
私はハッとした。
「すみません。その通りでした」
「この大馬鹿野郎」
大馬鹿はそうかもしれないけど、野郎はやめて欲しいな。大馬鹿女も嫌だけど。
「申し訳ありませんでした」
私は素直に謝った。
デートを持ち出し、うまくいったことにすっかり浮かれて、相手の名前を伝えていなかった。殿下の機嫌の悪さからいうと、うまくいかなかったことは一目瞭然……
「この分では、報酬がもらえないかも……」
「何? なんだと?」
「あ、いえ、ただの独り言です」
「いや、聞き捨てならん。今なんて言った?」
「この分では?」
「違う。その次」
「ほ、報酬?」
殿下はギロリんと私を睨みつけた。
「お前は俺を売ったのか」
「売るだなんて、そんな」
「報酬って何のことだ。誰からもらうつもりだった?」
そこで私は一生懸命説明した。
殿下がアランソン公爵令嬢と結婚したいわけではないこと、そのために真実の愛作戦を敢行していること、お相手はできればアランソン公爵に対抗できそうな家柄の方が良さそうだと思ったこと。
殿下はしばし沈黙した。
「全部間違っている」
「そんなはずは……」
「お前は一体何を聞いていた?」
「だから、アランソン公爵の姉妹はお好きではないと」
「アランソン公爵令嬢の正統はお前だ。お前と婚約している」
「……ぇえー?」
まあ、そう言えばそうだけど、今の私は誰からもアランソン公爵令嬢と認められていないし、殿下に全然ふさわしくないし。
殿下は怒っているみたいだ。
「その婚約、やめたらどうですかね?」
私は言ってみた。
殿下の反応は暗いのでよくわからない。
「王家が欲しいのは、アランソン公爵領でしょう? それと公爵家の権力を、あのジョン・アランソンに握らせたくない。殿下が他の有力な家の令嬢と真実の愛に落ちれば、無理くり断れると思うんです。殿下の場合、王太子ではないですから、公開婚約破棄なんかやらかして、王位継承権剥奪されてたって痛くも痒くもないでしょ? 先日、王太子殿下のところに男の赤ちゃんがお生まれになりましたよね?」
殿下の反応がない。
「私の額を鉄扇で打ったことは大勢が見ています。セス様も証人になってくださるでしょう。婚約破棄もやむなしですよ。そんな乱暴な女、嫁にできるかって。そして、純愛を貫くんです。いいじゃありませんか? あとは殿下のお好みの女性を発見するだけの話かなーって思いまして」
返事がない。
心配になった私は、生活魔法で、明かりを点けた。
パッと照らされた室内で、殿下はさめざめと泣いていた。
「で、殿下?」
どうしたのだろう。何がいけなかったのだろう?
「どうしました?」
私は駆け寄って、殿下の顔を覗き込んだ。
ペチンとほっぺたをぶたれた。
「どうしてわからない」
「何が?」
私はぶたれた頬を押さえて聞いた。訳がわからない。
「お前は馬鹿だ。鈍すぎる」
「鈍い?」
殿下が恨みがましく睨みつけた。
「俺がデートしたかったのは、お前だ。お前は俺の婚約者だ」
「婚約者はアランソン公爵令嬢でしょう?」
「あんなに説明したのに。なんで、そんな訳の分からないことをする」
「だって、私みたいにみっともない平民脳では殿下に申し訳ないし、こんな私が実は公爵令嬢なんですって、がんばるのもハードル高いなって。それに殿下だって、デートを持ち掛けられてすんなりOKしたじゃありませんか?」
「前に、お前にデートの日程を聞いただろう?」
「あ!」
そう言われれば! それで、あんなに話がスムーズだったのか!
普通、いきなりデートの話持ち出されたら、断るよね? どうも、スムーズすぎるなとは思っていたんだった。
「そんなに俺のこと、嫌い?」
難しいことを聞いてくるな。嫌いじゃないけど、キラキラしすぎてて。今みたいに泣いていると情けなさそうで、イケるかなとも思うけど。
しくしくと泣いている男と二人きりだとすることがなくて困る。放っては置けないしなあ。
それに、そもそもここ、私の部屋だし。ここ出て行っても、行くところがない。
「お前の魔力が臨界を突破すれば、もとの姿に戻ってしまう」
殿下は言い出した。
「それまでに、俺の最愛の人としてデビューさせたかった」
「なぜ?」
「でないと、後ろ盾が何もない。俺の最愛なら、助けられる。何もなければ殺される」
「アランソン公爵にですか?」
「そうだ。偽者呼ばわりされて。でも、俺の恋人なら助けられる」
殿下は熱心に言った。
「公爵位なんか要りませんって、伝えてもダメですか?」
「ダメだ。誰も信じない。それに、信じても信じなくても一緒だ。アランソン公爵の地位が正当なものではなくて、仮のものだと他の貴族は知っている。お前を推す者が必ず出てくる。内戦だ」
「そんな! 王位じゃあるまいし」
「内戦は大袈裟だが、必ずもめる。今は、正統な令嬢が行方不明で死んだと信じられているから、皆、成り行きを静観しているだけだ」
前に一度聞いたような。
「他の貴族はジョン・アランソンを憎んでいる。簒奪者だ。誰も味方しないだろう。正当な継承者が現れたら、アランソン公爵はおしまいだ。それがわかっているから、お前が姿を現した途端、ジョン・アランソンは、どこかアラを探してお前を追い落とそうとするだろう。お前の死が一番都合がいいのだ。だから、今、お前は学校にいる。王都に。俺のそばに。俺は婚約者のお前を必ず守る」
そんな素晴らしそうなことを言われても。この平凡顔ではピンとこない。
シンデレラがへちゃむくれの小太りだったら、王子様は助けないと思う。
その代わり、きっと平凡な暮らしを堪能できたかも。
殿下は首を振り、裏返しにしてあった鏡を突き出した。
「お前だ」
映っていたのは、前の屋敷にいた時、飾られていた肖像画の中の母の顔。
「違うわ。これは私の母よ」
鏡の中の唇がしゃべる。
「私じゃない」
鏡の中の女が首を振った。
「誕生日はもうすぐのはずだ」
殿下が言った。
「早く既成事実を作らないと」
(なんですって?)
「もう、面倒臭いので今日のコースのままでいいや。明日出直そう。下見もできたことだし」
「え? デートするんですか?」
「しなくてどうする。俺の最愛だと知らしめるんだ」
「でも、今日やって明日もってヤバくないですか? 取っ替え引っ替えみたいに思われますよ? 最愛が複数いても大丈夫ですか? 数が合わない……」
「お前がそうさせたんだろうが!」
わあああ、うるさーい……と、私は小さな声で抗議した。
その後、殿下は私の泥棒魔法で、学校の食堂からではなく(もう、遅すぎて閉まっていたので)、王宮の厨房から夕食を取り寄せ一緒に食べて、疲れたと言って帰っていった。
あとは熱いお風呂にでも入って、ゆっくり夕食を取ろうっと。
ポーションが無事に届いているといいな。
と思って、ドアを開けたら、なにか不吉な空気が部屋には漂っていた。
おかしい。
ビクッと思わず足を止めて目を凝らすと、なにか黒っぽいモノが、暗い部屋の中で陰気臭く座っていた。
冷え切ったネガティブな空気が漂っている。ような気がする。
殿下だった。
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殿下はムッとした顔をした。
「口を開いたと思ったら、そっちの心配か。俺のことは心配じゃなかったのか?」
そういや、今日は殿下のデートの日だった。ポーションのことがあって、忘れていた。
「もちろん、心配です。殿下、今日はうまくいかなかったんですか? 嫌われちゃったんですか? 別の女性を手配しましょうか?」
殿下は深い深いため息をついた。
「ポーシャ、お前は誤解している」
ポーシャ呼ばわりはとにかく、お前呼ばわりは嫌だな。
「何をでしょうか?」
「俺は女性と付き合いたいわけではない」
「え?」
流れるように、セス様の映像が頭に浮かんだ。いや、まさか?
「今、何か変な想像をしたろ。俺にはわかる」
私は全力で否定した。
「いえ、何も。でも、何がまずかったのですか? デートコースはバッチリだっておっしゃっていたではありませんか」
「相手の名前を先に言え」
私はハッとした。
「すみません。その通りでした」
「この大馬鹿野郎」
大馬鹿はそうかもしれないけど、野郎はやめて欲しいな。大馬鹿女も嫌だけど。
「申し訳ありませんでした」
私は素直に謝った。
デートを持ち出し、うまくいったことにすっかり浮かれて、相手の名前を伝えていなかった。殿下の機嫌の悪さからいうと、うまくいかなかったことは一目瞭然……
「この分では、報酬がもらえないかも……」
「何? なんだと?」
「あ、いえ、ただの独り言です」
「いや、聞き捨てならん。今なんて言った?」
「この分では?」
「違う。その次」
「ほ、報酬?」
殿下はギロリんと私を睨みつけた。
「お前は俺を売ったのか」
「売るだなんて、そんな」
「報酬って何のことだ。誰からもらうつもりだった?」
そこで私は一生懸命説明した。
殿下がアランソン公爵令嬢と結婚したいわけではないこと、そのために真実の愛作戦を敢行していること、お相手はできればアランソン公爵に対抗できそうな家柄の方が良さそうだと思ったこと。
殿下はしばし沈黙した。
「全部間違っている」
「そんなはずは……」
「お前は一体何を聞いていた?」
「だから、アランソン公爵の姉妹はお好きではないと」
「アランソン公爵令嬢の正統はお前だ。お前と婚約している」
「……ぇえー?」
まあ、そう言えばそうだけど、今の私は誰からもアランソン公爵令嬢と認められていないし、殿下に全然ふさわしくないし。
殿下は怒っているみたいだ。
「その婚約、やめたらどうですかね?」
私は言ってみた。
殿下の反応は暗いのでよくわからない。
「王家が欲しいのは、アランソン公爵領でしょう? それと公爵家の権力を、あのジョン・アランソンに握らせたくない。殿下が他の有力な家の令嬢と真実の愛に落ちれば、無理くり断れると思うんです。殿下の場合、王太子ではないですから、公開婚約破棄なんかやらかして、王位継承権剥奪されてたって痛くも痒くもないでしょ? 先日、王太子殿下のところに男の赤ちゃんがお生まれになりましたよね?」
殿下の反応がない。
「私の額を鉄扇で打ったことは大勢が見ています。セス様も証人になってくださるでしょう。婚約破棄もやむなしですよ。そんな乱暴な女、嫁にできるかって。そして、純愛を貫くんです。いいじゃありませんか? あとは殿下のお好みの女性を発見するだけの話かなーって思いまして」
返事がない。
心配になった私は、生活魔法で、明かりを点けた。
パッと照らされた室内で、殿下はさめざめと泣いていた。
「で、殿下?」
どうしたのだろう。何がいけなかったのだろう?
「どうしました?」
私は駆け寄って、殿下の顔を覗き込んだ。
ペチンとほっぺたをぶたれた。
「どうしてわからない」
「何が?」
私はぶたれた頬を押さえて聞いた。訳がわからない。
「お前は馬鹿だ。鈍すぎる」
「鈍い?」
殿下が恨みがましく睨みつけた。
「俺がデートしたかったのは、お前だ。お前は俺の婚約者だ」
「婚約者はアランソン公爵令嬢でしょう?」
「あんなに説明したのに。なんで、そんな訳の分からないことをする」
「だって、私みたいにみっともない平民脳では殿下に申し訳ないし、こんな私が実は公爵令嬢なんですって、がんばるのもハードル高いなって。それに殿下だって、デートを持ち掛けられてすんなりOKしたじゃありませんか?」
「前に、お前にデートの日程を聞いただろう?」
「あ!」
そう言われれば! それで、あんなに話がスムーズだったのか!
普通、いきなりデートの話持ち出されたら、断るよね? どうも、スムーズすぎるなとは思っていたんだった。
「そんなに俺のこと、嫌い?」
難しいことを聞いてくるな。嫌いじゃないけど、キラキラしすぎてて。今みたいに泣いていると情けなさそうで、イケるかなとも思うけど。
しくしくと泣いている男と二人きりだとすることがなくて困る。放っては置けないしなあ。
それに、そもそもここ、私の部屋だし。ここ出て行っても、行くところがない。
「お前の魔力が臨界を突破すれば、もとの姿に戻ってしまう」
殿下は言い出した。
「それまでに、俺の最愛の人としてデビューさせたかった」
「なぜ?」
「でないと、後ろ盾が何もない。俺の最愛なら、助けられる。何もなければ殺される」
「アランソン公爵にですか?」
「そうだ。偽者呼ばわりされて。でも、俺の恋人なら助けられる」
殿下は熱心に言った。
「公爵位なんか要りませんって、伝えてもダメですか?」
「ダメだ。誰も信じない。それに、信じても信じなくても一緒だ。アランソン公爵の地位が正当なものではなくて、仮のものだと他の貴族は知っている。お前を推す者が必ず出てくる。内戦だ」
「そんな! 王位じゃあるまいし」
「内戦は大袈裟だが、必ずもめる。今は、正統な令嬢が行方不明で死んだと信じられているから、皆、成り行きを静観しているだけだ」
前に一度聞いたような。
「他の貴族はジョン・アランソンを憎んでいる。簒奪者だ。誰も味方しないだろう。正当な継承者が現れたら、アランソン公爵はおしまいだ。それがわかっているから、お前が姿を現した途端、ジョン・アランソンは、どこかアラを探してお前を追い落とそうとするだろう。お前の死が一番都合がいいのだ。だから、今、お前は学校にいる。王都に。俺のそばに。俺は婚約者のお前を必ず守る」
そんな素晴らしそうなことを言われても。この平凡顔ではピンとこない。
シンデレラがへちゃむくれの小太りだったら、王子様は助けないと思う。
その代わり、きっと平凡な暮らしを堪能できたかも。
殿下は首を振り、裏返しにしてあった鏡を突き出した。
「お前だ」
映っていたのは、前の屋敷にいた時、飾られていた肖像画の中の母の顔。
「違うわ。これは私の母よ」
鏡の中の唇がしゃべる。
「私じゃない」
鏡の中の女が首を振った。
「誕生日はもうすぐのはずだ」
殿下が言った。
「早く既成事実を作らないと」
(なんですって?)
「もう、面倒臭いので今日のコースのままでいいや。明日出直そう。下見もできたことだし」
「え? デートするんですか?」
「しなくてどうする。俺の最愛だと知らしめるんだ」
「でも、今日やって明日もってヤバくないですか? 取っ替え引っ替えみたいに思われますよ? 最愛が複数いても大丈夫ですか? 数が合わない……」
「お前がそうさせたんだろうが!」
わあああ、うるさーい……と、私は小さな声で抗議した。
その後、殿下は私の泥棒魔法で、学校の食堂からではなく(もう、遅すぎて閉まっていたので)、王宮の厨房から夕食を取り寄せ一緒に食べて、疲れたと言って帰っていった。
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