【完結済み】私達はあなたを決して許しません

asami

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 私の目の前が真っ白になった。優雅な舞踏会の最中、煌びやかなシャンデリアの光が、信じがたい言葉を発した王太子セバスチャンの姿を照らしている。その瞬間、私、アレクサンドラの心は、文字通り、冷たい氷のように凍りついた。



「申し訳ないが、アレクサンドラ。婚約は破棄させていただく」



彼の口から発せられたその言葉は、私の心臓を無情に締め付けた。周囲の音が遠くなり、目の前のすべてが霞んでいく。私の心は、婚約を通じて築いてきた夢や希望が、一瞬で崩れ去る様子をじっと見つめていた。



「どうして…どうしてそんなことを?」私の声は震え、涙が頬を流れた。だが、セバスチャンは冷たく俯き、私の目を見ようとはしなかった。



「他に好きな人ができたのだ。アリアナという女性だ」



その名前を聞いた瞬間、心の奥底で何かが切れる音がした。アリアナ。彼女は私の親友で、いつも明るく愛らしい笑顔を振りまいていた。しかし、今はその笑顔が裏切りの象徴に変わってしまった。どうして彼女が、私の王子を奪うことができたのか、理解ができなかった。



「あなたは私を裏切ったのですね、セバスチャン。私たちの約束はどうなるのですか?」私は涙をこらえ、彼を見据えた。



「約束は…もう意味を持たない。私の気持ちは変わってしまったのだ」彼の声は響き、その言葉は私の心に深い傷を残した。



舞踏会の喧騒が遠くなる中、私は自分の存在意義を問うように、ただ立ち尽くしていた。すべてを失った無力な令嬢。私の心に渦巻くのは、悲しみではなく、怒りだった。彼を許さないと決めた瞬間、私は新たな力を感じた。



***



翌日、私は決意した。セバスチャンとアリアナを見返すために、私は自分自身を変えることにした。憧れの王太子にふさわしい、力強い女性になるために。



数か月後、私は彼らの目に留まるような姿に変わっていた。自分自身を磨くため、社交界での振る舞いや、知識を深めることに全力を注いだ。周囲からの視線が変わり、私の頑張りが少しずつ実を結んでいった。



ある日、舞踏会での再会。セバスチャンは、私を見て驚いたように目を見張った。彼の隣にはアリアナがいたが、私の中の怒りは彼女に向けられることはなかった。彼女もまた、私が変わったことに驚いているようだった。



「アレクサンドラ、すごく美しい…」セバスチャンがつぶやく。



「私の姿が、あなたに何を思い出させるのかしら」と、私は微笑み返す。



私の心の中では、復讐や怒りだけではなく、新たな私の姿を確立したことへの誇りが芽生えていた。



***



「アレクサンドラ、もう一度やり直してみないか?」セバスチャンが思い切って告白した。



私はその言葉に、心が揺れ動いた。だが、その時、私の心の奥底には、彼を許すことはできないという強い決意があった。王太子としての責任を果たすべき彼が、私を裏切ったのだ。私は彼に、もう二度と傷つくことはないと誓った。



「セバスチャン、あなたには別の道を歩むべきだと思う。私はもう、私自身を大切にすることを選びました」



彼の驚いた顔が、私にはどこか心地よかった。自分を取り戻した今、私の心には新しい愛が芽生えてきていた。それは、王太子の承認や愛ではなく、自分自身を愛することだった。



***



私の決意は固まった。過去の痛みを背負いながらも、私は新たな人生を歩み始めた。セバスチャンとアリアナは、私の人生の一部であり続けるだろうが、私の心の中には、もう彼らへの執着はなかった。



新しい道を歩む中で、私は真の愛を見つける旅に出た。自分自身を愛し、新しい出会いや経験を通じて、私は自らの未来を切り開いていくのだった。王太子に許しを与えることはなくとも、私の人生は、確実に美しいものになっていくのだと確信した。
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