エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬

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146話 ミレイユサイド

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 アルフレッドの隣にミレイユが腰を下ろす。

「いい弟子を持ったな」

「私の自慢よ。それより、何か言いたいことがあるんじゃないの?」

「……エリクシールを狙ってる奴らがいる」

「ッ!!」

「情報は教会の中だ。リッツの仇を討ちたいなら探せ」

「まさか……村を襲ったのはあなたじゃないの!?」

 アルフレッドは力なく笑みをつくると空を見上げる。

「気持ちがいいな」

「……あなたが護ったのよ」

「……そうか……」

「真実がわかったらリッツにも伝える。だけどあの子の手は汚させない、あなたがしてきたことを無駄にはさせないわ」

「…………」

「――同じ風は……二度吹かない」

 しばらくの間、静寂が二人を包んだ。





「待たせたわね」

「師匠、もういいんですか」

「えぇ」

 船の外でリッツたちがミレイユを迎える。

「あ、あの……ミレイユさんごめんなさい!」

「ニエちゃん、あなたのおかげでアルは立派な最期を迎えることができた。だからそんな顔しないで」

「でも……」

「ニエ、師匠もいいっていってるんだから、もういいじゃないか」

「あら、元はといえばニエちゃんから目を離したあなたリッツがいけないのよ」

「えぇっ!?」

「兄さんがいなかったらどうなっていたことやら。結局、守るべき相手に何度も助けられるようじゃ先が思いやられるんじゃないかしら?」

「リヤンまで言う!?」

「すみません、僕の力不足で……トリスタンがいれば少しは力になれたんですが……」

「あ、いや、ウムトはよくやってくれたぞ! 本当にッ!」

「みんなに心配されるようじゃまだまだ力不足ね、鍛え直してあげるわ」

「そ、そんなぁ……こうなったら……アンジェロ、お前も一緒だからな!」

「ワフッ!?」

 船に乗り込むとティーナがトリスタンと一緒にルルを看ている。

「皆さんおかえりなさい」

「ティーナ、ルルの様子はどうだ?」

「ぐっすり眠っています。トリスタンも特に反応してないので大丈夫かと」

「こうしてみると普通の女の子だな」

「何か解決策がみつかればいいんですが」

「まぁ、なんとかなるでしょ!」

 いつもの調子で喋るリッツにリヤンが溜め息をつく。

「あんたってそればっかりよね」

「いや俺だって色々と考えてだな――」

「リヤンさん、リッツさんは行き当たりばったりですぐ周りを巻き込みますが、最後はなんとかしてくれますよ」

「ティーナ、それフォローしてるの……?」

「リッツ様は考えるより行動するタイプですから!」

「そうそう、ニエの言うように考えながら・・・行動するといってほしいな」

 リッツが胸を張るとみんなはミレイユをみた。

「……もう少し頭のほうも鍛えてあげるべきだったかしら……」

「師匠っ!?」

 笑いと共に船が飛び立つとミレイユは聖域に目を向けた。
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