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第二部 死闘
第48話 死神との死闘 その2 第十一の犠牲者
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――――――――――――――――
残り時間――3時間19分
残りデストラップ――2個
残り生存者――3名
死亡者――6名
重体によるゲーム参加不能者――4名
――――――――――――――――
一歩一歩ゆっくりとスオウたちのもとに近付いてくる瑛斗。
「…………」
スオウはその場から一歩も動かずに、瑛斗の姿を凝視し続けた。
炎を背にした瑛斗が、スオウの目にもはっきりと分るくらいの距離まで近付いてきた。
頭から大量の出血をしているのか、右顔面が真っ赤な血で染まっている。髪はぼさぼさで、一部火で燃えたようにチリチリになった箇所がある。だらりと垂らした右手の先からは、赤いしずくが地面に滴り落ちている。服はところどころ切り裂かれており、遠目にも白いと分かる肌が露出していた。気弱な青年の面影は一切留めておらず、そこにいるのは人の姿をした異形の生物としか思えなかった。
炎が燃える音に混じって、病棟が少しずつ崩れていく音がする。さきほどの車の衝突と爆発によって、さらに建物の崩壊が早まったみたいだ。
「……ぎげだくて……ぎいん……でぐが……?」
喉に怪我を負ったのか、瑛斗が異形の声を発した。逃げなくていいんですか、と言ったらしい。
「――イツカ、きみは先に逃げるんだ」
スオウは杖代わりにしていた鉄パイプを、今度は武器として構えなおした。体中の痛みに顔を大きく歪ませながら、それでも瑛斗と対峙する。
「でも、スオウ君……その体じゃ……」
「いいから、早く行くんだ!」
「スオウ君……」
「こうなったら、おれが……おれが……やつの息の根を必ず止めてみせる!」
スオウは背後を振り向いて、今にも泣きそうな表情を浮かべるイツカにそっと微笑みかけた。瓜生の笑顔には敵わないかもしれないが、とびっきりの笑顔をみせたつもりだ。
「――分かった……。でも、スオウ君、絶対に負けないでよ!」
イツカが涙の浮かんだ目で必死に訴えかけてきた。
「ああ、もちろんさ」
「負けたら許さないからね」
「ああ――」
イツカの目を見つめたまま、大きくうなずいてみせた。
イツカがゆっくりと後方に下がっていく。
スオウは瑛斗の方に向き直った。瑛斗もこちらをにらみつけている。
強風の吹き荒れる音と、遠くで届き渡る雷の音。
クライマックスを彩る舞台装置はすべて整った。
あとは、どちらが勝利を掴むか――。
銃で撃たれた左肩甲骨。車にぶつかった右わき腹。他にもあちこちにスオウは擦り傷を負っている。もはや満身創痍といってもいい状態だ。正直、自分の体があとどれだけもつのか分らない。それでも、ここで決めなくてはならない。
たったひとりの妹を助ける為にも!
スオウは鉄パイプを強く握り締めた。この武器だけが唯一の頼りである。
「おりゃあああーーーっ!」
自らを鼓舞すように声を張り上げて、自ら瑛斗に向かっていった。
走れる体ではない。早足程度のスピードだった。それでも瑛斗に向かって突き進んでいく。
右腕を大きく横に振りかぶり、鉄パイプを構える。
瑛斗は構えを取らずに、ただスオウに向かって歩いてくるだけだった。
二人がお互いの間合いに入った。
スオウは鉄パイプを持った右手を力いっぱいに振るった。この一撃にすべてをかけたつもりだ。今の体力ではもう二撃目は繰り出せそうにない。
狙いは瑛斗の左側頭部――。
殺すつもりはなかった。瑛斗を戦えなくさせるだけでいい。
狙い違わず、鉄パイプが瑛斗の左側頭部に吸い込まれていく。
勝った!
そう確信した。スピードも威力も死なない程度に手加減したが、この一撃を受けて立っていられるはずがない。
だが――。
瑛斗は鉄パイプを受けながら、平然とそこに立っていた。スオウが驚愕の表情を浮かべるのに対して、瑛斗は不気味に口元を歪めただけである。笑みを浮かべたのだ。
「お、お、おまえ……本当に……死、死、、死神……なのか……?」
「じげっ(死ねっ)!」
瑛斗の左手が光の速さで動いた。手元がきらりと光るのが見て取れた。炎のきらめきを浮かべたガラスの切っ先が、スオウの腹に吸い込まれていく。瑛斗は割れた車のガラスの破片を握っていたのだ。
「ぐごっ……ぶぐぅ……」
スオウの口から呻き声が漏れ出る。堪らず、瑛斗の体を力の限り押し返した。
瑛斗が数メートル後方に押しやられて、その勢いのまま地面にひっくり返った。
スオウはその場で地面にしゃがみこんだ。激痛がはしる腹を押さえた左手がたちまち血で濡れていく。
強風がさらに荒れ狂い、スオウの髪が強く引っ張られる。遠くで聞こえていた雷の音が、すぐ近くで聞こえる。
死闘を繰り広げる二人のもとに、いよいよ嵐が近付きつつあった。
嵐の中、先に立ち上がったのは瑛斗だった。死神のごとき生命力で復活する。
スオウは右手に握り締めた鉄パイプに全体重を預けて立ち上がろうとしたが、その力がもうなかった。膝を付いたままの姿勢で、瑛斗に視線だけ飛ばす。視線の先には死神の顔をした瑛斗がいる。
ここまでか……。ここでもう限界か……。
諦めかけたそのとき、病院のすぐ近くで空から地上目掛けて光が走り抜けた。数秒後、大音量の雷鳴が轟いた。
唐突に中学校で習った理科の学習内容を思い出した。
光の速さは秒速約30万キロメートル。
音の速さは秒速約340メートル。
だから雷の光を見て、一秒後に雷の音が聞こえた場合、観測者がいる地点から340メートル先で落雷があったという計算になる。
だとしたら、さっきの落雷の音から計算すると――。
スオウはわずかばかりの勝機を見出した。それはもはや賭けともいえる大勝負だった。だが、それ以外の策はもうない。
だったら、おれの命を全部懸けてやるぜっ!
鉄パイプを持った右手を槍投げ選手のように構えた。
「いけええええええぇぇぇぇーーーーーーーーーーーっ!」
ありったけの声で叫ぶ。そして、最後の力を振り絞って鉄パイプを瑛斗に向けて投げ付けた。
――――――――――――――――
立ち上がれもしないガキが喚きながら鉄パイプを投げ付けてきた。
ボクのことを鉄パイプで串刺しにでもするつもりかなあ?
ほとんど力の込められていない鉄パイプは、瑛斗の体に届く前に失速して、地面に落ちた。そのまま瑛斗の足元にカラコロと転がってくる。
「ざんぜんでじだ……(残念でした……)」
声にはならないざらざら声で言った。
ボクが正しい鉄パイプの使い方を教えてあげるよ。この場合、鉄パイプは投げるんじゃなくて、相手に接近して、心臓あたりをブッ刺せばいいだけだよ。今からボクが実践してあげるよ。
キミの体を使ってね――。
瑛斗は怪我をしていない左手で鉄パイプを拾い上げた。勝利を確信したように、鉄パイプを持った左手を大きく頭上に掲げる。
さあ、ひと突きで殺してあげるよ!
――――――――――――――――
瑛斗が頭上に手を上げたポーズをとったとき、スオウは勝利を確信した。
瑛斗に届かないと分っていながら鉄パイプを投げたのはわざとだった。
勇ましく声を張り上げたのは、鉄パイプに瑛斗の気を向かせるための『ブラフ』だった。
スオウの予想通り瑛斗は鉄パイプを拾った。
後は『そのとき』を待つだけだ。
数メートルの距離で対峙しあう二人。両者ともに勝利を確信している。しかし、勝ち残るのはただひとりだけである。
一陣の突風が両者の間を走り抜けていく。
風のあとに、突然、それはやってきた。
白い閃光が地面に落ちた。ほぼ同時に、魂すら揺さぶる雷鳴が轟き渡る。
勝負は一瞬でついていた。
「今度こそ……今度こそ……本当に……やった、よな……?」
スオウの視線の先には、地面に横たわる瑛斗の姿があった。服のあちこちから白煙が立ち上っている。服の一部が燃えているのだ。
スオウは雷の音を聞いたとき、それが落雷を示すデストラップの前兆であると予想した。
果たして、それは見事に当たった。 瑛斗が頭上に掲げた鉄パイプに雷が落ちたのである。
「もう……二度と……二度と、起き上がって……くる、なよ……」
スオウはゆっくりと地面に倒れこんでいった。
残り時間――3時間19分
残りデストラップ――2個
残り生存者――3名
死亡者――6名
重体によるゲーム参加不能者――4名
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一歩一歩ゆっくりとスオウたちのもとに近付いてくる瑛斗。
「…………」
スオウはその場から一歩も動かずに、瑛斗の姿を凝視し続けた。
炎を背にした瑛斗が、スオウの目にもはっきりと分るくらいの距離まで近付いてきた。
頭から大量の出血をしているのか、右顔面が真っ赤な血で染まっている。髪はぼさぼさで、一部火で燃えたようにチリチリになった箇所がある。だらりと垂らした右手の先からは、赤いしずくが地面に滴り落ちている。服はところどころ切り裂かれており、遠目にも白いと分かる肌が露出していた。気弱な青年の面影は一切留めておらず、そこにいるのは人の姿をした異形の生物としか思えなかった。
炎が燃える音に混じって、病棟が少しずつ崩れていく音がする。さきほどの車の衝突と爆発によって、さらに建物の崩壊が早まったみたいだ。
「……ぎげだくて……ぎいん……でぐが……?」
喉に怪我を負ったのか、瑛斗が異形の声を発した。逃げなくていいんですか、と言ったらしい。
「――イツカ、きみは先に逃げるんだ」
スオウは杖代わりにしていた鉄パイプを、今度は武器として構えなおした。体中の痛みに顔を大きく歪ませながら、それでも瑛斗と対峙する。
「でも、スオウ君……その体じゃ……」
「いいから、早く行くんだ!」
「スオウ君……」
「こうなったら、おれが……おれが……やつの息の根を必ず止めてみせる!」
スオウは背後を振り向いて、今にも泣きそうな表情を浮かべるイツカにそっと微笑みかけた。瓜生の笑顔には敵わないかもしれないが、とびっきりの笑顔をみせたつもりだ。
「――分かった……。でも、スオウ君、絶対に負けないでよ!」
イツカが涙の浮かんだ目で必死に訴えかけてきた。
「ああ、もちろんさ」
「負けたら許さないからね」
「ああ――」
イツカの目を見つめたまま、大きくうなずいてみせた。
イツカがゆっくりと後方に下がっていく。
スオウは瑛斗の方に向き直った。瑛斗もこちらをにらみつけている。
強風の吹き荒れる音と、遠くで届き渡る雷の音。
クライマックスを彩る舞台装置はすべて整った。
あとは、どちらが勝利を掴むか――。
銃で撃たれた左肩甲骨。車にぶつかった右わき腹。他にもあちこちにスオウは擦り傷を負っている。もはや満身創痍といってもいい状態だ。正直、自分の体があとどれだけもつのか分らない。それでも、ここで決めなくてはならない。
たったひとりの妹を助ける為にも!
スオウは鉄パイプを強く握り締めた。この武器だけが唯一の頼りである。
「おりゃあああーーーっ!」
自らを鼓舞すように声を張り上げて、自ら瑛斗に向かっていった。
走れる体ではない。早足程度のスピードだった。それでも瑛斗に向かって突き進んでいく。
右腕を大きく横に振りかぶり、鉄パイプを構える。
瑛斗は構えを取らずに、ただスオウに向かって歩いてくるだけだった。
二人がお互いの間合いに入った。
スオウは鉄パイプを持った右手を力いっぱいに振るった。この一撃にすべてをかけたつもりだ。今の体力ではもう二撃目は繰り出せそうにない。
狙いは瑛斗の左側頭部――。
殺すつもりはなかった。瑛斗を戦えなくさせるだけでいい。
狙い違わず、鉄パイプが瑛斗の左側頭部に吸い込まれていく。
勝った!
そう確信した。スピードも威力も死なない程度に手加減したが、この一撃を受けて立っていられるはずがない。
だが――。
瑛斗は鉄パイプを受けながら、平然とそこに立っていた。スオウが驚愕の表情を浮かべるのに対して、瑛斗は不気味に口元を歪めただけである。笑みを浮かべたのだ。
「お、お、おまえ……本当に……死、死、、死神……なのか……?」
「じげっ(死ねっ)!」
瑛斗の左手が光の速さで動いた。手元がきらりと光るのが見て取れた。炎のきらめきを浮かべたガラスの切っ先が、スオウの腹に吸い込まれていく。瑛斗は割れた車のガラスの破片を握っていたのだ。
「ぐごっ……ぶぐぅ……」
スオウの口から呻き声が漏れ出る。堪らず、瑛斗の体を力の限り押し返した。
瑛斗が数メートル後方に押しやられて、その勢いのまま地面にひっくり返った。
スオウはその場で地面にしゃがみこんだ。激痛がはしる腹を押さえた左手がたちまち血で濡れていく。
強風がさらに荒れ狂い、スオウの髪が強く引っ張られる。遠くで聞こえていた雷の音が、すぐ近くで聞こえる。
死闘を繰り広げる二人のもとに、いよいよ嵐が近付きつつあった。
嵐の中、先に立ち上がったのは瑛斗だった。死神のごとき生命力で復活する。
スオウは右手に握り締めた鉄パイプに全体重を預けて立ち上がろうとしたが、その力がもうなかった。膝を付いたままの姿勢で、瑛斗に視線だけ飛ばす。視線の先には死神の顔をした瑛斗がいる。
ここまでか……。ここでもう限界か……。
諦めかけたそのとき、病院のすぐ近くで空から地上目掛けて光が走り抜けた。数秒後、大音量の雷鳴が轟いた。
唐突に中学校で習った理科の学習内容を思い出した。
光の速さは秒速約30万キロメートル。
音の速さは秒速約340メートル。
だから雷の光を見て、一秒後に雷の音が聞こえた場合、観測者がいる地点から340メートル先で落雷があったという計算になる。
だとしたら、さっきの落雷の音から計算すると――。
スオウはわずかばかりの勝機を見出した。それはもはや賭けともいえる大勝負だった。だが、それ以外の策はもうない。
だったら、おれの命を全部懸けてやるぜっ!
鉄パイプを持った右手を槍投げ選手のように構えた。
「いけええええええぇぇぇぇーーーーーーーーーーーっ!」
ありったけの声で叫ぶ。そして、最後の力を振り絞って鉄パイプを瑛斗に向けて投げ付けた。
――――――――――――――――
立ち上がれもしないガキが喚きながら鉄パイプを投げ付けてきた。
ボクのことを鉄パイプで串刺しにでもするつもりかなあ?
ほとんど力の込められていない鉄パイプは、瑛斗の体に届く前に失速して、地面に落ちた。そのまま瑛斗の足元にカラコロと転がってくる。
「ざんぜんでじだ……(残念でした……)」
声にはならないざらざら声で言った。
ボクが正しい鉄パイプの使い方を教えてあげるよ。この場合、鉄パイプは投げるんじゃなくて、相手に接近して、心臓あたりをブッ刺せばいいだけだよ。今からボクが実践してあげるよ。
キミの体を使ってね――。
瑛斗は怪我をしていない左手で鉄パイプを拾い上げた。勝利を確信したように、鉄パイプを持った左手を大きく頭上に掲げる。
さあ、ひと突きで殺してあげるよ!
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瑛斗が頭上に手を上げたポーズをとったとき、スオウは勝利を確信した。
瑛斗に届かないと分っていながら鉄パイプを投げたのはわざとだった。
勇ましく声を張り上げたのは、鉄パイプに瑛斗の気を向かせるための『ブラフ』だった。
スオウの予想通り瑛斗は鉄パイプを拾った。
後は『そのとき』を待つだけだ。
数メートルの距離で対峙しあう二人。両者ともに勝利を確信している。しかし、勝ち残るのはただひとりだけである。
一陣の突風が両者の間を走り抜けていく。
風のあとに、突然、それはやってきた。
白い閃光が地面に落ちた。ほぼ同時に、魂すら揺さぶる雷鳴が轟き渡る。
勝負は一瞬でついていた。
「今度こそ……今度こそ……本当に……やった、よな……?」
スオウの視線の先には、地面に横たわる瑛斗の姿があった。服のあちこちから白煙が立ち上っている。服の一部が燃えているのだ。
スオウは雷の音を聞いたとき、それが落雷を示すデストラップの前兆であると予想した。
果たして、それは見事に当たった。 瑛斗が頭上に掲げた鉄パイプに雷が落ちたのである。
「もう……二度と……二度と、起き上がって……くる、なよ……」
スオウはゆっくりと地面に倒れこんでいった。
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