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第23話 翌日デート
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翌日、私たちはデートをした。
これにより、私が心配だったのは、アデル嬢が支払いをしてくれないかもしれないという点だった。
「昨日のデートの首尾はどうだったんですか?」
殿下がニヤリと笑った。
「何? ヤキモチ?」
何を言っているのだ、この男は。
「まさかアデル様を冷たくあしらったとかじゃないでしょうね?」
「この期に及んでまだ他の女の話をするか」
「アデル様、お勧めでしたもん。私、殿下のためにわざわざ恋人募集したんですよ? 少しは評価してほしいな」
「いつ、誰が、恋人が欲しいとか言った?」
殿下が気色ばんだ。
「言ってないけど。雰囲気で、そうかなって」
「そ、それはな、お前に恋人になって欲しいという意味であって、他の女性を斡旋して欲しいという意味ではない!」
殿下は真っ赤になって怒鳴った。
「御者に聞こえますよ」
「防音魔法をしてあるから大丈夫だっ。いちいち言わんとわからんのか」
「でも、それ、困るから」
「何?」
「だって、私が恋人になったら、鉄扇の嵐でしょう。アランソン姉妹から何が送られてくるかわからないじゃないですか。致死量の毒薬とか」
「だから、俺が守り抜くと」
「へー」
私は馬車から外を見た。隣でうるさい男がギャーギャー騒いでいる。危険だとか、俺を頼れとか。
「おい」
「なんですか?」
「昨日、何をしていた?」
「ヤキモチ?」
殿下の真似をしてみたけど、無視された。
「昨日、何をしていた?」
「ポーション作ってました」
「ポーション? どこで?」
「それは秘密」
「俺に秘密は許さん。だけど、とにかくポーションを作っていたんだな? どれだけ?」
「昨日、自分の部屋に直配しました。見ましたよね?」
殿下が驚いたのがわかった。
「あれ全部か? 全部を一人で?」
「はあ」
面倒臭い。それに眠い。
「寝ていいぞ。あの量を作ったんだとしたら、眠いはずだ」
そうなのか。あんまり魔力を使った経験がないので、よくわからない。
田舎にいた頃は、作っても売れないので、いつもほどほどにしか作っていなかった。今回は、締切と量が決まっていたので頑張らなきゃならなくて、それで……。
優しく揺り動かされて目が覚めた。
「起きろ。着いたぞ」
「え?」
馬車は止まっていて、殿下が私を起こしていた。
「まず、準備がいるからな。ここからだ」
「なんですか? ここは?」
「ドレスメーカーだ」
私はガバリと起きあがった。
「お金がありません」
「え? いや、俺が払うから」
「払ってもらう理由がありません」
「あるよ。最愛の人になってもらわなきゃいけないんだ」
「変装料?」
「ええ? ああ、まあ、そうだ」
「それ、演じるのいいですけど、本当に守ってくれるんでしょうね?」
話は大体わかった。結局、元のコースに戻ったわけだ。殿下の恋人役を本格的にやれとな?
殿下は私の容姿が変化すると言い張っている。そんなことって、あるのかしら? 聞いたこともない。
タイムリミットは十七歳の誕生日。
まあ、変化しなければ、ただの平民。公爵でもなんでもない。ポーション屋まっしぐらだ。殿下も反対しないだろう。
最愛の人のフリのは、アランソン公爵令嬢姉妹の熱烈なアプローチから殿下を守るためのお芝居だ。
もう一度言うけど、それならそれで、もう少し人選を考えて欲しかったわ。アデル嬢のどこが不満なのかしら。
そして、信じがたいが、私の見た目が変化したら、爵位と財産を巡って血で血を洗う戦いが始まるらしい。その場合、殿下の最愛の人になっておかないと、簡単に殺される可能性が高いとな。
(どっちに回っても、とりあえずは恋人のフリ、真実の愛コースですか)
「いいか。王子の最愛に手を出す者はいない」
殿下は真剣に言った。
「そりゃ、そんな命知らずはいないと思いますけど」
この王子、見かけはキラキラだけど、実は強いんだと本人が言っていた。真偽のほどは知らないが、ここは話を合わせておいた方がいだろう。どうでもいいし。
「人が変化しますかね?」
「変化じゃなくて、魔法の保護膜が溶けるってことだ」
殿下が訂正した。
あまりにも殿下が真剣なので、だんだん自分も心配になってきた。
だけど、それって、もし、偽アランソン公爵をやっつけることができたら、あとは自由にできるってことだよね。
そしたら、ポーション屋になりたいです。
そう言ったら、殿下にポカリと殴られた。全然痛くなかったけど。
「その時は、俺の、つ、妻だ」
なに恥じらってやがる。
こんな暴力亭主は嫌だ。ポーション屋の方がいい。
ドレスメーカーの店舗の中に入ると、綺麗な中年の女性に迎え入れられた。
「まあ殿下」
「お知り合いですか?」
私は殿下に尋ねた。こんな美人店員と知り合いだなんて、殿下、隅に置けないな。そして、年齢守備範囲広いな。
「昨日、お越しになると聞いていたのに、こられなかったのでどうしたのかと思いましたのよ。それで、この方が、お話の方ですか?」
「そうだ。銀色の髪と青の目にふさわしいドレスを見繕ってくれ」
全く居心地が悪かった。
ありふれた茶色の髪と焦げ茶色の目をしている私に、そんな人用のドレスを着せて似合うはずがない。
しかし、そこは商売人。何も言わずに奥に消えていった。そして、戻ってきた時には、手にいっぱいドレスを抱えた女性達が大勢付き従っていた。
「俺が見てやろう」
なんだか、会った最初の頃は僕とか言っていたような。そして、最近は俺になって、やりたい放題好き放題になってますけど。
「似合う」
「似合わない」
殿下の判定は割と即断で速くて助かったが、この男のファッションセンスは本当に大丈夫なのか? いつも同じ服の私が言えた義理じゃないけど、全く似合わないドレスばかり選んでいる気がする。その証拠に、だんだんドレスメーカーの店員の雰囲気が暗くなってきた。
そして、試着が始まった。
しかし、ここで異変が生じた。
店員が変な顔を始めたのだ。何度もウエスト周りを測る。
「どうした? そんなに何回も測る必要はないだろう?」
「いえ。あの……」
「おかしいわ。どうみても七十センチくらいはありそうなんだけど」
「何回測っても五十センチを切る……」
コルセットも持ち込まれて締められたが、最初はガバガバだった。
直ぐにもっとサイズの小さいコルセットに交換されたのだが、これがまた大きくて、交換になる。
殿下が指さした。
「あれにしろ」
「絶対入りません!」
「いいから持って来てみろ」
結局、殿下の言うことが正しくて、こんなに細いはずがないと、腑に落ちない様子の針子たちを置いてドレスメーカーから出ることになった。
「どうせ仮縫いがありますから、今、決定しなくてもいいんですけど」
「変な話ですわ?」
私は馬車の中で深刻になっていた。もしかして、殿下の言うことが正しいのだろうか。
見た目と本物は、サイズが合ってないのかも?
だとしたら、変身あるのかも。そしたら本気で命ないかも。どうせなら、ポーションでなくて、護身魔法を習っておけばよかった。
「アランソン公爵の常套手段は毒殺だ」
殿下は窓の外を見ながら言った。
「ポーション作りが得意だと言ったな?」
「ええ」
私は答えた。
「このままセスのいる魔法棟に行こう。デートコースじゃないが」
それから、私の方に向き直った。
「魔法力はね、使えば使う程、鍛えられるんだよ」
「え?」
「筋力と一緒。人間の力だもの。君は学校に来て、せっせと宅配魔法や生活魔法を使い始めたね?」
それは仕方ない。だって、そうしないと生きていけなかったのだもの。
「田舎と違って、学校の中は魔法力に満ちている。魔法力が発動されていても誰も気にしない。だから、使いたい放題だった。田舎で作ったポーションの量は少なかったと言っていたね? 君のおばあさまが、あまり作らせなかったんだと思う。君がポーションを作って魔法力を高めたら、保護魔法が解けてしまう」
それから、彼は言った。
「昨日作ったポーションの量、僕は驚いたよ……。見たこともない量とそれから質だった」
「いけなかったですか?」
「すごい魔法量を使ってしまったと思う。保護魔法の解ける時がどんどん近付いていると思うんだ。だから、準備をしなくてはいけない」
「準備って何を?」
「セスにポーションの作り方を教わる」
「ポーション作れるのですか? セス様?」
「大魔法師だって言わなかったかい?」
これにより、私が心配だったのは、アデル嬢が支払いをしてくれないかもしれないという点だった。
「昨日のデートの首尾はどうだったんですか?」
殿下がニヤリと笑った。
「何? ヤキモチ?」
何を言っているのだ、この男は。
「まさかアデル様を冷たくあしらったとかじゃないでしょうね?」
「この期に及んでまだ他の女の話をするか」
「アデル様、お勧めでしたもん。私、殿下のためにわざわざ恋人募集したんですよ? 少しは評価してほしいな」
「いつ、誰が、恋人が欲しいとか言った?」
殿下が気色ばんだ。
「言ってないけど。雰囲気で、そうかなって」
「そ、それはな、お前に恋人になって欲しいという意味であって、他の女性を斡旋して欲しいという意味ではない!」
殿下は真っ赤になって怒鳴った。
「御者に聞こえますよ」
「防音魔法をしてあるから大丈夫だっ。いちいち言わんとわからんのか」
「でも、それ、困るから」
「何?」
「だって、私が恋人になったら、鉄扇の嵐でしょう。アランソン姉妹から何が送られてくるかわからないじゃないですか。致死量の毒薬とか」
「だから、俺が守り抜くと」
「へー」
私は馬車から外を見た。隣でうるさい男がギャーギャー騒いでいる。危険だとか、俺を頼れとか。
「おい」
「なんですか?」
「昨日、何をしていた?」
「ヤキモチ?」
殿下の真似をしてみたけど、無視された。
「昨日、何をしていた?」
「ポーション作ってました」
「ポーション? どこで?」
「それは秘密」
「俺に秘密は許さん。だけど、とにかくポーションを作っていたんだな? どれだけ?」
「昨日、自分の部屋に直配しました。見ましたよね?」
殿下が驚いたのがわかった。
「あれ全部か? 全部を一人で?」
「はあ」
面倒臭い。それに眠い。
「寝ていいぞ。あの量を作ったんだとしたら、眠いはずだ」
そうなのか。あんまり魔力を使った経験がないので、よくわからない。
田舎にいた頃は、作っても売れないので、いつもほどほどにしか作っていなかった。今回は、締切と量が決まっていたので頑張らなきゃならなくて、それで……。
優しく揺り動かされて目が覚めた。
「起きろ。着いたぞ」
「え?」
馬車は止まっていて、殿下が私を起こしていた。
「まず、準備がいるからな。ここからだ」
「なんですか? ここは?」
「ドレスメーカーだ」
私はガバリと起きあがった。
「お金がありません」
「え? いや、俺が払うから」
「払ってもらう理由がありません」
「あるよ。最愛の人になってもらわなきゃいけないんだ」
「変装料?」
「ええ? ああ、まあ、そうだ」
「それ、演じるのいいですけど、本当に守ってくれるんでしょうね?」
話は大体わかった。結局、元のコースに戻ったわけだ。殿下の恋人役を本格的にやれとな?
殿下は私の容姿が変化すると言い張っている。そんなことって、あるのかしら? 聞いたこともない。
タイムリミットは十七歳の誕生日。
まあ、変化しなければ、ただの平民。公爵でもなんでもない。ポーション屋まっしぐらだ。殿下も反対しないだろう。
最愛の人のフリのは、アランソン公爵令嬢姉妹の熱烈なアプローチから殿下を守るためのお芝居だ。
もう一度言うけど、それならそれで、もう少し人選を考えて欲しかったわ。アデル嬢のどこが不満なのかしら。
そして、信じがたいが、私の見た目が変化したら、爵位と財産を巡って血で血を洗う戦いが始まるらしい。その場合、殿下の最愛の人になっておかないと、簡単に殺される可能性が高いとな。
(どっちに回っても、とりあえずは恋人のフリ、真実の愛コースですか)
「いいか。王子の最愛に手を出す者はいない」
殿下は真剣に言った。
「そりゃ、そんな命知らずはいないと思いますけど」
この王子、見かけはキラキラだけど、実は強いんだと本人が言っていた。真偽のほどは知らないが、ここは話を合わせておいた方がいだろう。どうでもいいし。
「人が変化しますかね?」
「変化じゃなくて、魔法の保護膜が溶けるってことだ」
殿下が訂正した。
あまりにも殿下が真剣なので、だんだん自分も心配になってきた。
だけど、それって、もし、偽アランソン公爵をやっつけることができたら、あとは自由にできるってことだよね。
そしたら、ポーション屋になりたいです。
そう言ったら、殿下にポカリと殴られた。全然痛くなかったけど。
「その時は、俺の、つ、妻だ」
なに恥じらってやがる。
こんな暴力亭主は嫌だ。ポーション屋の方がいい。
ドレスメーカーの店舗の中に入ると、綺麗な中年の女性に迎え入れられた。
「まあ殿下」
「お知り合いですか?」
私は殿下に尋ねた。こんな美人店員と知り合いだなんて、殿下、隅に置けないな。そして、年齢守備範囲広いな。
「昨日、お越しになると聞いていたのに、こられなかったのでどうしたのかと思いましたのよ。それで、この方が、お話の方ですか?」
「そうだ。銀色の髪と青の目にふさわしいドレスを見繕ってくれ」
全く居心地が悪かった。
ありふれた茶色の髪と焦げ茶色の目をしている私に、そんな人用のドレスを着せて似合うはずがない。
しかし、そこは商売人。何も言わずに奥に消えていった。そして、戻ってきた時には、手にいっぱいドレスを抱えた女性達が大勢付き従っていた。
「俺が見てやろう」
なんだか、会った最初の頃は僕とか言っていたような。そして、最近は俺になって、やりたい放題好き放題になってますけど。
「似合う」
「似合わない」
殿下の判定は割と即断で速くて助かったが、この男のファッションセンスは本当に大丈夫なのか? いつも同じ服の私が言えた義理じゃないけど、全く似合わないドレスばかり選んでいる気がする。その証拠に、だんだんドレスメーカーの店員の雰囲気が暗くなってきた。
そして、試着が始まった。
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店員が変な顔を始めたのだ。何度もウエスト周りを測る。
「どうした? そんなに何回も測る必要はないだろう?」
「いえ。あの……」
「おかしいわ。どうみても七十センチくらいはありそうなんだけど」
「何回測っても五十センチを切る……」
コルセットも持ち込まれて締められたが、最初はガバガバだった。
直ぐにもっとサイズの小さいコルセットに交換されたのだが、これがまた大きくて、交換になる。
殿下が指さした。
「あれにしろ」
「絶対入りません!」
「いいから持って来てみろ」
結局、殿下の言うことが正しくて、こんなに細いはずがないと、腑に落ちない様子の針子たちを置いてドレスメーカーから出ることになった。
「どうせ仮縫いがありますから、今、決定しなくてもいいんですけど」
「変な話ですわ?」
私は馬車の中で深刻になっていた。もしかして、殿下の言うことが正しいのだろうか。
見た目と本物は、サイズが合ってないのかも?
だとしたら、変身あるのかも。そしたら本気で命ないかも。どうせなら、ポーションでなくて、護身魔法を習っておけばよかった。
「アランソン公爵の常套手段は毒殺だ」
殿下は窓の外を見ながら言った。
「ポーション作りが得意だと言ったな?」
「ええ」
私は答えた。
「このままセスのいる魔法棟に行こう。デートコースじゃないが」
それから、私の方に向き直った。
「魔法力はね、使えば使う程、鍛えられるんだよ」
「え?」
「筋力と一緒。人間の力だもの。君は学校に来て、せっせと宅配魔法や生活魔法を使い始めたね?」
それは仕方ない。だって、そうしないと生きていけなかったのだもの。
「田舎と違って、学校の中は魔法力に満ちている。魔法力が発動されていても誰も気にしない。だから、使いたい放題だった。田舎で作ったポーションの量は少なかったと言っていたね? 君のおばあさまが、あまり作らせなかったんだと思う。君がポーションを作って魔法力を高めたら、保護魔法が解けてしまう」
それから、彼は言った。
「昨日作ったポーションの量、僕は驚いたよ……。見たこともない量とそれから質だった」
「いけなかったですか?」
「すごい魔法量を使ってしまったと思う。保護魔法の解ける時がどんどん近付いていると思うんだ。だから、準備をしなくてはいけない」
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「ポーション作れるのですか? セス様?」
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