9 / 16
王子殿下捜索隊
しおりを挟む
王宮ではその頃大騒ぎだった。
王子殿下の失踪が王妃様にバレたのである。
イライラしながら王妃様は側近どもに怒鳴った……もとい告げた。
「何のためにお前たちは殿下のお側にいるのです!」
「本日はカードゲームをしようと集まっておりまして……」
「そんなこと聞いてません!」
王妃様は結構大きな声が出るな。
全員の感想だった。
「今すぐ平民の格好に着替えなさい!」
「なんでですか?」
側近の一人が思わず聞いた。
公爵家の一員で王妃様の甥である。
「探してらっしゃい! バカ・エドワードを!」
王妃様が合図すると、侍女たちが急いで散っていって、大あわてで平民の服を借りてきた。側近たちと違って仕事が早い。
「あの偽伯爵家にバレるとまずいから、平民の形をして探してらっしゃい」
「騎士団に探させるわけには……」
甥っ子の公爵家の御曹司が言い出すと、王妃様が鬼の形相で言い返した。
「王子失踪事件にしたいのですか? あなたは?」
そらそうだ。
「あなた方がどうにかなさい」
侍女たちは美男揃いで有名な第三王子殿下の側近たちを脱がせて着せて、嬉しそうだった。
「まったくなってない。まるで貴族じゃないの」
王妃様は腕組みして批評した。
貴族だから仕方ない。
「高位貴族が夜中にウロついていると、人目に立つ。仕方ない。平民服の方がマシだわ。二、三人で一組になり、王子を探しなさい。街で発見できなければ、今度は騎士の制服に着替えて……」
ここで侍女軍団から「騎士服……キャッ」とか言う合いの手が入った。
ギンギロリンと王妃様が睨むと侍女方面はシンとなった。
「不審者の捜索と言って、伯爵邸に押し入り、エドワードとついでにマリゴールド嬢を捕獲して連行しなさい」
捕物ではないのだが。
しかし、王妃様には逆らえず、夜の闇を助けとして側近連中はバラバラと街に散った。
「ねえねえ、押し入るのってどうやったらいいの?」
「王妃様の方が詳しそうだな~。帰ったら聞くかな~?」
王子殿下の失踪が王妃様にバレたのである。
イライラしながら王妃様は側近どもに怒鳴った……もとい告げた。
「何のためにお前たちは殿下のお側にいるのです!」
「本日はカードゲームをしようと集まっておりまして……」
「そんなこと聞いてません!」
王妃様は結構大きな声が出るな。
全員の感想だった。
「今すぐ平民の格好に着替えなさい!」
「なんでですか?」
側近の一人が思わず聞いた。
公爵家の一員で王妃様の甥である。
「探してらっしゃい! バカ・エドワードを!」
王妃様が合図すると、侍女たちが急いで散っていって、大あわてで平民の服を借りてきた。側近たちと違って仕事が早い。
「あの偽伯爵家にバレるとまずいから、平民の形をして探してらっしゃい」
「騎士団に探させるわけには……」
甥っ子の公爵家の御曹司が言い出すと、王妃様が鬼の形相で言い返した。
「王子失踪事件にしたいのですか? あなたは?」
そらそうだ。
「あなた方がどうにかなさい」
侍女たちは美男揃いで有名な第三王子殿下の側近たちを脱がせて着せて、嬉しそうだった。
「まったくなってない。まるで貴族じゃないの」
王妃様は腕組みして批評した。
貴族だから仕方ない。
「高位貴族が夜中にウロついていると、人目に立つ。仕方ない。平民服の方がマシだわ。二、三人で一組になり、王子を探しなさい。街で発見できなければ、今度は騎士の制服に着替えて……」
ここで侍女軍団から「騎士服……キャッ」とか言う合いの手が入った。
ギンギロリンと王妃様が睨むと侍女方面はシンとなった。
「不審者の捜索と言って、伯爵邸に押し入り、エドワードとついでにマリゴールド嬢を捕獲して連行しなさい」
捕物ではないのだが。
しかし、王妃様には逆らえず、夜の闇を助けとして側近連中はバラバラと街に散った。
「ねえねえ、押し入るのってどうやったらいいの?」
「王妃様の方が詳しそうだな~。帰ったら聞くかな~?」
213
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された侯爵令嬢ですが、帝国の次席秘書官になりました ――王の隣ではなく、判断を誤らせない場所へ
ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として王宮に仕える侯爵令嬢ゼクレテァ。
彼女は華やかな場に立つことはなく、ただ静かに、しかし確実に政務と外交を支えていた。
――その役割が、突然奪われるまでは。
公の場で告げられた一方的な婚約破棄。
理由はただひとつ、「愛している相手がいるから」。
ゼクレテァは感情を見せることなく、その決定を受け入れる。
だが彼女が王宮を去った後、王国には小さな歪みが生じ始めた。
些細な行き違い、遅れる判断、噛み合わない政策。
それらはやがて、国家全体を揺るがす事態へと発展していく。
一方、行き場を失ったゼクレテァの前に、思いもよらぬ「選択肢」が差し出される。
求められたのは、身分でも立場でもない。
彼女自身の能力だった。
婚約破棄から始まる、
静かで冷静な逆転劇。
王の隣に立つことを拒んだ令嬢は、
やがて「世界を動かす場所」へと歩み出す――。
-
どうぞ添い遂げてください
あんど もあ
ファンタジー
スカーレット・クリムゾン侯爵令嬢は、王立学園の卒業パーティーで婚約もしていない王子から婚約破棄を宣言される。さらには、火山の噴火の生贄になるように命じられ……。
ちょっと残酷な要素があるのでR 15です。
【完結】エンディングのその後~ヒロインはエンディング後に翻弄される~
かのん
恋愛
え?これは、悪役令嬢がその後ざまぁする系のゲームですか?それとも小説ですか?
明らかに乙女ゲームのような小説のような世界観に生まれ変わったヒロインポジションらしきソフィア。けれどそれはやったことも、読んだこともない物語だった。
ソフィアは予想し、回避し、やっと平和なエンディングにたどり着いたと思われたが・・・
実は攻略対象者や悪役令嬢の好感度を総上げしてしまっていたヒロインが、翻弄される物語。最後は誰に捕まるのか。
頭をからっぽにして、時間あるし読んでもいいよーという方は読んでいただけたらと思います。ヒロインはアホの子ですし、コメディタッチです。それでもよければ、楽しんでいただければ幸いです。
初めの土日は二話ずつ更新。それから毎日12時更新です。完結しています。短めのお話となります。
感想欄はお返事が出来ないのが心苦しいので閉じてあります。豆腐メンタルの作者です。
私たち、殿下との婚約をお断りさせていただきます!というかそもそも婚約は成立していません! ~二人の令嬢から捨てられた王子の断罪劇
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
「私たち、ハリル王子殿下との婚約をお断りさせていただきます!」伯爵家の姉妹フローラとミルドレッドの声がきれいに重なった。王家主催の夜会で、なんとハリル王子に対し二人の姉妹が婚約破棄を申し出たのである。国王も列席する場で起きた前代未聞の事態に、会場はしんと静まり返る。不貞を働いたことを理由に婚約破棄を申し渡したはずのフローラと、心から愛し合っていたはずの新しい婚約相手ミルドレッドからの婚約破棄の申し出に、混乱するハリル王子。しかもそもそもフローラとの婚約は受理されていないと知らされ、ハリルは頭を抱える。そこにハリルの母親であるこの国の側妃アルビアが現れ、事態は運命の断罪劇へと進んでいく。
一風変わった婚約破棄からはじまる断罪ざまぁストーリーです。
※この作品は小説家になろう、カクヨム等他サイトでも掲載中です。
遺言による望まない婚約を解消した次は契約結婚です
しゃーりん
恋愛
遺言により従兄ディランと婚約しているクラリス。
クラリスを嫌っているディランは愛人に子を産ませてクラリスの伯爵家の跡継ぎにするつもりだ。
どうにか婚約解消できないかと考えているクラリスに手を差し伸べる者。
しかし、婚約解消の対価は契約結婚だった。
自分の幸せと伯爵家のために最善を考える令嬢のお話です。
公爵令嬢は結婚前日に親友を捨てた男を許せない
有川カナデ
恋愛
シェーラ国公爵令嬢であるエルヴィーラは、隣国の親友であるフェリシアナの結婚式にやってきた。だけれどエルヴィーラが見たのは、恋人に捨てられ酷く傷ついた友の姿で。彼女を捨てたという恋人の話を聞き、エルヴィーラの脳裏にある出来事の思い出が浮かぶ。
魅了魔法は、かけた側だけでなくかけられた側にも責任があった。
「お兄様がお義姉様との婚約を破棄しようとしたのでぶっ飛ばそうとしたらそもそもお兄様はお義姉様にべた惚れでした。」に出てくるエルヴィーラのお話。
貴方の理想には沿えません~侍女イルゼの奮闘記
藍田ひびき
恋愛
フィリーネ・ノルデン子爵令嬢は、初恋相手であるアルベルト・グラーツ伯爵令息と婚約していた。だがアルベルトは「君のため」と称して彼女へ身勝手な言葉をぶつけるばかり。周囲は婚約を見直すよう進言するものの、アルベルトを慕うフィリーネは首を縦に振らない。
そんな主の苦しみを見兼ねた侍女イルゼは、フィリーネを救うべく婚約解消へ向けて動き出す――。
※ なろうにも投稿しています。
婚約者から妾になれと言われた私は、婚約を破棄することにしました
天宮有
恋愛
公爵令嬢の私エミリーは、婚約者のアシェル王子に「妾になれ」と言われてしまう。
アシェルは子爵令嬢のキアラを好きになったようで、妾になる原因を私のせいにしたいようだ。
もうアシェルと関わりたくない私は、妾にならず婚約破棄しようと決意していた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる