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淫欲八姫
第15話 剣を持たない魔剣王ってどういう事なの?
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窓を開けても電飾看板が眩しいだけで何の楽しみも無く、テレビもないこの部屋で出来ることなんてお話をすることくらいなのだ。
せっかくなのでこの世界の事を色々と教えて貰おうと思ってアスモちゃんにお願いしたところ、快諾してくれたので俺はアスモちゃんの話でこの世界の事を学ぶことにした。
「“まーくん”が一番気になっているのは私たちメイドの事だと思うんだけど、メイドには二種類あって非戦闘員と戦闘員に分かれているんだ。オレはその中でも魔剣王と呼ばれる戦闘員で、そんな人間なんで“まーくん”の護衛に選ばれたってわけさ」
「ちょっと待ってもらっていいかな。色々と突っ込みたいことがあるんだけど、俺が一番気になっているのはメイドの事ではなくイザーちゃんの事なんだけど。それに、アスモちゃんが強いってのはさっきの大男を見て分かったよ。でもさ、魔剣王って言うわりにはアスモちゃんは剣なんか持ってないじゃない。剣を持たない魔剣王ってどういう事なの?」
「それにはいろいろと深いわけがあるんだよ。オレだって自由に剣を持って戦いたいんだけどさ、剣を持つと手加減出来なくなっちゃうんだよ。それこそ、剣を持ってるオレは“まーくん”のことだって殺しちゃうかもしれないんだぜ」
「殺されるのは勘弁してほしいけど、魔剣王ってなんかカッコいいよね。男の憧れだよ」
「だよな。男だったらいつの時代でも剣を振り回して最強になりたいよな」
アスモちゃんは自分の事を男だと自認しているのだけれど、どう見ても可愛らしい女の子なんだよな。俺から見ても年の離れた妹くらいに感じるし、それがどうして自分を男だと思い込むようになったのだろう。
お城であった人達もみんなアスモちゃんのことを男だと思っていないようだったし、何か言えない事情でもあるというのだろうか。
それはいつか聞ける時が来たら聞いてみよう。
「“まーくん”さえよかったらオレが使ってた剣をプレゼントするけど、どうする?」
「ちょっと興味はあるけど、今はいいかな。使い方もわからないし、そんな状態で貰ったとしても持てあましちゃいそうだよ」
「意外と似合いそうだけどね。まあ、その気になったらいつでも言ってよ。誰かに頼んで持ってこさせるからさ」
正直に言うと、魔剣王が使っている剣には物凄く惹かれるものがある。
アスモちゃんみたいに小さくて可愛らしい女の子が振り回しているような剣を俺に合うのかわからないけど、イザーちゃんに会うまでは我慢しないとな。その時までは俺のわがままは封印しないとな。
「アスモちゃんのことはまた今度教えて貰うとして、次はイザーちゃんのことを教えてよ。この世界でイザーちゃんはどんな感じの扱いをされているのかな?」
アスモちゃんはちょっと不満そうだったけれど、俺の気持ちを汲み取ってくれたのか渋々と言った感じで話をしてくれた。
「イザーちゃんは八姫と呼ばれる八人の召喚士の一人なんだよ。伝説の肉欲処女を呼び出すために何かしてるって話なんだけど、それが何かはオレも知らないんだよね。そもそも、伝説の肉欲処女ってのが何の役に立つのかもわからないんだけど、皇帝の話ではその肉欲処女は名も無き神の軍勢に対して最強の兵器になるって事らしいよ。オレ一人でも何とか出来ると思うんだけど、元を絶たないとあいつらは何度でも湧いてくるって話みたいでさ、それを抑えるのも伝説の肉欲処女の役目なんだってさ」
「よくわかってないんだけど、イザーちゃんは召喚士でサキュバスじゃないって事なんだよね?」
「それも良くわかんないんだよ。伝説の肉欲処女を呼び出せるのはサキュバスだけだって噂もあるし、純潔じゃないと伝説の肉欲処女を呼び出せないって話もあるんだよ。純潔とサキュバスって全く相反するものだし、このご時世に純潔を守ってるのなんて名も無き神の軍勢にしかいないよね。“まーくん”は純潔っぽいけど、イザーちゃんに会ったらそれを捧げるつもりなのかな?」
「そんな事はわからないよ。俺とイザーちゃんは色々あったわけだし、こればっかりは相手の意見も尊重しないといけないことだからね。俺一人で決めれる事じゃないでしょ」
「意外と相手の事を考えてるんだね。“まーくん”の行動を見てればそれも納得だけどさ、あんまり自分を抑えすぎない方が良いかもしれないよ。“まーくん”がイザーちゃんに会うために乗り越えないといけない試練がいくつかありそうだしね」
アスモちゃんはわかりやすいように神聖サキュバス帝国の地図を広げてくれた。
首都であるこの街からイザーちゃんがいる艮という場所までは大体釧路から札幌くらいの距離があるみたいだ。
他の八姫がいるという場所も大体同じくらいの距離があるみたいだが、そちらには特に用も無いので関係ないだろう。
首都を中心として等間隔に八姫が配置されているのは偶然ではないと思うのだが、この配置だと八姫が首都を守るために置かれているように見える。
「“まーくん”も気付いたみたいだけど、この街を中心に八方向に配置されているのが八姫なんだよ。どうしてその場所なのかはきっと意味があるんだろうけど、オレはそんな細かいことは気にしなかったからわからないんだ。“まーくん”が文字を読めるようになったら、本屋さんで八姫簡単ガイドでも買って読むといいよ。八姫の歴史と役割がそれには書かれていると思うからね」
「歴史って、そんなに長い歴史があるとは思えないんだけど。イザーちゃんって俺と同い年のはずだし」
「それはどうだろうね。今のイザーちゃんの肉体が“まーくん”と同い年なのかもしれないけど、何度も生まれ変わってるから中身は成熟した大人なのかもしれないよ」
せっかくなのでこの世界の事を色々と教えて貰おうと思ってアスモちゃんにお願いしたところ、快諾してくれたので俺はアスモちゃんの話でこの世界の事を学ぶことにした。
「“まーくん”が一番気になっているのは私たちメイドの事だと思うんだけど、メイドには二種類あって非戦闘員と戦闘員に分かれているんだ。オレはその中でも魔剣王と呼ばれる戦闘員で、そんな人間なんで“まーくん”の護衛に選ばれたってわけさ」
「ちょっと待ってもらっていいかな。色々と突っ込みたいことがあるんだけど、俺が一番気になっているのはメイドの事ではなくイザーちゃんの事なんだけど。それに、アスモちゃんが強いってのはさっきの大男を見て分かったよ。でもさ、魔剣王って言うわりにはアスモちゃんは剣なんか持ってないじゃない。剣を持たない魔剣王ってどういう事なの?」
「それにはいろいろと深いわけがあるんだよ。オレだって自由に剣を持って戦いたいんだけどさ、剣を持つと手加減出来なくなっちゃうんだよ。それこそ、剣を持ってるオレは“まーくん”のことだって殺しちゃうかもしれないんだぜ」
「殺されるのは勘弁してほしいけど、魔剣王ってなんかカッコいいよね。男の憧れだよ」
「だよな。男だったらいつの時代でも剣を振り回して最強になりたいよな」
アスモちゃんは自分の事を男だと自認しているのだけれど、どう見ても可愛らしい女の子なんだよな。俺から見ても年の離れた妹くらいに感じるし、それがどうして自分を男だと思い込むようになったのだろう。
お城であった人達もみんなアスモちゃんのことを男だと思っていないようだったし、何か言えない事情でもあるというのだろうか。
それはいつか聞ける時が来たら聞いてみよう。
「“まーくん”さえよかったらオレが使ってた剣をプレゼントするけど、どうする?」
「ちょっと興味はあるけど、今はいいかな。使い方もわからないし、そんな状態で貰ったとしても持てあましちゃいそうだよ」
「意外と似合いそうだけどね。まあ、その気になったらいつでも言ってよ。誰かに頼んで持ってこさせるからさ」
正直に言うと、魔剣王が使っている剣には物凄く惹かれるものがある。
アスモちゃんみたいに小さくて可愛らしい女の子が振り回しているような剣を俺に合うのかわからないけど、イザーちゃんに会うまでは我慢しないとな。その時までは俺のわがままは封印しないとな。
「アスモちゃんのことはまた今度教えて貰うとして、次はイザーちゃんのことを教えてよ。この世界でイザーちゃんはどんな感じの扱いをされているのかな?」
アスモちゃんはちょっと不満そうだったけれど、俺の気持ちを汲み取ってくれたのか渋々と言った感じで話をしてくれた。
「イザーちゃんは八姫と呼ばれる八人の召喚士の一人なんだよ。伝説の肉欲処女を呼び出すために何かしてるって話なんだけど、それが何かはオレも知らないんだよね。そもそも、伝説の肉欲処女ってのが何の役に立つのかもわからないんだけど、皇帝の話ではその肉欲処女は名も無き神の軍勢に対して最強の兵器になるって事らしいよ。オレ一人でも何とか出来ると思うんだけど、元を絶たないとあいつらは何度でも湧いてくるって話みたいでさ、それを抑えるのも伝説の肉欲処女の役目なんだってさ」
「よくわかってないんだけど、イザーちゃんは召喚士でサキュバスじゃないって事なんだよね?」
「それも良くわかんないんだよ。伝説の肉欲処女を呼び出せるのはサキュバスだけだって噂もあるし、純潔じゃないと伝説の肉欲処女を呼び出せないって話もあるんだよ。純潔とサキュバスって全く相反するものだし、このご時世に純潔を守ってるのなんて名も無き神の軍勢にしかいないよね。“まーくん”は純潔っぽいけど、イザーちゃんに会ったらそれを捧げるつもりなのかな?」
「そんな事はわからないよ。俺とイザーちゃんは色々あったわけだし、こればっかりは相手の意見も尊重しないといけないことだからね。俺一人で決めれる事じゃないでしょ」
「意外と相手の事を考えてるんだね。“まーくん”の行動を見てればそれも納得だけどさ、あんまり自分を抑えすぎない方が良いかもしれないよ。“まーくん”がイザーちゃんに会うために乗り越えないといけない試練がいくつかありそうだしね」
アスモちゃんはわかりやすいように神聖サキュバス帝国の地図を広げてくれた。
首都であるこの街からイザーちゃんがいる艮という場所までは大体釧路から札幌くらいの距離があるみたいだ。
他の八姫がいるという場所も大体同じくらいの距離があるみたいだが、そちらには特に用も無いので関係ないだろう。
首都を中心として等間隔に八姫が配置されているのは偶然ではないと思うのだが、この配置だと八姫が首都を守るために置かれているように見える。
「“まーくん”も気付いたみたいだけど、この街を中心に八方向に配置されているのが八姫なんだよ。どうしてその場所なのかはきっと意味があるんだろうけど、オレはそんな細かいことは気にしなかったからわからないんだ。“まーくん”が文字を読めるようになったら、本屋さんで八姫簡単ガイドでも買って読むといいよ。八姫の歴史と役割がそれには書かれていると思うからね」
「歴史って、そんなに長い歴史があるとは思えないんだけど。イザーちゃんって俺と同い年のはずだし」
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