婚約者の王子は正面突破する~関心がなかった婚約者に、ある日突然執着し始める残念王子の話

buchi

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王子殿下捜索隊

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 王宮ではその頃大騒ぎだった。
 王子殿下の失踪が王妃様にバレたのである。

 イライラしながら王妃様は側近どもに怒鳴った……もとい告げた。

「何のためにお前たちは殿下のお側にいるのです!」

「本日はカードゲームをしようと集まっておりまして……」

「そんなこと聞いてません!」

 王妃様は結構大きな声が出るな。
 全員の感想だった。

「今すぐ平民の格好に着替えなさい!」

「なんでですか?」

 側近の一人が思わず聞いた。
 公爵家の一員で王妃様の甥である。

「探してらっしゃい! バカ・エドワードを!」

 王妃様が合図すると、侍女たちが急いで散っていって、大あわてで平民の服を借りてきた。側近たちと違って仕事が早い。

「あの偽伯爵家にバレるとまずいから、平民のなりをして探してらっしゃい」

「騎士団に探させるわけには……」

 甥っ子の公爵家の御曹司が言い出すと、王妃様が鬼の形相で言い返した。

「王子失踪事件にしたいのですか? あなたは?」

 そらそうだ。

「あなた方がどうにかなさい」

 侍女たちは美男揃いで有名な第三王子殿下の側近たちを脱がせて着せて、嬉しそうだった。

「まったくなってない。まるで貴族じゃないの」

 王妃様は腕組みして批評した。
 貴族だから仕方ない。

「高位貴族が夜中にウロついていると、人目に立つ。仕方ない。平民服の方がマシだわ。二、三人で一組になり、王子を探しなさい。街で発見できなければ、今度は騎士の制服に着替えて……」

 ここで侍女軍団から「騎士服……キャッ」とか言う合いの手が入った。

 ギンギロリンと王妃様が睨むと侍女方面はシンとなった。

「不審者の捜索と言って、伯爵邸に押し入り、エドワードとついでにマリゴールド嬢を捕獲して連行しなさい」

 捕物とりものではないのだが。

 しかし、王妃様には逆らえず、夜の闇を助けとして側近連中はバラバラと街に散った。

「ねえねえ、押し入るのってどうやったらいいの?」

「王妃様の方が詳しそうだな~。帰ったら聞くかな~?」


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