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第64話 本物の義姉見つかる
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ととても心配だったが、ある日三人は突然いなくなってしまった。ソンプ家の田舎にある別邸に移ったとのことだった。セバスが教えてくれた。
「家と畑だけはあるそうです」
厳格そうな顔に取り繕っているセバスの口角が、勝手にニンマリと上がっていた。
「畑?」
私は聞き返した。
「自給自足が可能らしいですよ。これからは自分で畑を耕して食べていくんですな」
事情通の使用人たちがせせら笑った。
「いつだったか、お嬢様に洗濯を強要しましたね」
「そんなこともあったわね」
「あれほどまで他人の心配ができる人たちです。今度は自分の心配をちゃんとするでしょうよ」
なんでも、持っていた宝飾品やドレスなどはほとんど全部売りに出されたらしい。でないと、ドレスメーカーやルテイン家から借りていたお金を返せないそうだった。
「ハーマン侯爵家が代わりに返すわけには絶対にいきませんから」
セバスが断固とした口調で言い放った。
その道のプロたちの取り立て方は徹底していて、高いドレスはもちろん下着まで取り上げたそうだ。ちょっとびっくりした。文字通り、着の身着のままになってしまったらしい。
「男爵家からの結婚指輪や、嫁入りの時の記念の銀の写真立ても全部ね。ハンカチ一枚残さなかった。そんなこと、私たちにはできませんからね」
他人に任せると言うのはそう言うことか。
「かわいそうではないですか? ここへ来た時より貧乏になって帰るのですよ」
私は言ってみた。
「かわいそうというのは、少しくらいなら恵んでやれとでも言いたいのですか? それはダメです。そもそもあの人たちのためになりません。支払い能力があると思えば、また悪い人たちがお金を貸すでしょう。彼女たちは愚かなんです。懲りずに、またお金を借りるでしょう。私たちは手を切ったのです」
セバスに叱られた。全くその通りだった。モートン様が言っていた通りだった。彼女たちはバカなのだ。自分で自分を助けることができなかった。
そして私たちは彼女たちのことを忘れていった。
だって、それどころではなかったのですもの。
ソンプ家の未亡人とその娘の三人が田舎に行ってしまってから、私は大きな驚きに直面した。
一つ目は、マチルダ様の婚約者がヘイスティング侯爵その人だったと言うことで。
女友達同士がお互いに自分の婚約者を紹介することは、滅多にない。
だから、婚約者の名前すら教えてもらえなかったのは多少不自然だったが、そこまで気にしていなかった。
しかし、事情がわかれば、これはもう、やむなし。
マチルダ様がヘイスティング侯爵の婚約者と分かれば、ソンプ男爵夫人とアンとステラが、マチルダ様相手に何をやり出すか知れたもんじゃない。
「黙っていてごめんなさい。元はと言えばヘイスティング家が原因なのですけど、何かの拍子にあの人たちに婚約を知られると、何か更によくないことが起きる気がして」
マチルダ様はご存じないが、アンとステラをお友達にするために紹介しろと義母に何回もせっつかれていた。何かよくないことが起きることは確実だ。
「お気になさらず」
あれ以上騒ぎを起こさないと言うのは、賢明な判断だとしか言いようがない。それに生家はうちだ。つまり、発生源はこちらにある。
生家って嫌な役割だわ。悪臭の元みたいだわ。
「あなたが大迷惑をこうむっている様子を見聞きして、事情はアンドリュー様に報告していましたの」
うーむー。ヘイスティング家に筒抜けだったわけか。まあ、その方が対応のやりようがあると言えばあるような気はする。
次の大きな驚きは、ローズマリー様の婚約者だった。
「私の婚約者を紹介しますわ。ヘンリー・ハワード様。ハワード侯爵家のご長男の方ですわ」
ローズマリー様はわざわざ自邸に招いてくださったうえで、ご自分の婚約者を連れてきて紹介した。
「えっ?」
私はまじまじとその男性を見据えた。
「お兄様?」
キリッとしゃちほこばっているのは、どう見てもウチの兄だ。いつの間に婚約した?
兄は、こともあろうに私(妹)相手に照れた。
「まあいろいろあって」
何がいろいろだ。いろいろで済むか。
「お前が大迷惑をこうむっている様子を聞いて、これはダメだと思って、直接隣国の父に報告して婚約を決めた」
そう言えば、私はすごく困っていた時、兄に相談を持ち掛けようとしたけど、兄は仕事だとか言って隣国に行っていて、いなかったことがあった。
「あの時ですか?」
「どの時かわからないけど、多分、その時だな」
それに兄はあの一家がハワード家の屋敷にやってきた時以来、忙しいからとか言って、一度も帰宅しなくなった。
「妹が困った時に不在……」
「だって、あのソンプ男爵夫人が、俺にあの太った二人の娘を勧めてくるんだ。どういう神経だろうと思ったよ。俺も父が再婚したのだと信じていたからね。確かに血はつながっていないのだけど、一応義妹だ。そんな婚約、変だろう。それにせっかく婚約が決まりそうだったのに、ソンプ夫人が変な手紙を侯爵家に出すものだから、婚約が一時暗礁に乗り上げたよ」
ローズマリー様の婚約に時間がかかったのって、あの人たちのせいか!
「ほんとうにごめんなさい。あなたばかりが被害に遭って。でも、私たちが名乗りを上げると余計に事態が悪くなりそうだったので、黙っているしかなかったのよ」
兄が横で深くうなずいていた。
「申し訳ないわ。だけど、おかげで傾向と対策ができて本当に助かったわ」
ローズマリー様が心を込めて感謝の言葉を述べた。
「あの人たち、あなたのおかげでドレスを買いまくって借金漬けになってくれたし、あなたの謙虚な姿勢のおかげで勝手に増長して学園での評判も散々だったし、その結果、最後は自滅して田舎に戻ったわ。あなたでなければ無理だった。本当に助けられました」
「家と畑だけはあるそうです」
厳格そうな顔に取り繕っているセバスの口角が、勝手にニンマリと上がっていた。
「畑?」
私は聞き返した。
「自給自足が可能らしいですよ。これからは自分で畑を耕して食べていくんですな」
事情通の使用人たちがせせら笑った。
「いつだったか、お嬢様に洗濯を強要しましたね」
「そんなこともあったわね」
「あれほどまで他人の心配ができる人たちです。今度は自分の心配をちゃんとするでしょうよ」
なんでも、持っていた宝飾品やドレスなどはほとんど全部売りに出されたらしい。でないと、ドレスメーカーやルテイン家から借りていたお金を返せないそうだった。
「ハーマン侯爵家が代わりに返すわけには絶対にいきませんから」
セバスが断固とした口調で言い放った。
その道のプロたちの取り立て方は徹底していて、高いドレスはもちろん下着まで取り上げたそうだ。ちょっとびっくりした。文字通り、着の身着のままになってしまったらしい。
「男爵家からの結婚指輪や、嫁入りの時の記念の銀の写真立ても全部ね。ハンカチ一枚残さなかった。そんなこと、私たちにはできませんからね」
他人に任せると言うのはそう言うことか。
「かわいそうではないですか? ここへ来た時より貧乏になって帰るのですよ」
私は言ってみた。
「かわいそうというのは、少しくらいなら恵んでやれとでも言いたいのですか? それはダメです。そもそもあの人たちのためになりません。支払い能力があると思えば、また悪い人たちがお金を貸すでしょう。彼女たちは愚かなんです。懲りずに、またお金を借りるでしょう。私たちは手を切ったのです」
セバスに叱られた。全くその通りだった。モートン様が言っていた通りだった。彼女たちはバカなのだ。自分で自分を助けることができなかった。
そして私たちは彼女たちのことを忘れていった。
だって、それどころではなかったのですもの。
ソンプ家の未亡人とその娘の三人が田舎に行ってしまってから、私は大きな驚きに直面した。
一つ目は、マチルダ様の婚約者がヘイスティング侯爵その人だったと言うことで。
女友達同士がお互いに自分の婚約者を紹介することは、滅多にない。
だから、婚約者の名前すら教えてもらえなかったのは多少不自然だったが、そこまで気にしていなかった。
しかし、事情がわかれば、これはもう、やむなし。
マチルダ様がヘイスティング侯爵の婚約者と分かれば、ソンプ男爵夫人とアンとステラが、マチルダ様相手に何をやり出すか知れたもんじゃない。
「黙っていてごめんなさい。元はと言えばヘイスティング家が原因なのですけど、何かの拍子にあの人たちに婚約を知られると、何か更によくないことが起きる気がして」
マチルダ様はご存じないが、アンとステラをお友達にするために紹介しろと義母に何回もせっつかれていた。何かよくないことが起きることは確実だ。
「お気になさらず」
あれ以上騒ぎを起こさないと言うのは、賢明な判断だとしか言いようがない。それに生家はうちだ。つまり、発生源はこちらにある。
生家って嫌な役割だわ。悪臭の元みたいだわ。
「あなたが大迷惑をこうむっている様子を見聞きして、事情はアンドリュー様に報告していましたの」
うーむー。ヘイスティング家に筒抜けだったわけか。まあ、その方が対応のやりようがあると言えばあるような気はする。
次の大きな驚きは、ローズマリー様の婚約者だった。
「私の婚約者を紹介しますわ。ヘンリー・ハワード様。ハワード侯爵家のご長男の方ですわ」
ローズマリー様はわざわざ自邸に招いてくださったうえで、ご自分の婚約者を連れてきて紹介した。
「えっ?」
私はまじまじとその男性を見据えた。
「お兄様?」
キリッとしゃちほこばっているのは、どう見てもウチの兄だ。いつの間に婚約した?
兄は、こともあろうに私(妹)相手に照れた。
「まあいろいろあって」
何がいろいろだ。いろいろで済むか。
「お前が大迷惑をこうむっている様子を聞いて、これはダメだと思って、直接隣国の父に報告して婚約を決めた」
そう言えば、私はすごく困っていた時、兄に相談を持ち掛けようとしたけど、兄は仕事だとか言って隣国に行っていて、いなかったことがあった。
「あの時ですか?」
「どの時かわからないけど、多分、その時だな」
それに兄はあの一家がハワード家の屋敷にやってきた時以来、忙しいからとか言って、一度も帰宅しなくなった。
「妹が困った時に不在……」
「だって、あのソンプ男爵夫人が、俺にあの太った二人の娘を勧めてくるんだ。どういう神経だろうと思ったよ。俺も父が再婚したのだと信じていたからね。確かに血はつながっていないのだけど、一応義妹だ。そんな婚約、変だろう。それにせっかく婚約が決まりそうだったのに、ソンプ夫人が変な手紙を侯爵家に出すものだから、婚約が一時暗礁に乗り上げたよ」
ローズマリー様の婚約に時間がかかったのって、あの人たちのせいか!
「ほんとうにごめんなさい。あなたばかりが被害に遭って。でも、私たちが名乗りを上げると余計に事態が悪くなりそうだったので、黙っているしかなかったのよ」
兄が横で深くうなずいていた。
「申し訳ないわ。だけど、おかげで傾向と対策ができて本当に助かったわ」
ローズマリー様が心を込めて感謝の言葉を述べた。
「あの人たち、あなたのおかげでドレスを買いまくって借金漬けになってくれたし、あなたの謙虚な姿勢のおかげで勝手に増長して学園での評判も散々だったし、その結果、最後は自滅して田舎に戻ったわ。あなたでなければ無理だった。本当に助けられました」
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