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22話
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アンジェロに乗り森を抜けると灯りに囲まれたファーデン家の屋敷がみえてくる。
「リッツさん……お嬢様!!」
エレナさんがこちらに駆けつけてくるとアンジェロは脚を緩め止まった。
「ティーナ、俺の手に掴まれ」
「は、はい。ありがとうございます」
アンジェロから先に降り、ティーナが降りるのを助ける。
「エレナ、心配かけ――キャッ!?」
エレナさんはそのままティーナに抱き着いた。
「お嬢様……無事でよかった……本当に…………」
「……エレナ……心配かけてごめんなさい……」
後を追うようにファーデン家のみんなと兵たちがやってくる。
「ティーナさん!! お怪我はないですか!?」
「えぇ、私は大丈夫です。それよりも皆様のほうは?」
「ティーナ嬢、そなたのおかげで屋敷の者は誰一人怪我をしていない、ありがとう」
ギルバートさんはティーナに向け深々と礼をした。
「い、いえ! 少しでも皆様の力になれたらよかったです!」
遠慮がちに対応しているティーナにメリシャさんが近づいていく。
「ティーナさん、よく聞きなさい。あなたのしたことは素晴らしいわ、でもね……私はそれを叱らなくちゃいけない」
「えっ……」
「あなたは私たちの大事な家族なのよ? 自分の身に何かあったらどうするつもりだったの」
「で、でも皆様が助かるのであれば私は――」
「馬鹿なことを言わないの! みんなあなたを心配してたのですよ!!」
メリシャさんの言葉を聞いたティーナは信じられないように目を丸くした。
「私のことを……?」
「エレナさんにご家族のことを聞いたわ。何か考えがあってそうしてたのかもしれないから私には何も言えない。だけどね、あなたはもうファーデン家の一員、家族なのよ」
家族か……師匠、元気してるかなぁ。
ユリウスが慌てて出てくるとティーナの手を握る。
「ティーナさん、あのとき僕はあなたを守れませんでした……。ですが、絶対に強くなって二度とこんな思いはさせません! だからもう一度僕の妻に、家族になってください!!」
「え、もう私はこちらに嫁いで……」
「お嬢様、ユリウス様はもう一度新たな家族として接したいと申してるのです。ご実家のこともおありでしょうが、ファーデン家の皆様と向き合ってみてはいかがですか?」
ティーナはエレナさんの言葉を聞いても顔を伏せている。
しょうがない、俺も少しフォローしようかな。
「なぁティーナ、そんなに恥ずかしがらずにさ。ほら、みんなにお転婆だってことくらいバレたっていいじゃないか。別に減るもんでもないだろ?」
「リッツさん何を急に!?」
「そうですよ、いつまでも私にばかり甘えてないで少しは自立して頂かないと。私の嫁ぎ先がなくなってしまいます」
「エ、エレナまで何を!?」
「あら、ティーナさんったら私たちにはそんな素振り見せなかったのに……お義母さん悲しい」
「メリシャ様これはその、違うんです……!」
「そうだ、私もエレナさんのようにもう少し親しみを込めて呼んでみようかしら――ティーちゃんなんてどう? うん、とても可愛いし素敵ね」
「母上だけズルいですよ! 僕は、その……いつかティーナさんを護れるくらい強くなるのでそれまでは……でもきっと、あなたが胸を張れるような夫になると誓います!」
みんながワイワイと盛り上がるとティーナは観念したように小さく笑う。
「もう皆さんったら……」
ファーデン家に改めて迎え入れられたティーナを見ていると兵がやってくる。
「リッツ様、賊たちはどちらへ?」
「あぁ、それならアンジェロがあそこに運んでくれたよ。全部で五人、ちゃんと生きてる」
指差した方向に気絶した五人がまとめて縄で縛られ、それを兵たちは確認し運んでいく。
「アンジェロもお疲れ様、お前がいなかったら大変だった」
アンジェロに声を掛けると返事はなく、苦しそうに呼吸をしている。
「お、おいどうした!?」
巨体が倒れると徐々に小さくなり前と同じ大きさへ戻っていく。
怪我はしていない、毒だってもらってないはずだ、いったい何が――。
「リッツさん! アンジェロは呪いにかかってます!」
走ってきたティーナはアンジェロを抱くと顔にあった黒いシミに手をかざした。
「呪いって……どういうことだ?」
「黙っていてごめんなさい……私は呪いを見分けることができるんです。そして私の持つスキルは――」
ティーナの手が光出すとアンジェロの体が光に包まれ、徐々に黒いシミが消えていく。
「……ワフッ?」
「アンジェロ、無事か!?」
撫でてもらえると思ったのかアンジェロはティーナの手に顔を摺り寄せる。
「い、今の光……まさか、レブラント家が言っていたのはこれだったのか」
そう呟いたギルバートさんはすぐに全員を屋敷に戻らせた。
「リッツさん……お嬢様!!」
エレナさんがこちらに駆けつけてくるとアンジェロは脚を緩め止まった。
「ティーナ、俺の手に掴まれ」
「は、はい。ありがとうございます」
アンジェロから先に降り、ティーナが降りるのを助ける。
「エレナ、心配かけ――キャッ!?」
エレナさんはそのままティーナに抱き着いた。
「お嬢様……無事でよかった……本当に…………」
「……エレナ……心配かけてごめんなさい……」
後を追うようにファーデン家のみんなと兵たちがやってくる。
「ティーナさん!! お怪我はないですか!?」
「えぇ、私は大丈夫です。それよりも皆様のほうは?」
「ティーナ嬢、そなたのおかげで屋敷の者は誰一人怪我をしていない、ありがとう」
ギルバートさんはティーナに向け深々と礼をした。
「い、いえ! 少しでも皆様の力になれたらよかったです!」
遠慮がちに対応しているティーナにメリシャさんが近づいていく。
「ティーナさん、よく聞きなさい。あなたのしたことは素晴らしいわ、でもね……私はそれを叱らなくちゃいけない」
「えっ……」
「あなたは私たちの大事な家族なのよ? 自分の身に何かあったらどうするつもりだったの」
「で、でも皆様が助かるのであれば私は――」
「馬鹿なことを言わないの! みんなあなたを心配してたのですよ!!」
メリシャさんの言葉を聞いたティーナは信じられないように目を丸くした。
「私のことを……?」
「エレナさんにご家族のことを聞いたわ。何か考えがあってそうしてたのかもしれないから私には何も言えない。だけどね、あなたはもうファーデン家の一員、家族なのよ」
家族か……師匠、元気してるかなぁ。
ユリウスが慌てて出てくるとティーナの手を握る。
「ティーナさん、あのとき僕はあなたを守れませんでした……。ですが、絶対に強くなって二度とこんな思いはさせません! だからもう一度僕の妻に、家族になってください!!」
「え、もう私はこちらに嫁いで……」
「お嬢様、ユリウス様はもう一度新たな家族として接したいと申してるのです。ご実家のこともおありでしょうが、ファーデン家の皆様と向き合ってみてはいかがですか?」
ティーナはエレナさんの言葉を聞いても顔を伏せている。
しょうがない、俺も少しフォローしようかな。
「なぁティーナ、そんなに恥ずかしがらずにさ。ほら、みんなにお転婆だってことくらいバレたっていいじゃないか。別に減るもんでもないだろ?」
「リッツさん何を急に!?」
「そうですよ、いつまでも私にばかり甘えてないで少しは自立して頂かないと。私の嫁ぎ先がなくなってしまいます」
「エ、エレナまで何を!?」
「あら、ティーナさんったら私たちにはそんな素振り見せなかったのに……お義母さん悲しい」
「メリシャ様これはその、違うんです……!」
「そうだ、私もエレナさんのようにもう少し親しみを込めて呼んでみようかしら――ティーちゃんなんてどう? うん、とても可愛いし素敵ね」
「母上だけズルいですよ! 僕は、その……いつかティーナさんを護れるくらい強くなるのでそれまでは……でもきっと、あなたが胸を張れるような夫になると誓います!」
みんながワイワイと盛り上がるとティーナは観念したように小さく笑う。
「もう皆さんったら……」
ファーデン家に改めて迎え入れられたティーナを見ていると兵がやってくる。
「リッツ様、賊たちはどちらへ?」
「あぁ、それならアンジェロがあそこに運んでくれたよ。全部で五人、ちゃんと生きてる」
指差した方向に気絶した五人がまとめて縄で縛られ、それを兵たちは確認し運んでいく。
「アンジェロもお疲れ様、お前がいなかったら大変だった」
アンジェロに声を掛けると返事はなく、苦しそうに呼吸をしている。
「お、おいどうした!?」
巨体が倒れると徐々に小さくなり前と同じ大きさへ戻っていく。
怪我はしていない、毒だってもらってないはずだ、いったい何が――。
「リッツさん! アンジェロは呪いにかかってます!」
走ってきたティーナはアンジェロを抱くと顔にあった黒いシミに手をかざした。
「呪いって……どういうことだ?」
「黙っていてごめんなさい……私は呪いを見分けることができるんです。そして私の持つスキルは――」
ティーナの手が光出すとアンジェロの体が光に包まれ、徐々に黒いシミが消えていく。
「……ワフッ?」
「アンジェロ、無事か!?」
撫でてもらえると思ったのかアンジェロはティーナの手に顔を摺り寄せる。
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そう呟いたギルバートさんはすぐに全員を屋敷に戻らせた。
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