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しおりを挟む無事(?)ヘンリー様の婚約者になりました。
その都合で出ることになるお茶会はハッキリ言って苦痛だ。
皆、侯爵令息の婚約者がどんな人なのか気になるのだ。十歳だからお茶会ぐらい月1でやっていたが最近週1のペースになってきててお金が気になる。お金足りる?
ヘンリー様はめっちゃ頻繁に遊びに来る。週2ペース。
お父様はよくやったと誉めてきて十歳児に言うなと思ったけど、笑うだけでとどめておいた。
「(本当に貴族だな~お父様は)」
思考が欲にまみれてるよ。どうでもいいけど悪いことはしないでよね?
そんなこんなで今日も馬車に揺られています。乗り心地は普通。
今日はカテリーナ様の家主催のお茶会だ。カテリーナ様とはヒーロー(王太子)と主人公(男爵令嬢)の恋路を邪魔する人……
悪役令嬢だ。
今思うと絶対に主人公がおかしいよ。婚約者が急に自分より身分が下で平凡な容姿をした女子生徒に迫ったら嫌になって当然。しかも男爵令嬢をいじめたぐらいで断罪されるわけないし矛盾だらけだな。違う視点から見ると主人公はあまり好きになれなさそう。
お茶会が始まってさっそく一人の女の子がお話を始める。どうでもいい話でも驚いたようにしたり、相づちをうったりした。
相手を良い気持ちにさせるのは得意なんだ。
楽な友達付き合いだ。
皆が喋りづらそうな顔をしているのは無言で無表情で話を聞いているカテリーナ様が気になる……というより気まずいからだろう。
「すみません、少しお花を摘みに」
彼女の一言で皆がホッと息をついたのが少しイラつく。彼女の気持ちを何も気遣っていないのだから。
彼女が少し気になって席を立ち上がる。
「すみません、私も少し……」
彼女の後を追うように席を離れて歩き始める。カテリーナ様が居なくなるとホッとして私が居なくなると悲しそうにする様子に腹がたってどうにかなりそうだった。
既に彼女はいなくて庭園を歩いて探す。美しい薔薇が咲き誇っている庭園の隅で薔薇のように美しい少女は泣いていた。
赤い薔薇と彼女の瞳は同じ色をしていて神秘的に見えた。その瞳からは大粒の涙を流していてそれが更に彼女の美しさを引き立たせてるように見えた。
「……貴方はメリー様…」
「はい、カテリーナ様。なぜ泣いておられるのですか?」
模範解答みたいに聞き返す。それしか返答のしかたがなかったから。
私の質問に更に涙を流して嗚咽を交えて話を始める。
「わたし、ひとのまえ、たつ、と、きんちょ、して、」
「ひど、い、たいど、になっちゃっ、て、ロイドさまにも、きらわれちゃって、」
つまり緊張して好きな人に嫌われちゃうってこと?可哀想すぎじゃない?
王太子は好きになれなさそう。
「きっと王太子殿下も嫌っていませんよ。話をしたらきっと分かっていただけます」
だってこんな可愛い女の子を無条件に嫌うわけないじゃん。しかも良い子なのにそれに気づけない王太子が悪い。
「泣かないで下さい。そして私と友達になってくれませんか?」
この子が悪意に晒されるのが嫌だ。だから私が守ろう。この悪役令嬢には幸せになってほしいと思ったから。私の言われた言葉に満面の笑みを浮かべた彼女を見てそんなことを考えた。
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