じばく男と肉欲処女

釧路太郎

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淫欲八姫

第16話 オレと一緒にお風呂に入ろうよ。

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 ここからイザーちゃんのいる艮までは真っすぐに道路が伸びているのだが、その道路を今は使うことが出来ない。
 中に入ってしまっては一歩も動けなくなってしまうよう程の砂嵐が巻き起こっている。アスモちゃんの話では、半年くらいは断続的に続くかもしれないという事だ。
 では、半年も待たないといけないのかというとそうではなく、砂嵐を止める方法があるというのだ。

「“まーくん”は今すぐにでもイザーちゃんに会いたいんだよね?」
「うん、あのベッドで寝た俺がどうしてこの世界に来たのか気になるし、イザーちゃんとうまなちゃんがどんな関係なのかちゃんと聞いておきたいからね」
「気になる所だね。で、そのうまなちゃんっていったい何者なのさ?」
「俺も良くわかってないんだけど、イザーちゃんが俺に紹介してくれた好きになった人って言ってたよ。イザーちゃんの好きになった人が女の子だったってのは驚いたけど、今にして思えばうまなちゃんはアスモちゃんと似た感じの可愛らしい女の子だったな」
「やめろよ。オレの事を可愛いとか言うなって。オレは魔剣王で超魔導士の何でも出来るスーパーメイドなんだぞ。可愛い要素なんて一つもないだろ」

 耳まで真っ赤になっているアスモちゃんは先ほどまでの凛々しい感じとは違って可愛らしい。
 あの強気な感じだったアスモちゃんがこんなに女の子らしい一面を見せるなんて、やっぱり男の子じゃなくて女の子なんじゃないかな。
 その事に本人は全く気付いていないようだけれど、その姿も可愛らしく見える。

 照れ隠しなのか、アスモちゃんはテーブルに並べられたお菓子をいくつか手に取って食べていた。
 そんな事をする必要なんてないはずなのに、手のひらで顔を隠しながら食べる姿も可愛らしい。

 俺も何か食べようかなと思って適当に手を伸ばしたところ、アスモちゃんも同じお菓子を食べようとしたのか手が触れあってしまった。
 俺は思わず手を引っ込めてしまったのだけど、アスモちゃんはそんな俺の手をギュッと握ってお菓子を持たせてくれた。
 別にこのお菓子がどうしても食べたいというわけではなかったけれど、アスモちゃんの好意を無駄にするのも良くないと思ったので食べてみることにした。

 なんだかすごく甘くて、美味しくはなかった。

「それで、砂嵐を止める方法ってのは何があるのかな?」

 あまりの甘さに気を失いそうになりつつも、俺は話の軌道修正を試みた。
 アスモちゃんはお菓子を選びながら時々俺の顔を見ていた。目が合うとすぐに逸らされてしまうのが少し可愛く感じてしまった。

「あの砂嵐は自然現象じゃないと思うんだよね。自然現象だったとしたら、半年以上もあんなのが続くはずがないし、イザーちゃんが来客を拒んでいるとしか思えないんだよ。その証拠に、北へ行く道も東へ行く道もどっちも普通に通行できるからね。というか、北東にある艮に行く道だけ砂嵐が酷いってのは絶対に何かあるよね。もしかしたら、イザーちゃんが“まーくん”が来ることを拒んでしまっているのかもね」
「イザーちゃんが俺の事を拒む理由はわからないけど、アスモちゃんが言うならそうなのかもしれないね」
「ごめんごめん、そんなつもりで言ったわけじゃないんだよ。会いたくないってのも、何か召喚の儀式をってだけかもしれないから。ほら、召喚って時間も精神力もたくさん使っちゃうでしょ。それを邪魔されないように何かしているって可能性もあるし」

 俺には魔法も召喚も剣も名も無き神の軍勢も良くわかっていない。
 イザーちゃんに告白されて付き合う事になったのも、俺がこの世界に来るための儀式だったのだろうか?
 そうだとしたらちょっと悲しいけど、特別な人として選ばれたのはちょっと嬉しかったりもする。
 まだ自分でも気付かない特別な力があるという事だと思うし、イザーちゃんに会ったら俺にどんな特別な力があるのか聞いてみよう。
 魔剣王で超魔導士なアスモちゃんと同じような強さがあればいいんだけど、そううまくは行かないだろうな。

「察しの良い“まーくん”なら気付いているかもしれないけど、イザーちゃんの所に行くためには他の八姫に協力してもらう必要があると思うよ。あの砂嵐をオレの力で強引に突破したとしても、すぐに押し戻されちゃうんだよね。オレと同じくらいの力を持った人が後何人かいれば押し戻されなくて済むと思うんだけど、それを八姫に協力してもらう事が出来れば行けると思うんだ」
「遠回りになっちゃうかもしれないけど、その方が早いって言うんだったら八姫に協力してもらうしかないよね。八姫って、怖い人だったりしないよね?」

「さあ、オレは会ったことも無いからわからないよ。皇帝の話だと、みんな気さくでいい人だって言ってたな。でも、あの皇帝って人を見る目は全くないから信用していいものなのか疑問だね」
「怖い人だったら嫌だな。どんな風に説得したら協力してもらえるか心配だよ」
「その辺はオレがメイドとしてうまく立ち回ってあげるから安心していいよ。“まーくん”だけでも話は聞いてもらえると思うけど、説得するのはオレに任せてほしいな」

 自信満々なアスモちゃんは残っていたお菓子を食べきると、そこにあったゴミを袋にまとめて入れていた。
 俺の前にあったゴミも回収してくれたのでお礼を言うと、気にするなとでも言わんばかりにウインクをしてくれたのだ。

「じゃあ、寝る前にお風呂にでも入ろうかな」
「そうだね。アスモちゃんはどのお風呂にするの?」
「オレとしてはこだわりがないんでどれでもいいけど、シャワーだけってのはちょっと寂しいな」
「それだったら、露天風呂とかいいんじゃないかな。景色はそんなに良くないかもしれないけど、大きかったし気持ちよさそうだったよ」
「露天風呂は入ったことないかも。良くわからないから“まーくん”に教えて貰わないとね。オレは“まーくん”にこの世界の事を教えてあげたし、それくらいいいよね?」

「いやいやいや、良くないでしょ。俺とアスモちゃんが一緒にお風呂に入るなんてダメだって」
「そんなに気にするなよ。男同士仲良くしようぜ」

 男同士ではないと思うんだが、アスモちゃんの子の自信はどこから出てくるのだろうか。
 いや、もしかしたら、アスモちゃんは本当に男なのかもしれない。
 よくよく考えてみると、こんな可愛らしい女の子が筋肉モリモリの大男を一方的に叩きのめすことが出来るはずがいないのだ。
 きっと、アスモちゃんは男なんだろう。

「じゃあ、オレの頭を洗ってね。体はくすぐったいから自分で洗うけどね」
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