【完結済み】私達はあなたを決して許しません

asami

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 「わたしは、もう終わったのだろうか。」



薄暗い部屋の中、私は自分の心の中で何度もその言葉を繰り返していた。婚約者である皇太子に、突然の婚約破棄を告げられた日から、私の人生は一変した。彼の言葉は、まるで冷たい刃物のように私の心を貫いた。「お前には妹がいる。彼女の方がふさわしい。」その言葉が、私の存在を否定するかのように響いた。



私の妹、エリナ。彼女は美しい金髪を持ち、誰もが認める魅力を兼ね備えた少女だ。私はいつも彼女の影に隠れていた。両親からの愛情も、いつしか彼女に向けられてしまった。私の心は嫉妬と悲しみに満ち溢れ、妹に対する憎悪が芽生え始めた。彼女が幸せになればなるほど、私の心は暗闇へと沈んでいった。







数日後、私は古びた書庫で一冊の本を見つけた。それは魔女の呪文や儀式が記された不気味なもので、ページをめくるごとに薄暗い気配が漂ってくるようだった。しかし、その中に一つの復讐の儀式が記されていた。私は、自分の心の中の暗い感情を掻き立てられ、決意を固めた。



「私はもう、優しい姉ではいられない。」



その夜、月明かりの下で、私は呪文を唱え始めた。儀式の途中、異常な寒気が背筋を走った。まるで何かが私を見つめているかのような恐怖感。しかし、復讐の炎が私を突き動かしていた。私は妹と皇太子の幸せを奪うために、どんな代償を払っても構わなかった。







次の日から、周囲で異変が起こり始めた。宮殿の使者が次々と失踪し、皇太子の周りには不気味な噂が立ち始めた。私の呪文が効いているのか、それとも偶然なのか。心の中の闇がより深く私を飲み込み、恐怖と興奮が交錯する。



妹のエリナは、私の変化に気づいている様子だった。彼女は私を心配し、何度も尋ねてきた。しかし、その優しさすらも私にとっては苛立ちの種だった。彼女が私を心配する度に、私の心の中の復讐心が燃え上がっていく。



「あなたは何もわからないのよ、エリナ。」



その言葉は、私の口から無意識に漏れ出た。エリナは驚いた表情を浮かべ、何か言おうとしたが、私はその場を立ち去った。私の心は、もはや妹を許すことなどできなかった。







ある晩、私は再び儀式を行うことに決めた。今度はより強力な呪文を唱え、妹と皇太子を呪うことにした。月光が満ちる中、私の心は高揚感で満ちていた。復讐の果実を手に入れるための最後の準備が整ったのだ。



まるで運命が私を導くかのように、私は妹の寝室を訪れた。彼女は深い眠りに落ちていた。呪文を唱え、私の心の底からの憎悪を注ぎ込む。すると、部屋の空気が急に変わり、冷たい風が吹き抜けた。妹の顔が不気味に歪む。私は恐怖と興奮で身体が震えるのを感じた。



「これが私の復讐だ。」



呪文が終わると、妹の苦しげな声が耳に響く。「姉さん、何を…」その瞬間、彼女の顔が恐怖に満ちた表情に変わり、まるで何か悪霊に取り憑かれたかのように、体を痙攣させた。私はその光景に陶酔し、呪いの力が宿ったことに満足感を覚えた。







しかし、復讐の代償は想像以上に重かった。呪文を唱えた後、私の心に恐ろしい後悔が押し寄せた。妹を呪ったことで、私の内側に潜む暗い存在が目覚めてしまったのだ。彼女の悲鳴が私の耳に響き続け、まるで私を責めるかのように。



次第に、私の周囲でも異常が起こり始めた。夢の中に現れる黒い影、耳元で囁く不気味な声。私は恐怖のどん底に突き落とされ、自らの行為の結果に直面することになった。彼女を呪ったことで、私自身が呪いに取り憑かれてしまったのだ。



エリナが私の元に訪れる度に、私は心の中の苦しみを増加させていた。彼女の表情には、もはや私を心配する余裕はなかった。彼女は私の変化を察知し、恐怖の目で私を見つめていた。私は彼女に向かって走り寄り、抱きしめた。



「私を許して、エリナ。私にはもう、逃げ道がないの。」



その瞬間、私の心にある感情が氷のように冷たく、全身を支配していく。妹の目が恐怖で見開かれ、私を拒絶するように離れていく。彼女の表情に映るのは、かつての私が抱いていた嫉妬ではなく、恐れだった。







月が赤く染まり、恐ろしい雰囲気が宮殿全体を包み込む。私は再び儀式を行うことに決めた。しかし、今度は妹ではなく、皇太子を狙うことにした。彼が私を裏切ったことで、私の心の中の闇はより一層深まっていた。



その夜、皇太子の部屋に忍び込む。心臓が高鳴る中、私は呪文を唱え始めた。しかし、呪文を唱えるごとに、悪霊が私の身体を侵食していく感覚がした。私の意識が薄れていく中、皇太子の顔が目の前に現れた。



「お前は誰だ?」



彼の問いかけが耳に響く。私はその瞬間、全ての恐怖を忘れ、復讐に対する渇望だけを抱いていた。しかし、彼の目に宿る恐怖は、私の心を打ちのめす。彼は私に向かって手を差し伸べるが、その手は私を助けるものではなく、私を恐れるものだと感じた。



「私の心は、もう戻れない。」



その瞬間、私の身体が崩れ落ち、暗闇に飲み込まれていく。私が復讐を果たすために選んだ道は、私自身を滅ぼす道だった。全てが裏目に出て、私の心は完全に闇に包まれてしまった。







復讐の果てに迎えた私は、妹と皇太子を呪ったことで、自らも呪いに囚われ、永遠に孤独な存在となった。私の心はもはや、愛を知らない冷酷な影となり、永遠に暗闇の中でさまようことになったのだ。



「わたしは、もう終わったのだろうか。」



その言葉が、空虚な闇の中で響き続ける。私の心の奥底から湧き上がる声は、かつての自分を嘲笑うかのように、何度も何度も繰り返される。復讐という名の果実は、私に何ももたらさなかった。ただ、孤独と絶望だけが残った。
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