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淫欲八姫
第10話 オレが残さず全部食べちゃうからね。
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先に進むことが出来ない俺たちはとりあえず一泊して天候の回復を待つことにした。
最悪、このまま天候が変わらなければ、イザーちゃんと会う事を諦めて他の所へ向かう事になるだろう。
北にいる愛華。
西にいる柘榴。
南にいる瑠璃。
東にいる珠希。
巽にいるポンピーノ。
坤にいるクリームパイ。
乾にいるペタコン。
そして、昆にいるイザーちゃん。いざーt
イザーちゃん以外の七姫に会う事にどれだけの意味があるのかわからないけれど、一通りあってお話をしないといけないらしい。
誰か一人でもかけると、名も無き神の軍勢に反撃されてしまう恐れがあるそうだ。
「“まーくん”はこの世界の文字って読めたりする?」
「全然読めない。こうして会話が出来ているのが不思議なくらいこの世界の文字は読めないよ。何となくわかりそうな気もするけど、文字だけで見たら全然わかんないね」
「そうだろうね。ご飯を食べたら文字を読めるようにしてあげるね。それまではちょっと我慢しててね」
「わかったよ。それなら、ここの注文もアスモちゃんに任せるね」
「美味しそうなものをたくさん頼んじゃうから、食べきれなかったら無理しなくてもいいよ。やぶさかではないのd」
こっちの世界に来て初めて食べるまともな料理に心躍らせてしまっている俺がいた。
店内に漂う匂いでも何となく察してはいたのだが、他の席に並んでいる料理を見て確信したことがある。
この店は、中華料理屋に限りなく似ている。それも、中華料理屋と中国料理屋くらいの違いしかない程度の差だろう。
「これから大変だと思うし、“まーくん”にはたくさんスタミナ付けて貰わないといけないからね。オレも頑張るけど、オレ一人じゃ出来ないこともたくさんあるんで、“まーくん”の力を借りることもあると思うんでよろしく」
「こちらこそよろしく。それにしても、この店って家族連れの店よりデートで使うような店なんだね。あんまりこじゃれた感じじゃないけど、カップルばっかりだし俺たちはちょっと場違いかもね」
「そんな事無いって。オレ達も他のみんなと同じように見えてるさ。だから、そんな細かいことは気にしないで料理を楽しもうぜ。ほら、さっそく来たみたいだよ」
テーブルに並べられる料理はどれも美味しそうである。
見た目は当然だが、目の前に出されて感じる匂いも食欲を刺激するのだ。
どれもこれも見たことがあるような料理ばかりだし、どれを食べてもスタミナが付きそうな感じがしている。
これを食べて明日からの冒険を頑張ろうという、アスモちゃんからのメッセージとして受け取ることにした。
皇帝と一緒に食べたお菓子も美味しかった事もあり、この料理に関しても美味しいのは間違いないのだろう。
一つ気になるのが、どの料理も顔が置いてあって目が合うのだ。
当然もう生きてはいないのだろうけれど、どの角度から見ても目がバッチリ合ってしまう。
そこだけが少し食欲を減退させる要因になっていた。
「いただきます」
普段の癖で手を合わせてから箸を伸ばしたのだが、俺の行動を見ていたアスモちゃんは不思議そうな顔で俺の事を見ていた。
普通に食べ始めていたアスモちゃんを見て分かったことは、この世界では俺のいた日本と違って「いただきます」を言う文化が無いのだ。
似ているように見えても、小さいところでは異なっている場合があるという事を実感することが出来た。
「ねえ、“まーくん”のやってたそれって、神様に手を合わせているの?」
「そういうのじゃないと思うよ。どちらかというと、この料理になった全ての食材に対して感謝の気持ちを込めてるって事なのかも。あんまり意識したことが無かったんで、改めて考えると何に対していただきますなのかわからないかも」
「そうなんだ。そういうのってなんかいいかもね。オレ達に食べられるために生まれてきたこいつらに感謝しようってのは凄く良いことだと思う。オレも真似してみようかな」
「俺の住んでいるところの文化ってやつだね」
「良かった。“まーくん”が名も無き神を信仰している行動じゃなかった。オレ達の敵じゃないってことだね」
「敵ではないね。どっちかって言うと、味方だと思うよ」
一瞬だけ空気感が変わったようにも感じたのだけれど、変わったのはその一瞬だけで何事も無かったかのように料理を食べ進めていた。
味付けも近所の中華料理屋で食べていたものに似ていたし、食材が何なのかわからないことを除けば満足のいく食事だったと言えよう。
この世界が俺の暮らしていた世界と違うという事に気付いた時に一番強く脳裏をよぎったのが、この世界の料理が俺の口に合わなかったらどうしようという事だった。
今日食べたこの一食だけでも俺を満足させてくれるポテンシャルがあるという事がわかったのだ。
探せば日本食もあるのかもしれないけど、どうやって探せばいいのかわからないな。
美味しい料理に夢中になってしまって会話をほとんど出来なかったが、この世界で一番最初に食べた料理はとても満足のいく結果となった。
アスモちゃんにお願いしてよかったと、適当に俺が選ばなくて良かったと心の底から思っていた。
そう言えば、料理を食べたらこの世界の文字を読めるようにしてくれると言っていたような気がするけれど、それって本当なんだろうか?
まあ、お腹も満たされたので細かいことは考えないようにしよう。
最悪、このまま天候が変わらなければ、イザーちゃんと会う事を諦めて他の所へ向かう事になるだろう。
北にいる愛華。
西にいる柘榴。
南にいる瑠璃。
東にいる珠希。
巽にいるポンピーノ。
坤にいるクリームパイ。
乾にいるペタコン。
そして、昆にいるイザーちゃん。いざーt
イザーちゃん以外の七姫に会う事にどれだけの意味があるのかわからないけれど、一通りあってお話をしないといけないらしい。
誰か一人でもかけると、名も無き神の軍勢に反撃されてしまう恐れがあるそうだ。
「“まーくん”はこの世界の文字って読めたりする?」
「全然読めない。こうして会話が出来ているのが不思議なくらいこの世界の文字は読めないよ。何となくわかりそうな気もするけど、文字だけで見たら全然わかんないね」
「そうだろうね。ご飯を食べたら文字を読めるようにしてあげるね。それまではちょっと我慢しててね」
「わかったよ。それなら、ここの注文もアスモちゃんに任せるね」
「美味しそうなものをたくさん頼んじゃうから、食べきれなかったら無理しなくてもいいよ。やぶさかではないのd」
こっちの世界に来て初めて食べるまともな料理に心躍らせてしまっている俺がいた。
店内に漂う匂いでも何となく察してはいたのだが、他の席に並んでいる料理を見て確信したことがある。
この店は、中華料理屋に限りなく似ている。それも、中華料理屋と中国料理屋くらいの違いしかない程度の差だろう。
「これから大変だと思うし、“まーくん”にはたくさんスタミナ付けて貰わないといけないからね。オレも頑張るけど、オレ一人じゃ出来ないこともたくさんあるんで、“まーくん”の力を借りることもあると思うんでよろしく」
「こちらこそよろしく。それにしても、この店って家族連れの店よりデートで使うような店なんだね。あんまりこじゃれた感じじゃないけど、カップルばっかりだし俺たちはちょっと場違いかもね」
「そんな事無いって。オレ達も他のみんなと同じように見えてるさ。だから、そんな細かいことは気にしないで料理を楽しもうぜ。ほら、さっそく来たみたいだよ」
テーブルに並べられる料理はどれも美味しそうである。
見た目は当然だが、目の前に出されて感じる匂いも食欲を刺激するのだ。
どれもこれも見たことがあるような料理ばかりだし、どれを食べてもスタミナが付きそうな感じがしている。
これを食べて明日からの冒険を頑張ろうという、アスモちゃんからのメッセージとして受け取ることにした。
皇帝と一緒に食べたお菓子も美味しかった事もあり、この料理に関しても美味しいのは間違いないのだろう。
一つ気になるのが、どの料理も顔が置いてあって目が合うのだ。
当然もう生きてはいないのだろうけれど、どの角度から見ても目がバッチリ合ってしまう。
そこだけが少し食欲を減退させる要因になっていた。
「いただきます」
普段の癖で手を合わせてから箸を伸ばしたのだが、俺の行動を見ていたアスモちゃんは不思議そうな顔で俺の事を見ていた。
普通に食べ始めていたアスモちゃんを見て分かったことは、この世界では俺のいた日本と違って「いただきます」を言う文化が無いのだ。
似ているように見えても、小さいところでは異なっている場合があるという事を実感することが出来た。
「ねえ、“まーくん”のやってたそれって、神様に手を合わせているの?」
「そういうのじゃないと思うよ。どちらかというと、この料理になった全ての食材に対して感謝の気持ちを込めてるって事なのかも。あんまり意識したことが無かったんで、改めて考えると何に対していただきますなのかわからないかも」
「そうなんだ。そういうのってなんかいいかもね。オレ達に食べられるために生まれてきたこいつらに感謝しようってのは凄く良いことだと思う。オレも真似してみようかな」
「俺の住んでいるところの文化ってやつだね」
「良かった。“まーくん”が名も無き神を信仰している行動じゃなかった。オレ達の敵じゃないってことだね」
「敵ではないね。どっちかって言うと、味方だと思うよ」
一瞬だけ空気感が変わったようにも感じたのだけれど、変わったのはその一瞬だけで何事も無かったかのように料理を食べ進めていた。
味付けも近所の中華料理屋で食べていたものに似ていたし、食材が何なのかわからないことを除けば満足のいく食事だったと言えよう。
この世界が俺の暮らしていた世界と違うという事に気付いた時に一番強く脳裏をよぎったのが、この世界の料理が俺の口に合わなかったらどうしようという事だった。
今日食べたこの一食だけでも俺を満足させてくれるポテンシャルがあるという事がわかったのだ。
探せば日本食もあるのかもしれないけど、どうやって探せばいいのかわからないな。
美味しい料理に夢中になってしまって会話をほとんど出来なかったが、この世界で一番最初に食べた料理はとても満足のいく結果となった。
アスモちゃんにお願いしてよかったと、適当に俺が選ばなくて良かったと心の底から思っていた。
そう言えば、料理を食べたらこの世界の文字を読めるようにしてくれると言っていたような気がするけれど、それって本当なんだろうか?
まあ、お腹も満たされたので細かいことは考えないようにしよう。
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