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淫欲八姫
第46話 自爆攻撃は特別なものだよ。
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珠希ちゃんとの会話、というよりも一方的に話を聞くだけであったが、俺の知らないことを色々と知ることが出来て楽しい時間であった。アスモちゃんは町の修復作業に手を貸していたのでアスモちゃんのことも聞いてみようと思ったのだけれど、珠希ちゃんはアスモちゃんのことをあまり知らないらしい。聖魔剣王で超魔導士でメイドでもあるアスモちゃんは有名人なのだが、他の人が知っているような事しか知らないという関係性であるとのことだ。
「“まーくん”の力を使って名も無き神を滅ぼす計画があったのは知っているんだけど、ボクたちはその計画には反対なんだよね。だって、一人の命を犠牲にしないと救えない世界って、良くないよね。それも、自分たちとは違う世界から連れてきたってのも良くないと思うんだ。せめて、犠牲になるんだったら自分たちの中から選ぶ必要があったと思うんだけど、それをしないで他から連れてくるって、ちょっとおかしな話だと思うんだよ。ボクだけじゃなく他のみんなも同じ考えの人が多いんだけど、誰もイザーちゃんを止めることは出来なかったんだ」
「つまり、名も無き神を倒す自爆攻撃を行うことが出来る俺をイザーちゃんがこの世界に連れてきたのはみんなのためだけど、みんなはソレに納得していないって事?」
「うーん、ちょっと違うんだけど、概ねそんな感じだね。一つ訂正しないといけないことがあるんだけど、“まーくん”の自爆攻撃はボクたちには出来ないことであるのは間違いないんだけど、自爆攻撃は“まーくん”特有の攻撃手段ではないって事なんだよ。ぶっちゃけて言うと、他の世界から連れてきた人の中には“まーくん”と同じように自爆攻撃をおこなえる人がたくさんいるんだ」
「俺以外にも自爆攻撃が出来るって、イザーちゃんが連れてくるのは俺じゃなくても良かったって事なの?」
「そう言う事になるね。どちらかと言えば、イザーちゃんとしては“まーくん”じゃない方が良かったんじゃないかな。大切な人を失う悲しみを自ら味わいたいなんて思う人はいないし」
この世界に来るのが俺じゃなくても良かったというのはまあまあショックな言葉だった。
クリーキーが使った俺の技の威力を目の当たりにした時、俺にもこんな力があるのなら世界の役に立てるかもしれないと感じたのだ。それと同時に、自分の命をかけた攻撃がここまで広い範囲に影響を与えてしまうという事に恐怖感も覚えたのだが。
そんな攻撃が俺だけの特別なものではなく、多くの人が手に入れることが出来る可能性があるという事にも衝撃を受けたのだ。
「自爆攻撃は特別なものだよ。たった一度しか使えないとんでもない威力の攻撃手段なんだ。どうして“まーくん”が一度しか使えない特別な攻撃手段を手に入れることが出来たかというと、この世界にやって来る時に手に入れる攻撃手段として相応しいものが選ばれるって話なんだよ。例えば、“まーくん”が何か武道を習得していたとしたらそれが強化されるし、日頃から人を殺める訓練をしてたとしたらそれが強化されることになるんだよ。でも、ボクが知っている限りでは“まーくん”の生きている世界って争いごととはほぼ無縁な平和な世界なんでしょ?」
「格闘技とかそう言うのは流行ってたりもするけど、見るだけで自分が習おうと思った事は無いかも。他の国では戦争があったり物騒な地域もあったりするけど、俺の住んでいる場所では喧嘩とかもあまりなかったかな。俺は体育以外で運動らしい運動もしていないし、鍛えているとかも無かったけど、それがどうして自爆攻撃と繋がるの?」
珠希ちゃんは俺から視線を逸らしたのだが、その横顔は悲しげなものを見ている感じに見えた。
平和な世界に生きていた俺にはこの世界で起きている争いがいまだに信じられないのだが、俺のいた世界と似ているのに明らかに違うこの世界の状況は色々と俺に考えさせるものがある。
ごくありふれた日常の中にある非現実的な状況。夜な夜なやってこようとするサキュバスだけでも世界が違うと思わされるのだけど、何のためらいもなく命のやり取りをしていた場面も多くみられた。
人の命がそこまで重くないと思えるからこそ、自爆攻撃が普通に存在するのかもしれない。
「どの世界でもそうだと思うんだけど、強くなるためには相当な努力をしないといけないんだよ。アスモちゃんは生まれ持った才能ととんでもない性能が秘められているから話は変わってくるんだけど、それ以外の普通の人は強くなるために体を鍛えて修練を重ねていくんだよ。それは“まーくん”もわかってくれると思うけど、それをおこなわなくても強くなる方法があるんだよ。それが、他の世界の人をこの世界に連れてくるって事なのさ」
「ソレって、俺じゃなくて格闘技のチャンピオンとか武道の達人とかを連れてくれば良いってことになるんじゃないの?」
「そう言う事になるんだけど、そうも簡単に話は進まないんだよ。連れてくるための条件があってね、それを満たすのは案外難しい事なんだよ」
「難しいって、どんな条件なの?」
「それはね。お互いに好きにならないといけないって事。つまり、両思いになることが絶対条件なんだよ。自分が好きになって、相手も好きになってくれた人しか連れてくることが出来ない。そういう事になるんだ」
つまり、俺がこの世界に来ていると言事はイザーちゃんが俺の事を好きだという証拠なのか。
それが聞けただけで、ここに来た意味があるというものだ。
世界がどうとか関係なく、俺は嬉しい気持ちになってしまった。
「“まーくん”の力を使って名も無き神を滅ぼす計画があったのは知っているんだけど、ボクたちはその計画には反対なんだよね。だって、一人の命を犠牲にしないと救えない世界って、良くないよね。それも、自分たちとは違う世界から連れてきたってのも良くないと思うんだ。せめて、犠牲になるんだったら自分たちの中から選ぶ必要があったと思うんだけど、それをしないで他から連れてくるって、ちょっとおかしな話だと思うんだよ。ボクだけじゃなく他のみんなも同じ考えの人が多いんだけど、誰もイザーちゃんを止めることは出来なかったんだ」
「つまり、名も無き神を倒す自爆攻撃を行うことが出来る俺をイザーちゃんがこの世界に連れてきたのはみんなのためだけど、みんなはソレに納得していないって事?」
「うーん、ちょっと違うんだけど、概ねそんな感じだね。一つ訂正しないといけないことがあるんだけど、“まーくん”の自爆攻撃はボクたちには出来ないことであるのは間違いないんだけど、自爆攻撃は“まーくん”特有の攻撃手段ではないって事なんだよ。ぶっちゃけて言うと、他の世界から連れてきた人の中には“まーくん”と同じように自爆攻撃をおこなえる人がたくさんいるんだ」
「俺以外にも自爆攻撃が出来るって、イザーちゃんが連れてくるのは俺じゃなくても良かったって事なの?」
「そう言う事になるね。どちらかと言えば、イザーちゃんとしては“まーくん”じゃない方が良かったんじゃないかな。大切な人を失う悲しみを自ら味わいたいなんて思う人はいないし」
この世界に来るのが俺じゃなくても良かったというのはまあまあショックな言葉だった。
クリーキーが使った俺の技の威力を目の当たりにした時、俺にもこんな力があるのなら世界の役に立てるかもしれないと感じたのだ。それと同時に、自分の命をかけた攻撃がここまで広い範囲に影響を与えてしまうという事に恐怖感も覚えたのだが。
そんな攻撃が俺だけの特別なものではなく、多くの人が手に入れることが出来る可能性があるという事にも衝撃を受けたのだ。
「自爆攻撃は特別なものだよ。たった一度しか使えないとんでもない威力の攻撃手段なんだ。どうして“まーくん”が一度しか使えない特別な攻撃手段を手に入れることが出来たかというと、この世界にやって来る時に手に入れる攻撃手段として相応しいものが選ばれるって話なんだよ。例えば、“まーくん”が何か武道を習得していたとしたらそれが強化されるし、日頃から人を殺める訓練をしてたとしたらそれが強化されることになるんだよ。でも、ボクが知っている限りでは“まーくん”の生きている世界って争いごととはほぼ無縁な平和な世界なんでしょ?」
「格闘技とかそう言うのは流行ってたりもするけど、見るだけで自分が習おうと思った事は無いかも。他の国では戦争があったり物騒な地域もあったりするけど、俺の住んでいる場所では喧嘩とかもあまりなかったかな。俺は体育以外で運動らしい運動もしていないし、鍛えているとかも無かったけど、それがどうして自爆攻撃と繋がるの?」
珠希ちゃんは俺から視線を逸らしたのだが、その横顔は悲しげなものを見ている感じに見えた。
平和な世界に生きていた俺にはこの世界で起きている争いがいまだに信じられないのだが、俺のいた世界と似ているのに明らかに違うこの世界の状況は色々と俺に考えさせるものがある。
ごくありふれた日常の中にある非現実的な状況。夜な夜なやってこようとするサキュバスだけでも世界が違うと思わされるのだけど、何のためらいもなく命のやり取りをしていた場面も多くみられた。
人の命がそこまで重くないと思えるからこそ、自爆攻撃が普通に存在するのかもしれない。
「どの世界でもそうだと思うんだけど、強くなるためには相当な努力をしないといけないんだよ。アスモちゃんは生まれ持った才能ととんでもない性能が秘められているから話は変わってくるんだけど、それ以外の普通の人は強くなるために体を鍛えて修練を重ねていくんだよ。それは“まーくん”もわかってくれると思うけど、それをおこなわなくても強くなる方法があるんだよ。それが、他の世界の人をこの世界に連れてくるって事なのさ」
「ソレって、俺じゃなくて格闘技のチャンピオンとか武道の達人とかを連れてくれば良いってことになるんじゃないの?」
「そう言う事になるんだけど、そうも簡単に話は進まないんだよ。連れてくるための条件があってね、それを満たすのは案外難しい事なんだよ」
「難しいって、どんな条件なの?」
「それはね。お互いに好きにならないといけないって事。つまり、両思いになることが絶対条件なんだよ。自分が好きになって、相手も好きになってくれた人しか連れてくることが出来ない。そういう事になるんだ」
つまり、俺がこの世界に来ていると言事はイザーちゃんが俺の事を好きだという証拠なのか。
それが聞けただけで、ここに来た意味があるというものだ。
世界がどうとか関係なく、俺は嬉しい気持ちになってしまった。
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