25 / 27
25 主人公王子の行動力
しおりを挟む
剣を引き抜きながらこちらへと走ってきた殿下は、スパッとスライムを切り倒します。その姿があまりにかっこよくて、思わず見惚れてしまいました。
いつもかっこいいですが今日は正装をしているせいか、尚更そう思ってしまいます。
けれど、どうして殿下が正装で休日の魔の森に現れたのでしょう?
疑問に思っている間にも、殿下は私の上半身を抱き起してくれました。
このようにして殿下の腕の中に納まるのは、これで三度目です。
「ミシェル、大丈夫か! 怪我はないか!?」
「はい、殿下にいただいた杖のおかげで助かりました」
ありがとうございますと微笑むと、殿下は緊張した顔を少し緩めて私を抱きしめました。
「助けるのが遅くなってごめんね。手続きに時間がかかってしまったんだ」
「手続き……ですか?」
どのような意味でしょうか。
続いて殿下が来た方角からは、シリル様となぜかジル様、それにクロード殿下までもが私たちの元にやってきて。その後ろからは、騎士団に捕らえられているアデリナ殿下と男性の姿が。
状況がよくわからなくて殿下に視線を戻すと、彼は私の手を取り指に口づけしながら微笑みました。
どうしてこの状況で、恥ずかしい目に遭わされているのですかっ。
先に説明をお願いします……。
「放しなさいっ! こんなことが許さると思っているの!?」
けれど、初めに口を開いたのはアデリナ殿下でした。
彼女は騎士団の拘束を振り払おうとしていますが、魔法の杖を折ることができた彼女でも、屈強な男性の腕から逃れることはできないようです。
「今までは、君の将来も考えて穏便に済ませてきたつもりだったが。ミシェルに直接手をかけたからには、それ相応の報いは受けてもらうよ」
ルシアン殿下がアデリナ殿下に鋭い視線を向けると、アデリナ殿下は拘束から逃れようとしていた動きを止めて、嘲笑いながら私たちを見下ろしました。
「貴方、私がルダリア王国の王女だということをお忘れなのかしら? 貴族の小娘一人を手にかけたくらいで、私をどうこうできるはずがないわ」
「確かに君の言うとおり、今朝まではそうだったが――」
ルシアン殿下はそこで言葉を切ると、私の頭を自身の胸にぴたりと寄せました。
「今のミシェルは、俺の正式な婚約者だ」
「なっ……!」
そう叫びかけたのはアデリナ殿下だったのか、それとも私だったのか。はたまた双方だったのか。
とにかくアデリナ殿下はとても驚いた表情をしていましたが、それは私も同じです。
「でっ殿下……、婚約者とは……?」
婚約する予定ではありましたが、まだ上位クラスに編入していません。そもそもこういうことは、ある日突然に告げられるものなのですか?
両家が集まって、よろしくお願いしますとかしないのですかっ。
私の困惑を笑顔で受け止めた殿下は、私の手に頬ずりしました。
「やっとこの日を迎えられて、嬉しいよ。ミシェルが成人したら、すぐにでも式を挙げようね。学生結婚でも構わないだろう?」
「あのっ……」
殿下がどんどん、先へ進んでしまいます。私を置いていかないでくださいっ。
「殿下、はしゃぎすぎですよ。ミシェル嬢が困っているではありませんか」
シリル様が呆れたように声をかけると、殿下は「ごめんね、嬉しすぎてつい」と苦笑しました。
「今日は、朝から大騒ぎだったんですから」
疲れたようにそう呟くシリル様に、ジル様がうんうんとうなずいています。
「そういえばなぜ、ジル様もいらっしゃるのですか?」
素朴な疑問を尋ねてみると、やっと殿下は説明を始めてくれました。
「ジルは俺の側近に引き入れたんだ。彼には、ドルイユ家について探りを入れてもらっていたんだけど、近頃のドルイユ伯爵は頻繁にクロードの後ろ盾と接触していたらしくてね」
殿下は中位クラスの生徒に声をかけていると言っていましたが、そのひとりがジル様だったようです。
ジル様は、嫌がらせの件で犯人の目星がついていたようですし、その能力を買われたのでしょうか。
続けてクロード殿下が口を開きました。
「ちょうど俺も、アデリナの様子がおかしいと思っていて、兄上に相談していたところだったんだ」
「クロード殿下が紹介したんじゃない! 私を裏切りますのっ!?」
まるで狂犬が鎖から逃れようとするように、騎士団の腕越しに身を乗り出したアデリナ殿下に向かって、クロード殿下はこてりと首を傾げました。
「俺は元々、兄上側の人間だけど? それに将来の伴侶に、後ろ盾や使える駒を紹介するのはごく普通のことだろう? アデリナは何か勘違いをしてしまったのかな」
「だって……、殿下は王太子になりたいと……」
「この国の王子として生まれたからには、王太子の証を取得するのは義務だと思っている。それに俺にとって王太子を目指す過程は、敬愛する兄上の足跡をたどる有意義な時間でもあるんだ」
クロード殿下は神でも崇めているようなお顔で、ルシアン殿下を見つめました。
よほどクロード殿下は、ルシアン殿下のことがお好きなようです。
「そんな……」と、意気消沈するアデリナ殿下へ、追い打ちをかけるようにクロード殿下は意地の悪い笑みを浮かべました。その表情も、ルシアン殿下とそっくりです。
「それに悪いことをする時は、俺に気づかれないようにしてくれなければ。兄上の大切なものを奪う計画に俺が加担したと思われたら、兄上に嫌われてしまうだろう?」
『守ってあげたい王子』の心は、思いのほか真っ黒でした。
これだけ兄を敬愛しているクロード殿下なのに、ルシアン殿下が王太子の座を奪われないよう努力している理由がよくわかりました。
けれど、腹黒さを隠しもしないクロード殿下に驚いているのは、私とジル様だけのようです。
シリル様は平然としたお顔で、話を元に戻しました。
「クロード殿下とジルの話から、アデリナ殿下の計画に気がついた殿下の行動は早かったですよ。今朝は、まだ眠っていた魔法学園の理事長をたたき起こして、ミシェル嬢が上位クラスに編入する条件を満たしているから編入させろと脅し。それから式典へ出席するため、すでに現地に到着されていた国王陛下を拉致。その足でミシェル嬢のお父上の職場へ押しかけて、婚約の契約書にサインさせたんです」
さすがに冗談だと思いながらルシアン殿下に視線を向けましたが、彼は肯定するようににこりと微笑みました。
どうやら私ひとりのために、皆様に多大なご迷惑をおかけしてしまったようです。
殿下も正装をしているということは、公務の予定があったのでは……。
「あっ、式典の挨拶は俺がしておいたのでご心配なく」
私の心配を察したかのように、クロード殿下はそう付け足しました。
「助かったよクロード、ありがとう」とルシアン殿下に感謝されて、クロード殿下はわんこのようなお顔で喜んでおります。
「そこまで、していただかなくても……」
国王陛下まで巻き込んでしまったなんて、申し訳なさすぎます。
するとルシアン殿下は、真剣な眼差しで私を見つめました。
「何度もミシェルを、危険な目には遭わせられないから。アデリナを罰するには、こうするしかなかったんだ。強引すぎて嫌いになった……?」
心配そうに私の顔を覗き込む殿下に向かって、私は首を横に振りました。
「そうではありません……。皆様にご迷惑をおかけしてしまったのが申し訳なくて……。けれど、殿下のお気持ちは嬉しいです。それに婚約も……、驚きましたが嬉しいです」
唐突過ぎましたが、婚約をするために今まで二人でレベル上げを頑張ってきたのですよ。嬉しいに決まっています。
殿下に向けて微笑んで見せると、彼は感極まっているご様子で私をきつく抱きしめました。
「愛しているよ、ミシェル」と耳元で囁かれ。
顔が一気に熱くなるのを感じましたが、この熱さも、抱きしめられる苦しさも、婚約できたことの証のように思えてしまいました。
「なんておめでたい二人なのかしら。いくら彼女を正式な婚約者にしたからって、ルダリア王国の王女である私を、そう簡単に罰せられると思っているの?」
勝ち誇ったような口調のアデリナ殿下に反応して、ルシアン殿下は私を抱きしめる腕を緩めると、爽やかな微笑みを彼女に向けました。
「王族である俺の婚約者に対する殺人未遂だ。俺がこの場で君を切り捨てたところで、国内的には何も問題はない。国際問題には発展するだろうが、ルダリア王国が我が国の資源に依存していることは君も知っているだろう?元々嫁いでいなくなる予定の王女と、国を支える資源。君の父親ならどちらを優先するかな?」
娘の結婚より宝石取引を優先した国王ですから、答えは予想ができてしまいます。
アデリナ殿下もそれを察したのか、青ざめた表情で下を向いてしまいました。
その様子を見て取った殿下は、もう話すことはないというような雰囲気で、騎士団に命令をしてアデリナ殿下を連行させました。
アデリナ殿下が去ったことにホッとしていると、入れ替わるようにセルジュ様がこちらへやってきたのですが。
彼が引きずっているのは、久しぶりに見る人物でした。
なぜ彼が、セルジュ様に引きずられているのでしょうか。
いつもかっこいいですが今日は正装をしているせいか、尚更そう思ってしまいます。
けれど、どうして殿下が正装で休日の魔の森に現れたのでしょう?
疑問に思っている間にも、殿下は私の上半身を抱き起してくれました。
このようにして殿下の腕の中に納まるのは、これで三度目です。
「ミシェル、大丈夫か! 怪我はないか!?」
「はい、殿下にいただいた杖のおかげで助かりました」
ありがとうございますと微笑むと、殿下は緊張した顔を少し緩めて私を抱きしめました。
「助けるのが遅くなってごめんね。手続きに時間がかかってしまったんだ」
「手続き……ですか?」
どのような意味でしょうか。
続いて殿下が来た方角からは、シリル様となぜかジル様、それにクロード殿下までもが私たちの元にやってきて。その後ろからは、騎士団に捕らえられているアデリナ殿下と男性の姿が。
状況がよくわからなくて殿下に視線を戻すと、彼は私の手を取り指に口づけしながら微笑みました。
どうしてこの状況で、恥ずかしい目に遭わされているのですかっ。
先に説明をお願いします……。
「放しなさいっ! こんなことが許さると思っているの!?」
けれど、初めに口を開いたのはアデリナ殿下でした。
彼女は騎士団の拘束を振り払おうとしていますが、魔法の杖を折ることができた彼女でも、屈強な男性の腕から逃れることはできないようです。
「今までは、君の将来も考えて穏便に済ませてきたつもりだったが。ミシェルに直接手をかけたからには、それ相応の報いは受けてもらうよ」
ルシアン殿下がアデリナ殿下に鋭い視線を向けると、アデリナ殿下は拘束から逃れようとしていた動きを止めて、嘲笑いながら私たちを見下ろしました。
「貴方、私がルダリア王国の王女だということをお忘れなのかしら? 貴族の小娘一人を手にかけたくらいで、私をどうこうできるはずがないわ」
「確かに君の言うとおり、今朝まではそうだったが――」
ルシアン殿下はそこで言葉を切ると、私の頭を自身の胸にぴたりと寄せました。
「今のミシェルは、俺の正式な婚約者だ」
「なっ……!」
そう叫びかけたのはアデリナ殿下だったのか、それとも私だったのか。はたまた双方だったのか。
とにかくアデリナ殿下はとても驚いた表情をしていましたが、それは私も同じです。
「でっ殿下……、婚約者とは……?」
婚約する予定ではありましたが、まだ上位クラスに編入していません。そもそもこういうことは、ある日突然に告げられるものなのですか?
両家が集まって、よろしくお願いしますとかしないのですかっ。
私の困惑を笑顔で受け止めた殿下は、私の手に頬ずりしました。
「やっとこの日を迎えられて、嬉しいよ。ミシェルが成人したら、すぐにでも式を挙げようね。学生結婚でも構わないだろう?」
「あのっ……」
殿下がどんどん、先へ進んでしまいます。私を置いていかないでくださいっ。
「殿下、はしゃぎすぎですよ。ミシェル嬢が困っているではありませんか」
シリル様が呆れたように声をかけると、殿下は「ごめんね、嬉しすぎてつい」と苦笑しました。
「今日は、朝から大騒ぎだったんですから」
疲れたようにそう呟くシリル様に、ジル様がうんうんとうなずいています。
「そういえばなぜ、ジル様もいらっしゃるのですか?」
素朴な疑問を尋ねてみると、やっと殿下は説明を始めてくれました。
「ジルは俺の側近に引き入れたんだ。彼には、ドルイユ家について探りを入れてもらっていたんだけど、近頃のドルイユ伯爵は頻繁にクロードの後ろ盾と接触していたらしくてね」
殿下は中位クラスの生徒に声をかけていると言っていましたが、そのひとりがジル様だったようです。
ジル様は、嫌がらせの件で犯人の目星がついていたようですし、その能力を買われたのでしょうか。
続けてクロード殿下が口を開きました。
「ちょうど俺も、アデリナの様子がおかしいと思っていて、兄上に相談していたところだったんだ」
「クロード殿下が紹介したんじゃない! 私を裏切りますのっ!?」
まるで狂犬が鎖から逃れようとするように、騎士団の腕越しに身を乗り出したアデリナ殿下に向かって、クロード殿下はこてりと首を傾げました。
「俺は元々、兄上側の人間だけど? それに将来の伴侶に、後ろ盾や使える駒を紹介するのはごく普通のことだろう? アデリナは何か勘違いをしてしまったのかな」
「だって……、殿下は王太子になりたいと……」
「この国の王子として生まれたからには、王太子の証を取得するのは義務だと思っている。それに俺にとって王太子を目指す過程は、敬愛する兄上の足跡をたどる有意義な時間でもあるんだ」
クロード殿下は神でも崇めているようなお顔で、ルシアン殿下を見つめました。
よほどクロード殿下は、ルシアン殿下のことがお好きなようです。
「そんな……」と、意気消沈するアデリナ殿下へ、追い打ちをかけるようにクロード殿下は意地の悪い笑みを浮かべました。その表情も、ルシアン殿下とそっくりです。
「それに悪いことをする時は、俺に気づかれないようにしてくれなければ。兄上の大切なものを奪う計画に俺が加担したと思われたら、兄上に嫌われてしまうだろう?」
『守ってあげたい王子』の心は、思いのほか真っ黒でした。
これだけ兄を敬愛しているクロード殿下なのに、ルシアン殿下が王太子の座を奪われないよう努力している理由がよくわかりました。
けれど、腹黒さを隠しもしないクロード殿下に驚いているのは、私とジル様だけのようです。
シリル様は平然としたお顔で、話を元に戻しました。
「クロード殿下とジルの話から、アデリナ殿下の計画に気がついた殿下の行動は早かったですよ。今朝は、まだ眠っていた魔法学園の理事長をたたき起こして、ミシェル嬢が上位クラスに編入する条件を満たしているから編入させろと脅し。それから式典へ出席するため、すでに現地に到着されていた国王陛下を拉致。その足でミシェル嬢のお父上の職場へ押しかけて、婚約の契約書にサインさせたんです」
さすがに冗談だと思いながらルシアン殿下に視線を向けましたが、彼は肯定するようににこりと微笑みました。
どうやら私ひとりのために、皆様に多大なご迷惑をおかけしてしまったようです。
殿下も正装をしているということは、公務の予定があったのでは……。
「あっ、式典の挨拶は俺がしておいたのでご心配なく」
私の心配を察したかのように、クロード殿下はそう付け足しました。
「助かったよクロード、ありがとう」とルシアン殿下に感謝されて、クロード殿下はわんこのようなお顔で喜んでおります。
「そこまで、していただかなくても……」
国王陛下まで巻き込んでしまったなんて、申し訳なさすぎます。
するとルシアン殿下は、真剣な眼差しで私を見つめました。
「何度もミシェルを、危険な目には遭わせられないから。アデリナを罰するには、こうするしかなかったんだ。強引すぎて嫌いになった……?」
心配そうに私の顔を覗き込む殿下に向かって、私は首を横に振りました。
「そうではありません……。皆様にご迷惑をおかけしてしまったのが申し訳なくて……。けれど、殿下のお気持ちは嬉しいです。それに婚約も……、驚きましたが嬉しいです」
唐突過ぎましたが、婚約をするために今まで二人でレベル上げを頑張ってきたのですよ。嬉しいに決まっています。
殿下に向けて微笑んで見せると、彼は感極まっているご様子で私をきつく抱きしめました。
「愛しているよ、ミシェル」と耳元で囁かれ。
顔が一気に熱くなるのを感じましたが、この熱さも、抱きしめられる苦しさも、婚約できたことの証のように思えてしまいました。
「なんておめでたい二人なのかしら。いくら彼女を正式な婚約者にしたからって、ルダリア王国の王女である私を、そう簡単に罰せられると思っているの?」
勝ち誇ったような口調のアデリナ殿下に反応して、ルシアン殿下は私を抱きしめる腕を緩めると、爽やかな微笑みを彼女に向けました。
「王族である俺の婚約者に対する殺人未遂だ。俺がこの場で君を切り捨てたところで、国内的には何も問題はない。国際問題には発展するだろうが、ルダリア王国が我が国の資源に依存していることは君も知っているだろう?元々嫁いでいなくなる予定の王女と、国を支える資源。君の父親ならどちらを優先するかな?」
娘の結婚より宝石取引を優先した国王ですから、答えは予想ができてしまいます。
アデリナ殿下もそれを察したのか、青ざめた表情で下を向いてしまいました。
その様子を見て取った殿下は、もう話すことはないというような雰囲気で、騎士団に命令をしてアデリナ殿下を連行させました。
アデリナ殿下が去ったことにホッとしていると、入れ替わるようにセルジュ様がこちらへやってきたのですが。
彼が引きずっているのは、久しぶりに見る人物でした。
なぜ彼が、セルジュ様に引きずられているのでしょうか。
41
あなたにおすすめの小説
『働いたら負けだと思ったので、何もしなかったら勝手に勝ちました』
ふわふわ
恋愛
王太子から一方的に婚約を破棄された公爵令嬢、
ファワーリス・シグナス。
理由は単純。
「何もしようとしない女だから」。
……だが彼女は、反論もしなければ、復讐もしない。
泣き叫ぶことも、見返そうと努力することもなく、
ただ静かに言う。
――「何をする必要が?」
彼女は何もしない。
問題が起きれば専門家が対処すべきであり、
素人が善意で口出しする方が、かえって傷口を広げると知っているから。
婚約破棄の後、
周囲は勝手に騒ぎ、勝手に動き、勝手に自滅し、
勝手に問題を解決していく。
彼女がしたことは、
・責任を引き受けない
・期待に応えない
・象徴にならない
・巻き込まれない
――ただそれだけ。
それでも世界は、
彼女を基準にし、
彼女を利用しようとし、
最後には「選ぼう」とする。
だがファワーリスは、
そのすべてを静かに拒み続ける。
働いたら負け。
何もしないのが勝ち。
何も背負わず、何も奪わず、何も失わない。
「何もしない」という選択を貫いた令嬢が手にしたのは、
誰にも邪魔されない、完全な自由だった。
これは、
戦わず、争わず、努力もせず、
それでも最後に“勝ってしまった”
一人の令嬢の、静かなざまぁ物語。
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
これって私の断罪じゃなくて公開プロポーズですか!?
桃瀬ももな
恋愛
「カタリーナ・フォン・シュバルツ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」
卒業パーティーの最中、第一王子アルフォンスから非情な宣告を突きつけられた公爵令嬢カタリーナ。
生まれつきの鋭い目つきと、緊張すると顔が強張る不器用さゆえに「悪役令嬢」として孤立していた彼女は、ついに訪れた「お決まりの断罪劇」に絶望……するかと思いきや。
(……あれ? 殿下、いま小さく「よっしゃあ!」ってガッツポーズしませんでした!?)
P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ
汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。
※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。
離婚寸前で人生をやり直したら、冷徹だったはずの夫が私を溺愛し始めています
腐ったバナナ
恋愛
侯爵夫人セシルは、冷徹な夫アークライトとの愛のない契約結婚に疲れ果て、離婚を決意した矢先に孤独な死を迎えた。
「もしやり直せるなら、二度と愛のない人生は選ばない」
そう願って目覚めると、そこは結婚直前の18歳の自分だった!
今世こそ平穏な人生を歩もうとするセシルだったが、なぜか夫の「感情の色」が見えるようになった。
冷徹だと思っていた夫の無表情の下に、深い孤独と不器用で一途な愛が隠されていたことを知る。
彼の愛をすべて誤解していたと気づいたセシルは、今度こそ彼の愛を掴むと決意。積極的に寄り添い、感情をぶつけると――
偽聖女と追放された私は、辺境で定食屋をはじめます~こっそり生活魔法で味付けしていたら、氷の騎士団長様が毎日通ってくるんですけど!?~
咲月ねむと
恋愛
【アルファポリス女性向けHOTランキング1位達成作品!!】
あらすじ
「役立たずの偽聖女め、この国から出て行け!」
聖女として召喚されたものの、地味な【生活魔法】しか使えず「ハズレ」の烙印を押されたエリーナ。
彼女は婚約者である王太子に婚約破棄され、真の聖女と呼ばれる義妹の陰謀によって国外追放されてしまう。
しかし、エリーナはめげなかった。
実は彼女の【生活魔法】は、一瞬で廃墟を新築に変え、どんな食材も極上の味に変えるチートスキルだったのだ!
北の辺境の地へ辿り着いたエリーナは、念願だった自分の定食屋『陽だまり亭』をオープンする。
すると、そこへ「氷の騎士団長」と恐れられる冷徹な美形騎士・クラウスがやってきて――。
「……味がする。お前の料理だけが、俺の呪いを解いてくれるんだ」
とある呪いで味覚を失っていた彼は、エリーナの料理にだけ味を感じると判明。
以来、彼は毎日のように店に通い詰め、高額な代金を置いていったり、邪魔する敵を排除したりと、エリーナを過保護なまでに溺愛し始める。
最強の騎士団長と騎士たちに胃袋を掴んで守られながら、エリーナは辺境で幸せなスローライフを満喫中?
もう、あなたには何も感じません
たくわん
恋愛
没落貴族令嬢クラリッサは、幼馴染の侯爵子息ロベルトから婚約破棄を告げられた。理由は「家が落ちぶれた」から。社交界で嘲笑され、屈辱に打ちひしがれる彼女だったが――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる