春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる

釧路太郎

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高校生編2

陽香も意外と嫉妬する

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「真弓が午後の授業を見学に来てんだんだけど、昌晃の所には伊吹ちゃんが行ってたみたいね。何かいいことでもあった?」
「良いことって、特に何もないけど」
「そうなんだ。私はてっきり伊吹ちゃんに愛の告白でもしたのかと思ってたよ」
「愛の告白って、そんなのするわけないじゃないか」
「でも、真弓は言ってたよ。真弓が二組の教室に張った時に昌晃が伊吹ちゃんの耳元で何かを言ってたんだけど、その直後に伊吹ちゃんは顔を真っ赤にして両手で顔を抑えて恥ずかしそうにしてたって。ねえ、なんて告白したの?」
「告白なんてしてないよ。伊吹ちゃんが可愛いって言ってくれって言ってきたから、それを伝えただけだよ」
「ふーん。昌晃は可愛いって言ってって言われたら誰にでも言うの?」
「そんなわけないだろ。伊吹ちゃんは面識もあるし、真弓とも仲が良いんでお願いを聞いただけだし。陽香が言って欲しいなら今だって言ってあげるけど。言って欲しいの?」
「どうだろう。昌晃に言われてもあんまり嬉しくないかもしれないけど、言ってもらったら何か感じるかもしれないよね。試しに言ってみてもらってもいいかな?」
「陽香は可愛いよ」
「なんか感情がこもってないんだよね。ちゃんと心を込めている?」
「いや、込めてなかったかも。込める必要ある?」
「それはあるでしょ。私の事をブスだと思ってるの?」
「思ってなんか無いよ。陽香はブスじゃないし。それにさ、結構人に見られているような気がするんだけど、気のせいかな?」
「気のせいじゃないと思うよ。昌晃は今学校で一番注目されてるのかもしれないしね」
「さすがにそれは無いでしょ。どう考えても僕より陽香の方が注目されてると思うよ。だって、陽香にはファンクラブまであるしね」
「そうだ。それを聞こうと思ってたんだよ。私にファンクラブがあるってなんなの?」
「僕に聞かれても困るけどさ、そういう人達が沢山いるみたいだよ。ファンクラブ自体もたくさんあるみたいなんだけど、僕はその実態を知らないから」
「本当に?」
「本当だって。たぶんだけど、その全てを把握している人なんて誰もいないんじゃないかな」
「そもそも、ファンクラブって何をするのよ。私は何も歌ったり踊ったりしないし、イベントだって開催されたりしないんだよ。それなのに、ファンクラブって何よ?」
「これは聞いた話だけど、陽香を見てるだけで満足する人たちもいるらしいよ」
「何それ、ちょっと気持ち悪くない。それよりもさ、昌晃って林田さんだけじゃなくて後輩にまで手を出して恥ずかしくないの?」
「いや、手を出してないし。そもそも、林田さんにだって手は出してないでしょ」
「まあ、昌晃が言うんだったらそうなんだろうけどさ、いっつも制服に林田さんの制服が染みついてるのはなんでだろうなと気になる水曜日」
「ちょっと、それっぽく言うのやめてもらってもいいかな。たまたまでしょ」
「たまたまって何がかな。たまたま私がお料理研究室の部室の前を通ったら鍵がかかってて、すりガラス越しにシルエットがたまたま重なってるように見えただけって事なのかな」
「たまたまそう見えただけだと思うよ。それに、公園でのことを考えれば僕は何もしてないって陽香もわかってるんじゃないかな」
「そうかもしれないけど、あんなことをするのって私と林田さんだけって事はないよね?」
「そんな風に思われても、僕は何もしていないからね。でも、陽香が思っているような事をしているとしたら、僕は二人としかしてないと思うな。家でゲームやってる時に真弓が僕の脚に座ってくることはあるけど、それは普通にゲームをやってるだけだからね」
「でも、そんな言葉を信じていいのかちょっと気になるんだよね」
「気になるって、何が?」
「何って、昌晃って結構むっつりスケベでしょ?」
「結構むっつりスケベって何?」
「だって、昌晃って結構私の胸を見てるでしょ。女の子ってそういう視線に敏感なんだよ」
「え、それは普通に見てないと思うよ。見てたとしても、それは無意識だと思う」
「いやいや、そんなに誤魔化さなくても平気だよ。見られてるのは知ってるけど、それが絶対に嫌だって事でもないんだしさ。昌晃だって年頃の男の子なんだから、多少はそういうのが気になるんだろうなって思うけど、あんまり露骨にみられるのはさ、真弓とかにも変な風に思われそうだからやめた方がいいんじゃないかなって思うんだよね」
「普通に陽香の胸は見てないと思うよ。見てたとしたら、陽香の方が真弓よりもフラットだなって思ってる時くらいかも。陽香はスレンダーな体型だからそう見えるだけなんだろうなって思ってた時もあるけど、実際は無いだけなんじゃないかなって思っていたりもしたよ。でも、そんな事は本人には言えないよね」
「あの、本人にそんな失礼なこと言ってるんですけど。あんまりひどいこと言うと叩くよ」

 僕は事実を言ったまでなのだが、それは陽香には伝わらなかった。こうなることは分かっていたのだけれど、それを抑えることは僕には出来なかったのだ。
 陽香が振り上げた右手は僕にあたることは無かったのだけれど、少しだけ悲しそうな顔をしていた陽香の顔が夕日に照らされて輝いて見えた。陽香は僕が微笑んでいるのを見て、そのままためらうことなく右手を振りぬいたのだった。
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