【完結】公爵令嬢の育て方~平民の私が殿下から溺愛されるいわれはないので、ポーション開発に励みます。

buchi

文字の大きさ
85 / 97

第85話 庭師ウィルキンソンさんのハゲ治療

しおりを挟む
その日のうちに、忙しいはずの殿下が公爵邸に雪崩なだれ込んできた。

「ポ、ポーシャアア!」

殿下は馬を早駆けしてきた。
なぜ、魔法の絨毯を使わない?

「殿下ああ」

そう叫んだのは私ではない。
ウチの使用人たちである。
ヤツらは汗臭い殿下を歓喜して迎え入れ、私は殿下をじろりと白い目で見た。

「あなたが雇ったんですってね、この人たち」

「はう? そんな言葉を聞きにきたのではないっ」

「だから、なんでもバレバレだったのねえ。きっと今もそうね」

私はため息をついた。殿下が来るのが早すぎる。

「アランソンに忠実なのは、バスター君だけじゃない」

殿下はここに至って、やっと使用人が全部自分の紹介だったことがバレたことを悟ったらしい。

「庭師は前からの使用人だ。あとカールソンと」

言い訳した。

「その庭師が、率先して殿下をお薦めしてきたのよ。私、悲しくなっちゃったわ。この家には、殿下の部下はいても、私の使用人はいなかったのねえ」

「いや、あの、ええと、それはその、全部、あなたを思えばこそ、安全で忠実な者をつけたのだ」

逆効果。

「あなたに忠実な人たちばかりですわ」

私はもう一度ため息をついてみせた。殿下は目に見えて焦り出した。

「そんなことはどうでもいい。それよりなんで、グレイ殿のお誘いを受けることにしたのだ?」

それを聞く? それに、お誘いではありませんわ!

私は挑戦状を受け取ったのだ。
逃げるなんて性に合わない。
ここは正々堂々受けて立つべきところだろう!

「敵に背中を見せるような卑怯なマネはしないわ!」

「間違ってる」

「なに?」

「完全に間違ってるから、それ」

「負けろと言うの?」

「ポーシャ、グレイ殿が何者なのか、わかっている?」

チッチッチと殿下は指を振ると、メイフィールド夫人を振り返った。

「お茶とお菓子。喉が渇いた。それから人払い」

固唾を飲んでいた使用人たちが、まるで潮が引くようにサアーっといなくなった。

なんなんだ、お前ら。誰の使用人だ。殿下の言うことなら聞くのか。

私はプンプンだったが、殿下は言った。

「手紙を送ったよね? 毒殺未遂は犯罪だ。いくら、アデル嬢がポーシャには毒が効かない体質だって知ってたなんて言っても、毒を盛れば、本来、人は死ぬ。殺人未遂だ。侯爵家全体も疑われる。今、司法の手が調査中だ。そっちはいい」

「よくないわ!」

「よくないけど、僕たちができることは何もない。問題は毒の入手先とされるグレイ殿だ」

殿下は真顔で聞いた。

「あなたにデートを申し込んだそうだな」

「デート?」

手紙には会いたいと書いてあった。
デートだなんて、金輪際書いてない。

そう言うと、殿下はもどかしげに首を振った。

「会って何をしたいと書いてあった?」

殿下はこれまでみたこともないような渋面をしていた。

面白くないらしい。安心させてあげなくては。私は説明した。

「話をしたいって。つまり、今回の毒殺事件について、何らかの話があるんだわ」

「このバカ者。あんなすごいバラの花束を贈ってきた人間が、自分は毒殺事件に関与してますって言いに来ると思うのか?」

「え?」

「毒殺事件なんか、口の端にも出さないだろう。やさしく口説いて、たらし込む気満々に違いない! グレイ殿は、あなたと親密になって得はするが、損はない人間だぞ?」

「む?」

「やつは侯爵家の三男坊だが、実際のところは商人だから、敵は作りたくないだろう。商売に差し支える。アランソン家と敵対したいだなんて思ってもいないだろう。あのバラを見たらわかる」

私は振り返ってバラの花を凝視した。

金貨六十枚のバラだった。枯れてしまうものに、そんな大金をかけるだなんて、元平民の小心者はビビりまくりだ。ゴージャスだけど。

「今頃、あなたの毒殺未遂の話は、あちこちにバレているだろう。毒をリーマン家に渡したグレイ殿は、絶対疑われたくない。うまい具合にあなたとは以前から知り合いだ。もし、会ってもらえるなら、女性との付き合いには自信のある男だ。被害者のあなたに好意を持ってもらえたら、一安心だ」

「つまり、グレイ様は有罪だと言いたいの?」

「それはわからない。大体毒を欲しがる人間は使う目的があるはずだ。そしてグレイ殿が、その目的を知っていたら共犯になるだろうな」

それはそうね。例えば、逆に、害虫用の薬を売ったのに、別な目的(この場合は私の毒殺用)に使われたと言うなら、それはグレイ様のあずかり知らぬ話だ。罪には問われない。

「アデル嬢は、僕の婚約者ががアデル嬢に決まったので、あなたが嫉妬に駆られてアデル嬢の紅茶にお得意の毒を入れたが、間違って自分で飲んでしまったのだと言っていた。あなたが毒肉ポーションで有名だから、それで通ると思ったらしい」

「その話、なんだか、むかつきますわ」

私のポーションは人助けのもの。そんな使用目的を想像されるだなんて、名誉毀損で訴えたいくらいよ。

それから殿下が自分の婚約者だなんて、何を厚かましい。殿下にそんな気はないわよ。少なくとも、アデル嬢はないわ。

「グレイ殿だって、今回のことは失敗したと思っているんじゃないかと思う。まさかあんな幼稚なやり方でポーシャを毒殺しようとするだなんて、想像していなかっただろう。とはいえ、金さえもらえれば、そんな物騒なものを平気で売る男だ。会うのは止めた方がいい」

殿下は大テーブルの大輪のバラをチラリと見た。

「あんな凄い花を贈って来るとは、それ相当の理由があると言うことだよ。無駄金を使う男ではない」

無駄金は使わないとな? なかなか合理的な男だ。悪くない。

「会ってみますわ」

「止めなさい。あなたでは対抗できないから」

「でも、殿下、一体グレイ様があの毒をどこから入手したのか知りたくありません? それから、節操なくそんな物騒なものを売り歩く商人は封じてしまった方がよくありません?」

殿下はグッと言葉に詰まった。

「言いたいことはわかるが、あなたには無理だ。あなたに何かあったら僕は死んでしまう」

私は高笑いした。

「心配することなど、何もありませんわ。それに、もう、返事は出してしまいました。後は対決あるのみですわ」




しかしながら、その日のうちに憔悴しきった様子のセス様が公爵邸に現れ、私のことをバカ呼ばわりした。

「あんたが余計なことをするから、また俺が殿下にこき使われることになったろ」

「は?」

「俺もデートについていく」

「いりませんけど?」

「俺だって、行きたくない」

セス様はため息をついた。

「だけど、毒の入手経路については、あの男に聞くのが一番早い。言うわけないがね。だから、考えたら、あんたにくっついていくのが一番の早道だ。バカ相手なら本音を吐くだろうからな」

バカって誰のことよ。

「いやでも、セス様は行きたくないんでしょ?」

「当たり前だ。三人デート。聞いたこともない。グレイ殿だってお断りだろう」

「じゃあ、どうやってついてくるつもりなのですか?」

「俺は気配を消せる」

「あ……」

夏の終わりの大舞踏会……あの時、私以外セス様に気がつかなかったのは、そのせいだったのか。

「だけど、あんたはダメだ。俺がどんなに気配を隠してもごまかせない。あんたの魔力量は殿下に匹敵する。感知能力も高めだ。俺の今の心配は、あんたが変な反応をして、グレイに俺の存在がバレることだ。俺の存在を無視するだけの芝居力があんたにあるかな?」

できるわよ。人をバカにしないでちょうだい。

それにしても、三人でデート?だなんて、聞いたこともないわ!

セス様がデートにくっついてくる件に関しては、使用人一同も、大歓迎だった。
あんた達の意見は聞いてないわよ!

「これで、一安心でございます。セス様がおいでなら、きっとなんとかしてくださいます」

「やはり男性がご一緒なら、万一の力技にも対抗できますから」

私とセス様は微妙な顔をした。

セス様に戦闘能力はない。

なにかあったら、戦うのは私だ。

闇の帝王、自称魔王だが、幻覚、錯乱、相手の思考読み、など魔王にふさわしい数々の魔術が使えるが、物理攻撃は球根を投げつけるくらいしか出来ないのだ。

「セス様、そう言えば殿下ファンの庭師、ハゲが広がってましたけど」

「え? ああ、最初、飯作らせたり、買い物に行かせてたやつか」

「ウィルキンソンさんて、言う人よ」

私はうなずいた。庭師を料理番代わりにこき使おうとは、見当違いも甚だしい。絶対ムリだ。

「ハゲ、じわじわ進行してましたよ。そろそろ治してあげたらどうですか?」

「俺にハゲは治せない」

「はっ?」

私は力一杯驚いた。

「治せないんですか?」

気の毒に。道理でセス様が現れた時、使用人一同に緊張が走ったわけだ。

「治せないくせに、あんな魔術かけちゃったの?」

「俺に逆らうからだ」

「無茶言いなさんな。自分だって、戦闘強いられたら困るくせに」

「ポーシャ様が治せるだろ。ポーシャ様が治せるの知ってたから、ハゲ魔法も好きなだけ使えるんだ。なんでまだ治してやってないんだ」

無慈悲魔王。

「俺は、昔、攻撃魔法を必死になって勉強したんだ。だけど、ようやく出来るようになったのは、ハゲ魔法だけだったんだ」

セス様は悲しそうに告白した。

「あんなショボい魔法だけなんて……」

なに卑下してるの! どんな呪いよりも悪どいと思うわ!
 

私はグレイ様との会見の打ち合わせの後、殿下の味方をした庭師を呼んだ。

畏まってやってきた庭師の頭部をつくづく観察した。
あまり覚えてないけど、確かにじわじわって言うより、劇的に拡大している気がする。元々ハゲる傾向がある頭だったのかも知れない。

「私の結婚にケチをつけないでちょうだい!」

庭師は悲しそうに私の顔を見た。

「ですが、お嬢様……どう考えても殿下はおすすめですで」

どこの田舎の出身なのかしら。

「ええ人ですわ。苦い顔して愛想のカケラもないけど、あら、ええ男です。顔もええし、性格がええ。お嬢様を不幸にするようなこた絶対ありませんで」

聞き苦しいわ。

「私の結婚は私が決めます! 呼んだのはそんな話を聞きたいわけじゃないのよ! その頭よ!」

私はハゲ特効薬を渡した。

「それで治るから。セス様ったら、治し方なんか知らないって言うのよ」


しおりを挟む
感想 74

あなたにおすすめの小説

働かないつもりでしたのに、気づけば全部うまくいっていました ――自由に生きる貴族夫人と溺愛旦那様』

鷹 綾
恋愛
前世では、仕事に追われるだけの人生を送り、恋も自由も知らないまま終わった私。 だからこそ転生後に誓った―― 「今度こそ、働かずに優雅に生きる!」 と。 気づけば貴族夫人、しかも結婚相手は冷静沈着な名門貴族リチャード様。 「君は何もしなくていい。自由に過ごしてくれ」 ――理想的すぎる条件に、これは勝ち確人生だと思ったのに。 なぜか気づけば、 ・屋敷の管理を改善して使用人の待遇が激変 ・夫の仕事を手伝ったら経理改革が大成功 ・興味本位で教えた簿記と珠算が商業界に革命を起こす ・商人ギルドの顧問にまで祭り上げられる始末 「あれ? 私、働かない予定でしたよね???」 自分から出世街道を爆走するつもりはなかったはずなのに、 “やりたいことをやっていただけ”で、世界のほうが勝手に変わっていく。 一方、そんな彼女を静かに見守り続けていた夫・リチャードは、 実は昔から彼女を想い続けていた溺愛系旦那様で――。 「君が選ぶなら、私はずっとそばにいる」 働かないつもりだった貴族夫人が、 自由・仕事・愛情のすべてを“自分で選ぶ”人生に辿り着く物語。 これは、 何もしないはずだったのに、幸せだけは全部手に入れてしまった女性の物語。

『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。 しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。 「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!

『身代わりに差し出された令嬢ですが、呪われた公爵に溺愛されて本当の幸せを掴みました』

鷹 綾
恋愛
孤児院で「九番」と呼ばれ、価値のない存在として育った少女ノイン。 伯爵家に引き取られても待っていたのは救いではなく、実の娘エミリアの身代わりとして、“呪われた化け物公爵”フェルディナンドの婚約者に差し出される運命だった。 恐怖と嘲笑の中で送り出された先で出会ったのは―― 噂とは裏腹に、誰よりも誠実で、誰よりも孤独な公爵。 角と鱗に覆われたその姿は、血筋ではなく、長年にわたる呪いと心の傷によるものだった。 そしてノインは気づく。 幼い頃から自分が持っていた、人の痛みを和らげる不思議な力が、彼の呪いに届いていることに。 「身代わり」だったはずの婚約は、やがて 呪いと過去に向き合う“ふたりだけの戦い”へと変わっていく。 孤独を知る公爵と、居場所を求めてきた少女。 互いを想い、手を取り合ったとき―― 止まっていた運命が、静かに動き出す。 そして迎える、公の場での真実の発表。 かつてノインを蔑み、捨てた者たちに訪れるのは、痛快で静かな“ざまぁ”。 これは、 身代わりの少女が本当の愛と居場所を手に入れるまでの物語。 呪いが解けた先に待っていたのは、溺愛と、何気ない幸せな日常だった。

身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」 魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。 鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。 (な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?) 実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。 レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。 「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」 冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。 一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。 「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」 これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。

辺境の侯爵令嬢、婚約破棄された夜に最強薬師スキルでざまぁします。

コテット
恋愛
侯爵令嬢リーナは、王子からの婚約破棄と義妹の策略により、社交界での地位も誇りも奪われた。 だが、彼女には誰も知らない“前世の記憶”がある。現代薬剤師として培った知識と、辺境で拾った“魔草”の力。 それらを駆使して、貴族社会の裏を暴き、裏切った者たちに“真実の薬”を処方する。 ざまぁの宴の先に待つのは、異国の王子との出会い、平穏な薬草庵の日々、そして新たな愛。 これは、捨てられた令嬢が世界を変える、痛快で甘くてスカッとする逆転恋愛譚。

白い仮面の結婚を捨てた私が、裁かれない場所を作るまで

ふわふわ
恋愛
誰もが羨む、名門貴族との理想の結婚。 そう囁かれていたジェシカの結婚は、完璧な仮面で塗り固められた**「白い誓約」**だった。 愛のない夫。 見ないふりをする一族。 そして、妻として“正しく在ること”だけを求められる日々。 裏切りを知ったとき、ジェシカは泣き叫ぶことも、復讐を誓うこともしなかった。 彼女が選んだのは――沈黙と、準備。 名を問われず、理由も裁きもない。 ただ「何者でもなくいられる時間」が流れる、不思議な場所。 そこに人が集まり始めたとき、 秩序は静かに軋み、 制度は“裁けないもの”を前に立ち尽くす。 これは、声高な革命の物語ではない。 ざまぁを叫ぶ復讐譚でもない。 白い仮面を外したひとりの女性が、 名を持たずに立ち続けた結果、世界のほうが変わってしまった―― そんな、静かで確かな再生の物語。

神様、恋をすれば世界は救われるのですか? 〜余命二年の侯爵令嬢が、選ばれなかった未来の先で最愛を見つける物語〜

お月見ましろ
恋愛
余命は、十八歳の卒業式まで。 彼女の死は、そのまま世界の終わりを意味していた。 世界を救う条件は――「恋をすること」。 入学式の朝、神様は笑って言った。 「生きたいなら、全力で恋をしなさい」 けれど誰かを選べば、誰かの未来が壊れる。 魔法学園で出会った三人の少年は、それぞれの形でアイリスを必要としていた。 守ることに人生を捧げ、やがて“忠誠”を失っていく従者。 正しさを失わないため、恋を選択として差し出す王族。 未来を視る力ゆえに、関わることを拒み続けた天才魔術師。 「恋は、選択なのか」 「世界より、大切なものはあるのか」 これは、「正解のない選択」を何度も突きつけられながら、最後に“自分の意志”で未来を選び取る少女の物語。 ――世界よりも、運命よりも、 ひとりにしないと決めた、その選択の先へ。 【毎日更新・完結保証作品(全62話)🪄】 ※運命選択×恋愛、セカイ系ファンタジー ※シリアス寄り・溺愛控えめ・執着・葛藤・感情重視 ※ハッピーエンド

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

処理中です...